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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
横隔膜緊張症という仮説

 

またまた大変お待たせしました。

筋肉が緊張して固くなる 話の続き です。

前回お話ししてからも、なぜ起きるのか、ず〜っとわからなかったのですが、

最近1〜2カ月で、上のタイトルの状態が起こっているのでは?と考えるようになった 

というお話をします。

 

この場合の“筋肉が緊張して固くなる”とは、

炎症で起こるものではありません。

筋肉を使いすぎて起きる筋肉痛は、筋肉が一部壊れて炎症を起こすことで生じます。

適度に安静や、クールダウンで筋肉を動かしてゆくことで、回復してゆきます。

ただし、普通の筋肉痛でも、安静にしているつもりで、筋肉が緊張していると、回復が遅れて、慢性的な痛みになります。

スポーツ選手が、激しく運動をして筋肉を傷めた後、安静時にスマホゲームを長時間し続けたりすると、安静にしている筋肉が緊張してしまって、回復が非常に遅れる などです。

 

この 筋肉が緊張して固くなる状態 になると、

軽いうちは、はじめは、普通の痛み止めや、一般に整形外科医で使用する筋肉の弛緩剤が効きますが、ある程度進行する、月日が経過する と、効果が出なくなります。

一般的な痛み止めは、炎症を抑えて痛みを取る作用 だからです。

 

この筋肉の緊張は、脳からの指令 が関与すると考えます。筋肉を動かす、支配するのは、運動神経で、脳からの指令で動きます。脳が緊張していると、筋肉も緊張します。したがって、脳へのストレス、不安や、いらいら、などが影響します。また、運動神経は、自律神経の一つである交感神経の影響をうけます。交感神経が緊張していると、運動神経も緊張して、筋肉が緊張します。自律神経は、自分ではコントロールできない神経です。そのうち、交感神経は脈を速くして、筋肉の血流量を増やし、有事に対応するように緊張させる神経です。神経の通り道にあり、運動神経に影響を与えている と考えてください。

一般の筋肉の緊張を取る弛緩剤も、そこまで作用しないので、効果が出なくなります。

 

交通事故などで、最初は首周囲だけの痛みだったのだが、次第に背中から腰まで痛くなる方がいます。後から痛みが出てくる、痛みが増す、痛む範囲が広がる、です。

なぜこうなるか わからなかったのですが、身体の中心の横隔膜が緊張している と考えると、説明がつきそうです。

 

横隔膜は、膜と書きますが、実際は、筋肉で膜が構成されています。

この膜が痙攣すると、しゃっくり が起こります。

この膜が緩むと、胃や食道が肺の方に出てきてしまう、ヘルニアを起こします。

横隔膜が、では緊張してつっぱる感じになると、

そんな病気は、記載がありません。

でも、起こってもおかしくないはずです。

 

横隔膜は胃や肝臓のすぐ上にあり、肺や、心臓のすぐ下にあります。前は、腹筋へ後ろは脊柱や背筋へつながっています。

これだけの範囲にある、膜状の筋肉が緊張するのですから、

後ろの部分へは、背部痛、肩こり、腰痛、首痛、頭痛も起こります。私も実際、胃の透視で嫌なバリウムを飲んだ後、おなかが張って、気持ち悪く、頭痛を起こした経験があります。今思うと胃が膨らんで横隔膜が緊張した症状と考えます。

前の部分への影響は胃の運動障害、胃痛、肝臓への影響、胆汁うっ滞、腹筋の緊張などが考えられます。

心臓や肺への影響は、動悸、不整脈、呼吸苦、咳など、

また、もっと上へは、胸がつかえて苦しい、のどが詰まる などの症状です。私も精神的に追い詰められて、胸がつかえて苦しくなったことがあります。これも今思うと、横隔膜の緊張した状態と考えます。

また

もっと下へは、

横隔膜の裏側に、腹腔神経節という、交感神経がへばりついています。

この交感神経が緊張すると、おなかの症状、便秘、下痢、さらに腰痛から、下肢痛まで起こり得ます。

続いてしまうと、自律神経がすべて乱れる可能性があるのです。

吐き気、動悸、冷えのぼせ や

さらに進行すると、精神不安や、うつと同じ症状が出るでしょう。

逆のこともあるでしょう。

うつ病や、精神不安、で脳の緊張が続いていると、横隔膜が緊張して、上に述べたいろいろな症状が加わってくる可能性があります。

心身症、更年期障害、あるいは診断がつかない精神疾患 など といろいろ診断名がつく可能性があります。

心筋梗塞などの疾患でも、この膜が緊張するといろいろな症状が出るはずです。

心筋梗塞=胸の痛み ではないという事です。

 

先程、腰から下肢の痛み

と書きましたが、

MRI検査などで説明がつかない強い下肢痛 はこの状態が加わっている と考えます。

圧迫されている箇所があるのですが、それでは説明付かないような強い下肢痛、圧迫されている反対側の下肢に痛みが出る などです。

MRI検査では、脊椎の中の神経の通り道=脊柱管の部分で神経が圧迫されているかどうか しかわかりません。

しかし、下肢へ行く神経は脊柱管を出た後も、大腰筋という筋肉の中を通り、仙腸関節の下の部分をかすめて、殿筋(お尻の筋肉)の中を通ります。以前は、その仙腸関節が原因 と記載しましたが、仙腸関節自体を注射で痛みをブロックしても改善が悪い方も多く、そのような方は、大腰筋や殿筋など、神経周囲の筋肉が緊張して痛みを出している と考えた方がよさそうです。

横隔膜の緊張は、腹腔交感神経を介して、これらの筋肉までも緊張させている と考えます。

さらには、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアで下肢全体が固くなってしまう状態も、この状態が、関与している と考えます。

そしてこの状態が起こっていると、治りが遅くなる と考えます。

 

腰痛に効く ドローイングは、横隔膜の緊張を取る方法だ。

 

おなかを大きく膨らませて、大きくへこませる 腹筋の運動のドローイングが、腰痛の予防や改善になる と言われています。詳細は、インターネットで検索できますので、そちらに任せます。これは腹式呼吸を大きくゆっくり行っていることですから、横隔膜を運動させて、緊張を緩める ということに他なりません。

他の呼吸法(例えばヨガ)も、同じことで、これらの呼吸法で体調がよくなることも、深呼吸で、気持ちが落ち着くことも、同じことと考えます。

 

腹部の筋肉の緊張は、西洋医学では説明のつかない漢方の治療で診断の根拠になっている。

 

これも、横隔膜の緊張の現れの一つ と考えると、今まで述べてきた胃腸、呼吸器系、心臓などのいろいろな症状で、西洋医学では検査で異常なしと言われている=未病の説明がつきます。

現に、腹部の緊張に効果のある漢方が背中の痛みに効くことがあります。

大まかに述べます。

上部腹筋が固い方に使う柴胡(さいこ)剤、胃腸の弱い方に使う桂皮(けいひ=けいし)剤、胸、のどのつかえに使う半夏(はんげ)剤=半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が有名

など が代表例です。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は筋肉のつりに使う薬で知られてきていますね。

芍薬(しゃくやく)は、筋肉のけいれんを抑える作用があり、甘草(かんぞう)は肺に働くと咳を鎮め、腸には働きを整える作用があります。

これらの成分が入った漢方が効く可能性があります。

当帰湯(とうきとう)という薬は、腹痛に使いますが、背中の痛みにも効くことがあります。

半夏、桂皮、芍薬、甘草が入っています。

柴胡桂枝湯も心窩部痛に使いますが、背中の痛みも取ります。

柴胡、桂皮、半夏、芍薬、甘草が入っています。

柴胡桂枝乾姜湯、柴胡加竜骨牡蛎湯なども同類です。

他に、建中湯(大建中湯はのぞく)には、桂皮、芍薬、甘草が、四逆散には、柴胡、芍薬、甘草が入っていて、このような横隔膜の緊張による諸症状に効く可能性があるのです。

 

治療の話をさらに加えます。

 

炎症を抑えて痛みを抑える薬より、炎症を抑える作用は強くなく、直接、痛みを抑える作用がある薬が効く

 

アセトアミノフェン=カロナールはお子さんでも飲める薬ですが、炎症を取る作用は強くなく、量も多く飲む必要がありますが、直接、頭で痛みを抑える作用があり、効果が期待できます。ソレトン=ザクロプロフェンも炎症を取る作用が弱い割に、痛みを抑える作用が強い印象です。

 

筋肉の緊張を取ると同時に脳へのストレスを減らす薬が効く

 

デパス=エチゾラムは、脳で不安やストレスを気にならなくする作用と同時に筋肉の緊張も抑えます。効果が期待できます。

 

うつに効く?という胃薬

 

セルベックス=テプレノンという胃薬は、うつ症状に効くというインターネット上に記載があります が、そのような薬効は、どこにも記載がありません。横隔膜の緊張を取る作用があり、それによるうつ症状が改善するのではないか と勝手に考えています。効果が期待できます。

 

他に脳に作用して効果が期待できる、比較的飲みやすい薬

 

リリカ=プレガバリンは、痛みを伝える神経をブロックする薬ですが、脳の中にも作用するため、効果が期待できます。

リボトリール=クロナゼパムは、痙攣を抑えるときに使う比較的弱い方の薬ですが、セルシン=ジアゼパムの仲間で鎮静作用があり、筋肉の緊張を取る作用で、効果が期待できます。

 

これらの飲み薬を組み合わせて飲まれると、症状が抑えられる方がかなりいる

という事が解ってきました。

 

注射もOKという方は、以下を加えます。

 

アルプロスタジル=プロスタグランディン E1 という静脈注射薬は、血管を広げて筋肉の血流量をあげる作用と、交感神経をブロックする作用で、効果が期待できます。特に、下肢が固くて、前に出にくくて、歩きにくい方には、有効です。

残念ながら、健康保険では連日静脈投与が原則で、本数制限(20本ぐらい)があります。しかし、埼玉県では連日ではなく、週2回以上なら認められています。(=週1回の投与ではだめです)

 

他に

 

硬膜外ブロックや、星状神経節ブロックも交感神経をブロックすること、筋肉の血流量を増やしますので、有効例が多いです。

 

副腎皮質ホルモン=ステロイド剤は、炎症を強く抑えますが、抗ストレス効果があるホルモンです。この病気の方はストレスにさらされて抗ストレスホルモンがうまく作用していないと考えると、この注射は効果が出ます。

健康保険の適応は、関節内注射ですが、ブロックに加えて打つことも可能です。

 

以上の組み合わせで、治療を行っています。

 

肩関節の周囲の筋肉が固くなって、動きが悪くなるのが、五十肩です。注射薬も含めて、以上の薬が効く方もいますが、まだまだ改善は悪いです。

交通事故後の、痛みが出る、広がる方には、有効例が多いです。

 

治療まで、大まかに述べましたが、まだまだ分かっていないことが多い現状です。

 


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| 痛み | 07:36 | - | - | - | - |
筋緊張性障害という病名がありました!!が・・・・・・

 

またまたお持たせしました。

前回は

筋肉が固くなって、関節や、背骨の動きが悪くなってしまう 原因不明の状態=病気?があるというお話しでした。

今回はそのまとめと+αのお話しです。

パーキンソン病では、顔の表情が乏しくなる、手が震えるなどの他の症状が加わります。

副腎皮質機能不全という病気もあります。副腎皮質からコルチゾール(ステロイド)の出が悪くなると筋肉の炎症が治まりにくく、筋肉痛が残って動きにくくなることがあります。が、だるい、気持ち悪いなどの他の症状が加わります。

あくまでも、これらのような加わった症状はなく、痛い、動きづらい、以外は、いたって他は元気な状態で、進行して動けなくなることはない状態の時の話です。

 

五十肩は、肩関節に腱板の損傷や炎症があっても、明らかな原因がなくても、痛いので動かさないのでいたら、肩があまり動かなくなってしまう病気です。

首では、首が曲がって固定してしまう痙性斜頸という病気があります。

腰では、腰が左か右に傾いてしまう方がいます。側弯症がなくてもです。

股関節では股関節の動きが悪くなり、腰や股関節に痛みが出ます。

腰部脊柱管狭窄症では、歩くと痛みが出て歩けなくなってきますが、下肢の筋肉全体が固くなって、さらに動きが悪くなる方がいます。明らかな脊柱管狭窄症がなくても、下肢全体が固くなって歩けなくなる方もいます。腰椎椎間板ヘルニアの方も痛い側の下肢の筋肉が固くなる方がいます。

交通事故では、動かすと痛いので動かさないでいると首が動かなくなる、次第に肩関節も動かなくなる(=五十肩と同じになる)方がいます。

線維筋痛症という病名があります。こちらも原因不明で、全身の筋肉痛と圧痛が診断基準ですが、この中にも動かすと筋肉痛が出て、動きが悪くなる方がいてもおかしくありません。

 

これらの状態=病気?は、原因があっても、原因がなくても(=原因が不明でも)筋肉が緊張して動きが悪くなる状態です。しかも、動かなくなってしまう原因も不明です。 

この状態を 筋緊張異常症 といわせていただきました。この病名はどこにも記載がありません。ですが、健康保険の請求をするときに使用できる病名のリストの中に、筋緊張性障害という病名がありました。この病名は先天的に筋肉が固くなる、筋肉が固くなってどんどん進行する“まれ”な病気を言うのですが、障害という言葉はあいまいなので、少しでも筋肉が固くなる傾向があれば、使っても良いしこの状態に入るのではないか と考えられますので、最初に紹介させていただきました。

 

 

この状態がある事を念頭に治療を行っていくうち、さらにわかかってきたことがありますので、述べてみます。

決してまれなことではなく、誰にでも起こりうる状態です。

まず初期の症状です。

最初は、

動かしたときに痛みが出る です。

当たり前の症状ですね。

そして次第に痛みが強くなってきます。痛みが楽になってくる時は大丈夫です。

痛みが強くなってきている方で、

動かして痛みが出るので、痛みが来ないように動かさないでじっとしている と、数日から、1,2週で動かなくなる状態に陥ります。

ただし、動かなくなる まで進む方はごくわずかです。

動かなくなってしまうのではなく、動く範囲(=可動域)が制限される

方が多く診られます。

また、たいていの方は、動かないといけない状況ですので、

動かして痛みが出る ことが 2〜4週経っても、さらには、3,4カ月たっても、ちっともよくならない という症状です。

 

これでは

すべての痛みがそうではないかと思われてしまうので、

症状をもう少し詳しく述べます。

首腰肩肘などは、あらゆる方向に動かしたときに痛みが出る です。

首、背中、腰は、前後屈、側屈、捻ると、痛みが出る状態です。

首で上を向いたとき、斜め上を向いたときだけ痛みが出る、上肢に痛みが走る は頚椎の椎間板ヘルニアの可能性があります。

腰で、前屈した時だけ、後ろにそらした時だけ痛みが出る、下肢に痛みが走る は腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。

座っていると痛い、起きるとき痛い、歩くと痛い、前かがみの作業で痛い、物を持つと痛い 疲れがたまると痛くなる ではありません。

肘、肩などの上肢も、物を持つと痛い、使うと痛い、ではありません。 

股関節、膝などの下肢は、上向きで寝ている状態で、動かしたときに痛みが出ます。

歩いて痛い、階段歩行で痛い しゃがむと痛い ではありません。

 

動かして痛いので、動かそうとすると、筋肉が緊張して動こうとすることに抵抗する状態 になっています。

日数がたってやや動きが悪くなって 固くなっている と自覚する方もいます。

そして動かして痛いのは、関節や背骨そのもの ではなく、周囲を支える筋肉 と考えます。

五十肩は、動かして痛いので、上肢全体に力が入って、動かすときに肘まで固くなる。前回述べましたね。

→動かして痛い関節がある +周囲の筋肉に痛みが出ている=痛みが上下に広がってきている ときは要注意です。

 

