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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
整形外科の病気の話15
 

整形外科の病気の話15

 

足の病気の話

 

踵骨骨端炎

少年少女

距踵関節炎

 

踵骨棘

アキレス腱足底筋膜炎

足底筋膜炎

 

踵骨骨折

 

足根管症候群

 

外反母趾

開張足

第1趾MP変形性関節症

外反母趾と合併

扁平足

外脛骨 縦アーチの減少

 

 

第5中足骨骨折

 

中足骨疲労骨折

若年 3,4中足骨

趾骨骨折

 

 

踵周囲の痛みの病気の話

 

踵周囲の痛みは、後で述べる距踵関節(きょしょうかんせつ)が原因のことが多く、順番を少し変更してお話します。

 

踵骨骨端炎(しょうこつこったんえん)

 

前回少し話が出ました。踵の骨の後ろには、骨の成長線(=骨端線こつたんせん)があり、すべて軟骨であったところに、少しずつ骨が出来ていきます。この出来てきた骨を、踵骨骨端核(しょうこつこったんかく)といいます。ここが炎症を起こして痛みが出る病気です。骨の成長線ですから、子供の病気です。男女とも診られます。足をよく使う、スポーツをする子に多いです。

レントゲンではいろいろな形、状態に写り、この形だと障害を起こしています とは言い切れません。診察で踵の後ろに痛みがでますのでわかります。アキレス腱が付いている部分が痛むこともありますし、足の底側の筋肉が付いている部分が痛むこともあります。

治療は、テーピング、弾性包帯、ゴムバンド、装具など、踵周囲の固定が必要です。歩いて使っていると=動いているとなかなか治らないためです。スポーツはもちろん無理せずに控え目に です。

 

踵骨棘(しょうこつきょく)

 

こちらも前回少しお話した、踵の骨に出来る骨棘(こつきょく)のことです。アキレス腱が踵の骨に付く部分と、足の底の筋肉(足底筋そくていきん)が踵の骨に付く部分に主に出来ます。骨がとがってくるわけですから、レントゲンでわかります。こちらは中年以降が多くなります。男女は問いません。つまり、かかとの障害は、お子さんと、中年以降のよく動く方、スポーツをする方に多く診られるということです。

したがって、治療もお子さんの時と全く同じ考え方、方法 です。

ただ、骨がとがってきている=痛みがある ではありません。炎症が治まれば、痛みもなく、症状が出ませんので、痛みがでなくなれば、治ったと考えてください。

 

足底筋膜炎(そくていきんまくえん)

 

上に述べた、足底筋(そくていきん)が踵の骨に付く部分から足底にかけての痛みがでます。レントゲンで、同じに骨棘が見られることがあります。中年以降に診られます。治療はやはり同じです。

 

距踵関節炎(きょしょうかんせつえん)

 

踵骨(しょうこつ)の上には、距骨(きょこつ)があり、その上が脛骨との足関節です。その、踵骨(しょうこつ)と距骨(きょこつ)の間の関節が、距踵関節(きょしょうかんせつ)です。位置は、足関節のくるぶしの下の部分にあり、ここに痛みが出て腫れると、足関節が腫れたように見えますし、足関節の痛みと区別しにくくなります。

子供から大人、年寄りまで、男女問わず診られます。レントゲンでは、痛みが出やすい形はありますが、異常が出ません。

自然に痛みが出ることもありますし、スポーツなどの使いすぎ、捻挫などの怪我でも生じます。 

治療は今まで述べた踵の病気と全く同じになります。

 

多くの患者さんを診てきて、この関節が弱いと、今まで述べてきた踵周囲の障害、痛みが出ることがわかってきました。加えて前回のアキレス腱の炎症、脛骨骨膜炎も、起こりやすくなります。したがって、それらの病気の時のテーピングは、この関節の固定が必要=この関節を固定することになります。

 

足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)

 

足の内くるぶし(内果)の後方に、足根管(そくこんかん)と呼ばれる足の底へ行く神経や、血管が通る管があります。ここでの神経が圧迫される病気です。症状は、足底から足趾へのしびれがでます。直接その管で圧迫されることより、年を取ってきて、前項の踵骨(しょうこつ)と距骨(きょこつ)の間の関節=距踵関節(きょしょうかんせつ)の変形性関節症で、骨がとがってきたり、形が変わってきて生じることがあります。足底だけしびれる時は、この病気も考慮する必要があります。

治療は、足関節の固定安静です。テーピング、弾性包帯固定が考えられますが、距踵関節(きょしょうかんせつ)が原因の時は、その関節を直接固定するテーピングの方が有用です。

 

踵骨骨折(しょうこつこっせつ)