★動かして痛いのですが、関節の炎症でもなく、筋肉の炎症でもありません。

→いわゆる炎症を抑えて痛みを取る=消炎鎮痛剤の痛み止め の効果があまりありません。

痛みはある程度治まりますが、痛みがなくなって楽に動くようになるところまで改善しません。

 

★筋肉は、脳からの指令で神経を伝わって動きます。筋肉が緊張するのも脳からの指令 と考えてください。

したがって、脳に悪く影響するもの、いらいら、緊張、ストレス、嫌なことが続く、交通事故でこうなったという被害者意識 治らないのではないかという恐れ 注射が怖いなどの痛みの対する恐怖感 など、すべて悪い方向に働きます。

まさに、痛みは気から です。

 

★原因がはっきりしている頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアでも、腰部脊柱管狭窄症の方でも、筋肉が固くなって動きづらくなっている方が、なかなか改善しない と考えます。

 

痛みを恐れずに動かしてよい のです。

動かすな! は、炎症が強い病気、腫れて熱を持つ関節炎、化膿や、骨折などの外傷の、ほんの初期の2,3日です。

後から出てきた痛みのときは、動かしてはいけない は間違い と思ってください。

 

もちろん、動かし方は、あります。

無理にぐいぐい動かす は悪化します。

 

次の3つの動かし方が必要です。

 

1、痛みが強くならないように、ゆっくり動かす。

痛くても、ゆっくり大きく動かす。

痛い方向にも少し位痛くても動かします。つらい時は痛くない方向=反対方向に動かしてから、痛い方向に動かします。動かすと痛いが、動きがあまり悪くなっていない方は、しょっちゅうストレッチや体操をする感じになります。

この運動により、痛みに慣らす ことで、痛の感じ方を減らします。

アレルギーの方が、アレルギーの原因物質に少しずつ慣らして改善するのと同じです。

 

2、物事に集中してじっとしていること、同じ姿勢を保つことは、筋肉が緊張します。固くならないように、じっとしていないことです。しょっちゅうあるいは常に、ゆすったり、ほぐしたり、伸びをしたり、もじもじしたり、とにかく小さく動いていることです。

もじもじ動けない時は、身体を傾ける、首、上肢下肢の位置を変える など、負荷のかけ方を少しずつでも変えてゆくことです。とにかくゆっくりでもポジションを変えてください。

 スポーツ選手が、激しく筋肉を使った後、ゆっくり休む方がよいと思って、じっとしている これもだめです。同じ姿勢でスマホでゲームをしていたりすると、脳が緊張して、筋肉が緊張し、筋肉の疲労が取れません。

 

3、筋肉を力を入れずに動かす ことです。

軽くストレッチをする。軽く運動をする。とにかく力を入れないような運動は筋肉の血流量が増え、筋肉が柔らかくなりますし、関節液の流れも良くなり、動きはよくなります。

ヨガはうまく行うとよい効果がある方が多いです。

交通事故で後から痛みが出た方で、走ったら楽になった方がいます。動かして痛みがでていた首や肩が、動かしても痛くなくなってきました。しかし、自転車を漕いだらつらくなりました。ハンドルを持つと、上半身が緊張するためです。しかし、どんどん運動するうちに、自転車に乗ってもつらくなくなり、治りました。

 

筋肉の血流量を上げると、筋肉が柔らかくなる

のですから、お風呂で温めることはよいことになります。

そのあとシップを貼っても良いです。冷やすのではないかと思う方が多いのですが、湿布は冷やす作用はさほど強くありません。温めた後、冷やす を繰り返すことは血流がよくなって回復を早めます。温冷浴という治療があるくらいです。温めるのは全身 冷やすのは局部 と考えてください。

 

これらが、筋肉固くならないようにするための、自分で行う治療です。

すでに固くなっている方は、ほとんど動かなくても 1 を来る日も来る日も真剣に行ってください。

長引いている方は、とにかく自分でしつこく行わないと、よくなりません。

ただし、いっぺんにやると、多くやり過ぎると、筋肉の痛みが出ます。

少しずつ、毎日毎日、根気よくやることが重要です。

 

((すでに固くなっている状態が長く続いていると、動くようになると逆につらくなることもあります。

膝の悪い方は、動くようになると、動きがよくなって、歩きがよくなって逆に膝に負担がかかって痛みが増すことがあります。動きがよくなっても、大事に使うことが重要です。

上肢も下肢も固い方が、柔らかくなると、動きがよすぎて、痛みが出てくることもあります。

固くなることで痛みが出ないようにバランスを取っている方もいる と考えています。))

 

いよいよ医院で受ける治療の話

 

当院で、筋肉を温めて血流を良くする器械は

マイクロウェーブ(極超短波)の治療器械 です。大きい範囲に当てる、体から放して当てるので、刺激が一番少ない治療です。

 

今までの当院での治療器械で、筋肉を動かす作用のあるものは、

牽引治療 

筋肉をストレッチします。首と腰に行います。

水圧式マッサージベット 

筋肉を叩いて動かして、血流を上げます。全身行うことができます。

プロテック治療

腰を牽引しながら、股関節、骨盤周囲の筋肉を動かしてほぐします。肩も一緒の動かすようにしましたので、上半身にもある程度効果があります。

 

動かす治療 にさらに力を入れてみました。

この目的で導入した新しい器械です。

じっとしていても、筋肉を動かす治療器械です。

GTES =BSES(Belt electrode Skeletal muscle Electrical Stimulation

 腹部、大腿、下腿あるいは足部 にベルト電極をまいて、脚全体に電流を流します。

 EMS(Electrical  Muscle Stimulation)のようにギュっと筋肉を動かして休んで、また動かす 電流の流し方と 常に低周波数でゆするように筋肉を動かす2種類があります。

もともと前者は歩けなくなった方の歩行改善目的で、後者は、むくみや糖尿病などの運動治療目的です。が、ともに筋肉を動かす、ゆすることで、筋肉の緊張を改善する効果があります。また、筋肉疲労や筋肉痛などのクールダウン効果もあります。

下半身用ですが、胸部と上腕、前腕あるいは手にベルトをまくと、上肢にも使用が可能です。

五十肩で動きが悪く、他の治療でなかなか改善が悪い時は、この治療器械が一番効果があるようです。上肢、下肢の骨格筋を動かす治療器械なので、首、背中、腰を動かす作用は弱いのですが、交通事故後の首肩背中腰が痛い方にもよく効く方がいます。

ポラリスカイネ 

こちらは大きめの吸盤を二つ付けて、その間に電流を流して、筋肉を動かします。低周波で動かして休む これを繰り返して、ちょうどEMSと同じように使うことができます。動きの悪い箇所を部分的に治療できますし、GTESは首がほとんど動かないので首にも使うことができます。

一台で、数人同時に治療することが可能です。

 

EMSとは、

シックスパッドやバタフライアブスなど、貼っておけば、電流で腹筋を動かして鍛えて脂肪を燃焼させる コマーシャルでよく見る アレです。筋肉トレーニング以外にも

低周波で筋肉を動かせば、ゆする運動と同じに、筋肉の緊張が取れるのです。

当院に以前からあるトリオ治療器でもできるのですが、通電が安定せず、セッティングに時間がかかったため、ポラリスカイネ というセッティングが楽でEMSと同じ電流を流すことのできる器械を購入しました。 

                                                                                                           

ベットサイドの膝から下を垂らして足首におもりを付けて、

そのまま引っ張ったままにする大腰筋ストレッチ治療も開始しました。

                                                                                            

どんな場合、どの治療がよいのか

大まかな目安を述べます。

体中全身が 固くなる、緊張する、痛い 方は、水圧式マッサージベットです。

少しでも動かすと極端に痛みが出る方は、マイクロウェーブです。          

股関節が固く、どんどん動かした方が楽になる腰痛の方は、プロテック治療です。肩関節も同時に治療可能です。

牽引は引っ張ると楽な方に行います。

首は診察で座ったまま引っ張って気持ちよい方に行っています。

腰は診察でベットサイドに膝から下を垂らして引っ張って楽な方が、牽引治療の目安です。

腰を引っ張る骨盤牽引は、股関節を曲げて引っ張ります。

股関節を伸ばして引っ張った方が楽な方は 先程述べたベットサイドで膝から下を垂らす治療を行っています。

下肢全体が固い方、歩くことが困難になっている方は、GTES治療です。

首、肩、肘、膝、股関節、腰痛の部分的な痛みの方は、ポラリスカイネ治療です。

膝、肘、股関節の動きが悪い方は、この二つのどちらも効果がありますが、五十肩の方と同じように、ベルトを巻いて筋肉全周を動かすことのできるGTESの方が効果があるようです。

ただし、GTES治療は、肌に直接ベルトを巻くので、着替えとセッティングに時間がかかる上、一台で一人ずつしか行えない ため、予約制にさせていただいていますので、全員に行えない現状です。

 

| 痛み | 12:04 | - | - | - | - |
筋肉が緊張しないようにする治療の話

筋肉が緊張しないように自分で防ごう!治そう!とすることが大事だ 

 

 

前回は1、痛みで筋肉が固くなって関節が動かなくなることがある。2、筋肉を緊張させて(=力んで)使っているうちに関節を悪くする =筋肉が異常に緊張して、1、関節、脊椎が動かなくなる 2、関節にはより負荷がかかって変形性関節症などが進行する という話しでした。今回はこのようにならないようにするには?どうするのか というお話しです。

診察で、患者様の悪い箇所を動かして、力が抜けて動かすことができるかどうかいつも診ています。動かした時、痛いと力が入ってしまいますが、痛みが出ないにもかかわらず、動きが固い方もいます。自分でも悪い箇所が固くなっていることがわかっている方もいます。このような方には、是非、力を抜く というこれからするお話し を参考にしてみてください。

 

二つともに防ぐ、治す、考え方は一緒です。

そのためには

自分で治そうとする という心構え が大事!です。

治療でよくしてもらおう、治してもらおう、治療すればよくなるはずだ、治療してよくならないのは医療が悪いからだ、では、よくならないことも多いのです。

 

まず、自分で治そうする考えの基本にもなると思いますので、最近わかってきた事実を述べます。今まで述べてきたことが実際に証明された感じです。

 

痛みを脳で感じると、痛みの信号が脳内の神経を伝わって駆け巡る?のですが、この信号を抑える=痛みを抑えるように指令を出す部分が脳の中にあることがMRI検査でわかってきました。紹介されたのは慢性腰痛の場合でしたが、この部分の機能が悪くなると、痛みを生じている部分、例えば、膝、首、肩、どこでも構いません。それらの部位がよくなっているにもかかわらず、痛みを脳で感じ続けてしまうと考えます。=原因部位が治っているにもかかわらず、痛みが取れない ということです。

さらに、痛みを抑えるように働く脳の部分の機能が悪くなっているのですから

→痛みの信号が伝わり続けて=脳で感じすぎて、実際の悪くなっている部分の状態よりも強い痛みを感じる。=原因部位があまり悪くないのに、痛みだけが強く感じる。

→痛みを抑える下行性抑制機能などの神経も充分働かない。=痛みを強く感じすぎて痛みを抑える神経の機能も間に合わず、辛い痛みを感じ続けてしまう。

この様になるとも、考えられます。

その原因として、次のことも紹介されていました。

★痛み対する恐怖や不安が強いと、痛みを抑える脳の部分の機能が悪くなります。

→鋭い針先の注射がとても怖い、痛みが強くて、とても動かせない、痛みが治らなかったらどうしよう などの感情です。

したがって、痛みを心配しすぎて動かさないで、じっとしていることは、痛みを抑える脳の部分の機能をも悪くする ことになります。

 

これらの感情を抑える?振り払う?自分自身のコントロール、自分で治そうと思うことが基本となります。

 

自分で治そうとするには、

 

脳にストレスを与えないこと 

 

気を遣う、緊張する、いらいらする、くよくよする、思い悩む、ことなどです。

難しいかもしれませんが、

痛みを気にし過ぎないこと、痛みから気をそらすこと。

緊張して同じ体勢でじっとしている事、気を使って物事を行う事、ストレスを避ける。

です。

 

物事を よい方に 考えること。

 

交通事故に遭った時、当てられた など、被害者意識が強いと、怒りを覚えたり、できるだけ相手から(=実際は生命保険会社から)治療、保障のお金など を取ろう と思ったり すると、症状が改善しないどころか、悪化することもあります。

ピンピン しているようなら、こんなもんで済んでよかった と思って、交通事故の事は忘れてしまう事 がよいのです。 →交通事故から気をそらすのです。

 

痛いからと言って、じっと動かさないで、使わないように、安静にし過ぎないこと。

 

じっとしていると、逆に筋肉が緊張します。

骨折は少し位、患部が動いても付く というお話を前回しました。

痛みに恐怖感を持たないことです。少しでも動かすと、筋肉の緊張が取れます。少し位、動いて、使ってもいいんだ と思ってください。

 

同じ姿勢でじっとしていないこと

 

同じ姿勢、立ちっぱなし、座りっぱなし など

車の運転、パソコン、料理などの作業は、気持ちが集中して緊張が伴いますので、動いているようで、筋肉もかなり緊張している のです。

運動をしている若い方が、スマホでゲームをする習慣があると、運動して負荷をかけすぎる+じっと同じ体勢で固まっていて、筋肉が緊張する で、ダブルパンチです。

 

使いすぎは避ける。

使わざる得ない は工夫する。

 

安静の反対に、無理はもっと禁物です。が、

出来るだけ、力を抜いて使う。力を入れずに使う。

力を抜く体操?をする。

ゆする運動をする。

ゆっくりゆする。

ゆする とは、筋肉を使って筋肉トレーニングすることではありません。

筋肉を緩めるようにして、力を抜いてリラックスさせること と思って行ってください。

 

動かすと痛みが強い時は、無理は禁物です。

神経が麻痺していて、絶対安静でも、動かせるところは、動かします。それにより、絶対安静の部分も、少しは動いているのです。

痛みに合わせて、ゆっくり動かすことや使う事を心掛ける。できることは行う事。

痛いのが我慢して、使いすぎないこと、早く動かさないこと。

痛みが強くならないように動かすことです。

じっとしてなくてはいけない状況の時でも、少しでも、ゆする、震わす、動かす など、固まらないようにすること、です。ギプスで固定していても中では少しは動いています。また言いますが、骨折しているところが少し位動いても骨は付きます。ましてや、固定していない部位は動かしてよいのです。

そして、

動かすと痛みが強い時は、動かせるようになるまで、かなり月日がかかってしまうかもしれません が、焦らないこと、あきらめないことです。

 

★運動は、痛みを抑える脳の部分の機能を回復させることもわかってきました。ただし、とても運動する機会がない方、痛くてできない方は、軽く動かす事でも構いません。

 

具体的な方法を一部述べてゆきます。今回は、運動する というよりも、どなたにでもできる、いつでもできる簡単なゆすり運動の方法です。

筋肉の緊張を取って、リラックスさせることが目標です。血流も良くなります。筋肉に力を入れて動かす筋トレではありません。ただ、どうしても力は入ってしまいますが、少し位は力が入ってもOKです。ストレッチは筋肉に力が入ってしまいますが、力をできるだけ抜いて行うことが、重要です。

力を抜いて、無意識にやることがベストです。思い出したら、しょっちゅう行ってください。回数は少しで構いません。やりすぎは禁物です。→まとめていっぺんにやることは避けましょう。こまめに回数を分けてちょっとずつ行う様に癖をつけましょう。仕事や作業の効率が悪くなりますが、改善、予防するには大事です。

 

★実は、力が抜けた状態で、他の方にやってもらうことができれば、一番良いのです。自分で行う事より、さらに力が抜けた状態で行うことができるからです。これが、気持ちよいと感じる状態です。