 

踵の骨の骨折で、高いところから飛び降りた時、あるいは落ちた時に、足底で着地して起こします。

レントゲンでわかりますが、軽いひび(ひびも骨折です)ぐらいですと、撮影方向によっては、写りません。

前回述べた、距踵関節(きょしょうかんせつ)の関節面が、骨折して、ずれている時(段差ができている時)が、歩くと痛みが残る可能性があるので、手術を考えます。それ以外は、ギプスでまず固定します。骨がついて、ある程度しっかりするまで、踵を着いて歩くことが出来ません。おおよそ810週になります。そこで、踵だけ浮く形のギプス、あるいは装具を着けて歩くようにします。

 

前足部の痛みの病気の話

 

今までは、踵=足の後方の障害の話でした。こちらは、足の前=前足部(ぜんそくぶ)の障害

の話です。足の前の部分の痛みは、現代の靴社会で足趾(あしのゆび)を使う機会が少なくなり、機能の退化と、筋力低下が原因のことが多く、結果として、後述する開張足(かいちょうそく)という状態になります。また、年を取ってくると、踵周囲の障害と同時に診られる方もいます。

 

 

外反母趾(がいはんぼし)

 

この外反の外という意味は、足の中央部からみて内側外側ではありません。体の中央部に縦軸を考えた時に、その軸から外側に向いているという意味です。

原因は、足の横軸アーチが弱くなって、中足骨の先の頭部分(足のMP関節)が、横に広がってしまう開張足(かいちょうそく)と呼ばれる状態があることです。足の甲の先の部分が横に広がっている状態で、先の狭い形の靴をはくと、母趾は、外側に向き、小趾は、内側に向く形になってしまいます。かかとが高い靴ですと、さらに前足部分に体重がかかって、余計にひどくなります。力の弱い、女性の方に多く診られます。多くは、中年以降に起こりますが、若い女性でも診られます。

診断はレントゲンでわかります。

症状は、形の変形だけでなく、母趾のMP関節にこぶが出来たり、痛みが出ます。小趾のMP関節も同様です。加えて、横のアーチが減少しますので、前足の着地が、2,3趾MP関節部中心なり、その部分の足底に“たこ”が出来たり、痛みが出ることも多いです。

 

多くの患者さん診てきてわかったことですが、足趾(あしゆび)の力がない方、特に足趾で、手の指のように、母趾先の関節をきちんと曲げてタオルとつまみあげたり出来ない方が、このような状態になります。つまり、足趾を使う必要がなくなっている現代で、足趾が退化してきている結果です。(猿のように足趾を木に引っ掛けて木登りするなら退化しません。)よい表現をすれば、足趾を使う必要がなくなる進化です。

 

治療は、足趾の形を元にもどす、いろいろな装具類を着けたり、テーピングを行います。足趾の力が落ちていますので、タオルをつまむなどの筋力トレーニングも必要です。ひどい状態ですと、手術を行うこともあります。うまく行くと、見た目も形がよくなって、美容外科的な効果もあります。ただし、骨を切って、別の形につなぎ直す必要がありますので、骨がつくまでの治る時間がかかります。

 

第1趾MP変形性関節症

 

第1趾は、母趾のことで、MPは外反母趾の時に痛みが出る関節のことです。つまり、外反母趾の全く同じところに痛みが出る病気の名前です。変形性関節症ですから、中年以降の方がなります。レントゲンでは、軟骨がすり減って、関節の隙間が狭くなる、その結果、関節面を修復しようとして骨がとがってくるなどの変化が見られます。外反母趾と同時に見られることも多くなります。ただし、中年以降の男の方にも診られ、男性は外反母趾になっていないことが多いです。男の方で、この関節が痛む原因は、この状態が多く、外反母趾は少ないということです。他には、痛風の発作です。あるいは、発作の予兆段階で痛みがでます。

 

痛風は、体の血中に尿酸という物質が増えて(この状態を高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)といいます。)、血液中に溶けきれなくなり、それが、関節の周りに溜まって、急激に炎症を起こす病気です。痛風の発作は、激痛と、発赤がひどいため、見た目で区別がつきますが、予兆ぐらいですと、痛みもマイルドで、見た目も変化がありません。レントゲンでは尿酸は写りませんので、異常なしです。逆に白く写るものがあったら、カルシウムの沈着(石灰沈着性の炎症も激痛、発赤を起こします。)ですから、痛風ではないことになります。尿酸は中性脂肪あるいは、コレステロールとともに増える方が多く、放って置くと血管が痛んでくる、生活習慣病と同じなのですが、進行が遅く、重症になる方はほとんど診られなくなったため、今は、特定健診(=公的な健康診断)の項目からははずされています。

 

扁平足(へんぺいそく)

 

開張足(かいちょうそく)が、前足部の横のアーチの減少で起こし、外反母趾の原因とお話しましたが、こちらは、足の内側のたてのアーチの減少で起こる病気(状態)です。いわゆる土踏まずがなくなって、べた足の足跡が着く状態です。

この状態で、痛みが出るわけではありません。症状はないのです。原因もないことが多いのですが、ただ、この状態の原因となる外脛骨(がいけいこつ)などがあると、痛みがでやすくなります。

この骨は、距骨の前にある足の舟状骨(しゅうじょうこつ)の内側にあり、足を内がえしをする腱(後脛骨筋腱こうけいこつきんけん)や、靭帯がついています。ちょうど、内果(内くるぶし)のやや前に下の部分が出っ張ってふれます。内返しをする腱は、そのまま足底まで着いていて、土踏まずを持ち上げる役目もあります。この機能が弱くなり、扁平足になっている方がいます。レントゲンで見えてくるのは、10歳前後ぐらいですが、できるかできないかは、その前から決まっていますので、幼少時より扁平足になります。

また、この外脛骨(がいけいこつ)と、舟状骨(しゅうじょうこつ)とのつなぎ目が弱いため、運動をしていても痛みが出ますし、捻挫しても痛みがでます。男女問わず、子供に多く痛みがでます。大人になると痛みがでないことが多いのですが、若い女性で、怪我や運動なしでも、痛みを訴えてくる方も診られます。


治療は、足の底、内返しなどの筋力強化です。(足趾(あしのゆび)でタオルをつまみあげる運動、片足での持続的な爪先立ち、かかと立ちの訓練など)外脛骨(がいけいこつ)部で痛みが出るときは、テーピング、足の底を上げる足底板(そくていばん)装具の装着が効果があります。

 

第5中足骨骨折(だいご ちゅうそくこつこっせつ)

 

足を内返しにひねった時に起こします。下駄(げた)を履いていてひねった時に見られたことから、下駄骨折と呼ばれていました。起こす場所は、足の甲の、中央の外側の部分です。ちょうど、第5中足骨の立方骨とのつなぎ目に近い部分です。レントゲンでわかります。骨折がなくても、第4、5中足骨と立方骨の関節を痛めて同じ症状が出ることもあります。

治療は、必ずしもギプス固定は要りません。テーピング+弾性包帯固定でも治ります。だた、骨折の形では、骨がつきにくく、この部分は、足を外がえしする腱(腓骨筋腱ひこつきんけん)がついていますので、骨折部が離れていき、なかなか癒合しないこともあります。

 

 

中足骨疲労骨折(ちゅうそくこつひろうこっせつ)

 

こちらは、スポーツをする10代の若者に診られます。第5中足骨より細い、第3,4,(2)中足骨の中央部分に診られることが多いです。繰り返し負荷がかかることで起こり、ひねって起こすものではありません。痛みが出てくるのが先で、レントゲンでは、最初わからないことがあります。時間がたって、骨折線が見えたり、新しい骨(仮骨かこつ)が出来て、疲労骨折していたのだとわかることもあります。

治療は、テーピングをすることもありますが、局部の安静が第一です。経験上、レントゲンで新しい骨が充分にできていないと、運動すると痛みがでます。そのまま酷使するとまた再骨折します。

 

 

趾骨骨折(しこつこっせつ)

 

足趾(あしゆび)を壁の柱、机の柱、家具にぶつけたときなどに見られます。端っこの第5趾が多い印象です。足の位置感覚が鈍くなる、中年以降が多いのですが、若年者でも診られます。レントゲンで診断します。

治療はギプスなどのしっかりした固定は靴も入りませんので、つけるほうが苦痛になることも多く、テーピング治療をする方が多いです。

 

初めはレントゲンでわからないことがあります。足趾の退化?(あるいは使う必要がないための進化)により、5趾の末節骨(まっせつこつ)と中節骨(ちゅうせつこつ)は癒合している(くっついてひとつの骨になっている)方が多く、さらに4,3趾もこれらの骨が癒合している方もいます。この本来は関節であった部分を骨折しますと、関節になろうとするのか、骨折が離れてゆく方が多いのです。ギプスでしっかり固定しても、歩かないわけは行きませんので、離れてゆきます。したがって、最初わからないほどの骨折は、後からはっきり見えてきます。その後は、離れてきたあと癒合する方、そのまま関節となってしまう方(偽関節ぎかんせつ)がいますが、癒合しなくてもあまり不便さが残りません。

| 病気の話 | 16:08 | - | - | - | - |
整形外科の病気の話14
 

整形外科の病気の話14

 