診察で動かしたとき、力が入っていて固くなっているどうか診ている というお話を冒頭にしました。これは一方では、力が抜けて動く状態の方なら、診察していると同時に、動かして痛みを取る治療にもなっているのです。

ただ、力が入ってしまっていては、逆効果になることもあります。すでに固くなってしまっていて動きが悪くなっていている方、少しでも動かすとひどい痛みが出る方などです。動かされると痛みが出てしまう時は、力が入っています。やり続けると、ますます動かなくなることもあります。そこで、自分で痛くない程度を探りながら行うように と、お勧めする次第です。

くれぐれもまとめてやるのではなく、こまめにちょっとずつ頻繁に、リラックス運動です。

 

固まらないようにしょっちゅう、左右に傾けてください。一番動きが楽で緩みます。あるいは左右を向く、軽く振り向く運動です。うなずいて、首を前後に振る。などです。とにかく痛くない方向から行うことがよいです。ゆっくり少しずつ行うことと、力を入れずに、筋肉を緩めてリラックスする、軽くストレッチする感じで行うこと です。力を入れての筋トレ運動ではありません。

 

肩 

いろいろな肩こり体操などありますが、どれでも構いませんから、力を入れずに、ゆっくり、リラックスして、筋肉を緩める気持ちで行ってください。大きく動かさないなら、肩を前後に小さくゆっくり動かす(回すより力を入れずにできます。)上下に小さくゆっくり動かす、だけでもリラックスする効果がでます。

 

肩関節

なかなか力を抜いて動かすのが難しい関節です。

前記の方法も肩関節を緩める方法です。

大きく動かすためには、前かがみになって。腕を垂直に垂らしてからゆったり前後に振る運動です。この恰好でアイロンを持って振る体操があります。アイロンをしっかり持とうとすると、常に振ろうとすると、筋トレになって力が入ってしまいます。一度アイロンを振ったらそのアイロンの重みで行ったり来たり惰性で肩関節を動かすのがベストです。アイロンがない場合は、水の入ったペットボトルでもって行ってもかまいません。これでも力が入ってしまうので、

まずは何も持たないで行ってみてください。前後に振ると力が入ってしまう時は、垂らした腕全体をゆする感じでも構いません。いずれも力を抜いて、リラックスする感じで行うことが大事です。

そして、前後方向ができるなら、左右、回す と行ってみてください。

肩のアイロン体操

なれてくると、立ったまま、歩いたままでも、腕全体を力を抜いてゆすることで、肩関節、肘関節、手関節すべての関節をゆすれて、リラックスさせることができます。

 

手首を力を抜いて振ることは、手や指のリラックスになります。

 

肘まで力を抜いて、振ることは、肘関節のリラックスになります。

力がなかなか抜けない時は、肘を壁や机に軽くつけて、力を抜いて手のひらを前後にくるくる回してみてください。これは、前腕の回外、回内運動の繰り返しになっていて、肘の力を抜く運動になります。

 

座っていてじっとしていると、力が一点にかかり、椎間板の圧力が上がる、筋肉が緊張して固まる、などで、痛みが増加します。背中を左右にゆする、左右に回す感じで、力が一点にかからないようにしてみてください。

 

股関節

骨盤、腰の痛みにも共通です。

椅子に座っているとき、脚の貧乏ゆすりで、股関節の軟骨が再び出来てきた という発表が数年前にありました。貧乏ゆすりは、膝を上下に小刻みに動かします。これは無意識に力を抜いて行う運動です。股関節に加えて膝関節も、足関節も無意識に動きます。つまり、脚の各関節を力を抜いて動かしていることになります。関節液の流れを良くする、筋肉の緊張を取る、血流を良くする、これらのことで、関節の状態がよくなる、関節の軟骨も修復してくる と考えます。骨盤、腰の負荷のかかり方も一点に集中するのではなく、分散して、腰、骨盤痛にも効果的です。

貧乏ゆすり

ゆする方向は、膝を左右にゆするのでも構いません。こちらは、膝や足の関節よりも股関節の動きがより大きく、腰、骨盤の負荷の分散も大きくなり効果的です。しかし、貧乏ゆすりの様に早く動かすと力が入ってしまうので、比較的ゆっくり力を抜いて動かすのがよいです。動かす方向が違いますので、膝を上下する貧乏ゆすりと左右にゆする運動の両方行う方がより効果的です。

この力を抜いて膝を左右にゆする治療器械が、当院で採用しているプロテックです。

プロテックでの運動2プロテックでの運動1

この治療器械は、上半身で体を抑えて、腰、尻を宙に浮かして落として、自分の身体の重みで腰を下に引っ張ります。これは、腰回りの筋肉をストレッチする、椎間板の圧力を下げる効果があります。この状態で、脚を左右にゆすります。この時、緊張して、腰に筋肉に力が入ってしまうと、うまくできません。左右に動かすときも、筋トレではありませんから、ゆったり力を抜いて、リラックスして行う必要があります。これができないと、この治療器械はその方には合いません。

同じように座っている時も、脚を左右にゆするように勧めています。前述しましたが、腰や骨盤一点に力が集中することを避け、筋肉の緊張をほぐす効果があります。

 

椅子に座っているときは、貧乏ゆすりでも構いません。

脚を踏ん張って固まらないようにとにかく動かしてみてください。

特に座って立つ時に、歩き出すときに膝が痛い方は試してみてください。

脚を投げ出して床や畳に座っているときは、踵を床に着けたまま膝を曲げたり伸ばしたりしてください。踵が浮いてしまう方は脚全体に力が入っています。力を抜いてできるように練習してみましょう。膝の後ろを両手でもって、膝に力を抜いて手で膝の曲げ伸ばしを行うことも有効です。こちらも踵を床に着けたまま行います。脚に力が入っていないなら、脚の重みで踵は地面についたままのはずです。踵が浮いてしまう方は、手で動かしているのではなく、脚に力が入っています。手で少しずつ膝の曲げ伸ばしを行ってみてください。小刻みに行ってみてください。最初から大きく動かそうとすると力が入ってしまいます。力が抜けるようになってから少しずつ大きく動かすようにしてみてください。

膝のam体操

椅子に座っているときは、貧乏ゆすりでも構いません。

床に脚を投げ出して座っているとき、寝ているとき、いずれでも構いません。とにかく体重を足底に載せない状態で、足背、足底方向=すねの長軸方向 つまり上下に動かしてください。回したり、内側外側にひねると痛い時でも、可能です。すこしぐらい力が入って動かしても効果があります。体重が載って負荷をかけなければOKです。

 

貧乏ゆすり みっともない、よくないこと と言われてきました。

しかし、腰から下に関しては、痛みを出にくくしている 可能性が出てきました。

みんなでゆすれば怖くない です。

 

| 痛み | 13:20 | - | - | - | - |
痛いからじっとしていると筋肉が固くなって動かなくなる // 緊張して筋肉が固くなることが痛みを悪化する、病気を悪くする という話

 痛みが出た時、動かすと痛いので、そっとしておきたい、じっとして痛みが治まるのを待つ という方も多いのではないかと思います。確かに痛みは身体に対して 痛いことをするな という警告です。しかし、あまりに大事にしすぎると?筋肉を固くして、関節の動きを悪くして、痛みの改善を逆に遅らせる原因になる。→固くなる病気や状態がある。今回は、この話をします。

身近な例では、骨折でギプスで固定しているとき、動かすと悪くなる痛くなる、動かしてはいけない という思いがあまりに強いと、4週後ぐらいにギプスを外した時に、骨折した周囲の関節が動かなくなり、骨がついた後も、何カ月もリハビリテーションが必要になる場合があります。少し位動かしても骨折は付きます。例えば、鎖骨骨折は、胸の部分を抑えるバンド固定だけで付きます。この固定ですと着脱できますし、肩関節も動きますが、それでも骨折は付くのです。

 痛みをこらえて使う事、無理に動かすことはもちろんよくありませんが、あまりに安静にしすぎると、回復を遅らせる のです。

しかし、動かし方にも問題があります。筋肉に力を入れて、痛みを我慢して動かし続けることも良くありません。 

最近の診療では、使ったり、動いたり、逆にじっと動かずにいる時など、何をしていても、どの場合でも、緊張して筋肉がつっぱる=力が入ってしまうこと が、痛みを悪化させる、関節を悪くする原因になっている と感じておりますので、このことについてもお話しします。

 

最初に、筋肉を動かすと痛みが出る、固くなる病気をいくつか挙げておきます。

 

多発性筋炎

 

筋肉に炎症がある病気で、筋肉が痛くなり、動かすと痛みが出ますが、固くなるとは違います。自分の筋肉を自分で壊してしまう自己免疫疾患の一つで、血液検査で自己抗体や炎症所見が出ます。副腎皮質ホルモン=ステロイド剤 がよく効きます。

 

パーキンソン病パーキンソン症候群

 

手が震える。脚が大きく遅れず、小股のちょこちょこ歩きになる。顔の表情が乏しくなる。などの症状に加えて、関節が固くなって、動かすと抵抗がある。という症状が出ます。固縮、ジスキネジアと呼ばれます。

この病気は、原因が脳の中にあることがわかっています。脳のある一部の部分が、うまく機能していないのです。

これから述べる病気、状態もすべて脳の中の一部の機能障害が原因かもしれません。

脳の機能はまだまだ分かっていないことが多い現状です。

 

線維筋痛症

 

原因不明の全身の筋肉に痛みが出る病気です。

動かすと痛みが出ますが、固くなるとは限りません。疲労感やうつ病などの他の症状や、痛む場所が動くなど、いろいろな症状が出ることがありますし、決まった部位に圧痛点があることが、診断基準です。前回のべたリリカやサインバルタが治療薬の保険適応になっていますが、全例に効くとは限らないと考えます。

 

原因が不明で痛くて関節が固くなって動かなくなる病気は、筋肉が緊張して固くなるためか?と考えています。やはり、それは脳からの指令なのでしょうか。

 

原因不明で関節が動かなくなる病気

 

四十肩、五十肩

 

経験された方も多い病名です。

肩関節が痛いので、動かさないでいたら、動かなくなってしまう病気です。

四十、五十になって起こるのでこの名前です。

凍結肩と呼ばれ、以下の原因の解っている肩の病気の後に起こることもあります。

肩関節の腱板周囲の炎症

変形性肩関節症

肩腱板断裂や損傷

石灰沈着による腱板の炎症

しかし、レントゲンやMRIで異常がない、動かなくなるような痛みの原因が認められない→原因不明が本当のこの病気です。

特徴は診察で肩関節を動かすと筋肉が異常に緊張しているかのように固く動きに抵抗感があります。力を抜くように指示しても抜けない状態になります。特に肘まで固くしてしまって、力が抜けない方は典型例です。

診察で各方向に動かすと、痛み、抵抗感(固さ)、動く範囲の狭さ この3つが出ることが特徴です。

 

★肩には原因不明で動かなくなる五十肩という病気があるのですから、他の関節にあっても、首や腰など他の部位にあってもおかしくないはずです。しかし、どの教科書にも載っていません。ここ1、2年ぐらいは、あってもおかしくない と考えて診察に当たっていましたので、いろいろ気づいてきました。

以下に述べる病気や状態は原因不明、有効な治療方法もわかっていません。ただ、なる方はごくごく少数なので、過剰な心配は無用です。

 

筋肉を使っていると動かなくなる病気

 

筋肉が固くなって関節が動かなくなる ではないのですが、挙げておきます。

 

書痙(しょけい)

字を書いているうちに、指が動かなくなる病気です。

使っている筋肉に力が入らなくなる?のです。使っていない時は症状がないので、診察では全く異常がでません。

別に字を書くだけなく、パソコンでも、楽器でも、料理でも使っているうちに動かなくなってしまう時は、この病気と同じ状態が起こっている可能性があります。

 

これらは上肢に起こっていますが、下肢のもあったとしたらどうなるでしょうか?

歩いているうち、立ち続けているうちなど、動いているうちに脚に力が入らなくなっていしまって、脚が前に出にくくなり、つまづいて転ぶ、歩けなくなる、立ち止まってしまう、しゃがみこんでしまう という症状になるはずです。動いていない時のベット上での診察では全く異常が出ません。これは、腰部脊柱管狭窄症と同じような症状です。が、腰部脊柱管狭窄症はMRI検査で診断できます。脚が動かなくなるだけではなく、痛みやしびれが出ます。これらの症状や検査で異常がないと、下肢に起こる書痙と同じ という事になります。

 

筋肉が固くなって動かなくなる病気

 

痙性斜頸(けいせいしゃけい)

原因不明の首周囲の筋肉が固くなって、首が曲がったまま固定してしまう病気です。

書痙とこの動かなくなる病気は、ジストニアと呼ばれています。

 

痛みを伴って動かなくなる その他の病気や状態

 

CRPS(複合性局所疼痛症候群)=RSD(反射性交感神経性萎縮症)

 

怪我の後に起こってくる原因不明で動かなくなる病気です。

ついこの間まで、RSDと呼ばれていましたが、原因が交感神経だけでは説明付かない部分も多く、今は、CRPSと言います。

最初の症状が、痛くて動かなくなる です。進んでくると、腫れる、皮膚がてかてかになる、骨がスカスカ=萎縮 になるなどの症状が加わります。

どの関節でも動かなくなった時、この病名を付ければよい とも考えますが、上記症状がそろっているのが、本当のこの病気です。

 

以下は、どの本にも載っていない状態を挙げてゆきます。

 

首が痛いので動かさないでいたら、動かなくなる

 

こちらは、痙性斜頸と違って、首が曲がって傾くではなく、まっすぐ向いたままになり、上下、左右向くことが困難になります。動かそうとすると、痛みを伴って、筋肉が固くつっぱって動きません。進んでくると、両肩関節も動きが悪くなって、五十肩と同じ症状になります。腰まで痛くなってきて、腰椎や、股関節の動きまで悪くなる方もいます。病気として認識されていないので、病名がありません。

はじめは痛みがあまりないのですが、日を追うごとに痛みが増して、動きが悪くなります。交通事故に遭われた方に診られることがほとんどですが、怪我を起こさないでも起こり得ます。最初人身事故でない と申請したのに、後から症状が出現してひどくなってしまうこともある状態です。事故の衝撃に関係なく起こる という事です。

次に述べる病気と違って

急に動かなくなるのではなく、数日かけて固くなってゆきます。

小さいお子さんでは診たことがありません。

安静にしても動くようになりませんし、通常の痛み止め 前回お話ししたリリカ、トラムセット、サインバルタなどの飲み薬はあまり改善効果がなく、消炎鎮痛処置、神経ブロックなどをやってもあまり改善しません。

 

環軸回旋位固定

 

第一頚椎の環椎と、第二頚椎の軸椎が、少しずれた位置で急に固定してしまう病気です。

お子さんではこの状態になると、首が左右どちらかに傾斜して、顔もバランスを取ろうとして傾く斜頸と呼ばれる形になります。風邪、扁桃炎、中耳炎などの炎症が及んで起こすので、炎症性斜頸と呼ばれます。が、動かしてグキンとなったり、怪我の時も起こりますし、原因が不明でも起こります。

成人になっても、傾く=斜頸になる方もいますが、年を取ってくると、首が固定して動かないことは共通ですが、まっすぐのままのことが多くなり、この病気と診断されないことも多いようです。

こちらは安静にしていて、痛み止めを飲むと痛みが改善して動くようになります。ご安心ください。

 

股関節(骨盤) にもあります。

 

股関節を動かすと痛みが出る、診察で各方向に動かしたときに筋肉がつっぱって固い、動かく範囲も狭くなる という症状です。股関節を屈曲する方向=脚を前に送る方向が最後まで動きます。

股関節、骨盤周囲の筋肉に痛みが出ます。臀部、大腿部などです。

腰と股関節が痛い と訴えられる方が多いです。そのため、ただの原因がわからない腰痛とされてしまうことも多いはずです。

 

身体が固くて股関節があまり動かない ではありません。

この場合は、動く範囲が狭いだけで、スムースに動きますし、痛みは出ません。

股関節の関節唇障害という病気がMRI検査で解ってきましたが、こちらは、診察で動かすときに痛みは出ますが、固さ=抵抗をあまり伴いません。

変形性股関節症も、動く範囲も狭くなり、痛みも伴いますが、動かしたときの固さはありません。屈曲方向も動かなくなり、レントゲンで診断できます。

 

下肢全体が固くなる方もいる

 

股関節が固くなる方で、膝から足まで固くなる方がいます。

診察で、ベットに仰向けに寝てもらって、診察で脚を動かすと 固い、重いのです。

骨盤や腰の筋肉も一緒につっぱりますから腰痛もあります。

MRI検査で腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアがある方に起こるようです。すべての方にこの検査を行っていませんので、この表現です。

下肢が固いのですから、歩くと痛くなって、重くなって立ち止まってしまう この症状は、腰部脊柱管狭窄症と同じです。ただ、前に述べたように腰部脊柱管狭窄症はベット上の診察では下肢は動かしても柔らかく、筋力も正常で、所見がないことが多い ということが違います。

また、腰下肢が固く緊張していますので、寝ている間に動かさないでいるとさらに固くなってしまい、朝痛くて、つらくてなかなか起き上がれない方もいます。これは、腰部脊柱管狭窄症の症状にはないことです。

 

膝関節だけにも起こります。

 

膝の痛みに伴って、動く範囲が悪くなります。動かすと痛みと、抵抗感を伴います。割と程度の軽い変形性関節症や怪我の方に起こる印象です。血腫ができて癒着(組織がくっついて)して動かない ことではありません。

 

足関節だけにも起こります。

 

捻挫の後に固くなってしまう方がいます。(=動く範囲が狭い、動かすときの抵抗感が強い、痛みを伴う)こちらも血腫があって癒着する のではないと考えています。

 

指や足趾も動かなくなる方がいる

 

指、足趾の小さな関節は周囲に筋肉がありませんが、前腕、下腿に指や足趾を動かす筋肉があり、そちらが固くなると、指や足趾は動きが悪くなります。が、指自体の炎症や、変形性関節症、怪我でも起こります。

五十肩になった方で、同じ側に腱鞘炎を起こすと指の動きがどんどん悪くなる方がいます。

指が固くなって動かなくなっている方が、同じ側の五十肩になることもあります。指も固くて動かないのですが、肩関節も動かすと固く、動く範囲が狭くなります。

 

原因不明で痛みを伴って、筋肉が異常に緊張して固くなり、関節が動かなくなる この状態になる病気がある 

診察で動かしたときに固い、抵抗が大きい。痛みを伴う、動く範囲が狭い。まるで筋肉が異常に緊張して固くなって、動きに抵抗しているかのようだ。

→ 筋緊張異常症 と呼びましょうか。一度このような病名で紹介状を頂いたことがあります。

 

今まで述べてきた病気や状態になる方は、ごく少数です。

五十肩になる方が比較的多いのは、肩が痛くなって動きが悪くなるとすべて五十肩と診断されるため 目立つ と考えています。

 

次に、筋肉が緊張して力が入ると、ほとんどの方は、動かなくならなくても、痛みを悪くしている→関節や軟骨を悪くしている。という話をみじかくまとめてします。

 

ほとんどの痛みが改善しない方、痛みが悪くなってしまう方、変形性関節症などが進行してしまっている方は、次の状態に陥っていると考えています。

 

使っているときに、じっとしているときに、緊張して筋肉が固くなっている、つっぱっている。余計な力が入っている。

 

首、肩〜肘、手指

パソコンを打つ、字を書く、箸を使う、台所仕事をする、何をするにも、緊張して力が入っていると、痛みが悪化します。

レントゲン撮影の時、例えば、OKサインの形を作って小指側をフィルムに着けて置いて動かないでください と指示しても、指定した指の位置に停めて置くことができない方がいます。緊張して力が入る方は、指を思う様に動かすことができなくなっている、その形を維持することができなくなっているのです。このような方が、指の痛みや、指の変形性関節症が進んでしまう方です。

 

立っていても、座っていても、じっとして緊張していると、筋肉がつっぱってきて腰痛が悪化します。(椎間板は力が入り続けると、より圧力が上がるので、ヘルニアなどは症状が悪化します。)座っていると痛くなる、立ち上がるとき痛い などの症状が出ます。特に車の運転中は緊張が強いので、腰の周囲の筋肉が緊張して痛みが強まる方が多いです。沈み込むシートの形だけではないと考えています。

 

歩くとき、早く歩くと悪化します。脚に力が入るためです。

座っている時、じっとしていて脚に力が入っていると、立ち上がる時に膝に痛みが出ます。

床に(診察の時は診察ベットに)脚を伸ばして座ってもらって、診察で膝の後ろを手でもって膝を動かそうとすると、膝が固くて動かない方がいます。力を抜くように言っても固いままです。検者の手で動かすのですから、膝周囲の筋肉に力が入っていなければ、簡単に動くはずです。

このような方が、変形性膝関節症が進んでしまっています。

 

踵を内側に返すことができない方がいます。手で動かしても固くなってほとんど動かない方もいます。このような方が踵周囲の痛みが出ています。

 

前足痛

足趾を曲げたり、伸ばしたり、開いたりなど、うまく動かすことができない方が、進行しています。特に、母趾の第一番目の関節が曲げる方向に動かない方は要注意です。外反母趾も進行します。

 

どの部位でも、緊張して筋肉を固くしていると、関節が悪くなる、痛みが悪化する という話を加えました。

 

治療の話は次回以降お話しします。

 

| 痛み | 06:57 | - | - | - | - |
新しい痛みを抑える薬はどこまで効くのか

長い間、お待たせしました。

更年期の症状でしょうか。ブログの更新する気力がなくなったことと、病気も重なり、ブログから遠ざかっていました。その間、さらに経験を重ねて?新たに分かってきたこともあります。少しずつ書いていこう と思っています。

 

今回は、薬のお話しです。よく使われる3つの薬です。以前もお話ししています。よく使われるようになってきて、効果も一般に認められてきました。

 

プレガバリン=リリカ という薬

 

痛みを伝える神経の信号の伝達をブロックします。神経ブロックは痛みを伝える神経を麻酔薬でブロックしますが、これを薬でブロック(遮断)するのです。遮断する力は弱いですが、麻酔薬と違って飲み続ければ持続的に効きます。ブロック注射が苦手な方にも朗報です。

神経に直接作用しますから、眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い など副作用が出ることがありますので、少量(25,75,150ミリグラムのうち、25ミリ)から、夜寝る前に開始しています。それでも、朝起きた時に副作用がでる方は飲めません。

 

私の、はじめの出し方は

用量は

25ミリの少量の1錠を夜寝る前からです。一般的な痛み止めは食後に飲みますから、夕食後が最後で、夜から朝にかけて効果が弱くなります。夜痛くて目が覚める、朝起きるときに痛い という症状の方にはこの飲み方がぴったりです。一般的な痛み止めに加えて処方できます。副作用がなく、効果が弱い時は、徐々に増やしてゆきます。一日2回投与が原則なのですが、3,4回に分けて飲む方が効く方もいます。

増やし方は、1錠を2錠へ、あるいは2錠を一日2回、あるいは2錠を一日3回 ぐらいにしています。いきなり、次は、75ミリ一日3回など、急に増やすことはしません。途中で副作用が出ることもあるからです。減らすときも、徐々に減量がよいのですが、75ミリ3,4錠など、比較的大量に飲んでいる方以外すぐに止めても問題ないようです。

 

どのような方に開始するのか

痛みが出たので来院(初診)されてから、消炎鎮痛剤と呼ばれる いわゆる痛み止めで効果がない時、効果が弱い時には、開始します。初診から1,2週間で開始です。

最初から激痛の方

最初からブロックをした方がよいと考えられる方(+注射が苦手な方)=初診時の急性期に最初から投与です。

痛み止めに加えて、処方します。痛み止めは食後なので、寝る前に飲むことに抵抗は少ないです。また、坐薬の代わりに処方できますので、痛み止めの副作用は軽減できます。

痛みが強い方は副作用が出ることは少ない印象です。

そこで痛みに応じて、昼にもう一つ飲んでもらったり、つまり一日25ミリ2錠 から開始したり、2錠ずつを一日2回(寝る前、昼後)で投与開始したりします。少しずつ増やすのがよいので、週に2回ぐらい来院してもらって、次に増やすかどうか 決めるのがベストですが、来院できない方もいますので、最初から用量を多く出す方もいます。

この薬のおかげで、坐薬の使用が少なくなりました。坐薬は肛門から入れてしばらく我慢しますので苦手な方も多いのです。神経ブロックが苦手な方にも福音です。

 

一般的には慢性期の痛み(3か月以上治まらない痛み)に使う薬ですが、

急性期に使っても充分効果ありです

しびれ は痛みが弱くなってきたときに現れる症状の一つです。痛みを伝える神経を伝わって感じています。つらいしびれ 気になるしびれ にも痛みを伝える神経をブロックするこの薬は効果あり(全例には効きません) です。

 

 

トラマドール=トラマール トラムセット ワントラム という薬

 

リリカが飲めない方、リリカで効果が弱い方に使っています。

 

リリカが痛みを伝える神経をブロックする作用に対して、こちらは、痛みを頭で感じにくくして、痛みを抑える神経の作用を高めます。トラムセットにはアセトアミノフェン=カロナールが入っています。アセトアミノフェンは炎症を抑える作用は強くありませんが、頭で痛みを感じにくくする作用もあります。一般の消炎鎮痛剤=痛み止めに比べ、胃にやさしく、喘息も起こしにくく、腎臓の機能にもあまり影響しません。

 

この薬も一般の消炎鎮痛剤=痛み止めと一緒に使えます。

作用点が違いますから、リリカに加えて処方もできます。

 

通常神経ブロックを行わない関節の痛みなどには、痛み止めの効きが悪い時には、リリカでなく、この薬をまず使うこともあります。

 

副作用は、神経に作用しますので、リリカと同じく、眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い などですが、特に気持ち悪くなることが多いので、吐き気止めと一緒に処方しています。しばらく飲んでいると便秘することもあり、便秘気味の方には、下剤も一緒に処方がよいです。

 

この薬は、麻薬を元に作られていますので、飲む量を増やすと、癖になって止められない のではないか と最初は思われましたが、効果が弱い薬ですので、この可能性はほとんどなく、よく使われるようになってきました。効く薬は、飲み続けて効きが弱くなると、どんどん増やして飲みたくなる これが、癖になる止められないパターンですが、こうなるほど効かない という事です。

 

用量は

一日2回、1錠づつから開始しています。

一日8錠まで増量できるのですが、増やしたからと言って、どんどん効いてくる印象は

あまりありません。4~6錠ぐらいまで増やしても効果がない方は、それ以上増やしてもより効果は期待できない印象です。

 

デュロキセチン=サインバルタ という薬

 

精神科=神経科の先生 が うつ病 でしばしば使う薬です。

うつ病は、神経の信号を伝える セロトニン、ノルアドレナリンという物質がうまく作用しないで起こると言われていて、この2つの物質の機能を高める薬です。この2つの物質は痛みを抑える神経の信号を伝える物質でもあるのです。

一般に、うつ病の薬はこの作用があるので、痛みを抑える神経の作用を高めます。

ノリトレン という薬を使っていました。この薬は、うつ病の薬としては、トリプタノールという薬の作用を弱くした位置にある薬で、精神科の先生は、効きが弱いので、ほとんど使いません。弱い分副作用も出にくく、痛みを抑える作用が前面に出てきますので、整形外科医としては使いやすかったのですが、使ってみると、サインバルタのほうが、より作用が強いようです。

この薬、 慢性腰痛症 に保険が適応になりました。効果が正式に認められた という事です。うつ病薬として、よく使われていますので、うつ病の治療をしない整形外科医としては、処方しにくいのですが、うつ病の症状が全くなくても、効果があります。

トラムセット より効果ありです。

腰痛でなくても、首や背中の痛みにも効果ありです。

リリカ、トラムセットで効果がない方にも効果があります。

リリカ、トラムセットを使っても効かない方に処方しますので、急性期にはまだ使っていません。ただ、初診でもすでに慢性痛の方には初めから処方しています。

副作用は、他と同じですが、飲めない方は最初からひどく出て、全くダメ です。

 

用量は

一日1回 朝食後 ですが、夕食後でも構いません。

1錠から初めて、1錠ずつ増やし、3錠まで可能です。3錠を1回で飲む という事です。 

少しでも副作用が出ないように、吐き気止めと一緒に処方しています。

 

これらの3つの薬、よく効く ような書き方をしてきました。

確かに救われている方も、大勢います。

しかし、効かない方、飲めない方も多々います。

交通事故後 に強い痛みを感じている方、強い痛み(しびれも含む)が出る方 には、残念ながら効果がほとんどありません。

 

次回、さらに お話しを進めてゆくつもりです。

| 痛み | 17:18 | - | - | - | - |
お知らせ

今回は、残念ながらシリーズの続きではありません。

私事の、健康面でのお話しと、診療時間変更についてです。

最近は疲れがたまっていたのは確かで、ブログの更新もご無沙汰しておりました。

11月26日木曜の日仕事中、右目でパソコンの文字が読めない角度がある=視野欠損に気づきました。7時半まで診ていただける眼科がありましたので、診療後に行きました。視野欠損はあり、緑内障や、後頭葉の梗塞などの脳の障害の可能性を言われました。11月27日金曜に脳のMRI撮影をして、こちらは異常なしでした。これがおそらく前触れです。後の検査で、緑内障もなく、後頭葉の一過性の虚血と言われたからです。

11月29日日曜に、少し小走りして脈が上がった時に胸が詰まった感じがしましたが、じきに改善しました。しかし、夜寝ていると、また詰まった感じが起こりました。実はこの感覚、2年前にも起きていました。その当時の症状は、仰向けで寝ていると詰まるのですが、横向きに寝返りしてしばらくすると治まるのです。座ったり、立っているときは症状は全く出ません。心電図、胸の写真は異常なく、逆流性食道炎の薬は効果がありませんでした。じきに気にならなくなったので放置しておりました。今回は、横向きに寝ていてもあまり改善しません。心電図を取り直すと、虚血の疑いの所見があります。次の日に早速近くの循環器の先生の予約を12月2日水曜(=当院の休診日)に取りました。その日曜、月曜は寝ることができましたが、12月1日火曜から2日水曜にかけての夜は、ついに寝ていられなくなったのです。胸のつまりは横向きで逆につらくなります。うつ伏せになるとさらにつらくなり、立っていると楽にはなります。これでは寝ることができない。あと少し苦しくなると冷や汗が出てくる感じだ。予約外来まで待っていられない と感じましたので、地元の別の病院に救急搬送してもらいました。立っていたので、症状は軽快していて、歩いて救急車に乗りこみました。

診断は、不安定狭心症でした。しかし、救急外来でもまた苦しくなってきたので、ニトログリセリンという、狭心症の特効薬を投与してもらったところ、逆につらくなり、意識が遠のく感じです。心電図を取り直して、心筋梗塞を起こしており、緊急カテーテル手術後、入院となったのです。