下腿〜足の病気の話

 

腓骨神経麻痺

 

脛骨骨膜炎

シンスプリント

脛骨骨幹部骨折

 

下腿コンパートメント症候群

  スポーツ障害

腓腹筋損傷

 

アキレス腱断裂

 

アキレス腱炎

 

 

 

足関節外果骨折

 

足関節内果骨折

 

 

 

足関節捻挫

靭帯損傷は含まれる

足関節靭帯断裂(損傷)

 

 

腓骨神経麻痺(ひこつしんけいまひ)

 

腰から出て,足の趾先(ゆびさき)まで行くのが坐骨神経ですが、膝の後ろで、外側を回って、足の甲にでて趾先まで行く神経の部分を、腓骨神経(ひこつしんけい)といいます。この神経は、膝の後ろの外側で、皮膚のすく下まで出てきます。この部分には、腓骨頭(ひこつとう)と呼ばれる、下腿の外側を支える細い腓骨の端があり、この骨と、皮膚上からの圧迫とで、神経が圧迫されて麻痺を起こします。

原因は、ギプス固定した時、手術して、脚を台などに固定されている時、寝ている間に圧迫されて起こすこともあります。

症状は、足の甲(足背そくはい)の中央部分中心の知覚障害、しびれ、足趾、特に母趾の背屈障害(足の甲側に持ち上がらなくなります。)ひどいと、足関節そのものが足の甲側にそらすことが出来なくなり、歩くと、足がたれて、趾先が床に引っかかります。(下垂足かすいそく)

ギプス固定中や、手術後に脚を固定している時は、麻痺の前兆として、膝の外側に痛みが出たり、足背に痛みが出ますので、これらの痛みが出た時には、すみやかに膝の外側の後ろの圧迫を取り去る必要があります。

診断は、坐骨神経と同じ神経ですから、腰の椎間板ヘルニアなどで坐骨神経が圧迫されて麻痺する時と同じ症状ですので、腰の病気との区別=鑑別が必要です。

腓骨頭で圧迫されているこの麻痺の時は、圧迫されている部分をたたくと、足の方に響く症状があります。筋電図検査をすると、圧迫されている部分を確定出来ることがあります。(上肢の神経麻痺より測定がしづらくなります。)MRI検査では、腰の椎間板ヘルニアなどがありません。

治療は、膝で圧迫されていた部分の安静と、下垂足に対する処置です。

膝は屈伸しない方がよく、安静、弾性包帯などの固定で動きを制限させます。

下垂足は、そのままですと歩行に不自由ですので、足を90度に保つ装具、あるいは、着脱できるギプスを作成して、はめて歩行してもらいます。はずして、風呂に入ったり、拭いたり出来るようにしておきます。

神経を回復させる目的で、ビタミンB12を内服します。

改善が悪い時は、圧迫されている部分の神経の剥離術を行います。

 

脛骨骨膜炎(けいこつこつまくえん)

 

シンスプリントといって、若い、スポーツ選手の下腿の内側に起こる障害です。

脛骨のちょうど弁慶の泣き所の部分あたりに痛みがでます。

レントゲンでは骨膜は写りませんで、異常が出ません。診察の症状でわかります。

治療は、原則は安静です。痛みが治まったら、テーピングをして少しずつ運動を再開します。治ったと思って、急に元のように動くとまた痛みが出ることが多いです。下腿の筋力は強い方が有利です。ジャンプや、急にブレーキを掛けたり、下腿に負荷がかかるトレーニングを減らしたり、走り方などを変えたりする工夫が重要です。

 

下腿コンパートメント症候群

 

こちらを先にお話します。

前述は、下腿の骨である脛骨の障害です。

下腿には、そのほかに筋肉が豊富にあります。それらの筋肉は膜で4つの区画に分かれています。この区画をコンパートメントといいます。この筋肉が障害や損傷で腫れると膜は広がりませんので、逃げ場がなくなります。進行すると、筋肉が死んでしまって、大変なことになります。下腿は、体重がかかって負荷が非常にかかるため、筋肉の障害も起こしやすくなりますし、脛骨の骨折で腫れても同じ状態がおきます。(前腕も似たような構造ですが、体重が載るほどの負荷はかかりません。)この障害を下腿コンパートメント症候群といいます。

スポーツ選手では、脛骨そのものではなく、その内側、外側、あるいは後ろ側に痛みがでます。脛骨の骨膜炎と同時におきている方も診られます。足を動かして、その筋肉を引っ張る方向(ストレッチ方向)に動かした時に、痛みが出るときは要注意です。

診断はレントゲンではわからず、診察症状が大事です。筋肉そのものの圧を測定して診断は確定できますが、測定する方法、装置は普及していません。

治療は、まず安静と、下腿部分の高挙です。症状が強い時は、ギプスなどのしっかりした固定や、入院による徹底的な安静が必要です。進んだ状態で放って置くと、腫れた筋肉が壊死してきますので、皮膚を切って筋膜を広げる手術が必要なこともあります。手術後なら、縫った皮膚をまた開いて、さらに筋肉の膜まで縫った部分を解くことになります。

 

脛骨骨幹部骨折(けいこつこっかんぶこっせつ)

 

下腿骨骨折といったら、この部分の骨折を指します。骨幹部(こっかんぶ)とは、骨の中央の部分です。脛骨が膝の部分で骨折すると、前回お話した、高原骨折です。足の部分で骨折すると、後でお話しする、足関節の内果骨折です。腓骨も骨幹部で骨折しますが、このまま放置しても治りますし、骨移植の時は、この部分の骨を切除して他の場所に移植しますので、なくてもよい部分とも考えられ、重要視されていません。

脛骨の骨幹部は、前述していたように、弁慶の泣き所ですので、皮膚のすぐ下に骨が触り、骨折した時に、皮膚を破って、創ができる可能性が高くなります。この状態を開放骨折といいます。この場合は皮膚の下に骨折部が見える状態で、そこからばい菌が入って、感染する可能性が高くなるため、しっかり固定(ギプスより、創外固定(そうがいこてい)を使用することもあります。)して、抗生物質を投与して、感染を防ぎます。(外傷直後、生理食塩水(体の成分に近い水)で洗ったり、その後、傷を開いたまま毎日洗ったり、創を閉じて、チューブを入れておいて生理食塩水を還流させて持続的洗ったりします。)

開放骨折でなくても、ギプスなどの外からの固定だけでは、骨折部が不安定な時は、手術をする場合が多くなります。不安定で動く状態ですと、骨折が付くまでに時間がかかりますし、動いているうちに折れた骨が皮膚を突き破ってきて、開放骨折と同じになる可能性もあります。

手術は、髄内釘(ずいないてい)といって、骨の中を通して固定する方法と、プレートとスクリュー固定の二つの方法に分かれます。しっかり固定できた時は、手術なしでギプス固定で付くのを待つよりかなり短い時間で癒合します。(ただ、固定した金具をまた抜く手術が必要なこともあります。)

手術後、先に述べた、下腿コンパートメント症候群を起こすこともありますし、感染することもありますし、なかなか骨がつかないこともあります。

 

腓腹筋損傷(ひふくきんそんしょう)

 

俗に言う、ふくらはぎの肉離れです。

運動している時に、ふくらはぎにボールを当てられたような、ボンとくる感覚に襲われることもあります。若いかたより、青中年以降に、アキレス腱を切る方よりはるかに多く診られます。

診断は診察所見でわかりますが、エコーで損傷程度を診断すると確実です。

筋肉は、縫わなくても回復して癒合しますので、手術はしません。

ひどい痛みのときは、ギプス固定して、松葉杖で体重を掛けずに歩行して(松葉杖免荷歩行まつばづえめんかほこう)もらいます。が、通常は、弾性包帯固定で、安静で充分です。

この損傷後は、血栓が静脈に詰まることもある(エコーでは、静脈が太く写ります)ので、包帯で足先から巻き上げることは有用です。

 

アキレス腱断裂

 

スポーツ中に急に起こすところは、腓腹筋損傷(ひふくきんそんしょう)と同じですが、こちらは、中年以降の男性に多く診られます。

皮膚の下で断裂して、皮膚に傷はありません。足関節が、足底方向に曲げにくくなります。診断は診察でわかります。

治療は、以前は腱を縫い合わす手術が常に行われていましたが、現在は、手術しないで、固定治療で治す方法も行われます。手術する方が、しっかり確実に腱がくっつきますが、固定だけでも充分治るということです。

まず、足関節を、出来るだけ足底方向に曲げて→底屈(ていくつ)させて、切れたアキレス腱同士を近づける方向でギプス固定します。ある程度腱がくっついた時点で、少しずつ足関節を足の甲側にもどした位置(=すこしづつ背屈(はいくつ)させた位置)でギプスを巻きなおしてゆきます。足関節がほぼ90度の位置になった時点でギプスをはずして動かす運動を始めます。普通に歩けるまでに、2,3ヶ月、運動が出来るまでに6ヶ月ほどかかります。アキレス腱を手術して縫うとずっと早く運動できるようになるかというと、そうでもありません。