入院後、大学時代からの友人にラインを送ったのですが、びっくりされました。

私は、40で開業し、今月に57になります。同年代あるいはまわりで、心筋梗塞を起こした仲間は初めてだったようです。

思い起こせば、小さいころから心肺機能は弱く、身が軽くて脚が早かった割には、長距離走は苦しくてまるでダメ、短距離も全力で走った後も、よく脳貧血を起こして、保健室のお世話になっていました。本格的にスポーツに打ち込んだのは、大学時代のボート競技ぐらいです。真面目には行っていませんでしたが、走り込みや、筋トレを繰り返すうちに、長距離も人並みに走れるようになり、いつのまにか心臓が大きくなって、スポーツ心臓になっていました。脈が遅く、寝ていたり安静にしていると、50台〜40台になります。医師になってからは、スポーツとあまり縁がなかったので、運動不足は確実でした。コレステロールは若いころから高く、血圧もやや高く、動脈硬化は、徐々に進行していました。心臓の方は、大きい割には、寝ていると、脈が遅くなり、血圧も低めになるようで、血流障害を起こして、症状が出る。座ったり、立っていると、脈が速くなり、血圧も上がって、心臓の血流は回復して症状がなくなる。この状態が起こっていたようです。狭心症は、運動をすると心臓の血流が間に合わなくて症状が出るですが、不安定狭心症は、安静時に症状が出ます。まさにこの状態です。通常ニトログリセリンを投与で、心臓の動脈は広がって症状が改善するのですが、私の場合は逆に血圧が落ちて、心臓の血流が回復せず、症状が強くなって心筋梗塞状態となってしまいました。この治療が効かずに悪化したことが、緊急手術の決め手でした。

心筋梗塞というと、冷や汗が出るくらいの痛みが出る と言いうイメージがあると思いますが、まったく痛みはありませんでした。ただ、胸が詰まった感じだけです。ニトログリセリン投与の後、苦しさが改善しないので、座ったらまた楽になるかと思い、腰かけたのですが、逆にさらにつらくなり、(血圧が落ちていて、座ることで心臓に負荷がかかり、さらに血流が悪くなった)意識が遠のく感じがしました。慌ててまた寝て意識はしっかりしてきました。このまま意識がなくなると死ぬ という感覚でした。

サッカーの練習中に亡くなられた松田選手は、こうだったのかもしれません。痛みがないので、放置しているうちに、血管のつまりはどんどん進行し、ついに運動していても心臓の虚血を起こし、意識を失ったのです。痛みを訴えたのではなく、“やばい、やばい”といって、意識を失ったと聞いています。

つらかったのは、術後の3日間です。手術時間が1時間半、その間、造影剤を入れまくり、冠動脈(心臓の血流をまかなう動脈)を広げる薬を使いまくりましたから、具合が悪くなるのは当然です。頭痛がひどく、気持ちが悪く、食欲がわきません。しかし、4日目ぐらいから急に楽になり、歩行練習もどんどん進んで、12月11日金曜日には退院できました。

初めて、12月2日から、12月11日まで緊急休診です。もともと休診日の水曜日が2回、日曜日が1回入ったことが幸いでした。12月12日から再び開院したのですが、健康面に不安は残りますので、午前午後それぞれ30分術診療時間短縮させていただきました。

月火木金  
 午前9時から12時まで   午後3時から6時30分まで

 土    
 午前9時から12時まで   午後3時から5時30分まで

水 日 祝日   
 休診

よろしくご了承ください。

赤坂整形外科 院長 赤坂嘉久

| お知らせ | 08:36 | - | - | - | - |
痛みの話3
前々回の痛みの話の続編2
 
 
痛みの伝える機構(再掲載、復讐)
 
1、悪い痛みの原因となっている部位  から
 例えば、足、膝、腰、腰など
2、痛みを伝える神経 で、痛みは脊髄を経由して脳に伝わります。
3、痛みを感じる脳の部分 で、痛みとして感じます。すると、
4、痛みを抑える神経 が働いて、痛みを伝える神経を抑えます。→強い痛みは治まってきます。
このように考えていましたね。
 
今回は、
1、痛みを発症させる原因部位が余計に痛み物質を出している?
についてです。
前回の話は、動かしても痛みが出ない、でも痛みをつらく感じる時
でした。
それに対して、今回の話は、少しでも動かすとつらい痛みが出る、進んでしまうとほとんど動かなくなってしまう。なおかつ、今までの治療が、ほとんど効かない時、のことです。
今回の話のようになる方は、ごくごく一部の方です。多くの方はこのような状態にはなりません。治療すればよくなって、動かなくなることはありませんので。・・・・・
 
痛み止め(消炎鎮痛剤)
神経ブロックや、関節注射、炎症を抑えるステロイド剤やヒアルロン酸 どれもよく効きません。
どんな器械による炎症を抑えるリハビリ治療を行ってもよく効きません。
 
さらに  
痛みを伝える神経を抑えるリリカや、
脳での痛みの感じ方を抑える。痛みを抑える神経の作用を高める
ノイロトロピンや、トラムセット、ノリトレンも、よく効きません。
逆に、これらの薬で、ある程度痛みが治まる時は、
今まで述べてきた
2、痛みを伝える神経が痛みを余計に伝えている。
3、脳で痛みを感じすぎている。
4、痛みを抑える神経がよく働いていない。
これらの状態が+関与していると考えます。そして、
+関与の部分だけ、痛みが楽になった と考えています。
 
つまり、この病気は
どの治療をしても良くならないこと
が問題です。
原因もはっきりしません。靭帯や軟骨、椎間板、腱板などは動かなくなるほど悪くありません。
→靭帯、軟骨、椎間板、腱板などがわるくて、引っかかって動かないのではありません。
つまり
なぜこのようになるのかよくわからないのです。
 がついているのは、果たして本当にそうなのか確定できないためです。
 
身近な例は、いわゆる 五十肩 の一部にある と考えています。
痛くて動かさなかったら、動かなくなってしまった。という肩(=凍結肩)です。
ただし、五十肩の場合は、まったく動かなくなる ということはまずありません。
 
そのうち、月単位をかけて徐々に動かなくなるのは
→痛みの出ている、炎症のある部位が次第にくっついてしまう(癒着(ゆちゃく)する)場合です。
この場合は、ステロイド剤や、ヒアルロン酸の関節注射で、改善方向に持ってゆくことができます。
 
一日で激痛がきて急に動かなくなるのは
→カルシウム(石灰)がたまったり、尿酸(痛風の原因物質)がたまっていて、
使いすぎた、捻ったなどの負荷をかけた などの次の日に急に炎症を起こす場合です。
この場合は、痛み止めの飲み薬、ステロイド剤の関節注射がよく効いて、比較的に速やかに治ります。
 
これらではなく、                             
1、2週間以内に、動かなくなる  という例です。
動かすと痛いので動かしたくなくなり、
動かすと激痛を感じて、あまり動かすことができなくなる が特徴です
 
肩関節は 痛みを感じる知覚神経だけをレーザーメスなどで焼き切る治療 が考えられますが、神経を焼くとき、痛みを確認しながら行わないとうまくいきません。麻酔をしっかりかけてしまうと、痛みを全く感じませんので、知覚神経にうまく当たっているかどうか判断できません。麻酔が浅いと、もともと痛みを強く感じている神経を焼くのですから、計り知れない激痛を伴います。したがって、辛くない程度の痛みに感じさせる麻酔が必要で、これが非常に難しく、普及していません。
 
 
膝でも、股関節でも起こり得ます。動かさないでいると、だんだん動かなくなってきます。実際の損傷や悪い具合の程度と一致せずに、痛みが非常に強く出ています。仰向けに寝ている状態で、動かすと痛みが強くて動かない、などが特徴です。寝ている状態=体重がかかっていないときに、動かすと異常に痛い時は要注意です。股関節も知覚神経だけを焼く治療が可能ですが、肩関節と同様な状況です。しかし、膝と股関節で変形性関節症の場合は関節自体を取り換えてしまう、人工関節置換手術が普及しています。これを行えば、大元の痛みの原因は取れて楽になります。
 
反射性交感神経性萎縮症(RSD)や、複合性局所疼痛症候群(CRPS)という病名があります。
これらの病気
怪我した後に診られることが多いようです。
同じく、動きが悪く硬くなってしまいます。
+さらに進行すると、筋肉が萎縮し(細くなってやせます)皮膚がテカテカになる とされていますが、このようにまでなった例は診たことがありません。
初期に、硬膜外ブロック、その他の神経ブロックが効き、ノイロトロピンなども効く例もふくまれます。その場合は、今回の話の例とは、厳密には違うと考えます。
 
次に、首の例を話してゆきます。
 
軽い外傷、例えば、交通事故などで、首を軽く振られた後、あるいはほとんど振られてなくても、起こることがあります。
進んでしまう例では、
最初は、大丈夫、ほとんど症状がなくても、
次の日、あるいはその次の日、場合によってはさらにその次の日から、痛みが出てきて、治るかと思って放っておいたら、だんだん痛みが強くなって、1週過ぎの時は、痛みで、頚がかなり動かせなくなってきます。1週ぐらい経ってから痛みが出てきて、2週目ぐらいに動かなくなることもあります。
星状神経ブロック、頚椎の硬膜外ブロックまで行って食い止めようとしましたが、動かなくなった例がありましたので、どの治療も効かない と考えています。
さらに進むと、両腕が上がりにくく(肩関節が上がりにくく)なってゆきます。これは首の付け根の左右にある、一番上の肋骨が脊椎につく関節部分で痛みが出ていることが多く、肩を上げようとすると、ここに負担がかかって痛みが出るため、肩を上げるという動きが制限されると考えています。さらに進行すると、頚は全く動かせない、五十肩と同じように、肩関節を上げる(腕を上げる)以外の方向(腰に手が回らないなど)も制限されてきます。
普通の後から痛みが出てくる=普通の怪我の後の痛み と違うところは、痛みが、翌日、翌々日につらくなる、あるいは1週間ぐらい経ってから症状が出てきて、+動かなくなる ことです。
すべてこのように進むわけではありません。肩の動き制限までは来ない方もいますし、逆に、もっと早い日数で進んでしまう方もいます。
頚椎の椎間板ヘルニアなどと違い、頚から腕、手に行く神経の圧迫はほとんどありません。が、しびれが、手の方に来ることもあります。一番上の肋骨が脊椎につく関節が痛みの原因になっている例で、そのそばを腕に行く神経が通るので、刺激される と考えます。
MRI検査で、椎間板ヘルニアはない、もちろん、脊髄の損傷もありません。(レントゲンだけでは椎間板ヘルニア、神経の損傷は確定できません。)
 
この様になる方はごくごく一部の方です。前述した通り原因はわかりません。
しかし、どの方がなるかはわからないのです。
病名としては、線維筋痛症とされている方の一部の方 でしょうか。
 
痛みに敏感な方、痛みに恐怖を抱いている方、痛みを気にする方 は多い傾向です。
痛みに恐怖を抱いていますので、注射も怖くて受けれない方が多いです。
+“事故にあうとあとから痛みが出る”という風評?意見が出回っている事。(担当する保険会社の方にもこれを言う人がいるので、お手上げです。)
事故にあったという被害者意識。
などは関与します が、そうでなくても起こります。
+前述した。痛みを脳で強く感じているなど、
精神的な側面も大いに関係していると考えます。
繰り返します。
普通の 後から出る痛み だけでなく、動かなくなる ことで区別します。
加えて、どの治療も効果がない ことです。
患者さん自身が、痛くても適度に動かしていて、(無理に動かして我慢して使うのはもちろんダメ)自然に痛みになれる状況ができていれば、どんな治療をしていても、器械によるリハビリを行っているだけでも、あるいは何もしなくても、改善してゆきます。
しかし、今まで述べた方は、このようにならない方です。
 
ついこの間までは、この病気の場合、治療手段なし と考えていました。
いろいろ治療しても、結果改善せず、交通事故などでは、そのまま後遺症 として診断していました。
しかし、今までお話ししてきたように、外傷(怪我)そのものによる直接の障害ではありません。
これは、外傷の後に発症する痛みの病気です。
事故による直接の後遺症ではないのです。
→現在は、後遺症として書かないようにしています。
→後遺症は、認定に時間がかかる、→なるかならないか もめる など、精神的な負担が長引くだけです。症状がこの間、長引くだけです。
 
改善する可能性がある と感じたのは、ごくごく最近の話です。交通事故の頚椎捻挫の患者さんを診ているときです。
その方は、首の動きが非常に悪くなっているわけではありませんが、動かすと痛みは出ます。リハビリ、注射、どの治療しても改善はしませんでした。
ある程度動くので、来院の度、診察で首を動かしてみていると、だんだん動かしても首が痛くなくなってきたのです。
動かしたときの痛みに慣れてきた?と考えるしかありません。
 
よくよく考えれば、今まで行ってきている五十肩(凍結肩)の治療も同じでした。
ついこの間気づきました。
動かなくなった肩を少しずつ動かしてほぐしてゆきます。
はじめは少しでも動かすと痛みが出ていた方も、次第に動かしても痛みが出なくなってきます。
そして、動く範囲では痛みが出なくなってゆきます。
さらに動かしてゆくと、動く範囲もだんだん広がってゆきます。
この間、1〜2年かかります。気長な話ですね。
動かなくなってしまっていたら、どの部位でもこのぐらいはかかる と覚悟しておいてください。
 
 
治療の具体的な話
 
痛みに少しずつ慣らしてゆく 動かなくなったら、少しずつ動かす練習をする
という治療です。
アレルギーのある方が、アレルギーが出る物質に少しずつ慣らして治してゆく方法と同じです。
痛みに恐怖を抱いている方が多いと思いますが、
動かして痛いのだから、動かすと余計に痛くなる という考えはやめましょう。
確かに、動かし方が悪いと痛みは強くなります。
要は、痛くならないように、少しずつ動かす です。
そのため、長期の日数がかかるのです。
動く方も、動かすと痛い場合は、動かなくならないようにするため、同じ練習をすすめます。
一般に、痛みが長引いている方にも効果がある と考えています。
 
動かし方は、痛い方向と逆の方向にまず動かす 充分に時間をかけて(1分ぐらい)最大動くところまで です。
次に痛い方向に動かす 痛ければ痛いほどゆっくり行います。1〜2分ぐらいかけてです。
痛いのをゆっくり行うことで、慣らしながら、我慢しながら、充分に行います。いそいで動かすと、強い痛みが走って無理です。
 
回数は、一日1,2度としています。
もともと痛いのですから、やり過ぎはだめです。
 
この方法で、痛みが強くなってしまうときは、やり方のスピードが早すぎる、強すぎる、回数が多すぎる →早く良くなろうと思っている などです。
 
首ですと、
 
顔を真上に向ける方向で痛みが出るのなら、まず、顔を下に向ける位置で1分ぐらい止めておきます。次に徐々に顔を上に向けていきます。痛くてもゆっくり向けて行って、1分ぐらい頑張ります。
痛みが出る方向の正反対方向に動かしてから、痛い方向に動かす ということです。
顔が上を向く方向は、真上、右上、左上、3方向です。1分右下に向けてから、左上を向いて1分 1分左下に向けてから、右上を向いて1分です。
次に左右に振りかえる運動です。
痛くない痛みの少ない方向(例えば左)から充分左を向いて1分、次に右を向いて1分頑張ります。
最後に、首を傾ける運動です。同じように、痛みの少ない方から1分ぐらい時間をかけて傾けたまま我慢します。次に痛い方向へ傾けて1分ぐらい我慢します。
 
1分はあくまでも目安です。早く動かすと痛い時は、充分時間をかけてゆっくり行います。
各方向2回ずつ行うことをお勧めします。
固まっていない方は、1回目より2回目の方が動く範囲が大きくなることに気づくはずです。
 

 
仰向けに寝て行います。膝に体重がかからない=負荷がかからない様にして行います。
曲げて痛くて曲げられない時は、充分伸ばしてから、次に曲げる練習をします。
伸ばして痛い時は、まず曲げてから次に伸ばします。
痛くても2,3分ぐらいずつ時間をかけてゆっくり行います。
 
股関節
 
図のごとくです。
前後方向は、横向きで行いますが、
自分ではできない方が多いので、診察でこのやり方を行っています。
布団で寝ていて行うときは、前後に大きめの荷物を置いておいて、足を引っ掛けてそれぞれの方向に保持するとよいでしょう。
 