 
アキレス腱炎

 

アキレス腱が炎症を起こし、痛みがでます。若い10代の方でも起こします。

アキレス腱の踵骨(しょうこつ)についている部分に痛みが出ることもあります。この部分はレントゲンで、若い方では、骨の成長線部分(踵骨骨端核しょうこつこったんかく)があって、その部分で痛みがでますし、中年以降の方では、骨がとがってくる(骨棘こつきょく)が出来ていることもあります。

治療は、通常は、テーピング固定、弾性包帯固定などを来ない、安静を保つことで回復してきます。

 

足関節外果骨折(そくかんせつがいかこっせつ)

 

足関節(=足首)の骨折で最も多く見られます。そとくるぶしの部分の骨折です。この部分は、腓骨(ひこつ)の下端にあたります。

足関節を内返しにひねった時などに起こします。若い方より、骨が硬くなる青年以降の方に多く診られます。

診断はレントゲンで判断します。

骨折部のずれ(転位てんい)が大きい時は、手術して骨折部を金属のスクリューや、鋼線などで固定します。転位したままですと、骨がなかなかつかない場合がありますし、痛みがなかなか引かない場合もありますし、後年、変形性足関節症になる場合もあります。骨折部に転位がない時は、そのままギプス固定します。固定期間は、46週ほどです。

 

足関節内果骨折(そくかんせつないかこっせつ)

 

内くるぶしの骨折です。この部分は、脛骨(けいこつ)の下端の内側にあたります。足関節外果骨折(そくかんせつがいかこっせつ)に伴って診られることもあります。

診断は同じくレントゲンで判断します。

治療は外果骨折(がいかこっせつ)の時と同じ考えです。

 

足関節捻挫

 

足関節を内返しにひねった時など、骨折を起こしていない時は、この診断名になります。=レントゲンで、骨折がないことです。したがって、次項に述べる、靭帯の損傷、断裂は、広い意味では捻挫に含まれます。

頻度は、年齢、男女は問いません。

そとくるぶしを傷めることが多く、一緒に内側を傷めることもあります。かかとのすぐ上の関節、=足関節のひとつ下の関節=距踵関節(きょしょうかんせつ) を傷めることもあります。踵骨(しょうこつ)とその前方に位置する立方骨(立方骨)の間を傷めることもあります。このあたりまでが、足関節捻挫としてみなされることが多いです。それより足の前方の捻挫は足関節としてではなく、足部捻挫などの病名になります。

治療は、テーピング、弾性包帯固定、装具固定など、固定安静にした後、少しずつ動かして回復を待ちます。

 

足関節靭帯断裂(損傷)

 

足関節捻挫の中の、ひどい損傷と考えてください。足関節には、いくつもの靭帯がありますが、一番重要な靭帯は、そとくるぶし(腓骨(ひこつ)の下端から斜め下に走り、距骨(きょこつ)につく、前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)と呼ばれる靭帯です。この靭帯と、腓骨下端と踵骨をつなぐ、踵腓靭帯(しょうひじんたい)が切れると、足関節のかなりのゆるみがでます。

そのため、そのままレントゲン撮影しますと、異常はありませんが、内返しの方向にひねったまま撮影したり、足を前に引き出して撮影しますと、ゆるみがわかり、靭帯が切れていると診断できます。これをストレス撮影といいます。関節造影をおこなって、撮影して、造影剤が関節の外にもれているようであれば、靭帯の断裂の可能性が高いです。

治療は、症状に応じて、テーピング、弾性包帯固定、装具固定、靭帯の断裂の可能性が高い時、腫れや痛みが強い時は、ギプス固定をすることもあります。損傷直後は、固定安静が第一選択です。手術は最初の外傷では、まず行われません。最初の怪我の治療不充分で、足関節にゆるみ(=不安定性)が残っていて、痛みが出たり、何度もひねったり、日常生活が不自由な時は、手術を行います。足関節のそとくるぶしを回る筋肉の腱を利用して、足関節の靭帯を形成します。が、行う先生は整形外科の中でも少数です。

| 病気の話 | 16:28 | - | - | - | - |
整形外科の病気の話13
 

整形外科の病気の話13

 

膝の病気の話2

 

今回は膝の外傷の話です。

 

膝内障

 

半月板損傷(断裂)

 

前十字靭帯損傷(断裂)

 

後十字靭帯損傷(断裂)

 

内側側副靭帯損傷(断裂)

膝蓋骨骨折

 

膝蓋骨脱臼

外反膝 習慣性 若い女性

脛骨高原骨折

 

 

膝内障(しつないしょう)

 

この言葉は、本来、膝の骨以外の損傷や、障害をすべて含めて表します。

が、どの部分の損傷か障害かわかる時は、その病名をつけます。例えば、これからお話しする半月板損傷、靭帯損傷は、それらすべて含めて膝内障となるわけですが、それぞれの病名をつけて診断名とするのが通常です。そこで、どの部分の障害か、損傷かはっきりしない時にこの病名で呼ぶのが通常となっています。前回お話した、膝蓋骨周囲の病気は診断名とつけることが少なく、膝内障とすることも多いです。そして、比較的若い方に付けます。加齢とともに膝のいろいろな障害、軽い損傷は変形性膝関節症の病名に含まれてゆきます。

 

半月板(はんげつばん)損傷(断裂)

 

前回の解剖で述べたように、半月板は内側(ないそく)と外側(がいそく)の二つあります。断面方向に脚を切って見ますと、半月の形ではなく、ともに三日月形をしています。この半月板は柔らかな軟骨で、膝の動きとともに動いてクッションの役割をします。動くため、急にひねったり、ひねる方向に繰り返し負荷をかけていると、切れてしまうのです。

そのため、比較的若いスポーツ選手に多く見られます。が、加齢とともに半月板は薄くなり、弾力も失って、自然に切れて痛みが出ることもあります。また、円板状半月といって、断面で三日月形ではなく、本当の半月の形をしていて厚い半月板を持った方がいます。厚く大きな半月板は損傷を受けやすいのです。外側が円板状の分厚い半月板のことが多く、これは、先天的な形ですので、明らかな怪我もないのに10歳以下の幼少時から症状が出ることがあります。軽いと、完全に膝が伸展できない症状が特徴です。

 

診断は、半月板はレントゲンでは写りません。MRI検査が有用ですが、損傷が軽いと異常として現れないこともあります。MRI検査がなかった時代には、空気と造影剤を一緒に膝に注射する関節造影検査がよく行われました。しかし、いずれも細かい損傷はわからないことが多いため、症状が改善しない時は、関節鏡(関節の中を見る内視鏡)で直接中を見ます。この検査は、下半身麻酔をして、ばい菌が入らないように清潔にして行わなければなりませんので、手術室で手術と同じ状況で行います。麻酔もかけますので、手術前の血液、心電図などの検査も必要ですし、手術後入院が必要です。したがって、この検査を行う時は、同時に悪くなっている部分の処置(切除、縫合など)を行います。→(関節)鏡視下手術((かんせつ)きょうしかしゅじゅつ)といいます。

半月板そのものは、血管がなく血液が流れていませんので、修復する能力がありません。半月板そのものが、切れて(断裂して)障害がひどいと、手術しか治る方法がなくなります。が、周りの組織と付いている部分の断裂は、周りからの血流で修復する可能性がありますし、軽い損傷(断裂)ですと、障害がなんとなく薄れてきて日常生活に困ることもなくなります。このような場合は手術しないで治るのを待ちます。半月板そのものの損傷では、出血しませんので、膝が腫れることもなく、通常は、装具を着けて安静にし、回復状況を診て、膝の運動を始めます。

また、大きく動いて、引っかかって、膝が動かなくなることもあります。この場合は、関節の中に麻酔剤を入れた後、引っ掛かりを取る整復術を行うこともあります。

手術は以前は皮膚を適度に切開して、半月板をすべて取ってしまうことが行われました。しかし、現在は、切れていて悪さをする部分だけを切除したり、縫い合わせば、ある程度元に戻ると考えられる時は、縫合して出来るだけ半月板を残します。半月板はクッションの役割をしますからあった方がよいのです。なくなると、大腿骨側と下腿骨(脛骨けいこつ)側の硬い軟骨が直接こすれて、より早くすりへってしまいます。逆に、切れている部分は、ひっかかったりして、硬い軟骨をどんどん削ってしまいますので、ない方がよいのです。

関節鏡(関節の中を見る内視鏡)を見ながら行うことができる時は、皮膚を大きく切開することなく手術することも出来ます。(=前述の鏡視下手術)今流行の内視鏡で見ながらの手術は実はこの手術が始まりです。

 

前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)損傷(断裂)

 

膝の解剖の図で、大腿骨の中央後方から、脛骨(脛骨)=下腿骨の中央前方に付く靭帯が、

前十字靭帯です。この靭帯は下腿が大腿骨に対して前方向に飛び出さないように制動をかけています。この靭帯が損傷したり、断裂したりして、機能しなくなると、下腿が前方向に動き、膝を踏ん張った時、走って急にとまったり、坂道や階段を下りたり、前へジャンプして着地したりした時に、不安定となり、痛みが出たりします。非常に不都合な状態となるため、重要な役割をする靭帯です。