腰は
まずは前後屈
痛くない方からゆっくり時間をかけて行います。
次に側屈運動
次は腰をひねる運動となります。
股関節を動かすと腰が痛い方、股関節の動きが悪い方は、股関節の運動も同じに行います。
動かして痛くない方も行ってみてください。
 
あくまでも徐々に 薄皮をはぐように治ってゆけばOKです。
 
最後に、動かなくならないようにするために
動かさなくても、じっとしていて痛くなる方も同じです。
 
動かすと痛いからといって、じっと止まったままで緊張していると動かなくなります。
じっとしていて痛くなる方も、緊張していて痛くなります。
座っているとき、立っているとき、機会があれば、体をゆすりましょう。
首なら、左右に傾斜させてのストレッチ、痛い時は、ゆっくり行ってください。
肩ならゆっくり回す。
股関節や腰なら、脚をゆすります。座っているときも立っているときも、左右でも上下でも膝をゆすれば、股関節も動きますし、腰にかかる力も分散します。
思い出したときにしょっちゅう行ってください。
車の運転で、腰が痛くなる方など、ゆすりながら運転していると痛みの出方が違うでしょう。
 
つまり、動かし方は2通りです。
痛いところまで充分ゆっくり動かす。こちらはやり過ぎないこと。
固くならないように、小刻みにしょっちゅう動かす。 です。
 
痛みが長引いている方の、少しでも痛みの改善になれば幸いです。
 
| 痛み | 11:06 | - | - | - | - |
痛みの話2
前回の痛みの話の 続編
                                                
まずは、前回と同じ、痛みを感じる図と、痛みに敏感になっている状況をもう一度。
 
痛み の感じる仕組み は、
1、悪い痛みの原因となっている部位  から
 例えば、足、膝、腰、腰など
2、痛みを伝える神経 で、痛みは脊髄を経由して脳に伝わります。
3、痛みを感じる脳の部分 で、痛みとして感じます。すると、
4、痛みを抑える神経 が働いて、痛みを伝える神経を抑えます。→強い痛みは治まってきます。
これが、痛みに対する正常な反応です。
そして、次のような時、痛みに敏感になって、痛みがなかなか取れなくなります。
1、原因部位の状態があまり悪くないのに、痛みの原因となる物質が多く出ている?あるいは、原因部位の状態はある程度悪いのですが、それに比べても、痛みの原因物質が多く出ている?
 2、痛みを伝える神経が、多く痛みを伝えすぎる。痛みを伝える神経が敏感になりすぎている。→前回お話ししました。
 ★3、脳で痛みを感じすぎている。
 ★4、痛みを抑える神経が、うまく働いていない。
 
この図で,番号に入っていない自律神経は?
今回のお話は、まず、この自律神経の話を手短に?してみます。
実は、自律神経が痛みに このように作用する! と断言できませんので、痛みの感じる仕組み に入れませんでした。
前回予定した1、原因部位の状態があまり悪くないのに、痛みの原因となる物質が多く出ている? は次回とさせてください。
 
5、自律神経が痛みに関与している。
 
自律神経とは、自分の意志でコントロールできない神経です。内臓の機能をコントロールする(心臓を打つ速度、胃腸の動きの調節など)、汗をかく、血圧を変える などに作用する神経です。
交感神経と副交感神経の相反する作用の2つがあります。
交感神経は、危険な状態、非常事態の時に働きます。
→脈を速く、血圧を上げ、筋肉の血流を増やし、脳を覚醒させ(気持ちを高め)、内臓の機能は落とします。
副交感神経は、その反対で、体の維持に働きます。
→脈を遅く、血圧を下げ、内臓の機能を高めて、気持ちを落ち着かせます。寝ているとき優位になります。
通常は、この2つの神経がバランスよく働いているのですが、問題は、交感神経の作用が副交感神経の作用を上回っている(ことが続く)時です。このような場合は、交感神経自体の作用が強いときと、逆に、副交感神経の作用が弱いときの2つです。
自律神経のバランス
痛みは、危険な状態の一つですので、交感神経が働きます。本当に危険な状態、動かないといけない状態では、交感神経は、痛みを↓の方向に働いて、動きを保つように働くはずです。例えば、怪我をしたが、動かないと命が危ないとき、スポーツの試合中に怪我をしたが、し続けなければいけないときなど。ちょっとした痛みなら動けます。あとから、ひどい怪我だったと痛くなって気づきます。
しかし、そうでないときは、痛みを↑と考えます。痛みを強くして、体を痛みが出ないように持ってゆくため?のようです。そのため、
急に痛みが来たときや、痛みが起こってからしばらくの期間は、交感神経をブロックする、神経ブロックがよく効きます。星状神経節神経節は、この交感神経の神経細胞の塊(かたまり)です。硬膜外ブロックも、交感神経をブロックする作用があります。交感神経を一度ブロックすることで、交感神経の過敏の活動状態を抑えることができ、麻酔が切れた後も作用が落ち着いて痛みが楽になる とも考えられます。
また、通常はブロックしなくても、交感神経が落ち着く、副交感神経がきちんと働く で痛みは改善してきます。ところが、
この交感神経が働きすぎの状態続くと、神経ブロックを行っても、あまりよく効かなくなります。あるいは、まったく効きません。交感神経を一旦ブロックしても、麻酔が切れた後は、再び過敏に活動してしまう ようです。
また、副交感神経がうまく働かなくなって、交感神経の優位状態が続いてしまう状態でも、神経ブロックがあまり効きません。交感神経の活動は正常なのですから、副交感神経の活動を高めないとダメなのです。
交感神経が働きすぎる状態が続きすぎると、
動きが悪くなる、筋肉が細くなる、骨が弱くなる、皮膚がてかてかになる など、見た目にも異常事態が起こることがまれ?にあります。
このような状態は、
以前は、反射性交感神経性萎縮症(RSD)といいましたが、交感神経をブロックしても改善しない例が多いことから、交感神経の異常だけの問題ではないと考えて、現在は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)と呼びます。
→通常はこの状態にならないのですが、それでも慢性的に痛みが続いていると、交感神経のブロック=神経ブロックの効きは悪くなるのです。
後で少し触れる、針などのツボを刺激する治療は、交感神経の機能を抑える、副交感神経の機能を高める、双方の作用があるようです。
 
次に
3の脳で痛みを感じすぎている
に関して話をさせてください。 
 
痛みをつらいと思っている方、痛みに対して恐怖感がある方、痛みが気になる方、など、3の状態になりやすいと考えます。前回お話しした、2の痛みを伝える神経が過敏に働いている状態が、主であっても、多少なりともこの3の状態にもなっている とも考えます。
 
純粋に 3の状態では?
診察所見で、悪い所見が出ません。
そのため、異常ありません。と医者に言われることもあるはずです。
 
具体例を挙げます。
患者さんは
頚が痛い、肩こりがつらい、肩甲骨が痛い と訴えられます。
ついでに腰も痛み もあると訴えられます。
診察では、首をあらゆる方向、上を向けたり、下を向けたり、左右に傾けたり、右左に回しても、痛みは出ません。腰もあらゆる方向に動かしても痛みが出ません。腕や脚の動きも正常で、力もちゃんと入ります。診察ベットでの寝起きや、寝返りでも痛みが出ません。
つまり、診察しても、何も悪い所見がない のです。
レントゲン、MRI検査でもほとんど異常が出ません。あるいは、悪いところがあっても、そこからの痛みです と診断できません。 
もちろん、疲れてくると痛みが出る、同じ姿勢で長時間いると痛みが出る、長時間歩くと痛みが出る、程度の方は、診察や検査で所見が出ないことが多いのですが、お話を聞くと、もっとつらい痛みがある、常時痛みがある、など、訴える内容が異なります。
残念ながら、どれほど痛みを脳で感じているか、測定できる装置はまだ普及していません。
痛みを感じている部分の脳の障害の可能性もあります。MRIで、脳の機能を測定して判断する方法がそのうち普及するかもしれません。まだ、研究中です。
うつ病などの精神の病のこともあります。この病気で、ほかの症状がほとんどなく、痛みばかり気になって訴え続ける方もいます。
 
●痛みを強く、大げさに、極端なことを言えば、嘘?でも、訴えれば区別がつきません。
 
交通事故などで被害者意識が強い方は、痛みを訴え続ける傾向になります。診察で動かしても痛みがないときは、筋力を検査して、落ちている筋肉があるなら、筋力トレーニングを中心に行います。筋力も充分な方は、交通事故での治療をやめて事故のことを忘れると改善する と考えて、交通事故で行う治療は終了としています。
 
痛みをつらく訴え続けられる方には、後に述べるような薬を出してゆきます。
逆に、薬がいらない方、飲むほどでないと訴える方は、痛い と訴えることが主で、さほどつらくないのだ と判断します。
 
痛い、痛いと言っていると、思っていると、痛みはつらくなってきます。
例えば、布団に入った後の夜は、寝るだけですから、他に何も考えることはありませんから痛みが気になります。痛みが気になると、どんどん痛みはつらくなって、眠れなくなるのです。
痛みがあっても、気にならなくなれば、痛みは楽になってきます。
痛みが気にならなくなると、痛みに慣れてきた と表現する方もいます それでよいのです。
くれぐれも痛みを強く大げさに訴える、痛い、痛い、と周りに訴え続けることは避けましょう。
 
筋肉の緊張による痛み の話
 
純粋に3による とは考えにくいのですが、
こちらも、診察で、何も所見が出ないことがあります。
手足、首、腰、すべて診察で動かすぐらいでは、痛みが出ません。
同じ姿勢でいると、筋肉が緊張してきて、筋肉が凝ってきて、痛みとして出てきます。
レントゲンで横から撮影すると、頚や、背中の脊椎が まっすぐ な方に多く診られます。ストレートネック、ストレートバックなどと、呼ばれます。(正常のバランスでは、頚は、前に凸、背中は後ろに凸で、ゆるいS字を描きます。この形が頭を支えるためには、負担がかかりにくいバランスです。)
脊椎のバランス
首や、背中の筋力が弱い方に、多く診られます。普段、運動をしていない方に多く診られます。
同じ姿勢で、じっと、緊張し続ける方に診られます。→首を動かしたり、手足をゆすったりしている方は、注意力が散漫なように見えますが、逆に緊張しにくくなり、OKです。
長年続いている方が多いのですが、
軽い方は、肩こり、軽い腰痛、背部痛程度で、日常にはさほど影響がありません。
痛みが強くなった時に、通常の痛み止めなどを飲むなどの治療でOKです。
常に、つらく感じる方は、3の影響が出ていると考えます。
背中の痛みや、肩こりが出ている方で、上腹部が張っていて、緊張している方がいます。
以前のべた、ストレス、緊張、疲労などで横隔膜が緊張するため?と考えている背部痛です。この場合も、検査で異常が出ません。漢方薬が効くことがあります。
 
治療する薬の話
 
リリカの効果が悪くなります。
2の痛みを伝える神経が、過剰に働いている状態が少なくとも関与している場合はその分効果が出ますが、2の関与がない方、純粋に3の脳で痛みを強く感じているだけの方は、効果が悪くなります。
では
痛みを頭で感じなくする薬 は?
残念ながら、特効薬はない 状態です。
効果がある薬を列挙してみますが、よく効く方と、あまり効果がない方に分かれます。
いずれの薬も、通常の痛み止めなど効果がないときに、あるいは効果が出ないと予想されるとき、処方を考えます。通常の痛み止めとは、炎症(ひどくなると、腫れる、熱を持つ、赤くなるなどの症状)を抑えて痛みを抑えます。したがって、炎症がないのに痛みだけあるときには、効果がありません。3の状態は、まさにこの状態です。痛みだけをつらく感じているのです。
以下に述べる薬は、単独に処方する、いろいろ組み合わせて処方する、通常の痛み止めに追加して処方する いずれも可能です。が、(前回のべたリリカと同じ神経系の)副作用が出やすい薬は、いずれも少量から投与を開始します。
 
アセトアミノフェン
 カロナールと呼ばれる薬です。薬品の名前が、アセトアミノフェンで、実際の処方される、(あるいは薬局で売っている)薬の名前がカロナールなどの商品名になります。
この薬、炎症を抑える作用が、通常の消炎鎮痛剤と呼ばれる痛み止めほど強くありません。
そのため、胃を荒らす、腎臓の機能を弱める、喘息を誘発する、などの消炎鎮痛剤の持っている副作用はあまりでません。
頭で直接痛みを抑える作用があります。→頭痛薬や風邪薬によく含まれています。
普通の痛み止めと違って、大量に飲むことができます。200ミリ、300ミリグラムが一錠で、一日に、4000ミリグラムまで飲めることになっています。
 
次からは、商品名で延べます。( )の中が、薬品名です。
 
デパス(エチゾラム)
筋肉の緊張を取る作用と、痛みを含めて、気にならなくする作用 のある薬です。
この薬を必要としていない方、合わない方は、眠くなります。ほかの副作用はほとんどありません。合う方は、この薬だけで、調子がよくなります。
ただ作用時間が短く、効きが悪くなった時に、量が増えやすい薬で、要注意です。
 
この作用が弱いのですが長く効く薬が メイラックス という薬です。当院ではまだ使っていませんが、使い続けていると痛みが気にならなくなる 可能性はあります。
 
ノイロトロピン(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)
この薬は、自律神経を調節して、痛みを抑える神経の作用を高める作用があります。4の場合に使いますが、副作用が少なく、安全な薬ですので、3の場合も、他の薬と合わせて処方します。
 
ノリトレン(ノリトリプチン)
サインバルタ(デュロキセン) トレドミン(ミルナシプラン)

抗うつ剤です。
私の医院では、ノリトレンを使っています。
トリプタノールという薬の、副作用、抗うつ作用を共に弱くした薬ですが、抗うつ作用が弱い割には、痛みを感じにくくする作用が前面に出て、痛みを感じにくくするには、よい薬です。
脳の中では、神経同志で信号を伝える物質があり、その物質のおかげて脳が活動しています。このうち、セロトニンとノルアドレナリンという物質がうまく作用しないと、うつ病になるといわれています。
これらの物質をうまく作用させる薬がこれらになります。
実は、痛みを抑える神経の信号を伝える物質も、この2つなのです。
したがって、これらの薬には、痛みを抑える神経の作用を高める作用があるのです。
 
トラムセット トラマール(トラマドール)
 
トラマールは、麻薬を元に作ったオピオイドというジャンルの薬です。
やはり、痛みを抑える神経の作用を高める作用があります。
麻薬を元に作った薬というと、やめられなくなって、だんだん量が増えてしまう=依存 が怖いのですが、この薬は、依存になりにくく、(あまり大量に飲みたいと思わない、止め易い)比較的安全ですので、最近はよく使われるようになってきているようです。それでも依存の問題がありますので、飲み方を指定通りに飲めない方は、この薬は処方できません。
 
トラムセットは、そのトラマドールにアセトアミノフェンが加わっている合剤です。
アセトアミノフェンがすでに処方されている方には、トラマールを追加処方しています。
普通の痛み止めしか出ていない方で、痛みが改善しない方には、トラムセットの方を追加処方しています。
リリカと同様に、神経に関する副作用が出る可能性があります。
眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い、 長く飲んでいると便秘する などです。
最初から吐き気止めと一緒に飲むと、気持ち悪くなる副作用はかなり抑えられます。
 
 
他の治療は?

神経ブロックは、純粋に3の状態では効果がありません。
 
消炎鎮痛処置、リハビリテーションと呼ばれる治療は?
筋肉をトレーニングする方法は効果があるはず。
ですが、でもやらない、できない 方が多い です。
何でもよいです。体操でもよい、ジョギングでもよい、ジムトレーニングでもよい のです。疲れない程度に始めること、やり続けることが大事です。
それに対して、痛い個所に、低周波をかける、超音波をあてる、レーザー光線を当てるなど、一般的な消炎鎮痛処置と呼ばれる他の方法は有効でない と考えています。
 
頭のツボの治療は効くか?
 
ツボを使う治療、→針治療などは効く可能性があります。うまくツボにはまると、交感神経の作用を弱める、副交感神経の作用を高める作用もあるようですが、
理論が難しく、経験もいり、有効なツボを見つけることは通常は困難です。
頭のツボを使う中国式の鍼治療を改善して簡単にした、山元式新頭針療法がわかりやすく、最近利用し始めました。
顔や、頭部に体の痛みを改善するツボがあるという理論です。
頭で痛みを強く感じているわけですから、頭に近いところに治療を行う方が効きそうですね?
針だけでなく、トリオ治療の電極、レーザー光線、超音波を当てても行えます。
ある程度、有効な印象です。
 
 
次に、4の痛みを抑える神経の作用がうまく働かなくなる お話しです。
具体例を紹介します。
 
治療を受けたら、痛みがつらくなった
どの治療でも構いません。
刺激を与える治療、超音波をあてる、低周波の電流を流す、マッサージなどのリハビリテーション治療、神経ブロック、関節や局部に行う注射、すべての治療後に起こり得ます。
これらの治療を受けた後、痛みがつらくなります。
→前述の急性期には、神経ブロック(交感神経ブロック)で痛みが楽になる とはすべての例に当てはまらない のです。
 
痛みが伝わった時、痛みを抑える神経が働かないと、どんどん痛みが伝わり続けて、痛みはどんどん強くなります。痛みではない別の刺激が伝わっても、どんどん伝わると、痛みとなってつらく感じます。このため、治療の刺激で、痛みがつらくなると考えます。
 
体の部位にもよります。
同じ方でも、腕の治療では痛みが強くなったが、腰の治療では楽になった ということが起こります。
時期にもよります。
前回は楽になった治療が、今回同じ治療を同じ部位に受けたら痛みが強くなった など。
 
しかし、時間がたてば、痛みは楽になります。 治療効果はあったのです。
楽になる期間は、人により違います。一日だけつらかった方もいれば、3,4日つらかった方もいます。
時間がたてば、4の痛みを抑える神経が働く あるいは4の痛みを抑える神経が働くのに時間がかかった と考えています。
治療効果はあったのですが、治療後に痛みが強くなったことを不快に感じると、同じ治療を次にお勧めできません。
痛みがつらくなった部位は、同じ治療を避けて、より刺激の少ない治療に変えると、OKです。
超音波治療でつらくなったのなら、レーザー光線治療にします。照射ポイントが小さいうえに、持続的に照射しない、皮膚から放して照射できる、などで、刺激が少なくなります。
それでも痛みが増すときは、皮膚の上から、しかも、ポイントをぼかして大きく照射できる極超短波(マイクロレーダー)治療にしています。
ノイロトロピンという薬は、痛みを抑える神経の作用を高めます。飲み薬も、注射もあります。この状態になったら、まずこの薬を投与して反応を診ています。
さらに、前述したように、痛みを抑える神経の、神経同志の信号を伝える物質は、セロトニンとノルアドレナリンです。これらの物質の作用を高める抗うつ薬やトラマールもこの神経にも効くことになります。3の状態に使う薬は、4の状態にも効果あり です。
 
補足
超音波治療器や電極を皮膚に充てた瞬間、異常に痛くて最初から治療が行いえないときは、皮膚の痛みを伝える神経が非常に敏感になっている つまり、前回の2の状態になっていると考えます。
皮膚が痛みに敏感になっているときは、エトドラグ(商品名 ハイペン、オステラック)という痛み止めの飲み薬が効くことがあります。なぜか はわかっていませんが、皮膚の敏感部分を抑える作用があることが証明されています。
この薬は、痛み止めとしては作用が弱く、(=副作用も少なくなる)飲んでも効果が悪い方がいる一方で、痛みの敏感部分を抑える作用がありますので、とてもよく効く人もいるということです。
 
以上、5の自律神経を含めて、前回の2、今回の3,4と分けて私の意見を述べてきました。痛みがなかなか治らない方は、必ずしも一つの状態で説明できる場合より、これらの状態がいろいろ組み合わさって、痛みが出ていることが多いのです。したがって、薬の効き方もまちまちです。どの治療が効くかを、診極めることが治療のポイントになると考えています。
 
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痛みの話1
  • 神経障害性疼痛 と関連する痛みの話
 
神経障害性疼痛は、テレビで武田鉄矢さんがコマーシャルしていましたね。
専門用語ですので、意味がよく分からない方も多かったと思います。
痛みは、医学的には、侵害性疼痛 神経障害性疼痛、非器質性疼痛などと分けて説明されていますが、これらの言葉は難しそうで受け付けにくいと思いますので、今回は、私流にまとめてみます。独自の見解が入りますので、これから述べること、すべて正しい とは言えませんが、今までの経験で、こう考えるのがよい と信じています。
 
まず、痛みの伝わる仕組み、感じる仕組みを簡単にまとめると、
 
1、悪い痛みの原因となっている部位  から
 例えば、足、膝、腰、腰など
2、痛みを伝える神経 で、痛みは脊髄を経由して脳に伝わります。
3、痛みを感じる脳の部分 で、痛みとして感じます。すると、
4、痛みを抑える神経 が働いて、痛みを伝える神経を抑えます。→強い痛みは治まってきます。
これが、痛みに対する正常な反応です。
急に鋭い痛みが出た時、しばらくつらいのですが、時期に治まってくる のは、この機構が順番に働くからです。
 
神経障害性疼痛はこの2に当たる痛みを伝える神経が、痛みを強く伝えすぎている状態です。痛みを我慢し、長く感じ続けている=その神経が、椎間板ヘルニアなどで、圧迫され、障害され続けている状態で起こる可能性があります。そして、椎間板ヘルニアが治ってきても、痛みだけが残る こともあります。→痛みは我慢し続けない方がよい とことになります。
ほかにも、神経の炎症の後、=例えば、帯状疱疹という病気で、ウイルスが神経を攻撃して炎症を起こした後や、怪我で、直接、神経が損傷した後にも起こります。
痛みを伝える神経からの痛みの伝わり方が強いと、4の痛みを抑える神経の作用が間に合わなくなり、痛みが楽になりません。
通常の痛み止めは、1の原因部位の炎症を抑えて、痛みを発する物質の放出を抑えて、痛みを抑えます。神経障害性疼痛は、1の炎症が強くなくても、=原因部位が悪くなくても、原因部位が治ってきても、痛みが残りますので、
痛み止めが効かない、効きが悪くなります。
 
★新しく、痛みを伝える神経の作用を抑える薬ができた。
 
テレビの宣伝ではこのことを新しい治療と言ったのだと思います。
1の原因部位には作用せずに、痛みを伝える神経の痛みの伝わり方を抑える作用があります。
薬の名前は、リリカですが、成分は、プレガバリン という薬品です。販売している名前が商品名、その成分が、薬品名となります
後述する神経ブロックより、痛みを伝える神経をブロックする作用は弱いのですが、持続的に痛みを抑えることができます。もちろん、神経ブロックなどの注射が苦手の方には、福音です。
ただし、神経に直接作用しますので、普通の痛み止めと違って、神経に関する副作用が出ることがあります。
眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い、長く飲むと便秘する、体重が増えるなど。です。
通常の大きさは、一錠75ミリグラムなのですが、体格の良い男の人でも、一回飲むとふらふらしすぎて、次はとても飲めない 方もいます。
そこで、一錠25ミリグラムの少量から始めます。副作用の出にくい夜寝る前に飲んでもらいます。寝てしまえば、副作用を感じにくいためです。
この量で痛みに効く方もいますし、朝、やはりふらふらして、次飲めそうもない方もいます。少し位のふらつきや眠気なら、飲んでいるうちに慣れて飲めるようになることもあり、このままの量を持続してみます。
 
残念ながら、最初の少量でも飲めない方は、この薬を使うことはできません。
 
逆に副作用が出ない方は、量が少なすぎて、効きが悪くなります。
こちらも急に量を増やすと副作用が出て飲めないことがあり、3、4日で少しずつ量を増やしていくのがよいと考えます。
飲める方は、75ミリを3,4錠はコンスタントに使用できます。
この薬を使いながら、痛みが治まるのを待てる と、椎間板ヘルニアなどは手術せずに治ってゆく方が多くなりました。
 
★他に、痛みを伝える神経が強く働いていると考えられる場合
 
神経が障害された状態 と言えなくても、痛みを伝える神経が過剰に働いている、
急に痛みが出た時でも、この状態になっている場合がある と考えています。 
神経障害性疼痛では、びりびり、ちくちく、ジンジン、しびれるような痛み、電気が走るような痛み などの表現をテレビでは言っています が、このような表現の痛みとは限りません。
次のようなときは、痛みを伝える神経が過剰に働いていると考えています。
 
 ⊆蠎鵑変形していて骨折しているのに、あまり痛みを感じないでケロッと来院される方 がいます。これは、痛みを抑える神経が働いて、最初の激痛が抑えられている状況です。
一方で、軽い捻挫なのに、異常に痛くて腕を抑えて来院される方がいます。この方は痛みの信号があまりにも過剰に伝わるため、4の痛みを抑える神経の働きも間に合わない と考えています。
部位は、手とは限りません。足をひねった場合は、大したケガでないのに、足がつけない状態が1,2日続きます。
年齢も、10歳以下のお子さんにも診られます。大人だけではありません。
◆急に首や腰が痛くなった時も同じことが起こります。激痛が治まらずに異常に痛がって来られる方は、痛みを伝える神経が過剰に働いている方がいると考えています。
、痛い部分が、次第に広がってきた。
例えば、はじめは手首が痛いだけだったのに、我慢していたら、肘から肩まで痛くなってきたなど です。
ぁ急にズキンと激しい痛みが来るが、時期に治まる。
どの部位でも構いませんが、これらの痛みの出方も、痛みを伝える神経が過剰に働いていると考えています。
 
治療は、
 
通常の痛み止めでも効くこともあります。特に、アセトアミノフェン(商品名カロナール)は直接、脳で痛みを感じにくくする作用もあり、副作用も少なく、量も多く投与できるため、よく使っています。加えて、ノイロトロピンという4の痛みを抑える神経の作用を高める薬を使います。の場合は、漢方薬の、芍薬甘草湯という薬が効くことがあります。
 
痛みが強いときは今上にのべた治療では痛みが楽になりません。
 
急性期の首や腰の痛みの時の話。
急性期とは、痛みが強くなってから4週間ぐらいまでです。痛みを過敏に伝えている状態に陥っているかどうかの診断は経験によるものになります。(痛みを伝える神経の敏感度を計る器械がありますが、普及していません。)特徴は、痛みが非常に強く、診察で動かしても非常に痛がり、動きも非常に悪いときです。ただ“非常に痛い”だけでは3の脳で痛みを強く感じているだけの場合がありますので、それに伴う動きの悪さなど診察して、一人一人の状態を判断する必要があります。
この場合も、前述のリリカは効きます。別に神経が障害されてなくても、神経の痛みを過敏に伝える作用を抑えるのです。しかし、一番効果があるのは、神経ブロック治療と考えます。
神経ブロックという治療は、麻酔剤を注射して直接神経を遮断します。痛みを伝える物質を一度遮断すると、麻酔が覚めた後も、激痛は治まります。過敏に痛みを伝えている神経を、一度ブロックすることで、痛みを伝える神経の作用を元に戻す、=痛みの伝わり方を通常に戻す、+神経ブロック=麻酔という別の痛み刺激を与えることで、痛みを抑える神経の作用を高める、などの理由で、麻酔が覚めた後も痛みが楽になると考えています。
ただし、この治療も、
痛みを伝えている神経でない違う神経にブロックすると、効果が悪くなります。(どの神経が痛みの原因かわからない時など)
痛みの原因が悪すぎ(椎間板ヘルニアで神経の圧迫強すぎるなど)て、痛みを起こす物質を強く出し続けている状態ですと、麻酔が覚めた後は、またもとの痛みに戻ってしまいます。
万能ではありません。
 
★神経ブロックの具体的な例
 
手首を骨折して来院された方で、脇の下(腋窩(えきか))は、指先に行く神経が集まっていますので、その部分に麻酔して痛みを取って、ずれた骨折を整復することがあります。
非常に痛がっている方でも、この麻酔(腋窩(えきか)にする神経ブロックと同じです。)を一度かけると、整復がうまくできた、できないにかかわらず、痛みが楽になります。ギプスで固定しますので、それで楽になることもありますが、麻酔が覚めた後も、前のような激痛は来ません。
 
首が原因の上肢の神経痛、例えば、頚椎の椎間板ヘルニアで、激痛が出たばかりの方に、原因と考えられる首の神経にブロックをします。手技は、頚椎の外の部分の骨にレントゲン透視を見ながら注射することで十分です。すると、痛みは残りますが、激痛は取れて、時間はかかりますが、徐々に痛みは楽になります。
 
星状神経節(せいじょうしんけいせつ)ブロックも、首の激痛のときによく効きますが、ヘルニアが大きく上肢の痛みが強いときや、神経の炎症で肩関節部分まで激痛がある時にはあまり効きません。
 星状神経節とは、首の、のど仏のやや下方、左右にある交感神経の大きな細胞です。直接痛みを伝える神経をブロックするのではありません。痛みを抑える神経の作用を強めて、痛みを強く伝えている神経の伝わり方も元に戻す作用があり、効果があるのです。→直接、痛みを伝えている神経をブロックする方法よりは、効果が悪くなります。
 
腰では、腰椎の外にブロックしても、なかなか神経のそばに当たりませんので、尾てい骨のすぐ上にある、神経の通り道(脊柱管(せきちゅうかん))につながっている穴から、麻酔の注射をします。これが、仙骨部硬膜外ブロック、仙骨部ブロックです。この注射も、過敏に痛みを伝えている神経を抑えて、麻酔が覚めた後も、痛みの伝わり方が元に戻ってどんどん楽になります。

以上述べてきた神経ブロックは、かなり体の深くに針を入れます。そのため、当院ではレントゲン透視で、針の先がきちんと目的部位に入っているか確認していますし、施行後は、15分ぐらいは、休んでから帰宅してもらっています。
 
首、腰の背骨の中央部から打つ硬膜外ブロックは、より効果があります。
MRI検査などで、原因の部位がはっきりわかっている方がよいです。レントゲン透視を見ながら、ヘルニアのある原因部位に直接注射を打つことができます。
血圧が下がることがあり、点滴を入れておく必要があること、麻酔剤を入れますので、施行した後、歩くことが困難となり、最低1〜2時間休む必要があること、などの理由で、通常、緊急では行っていません。
 
痛い部分に浅く注射するブロックは、効果は悪くなります(あるいはあまり効かないこともあります)が、すぐに帰れますし、レントゲン透視は必要なく、今まで述べてきたブロックよりは手軽です。直接痛みを伝える神経をブロックするのではなく、刺激が出ていて痛みに敏感になっている部分(トリガーポイント)に注射することにより、別の痛み刺激を与えて、痛みを抑える神経の作用を高める ことで、痛みを楽にする と考えています。
 
 
神経ブロックが持続的に作用する治療が一番効く。
 
痛みを伝える神経をしっかりブロックする神経ブロック治療が持続的に効けば、一番強力な治療のはずです。
硬膜外ブロックを施行するとき、細いチューブを留置して、麻酔薬を入れ続けることができます。硬膜外ブロックに使われる針は太く、中にチューブを通すことができます。硬膜外に針が達したところで、チューブを中に入れてゆきます。チューブは、針を刺している位置よりも上方(頭側)に入ってゆきます。抜けてこないように、皮膚と手術用の糸で縛っておきます。
硬膜外ブロックは、首から腰まで可能ですので、脊椎からの痛みをほぼ網羅(もうら)できます。
麻酔薬が徐々に入るような袋状の装置がありますので、それをチューブの先につけておきます。原因となる部位よりも、チューブが脳に近い上方に留置していますので、痛みが脳に伝わることを持続的にブロックすることができます。この方法は、手術の麻酔の時に行い、術後の痛みを取るために用いる方法です。が、痛みを伝える神経を強力に抑える方法としてはベストです。
勤務医時代は、入院で、ヘルニアの検査して、ヘルニアのある部位、あるいはそれよりも脳に近い部位(ヘルニアの部位より下方の脚に近い場所に注射すると、チューブがヘルニアに邪魔されて、脳の側に届かなくなる可能性があります。)に注射して、この治療を行っていました。この治療により、手術を避けられた患者さんが多くいました。
入院して管理がよい、必要とされるのですが、外来通院でも不可能ではない と考えます。
チューブ留置する治療も、外来でも可能ではないかと考えられる理由は、
血圧が落ちるなどは、最初に麻酔薬を多く入れた時に起きるので、常時管理する必要はなくなります。
挿入部が化膿していないか、チューブが抜けてきていないか、薬が入り続けているか、確認が必要です。また、問題が起こった時にすぐに連絡対応できることは、必要です(残念ながら当院ではこれらの体制ができていませんので、行っていません。+チューブ留置は、外来で施行しても、健康保険では認められない、と思います。(硬膜外ブロック自体は認められています。))
が、
実際はチューブがぬけていても、薬が入っていかなくても、消毒する、チューブを抜くなどの対応は半日〜一日ぐらい待つこともできますので、緊急の診察で診る対応は必ずしも必要ではないのです。→一日一回ぐらいの確認で充分です。
 
いままで、よく痛みが抑えられるような お話をしてきました。
ただこれは、最初の図の2の、痛みを伝える神経が過剰に働いていて、痛みが伝わりすぎているとき の話です。
3,の脳で痛みを感じすぎているとき、
1の原因部位が痛み物質を過剰に出している?とき、
 前述した、原因部位が悪すぎる(ヘルニアの圧迫が強すぎるなど)以外にも、この状態になっているとしか考えられない?方がいます。次回にお話しする予定です。
(4は、3にも関連しています。脳で痛みを感じすぎている方も、この痛みを抑える神経の作用が弱くなります。)
このような時は、この治療は効かなくなります。今回のべた治療の効果は、それぞれの方が、2が痛みにどれだけ関与している かになるのです。
 
| 本に載っていない話 | 21:17 | - | - | - | - |
変形性○○症の話
長らくお持たせしました。
今回は教科書にも載っている話 プラスαです。
出来るだけわかりやすく、難しい専門用語を使わないように書いてみました。
 


変形という言葉の話
 
骨折の変形
骨が変形している
 外から見た時、明らかに形が変わっている=変形しているときに使う言葉です。
例えば、手をついて倒れた後、手首が変形している という具合に使います。
外から見て、手首の形がゆがんで見えるときは、まず骨折していて、骨が“ずれ”ています。つまり、この変形は、ずれ を表します。元ある形から違う形になっている のです。
 
変形性関節症
 
こちらの変形は、骨が“ずれる”という意味とは違います。
変形性○○ というときは、まず軟骨が傷んできて、つまり、軟骨がすり減ってきて関節の隙間(すきま)が狭くなります。それを補おうとして、軟骨に接触している部分の骨が膨らんだり、とんがってきたりして、関節の接触する面積を増やそうとして、骨の形が変わることです。
別に ずれ は生じないのです。
また、軟骨が悪くなって起こるので、骨が弱くなって起こる(→骨粗鬆症(こつそしょうしょう))こととも違います。
 膝の変形
変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)
 
こちらの変形も、変形性関節症と同じです。
脊椎をつないでいる、椎間板は柔らかい軟骨のクッションです。この椎間板が傷んできて高さ=幅 が減少してきます。それを補うように、椎間板に接する上下の骨がとがってきたりして、接触面積を増やします。
また、脊椎の後面には、椎間関節という関節があります。こちらの軟骨もすり減ってきて、それを補うように、軟骨に接触している骨が、とがってきたり、膨らんできたりします。
これらの変化が、変形性脊椎症です。別に脊椎=背骨が ずれる 曲がる 歪む わけではありません。し、骨が弱くなったから起こるわけでもありません。
 変形性腰椎症側面
腰椎=腰の骨の部分の、変形性脊椎症が変形性腰椎症です。腰椎症、腰部脊椎症も同じ意味になります。頚椎=首の部分なら変形性頚椎症となります。同じく、頚椎症、頚部脊椎症も同じ意味です。
 
脊椎の中の神経の通り道は、脊柱管(せきちゅうかん)と呼びます。変形性腰椎症で、椎間関節の変形が進んできますと、骨が膨らんできて、脊柱管が狭くなります。これが、
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)です。
変形性脊椎症が腰部脊柱管狭窄症の原因になるのですから、若い方は少ない となります。
 腰の脊柱管の変形
誰でも年を取れば、多少なりとも、変形性○○症になります。
変形性○○症になるのなら、皆、痛みなどの障害が出るはずです。
ところが、実際は、違います
程度にもよります。
もちろん、ひどい変形性○○になると、痛い、動きづらいなど、それなりの症状は出ます。
ただ、軽い方は、症状も出ないことも多いのです。
問題なのは、
一度変形すると。元には戻りません。
変形しているから元には戻りません。
と、医者が言うことです。
元に戻る=若返る ことですから現時点ではまだ無理です。
軟骨の細胞を傷んだところに植え付けて、再生する治療がようやく始まったばかりです。
費用もかかり、普及はまだまだです。
でも、心配はないのです。
変形していても症状が出ない 状態になればOKです。
これが、治療です。変形を元に戻すことが根本治療ではないのです。
 
変形は、進行しているときに、痛みが出ます。
程度が軽くても、重くても です。
程度が重くても、進行が止まる あるいは、進行が遅くなると、つらい痛みは消えて、なんとか日常はOKになります。
治療は、この進行を止める、遅くする状態に持ってゆくこと です。
進行しているときには、炎症が起こっています。
炎症とは、腫れる、熱を持つ、皮膚が赤くなる、痛みが出る状態です。
軽いと、腫れる、熱を持つは外からはわかりません。赤くもなりません。痛みも出るのですが、常ではありません。使うと痛い、じっとしていると痛い、動かし出しに痛い などです。
したがって、炎症を抑える、消炎鎮痛剤=痛み止め が効くのです。
炎症を抑えることが、ある程度、進行を抑えることになります。
 
逆に、痛み止めが、効かない ときは、
1、上に述べたような炎症が痛みの原因となっていない。(どのような状態なのかは次回します)
2、痛み止めの量が少なくて、炎症が強すぎて、充分に効いていない。
3=炎症が治まらない状態 になっている、使っている。
炎症を抑えるためには、体の使いすぎ、負担のかけすぎ は禁物です。
膝なら、普通に歩いていたのでは、炎症が治まらないこともあります。
 
などが、考えられます。
 
変形性○○症は軟骨が傷んでくる のですから、軟骨に効く薬は?
グルコサミン、コンドロイチン硫酸などは軟骨の成分で、飲み薬が市販されていますが、日本では、医師が患者さんに出すための処方薬としては認められていませんので、効果がどのくらいあるのかは、はっきりしていません。=お医者さんの調べたデータがありません。
ヒアルロン酸は、主に関節液(関節をスムースに動かす役目がある。炎症が強くなると増えて、関節に水がたまる状態になる。)の成分です。
同じく医師の処方薬(飲み薬)はありません(市販薬はあります)ので、効果がどのくらいあるのかはっきりしません。
ただ、注射薬は普及しています。
健康保険では、膝と、肩関節に認められていますが、実際は、どの関節にも効果があります。
ただし、小さい関節に注射しますと、ヒアルロン酸は、関節液よりは、粘り気が強く、関節内の圧力が上がってしまって、かなり痛みが出ます。
肘、足関節ぐらいまでが限界です。
注射薬の種類は、3つあります。
最初から普及していた分子量(簡単に言うと粒の大きさ)が小さいもの、次に開発された、分子量の少し大きいもの、最近開発された、分子量の大きいもの です。人の体にあるヒアルロン酸に一番近いのは、分子量の大きいもので、効果も大きいのですが、値段も高く、ほかのヒアルロン酸が効果がない方で、3回までしか打てないという、健康保険上の制限があります。
 
変形性○○症は元に戻すことはできません。が、
症状が出なくなるように持ってゆけばよいのです。
変形性○○症があっても、必ず痛みが出るとは限らないのです。
変形性○○症を恐れることはやめましょう。なっているからと言って、悲観することはやめましょう。
 

なりやすい方と、なりにくい方
なりやすい部位 があります。
親がなっていると、子供もなる こともあります。
遺伝的に弱い関節が決まっている とも考えられます。
 
例えば、指先の一番目の関節が腫れたり、膨らんだりして痛みが出ている方。
中年以降の主に女性に診られます。
一番目の関節が腫れる、膨らむ、痛い は、関節リウマチではなく、その関節の変形性関節症です。
二番目の関節が、腫れる、膨らむ、痛い は、変形性関節症と関節リウマチがともに考えられます。関節リウマチが起こる関節は、他に、指先から三番目の関節、手首の関節などです。それに対して、変形性関節症は、三番目の関節や、手首の関節に起こることは珍しくなります。ただし、親指の付け根の関節(指先から三番目の関節)は、変形性関節症の方が起こります。
このように、変形性関節症が起こりやすい 部位 はあるのです。
 手の関節
+他になりやすい要因は
膝が変形性関節症になりやすい方
 腿(もも)の筋力が弱い方
 O脚の方(脚を伸ばして立つとがに股になる方) 膝の内側に体重の重心がきますので、内側の軟骨がすり減りやすいのです。
 →脚のかたちをX脚に持ってゆくと、体重が外側に載ります。そのために、かかとの外側が高くなっている足底板という装具をつけるのです。
 O脚
腰部脊柱管狭窄症になりやすい方
もともと脊柱管の形が狭くなりやすい形の方がいます。
このような方が、年を取ってゆきますと、後方の椎間関節が変形して、骨が膨らんできたり、黄色靭帯が厚くなってきて、脊柱管が狭くなるのです。
 
痛みが出る、進行する方
 
変形性○○症は、なりやすい方がいるお話はしました。+さらになりやすくする原因の話です。
 
最近は、常に力を入れて使っている方 と考えています。
指先一つにしても、字を書くときも、日常の作業をする時も、指に力を入れている方。
常に緊張して、指先を使っている方 です。
膝ですと、膝から下に力を入れて歩いている方、→足で地面を力強く蹴って歩くと、膝にも力が入ります。→早く歩くと力が余計にかかります。
関節は筋肉を緊張させて使っていると、関節に余計な負荷がかかって、どんどん悪くなるということです。
一方、関節は、力を抜いて動かすと、関節に負担がかかるどころか、関節液の流れがよくなって、関節の中の状態を修復すると考えています。また、一緒に筋肉を動かしますので、血流も良くなります。関節を動かして治すとされる関節運動学的アプローチや、 マッサージ、ストレッチなど、すべて力をぬいてうければ、効果がてきめん ということです。
以前のべた、座っているときの、貧乏ゆすりもよい例です。
これは、力を抜いて、無意識に股関節、膝関節、足関節を動かしていることになります。
腰にかかる力も、分散されますので、腰痛にも良いのです。
座ったまま、緊張して、じっとしていると、股関節、膝関節、足関節、腰に力がかかって、負担がかかることになります。そして、立ち上がるとき、歩きだすとき、膝が痛い、腰がいたい、下肢がしびれている ということになります。
立っているときのゆすり運動も同じです。
立ったままじっとしていると、筋肉が緊張して、関節に負担がかかります。
脚をゆする、足の位置をしょっちゅう踏みかえる、と、同じように力が分散して負担が軽くなります。

誰も見ていないときは、大いにゆすりましょう。
 
指先は、できるだけ力を抜いて使うように努力してみましょう。
反対側の手で、もう一方の指の関節の力を抜いた状態で、動かしたり、引っ張ったりすることは治療になるということです。
親指の一番先の関節がカクンと引っかかる、ばね指は、2番目の関節の手のひら側で、指を曲げる腱が引っかかっているために起こります。2番目の関節を指で押さえて動かないようにして、一番目の関節だけを動かすと、力が絶対に入りません。この状態で動かす練習をすると、腱の滑りがよくなって治ってゆきます。つまり、力を抜いて動かす 治療になっているのです。
 ばね指の運動法
膝関節が痛いときは、力強く地面をけって歩く歩き方を避けましょう。
脚全体の力を抜いて、膝を腿(もも)の力で前へ送る歩き方がよいです
蹴り返しを行わないと、べた足で、雪道で滑らない歩き方と同じ感じです。
が、力を抜く感じで、踏ん張る感じでもありません。
軽く蹴って歩いても力を抜く感じでOKです。
早く歩けませんから、ゆっくり歩く感じです。
歩き方がわからないときは、ゆっくり歩くのでもよいのです。
 
力を抜いて膝関節を動かす。
湯船の中につかる恰好で、膝を曲げ伸ばしします。
手を使っても良いです。体重がかかりませんので、力を抜いて行います。
膝の伸びや、曲がりが悪いときは、痛いところまで、曲げ伸ばしをしないと、動くようにはなりません。痛みがつらくならない程度に行います。頑張りすぎると痛みが悪化します。
動かしただけで、痛みが出るときは、ゆっくり痛みが出ないように行います。
痛みが少なくなったら、少し早目に動かせるようになります。
→動かしたときの痛みが強い方は、ここまでできるのに、ともて時間がかかります。根気が必要です。
回数は、一生懸命やりすぎない程度でOKです。動かした後、痛みが強くなるときはやりすぎです。
 
膝の筋力トレーニング
力を抜いて動かすことばかりお話ししましたが、筋力があることも大事です。
 
膝が動かせる方は、行ってみましょう。→膝を動かすと痛みが強い方は、ある程度スムースに動かせるようになってからです。
 
座って行う筋トレ
足が床につく普通の椅子では、背もたれがあるのがよいです。背もたれがないと、腰に負担がかかります。
おもりは反対側の脚です。
力を入れるのは、悪い膝の腿(もも)の前の筋肉です。
力を入れ続けて、30数えてください。
職場の椅子に座っていてもできます。
仕事の合間に思い出したように行うことでOKです。
 座位四頭筋訓練
寝て行う筋トレ
この筋トレは、膝が動かなくてもできます。
 
伸ばすときお皿に力を入れる
お皿に力を入れて、膝を伸ばすように力を入れます。
伸ばしたまま少し持ち上げる 冬は、布団の中で行うこと(おもりは布団です)で十分です。伸ばす運動も、持ち上げる運動も、ともに30数えてください。数回でよいです。寝る前、起きる前に忘れずに行ってください。やりすぎはやはり禁物です。
 SLR訓練
以前にもお話しした、片脚立ちトレーニングをしてください。
腿を引き上げる力がついて、楽に脚を前に送れるようになります。
膝を曲げて腿を持ち上げて30数えてください。
腿は、高く持ち上げた方が、力が入ります。
出来ない方は、腿をあまり高く持ち上げずに、片方の手で支えながら開始してください。
歯を磨きながらでも、静止できるようになれば合格です。
→洗面所で、左右それぞれ一日2回ずつ行えばOKです。
早くできるように と、あせってやりすぎは禁物です。
片脚立位 
以上、いずれも日数をかけて少しずつ行ってください。やりすぎると、筋肉で痛みが出る方(筋痛症になっている方(次回お話しします。))は悪化します。半年から1年ぐらいでよくなったと実感できるので良いです。
 
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