診断は、膝を90度に曲げた位置で、下腿を前に引き出すストレスをかけ、横から膝をレントゲン撮影して不安定の有無を見る検査(前方引き出しテスト)で判断は可能です。が、靭帯そのものは写りませんので、靭帯自体の状態がわかるのは、半月板と同じMRI検査が必要です。

靭帯も切れ方、切れる部位により、修復程度が変わります。中央部で完全に断裂すると、再び靭帯が着いて治る見込みはなくなりますが、大腿骨や、下腿骨についている付近の損傷では、修復する可能性が高くなります。

治療は、急に損傷した時は、まず、ギプスなどで固定安静とします。痛みが軽くなって時点で、装具を着けながら、動かす運動を始めます。開始時期は損傷の程度で違いますが、完全に靭帯が修復するのを待つと、大腿四頭筋などの筋力も落ちますし、軟骨も弱くなり、関節も固くなって、かえって回復が遅れます。そして、かなり関節が動くようになり、歩けても、少しぐらい走れても、装具は膝が安定するまで、着け続ける必要があります。

不安定感が残る時は、大腿四頭筋の筋力回復が重要です。(筋トレ方法は前回述べました。)この筋力が強ければ、膝を曲げて踏ん張った時に、膝蓋骨から膝蓋靭帯を伝わって、脛骨結節に力が伝わり、その作用で、下腿が前に出ることを制限してくれます。

損傷がひどく(=完全に断裂してる時など)は、これからの膝の使い方によって手術を行います。スポーツ選手は膝を酷使しますので、手術する確率は高くなります。逆に年を取られて、あまり動かないような方は必要ありません。手術方法は、自分自身の膝の周囲のほかの靭帯(例えば膝蓋靭帯)や、腱を利用して、前十字靭帯の部分を修復する手術がメインです。手術後の治療経過は、初めに述べた手術しない時と同じになります。関節鏡視下に行うことも可能です。関節鏡は、MRIではっきりしない損傷もわかりますので、診断の補助になりますし、手術も以前より関節を大きく切開することなく行うことが出来ます。

 

後十字靭帯(こうじゅうじじんたい)損傷(断裂)

 

大腿骨の中央前方より、脛骨(下腿骨)後方中央につく靭帯です。

こちらは、大腿骨に対して、下腿骨が後方に動くことを押さえます。

診断は、前十時靭帯と同じです。 レントゲンでは、膝を90度に曲げた位置で、下腿を後方に押し込んで横から撮影します。後方に不安定性があるか判断します。が、直接靭帯が写って確定できるのはMRI検査です。

前十字靭帯損傷との大きな違いは、こちらは、後方に不安定性が残っていても、通常は不便さを感じないことです。したがって、手術することはなく、痛みが引くまでギプス固定、膝装具固定などで回復を待てば充分です。

 

内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)損傷(断裂)

 

この靭帯は、内側に膝の半月板に付いてる構造です。診断は、膝を伸ばしたまま、膝の内側を広げるように下腿を外側に引っ張って、レントゲン撮影(外反ストレステスト)をします。損傷が強いと、膝の内側の関節の隙間が大きく広がります。→外反不安定性(がいはんふあんていせい)。関節造影の検査を行って、造影剤が内側から関節の外へもれる場合は、靭帯に穴が空いている断裂です。

治療は、軽度の断裂は前に述べたギプス固定→装具装着、膝の運動 で治療します。外反不安定性が強い時は、手術で縫合して、その後ギプス固定→装具治療と同じ治療を行います。

外側の靭帯は? 

外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)といいますが、これが単独で断裂することは稀になります。たとえ切れても、この靭帯は小さいので、固定後、膝の運動を行う治療を行うことで充分です。

 

膝蓋骨骨折(しつがいこつこっせつ)

 

膝頭(ひざがしら)、膝のお皿を、膝を曲げまま強く当てた時などに生じます。横方向に骨折することが多く、大腿四頭筋の力で上側(=頭側)骨は、上方(頭の方)へ引っ張られ、下側(=足先側)の骨は、膝蓋靭帯で、下腿の骨とくっついているままなので、骨折部で離れて隙間が空くことも多くなります。さらに、強く打つと、縦方向にも割れて、ひどいと粉々になります。

診断はレントゲンでわかります。

治療は、骨折線が離れていない時は、膝を伸ばしたままギプス固定→装具装着で、少しずつ膝の屈伸運動開始がよいです。骨が完全につくまで固定し続けると膝が曲がらなくなって、膝を曲げるリハビリテーションに月単位の時間がかかります。

骨折部が離れている時は、骨がつきませんので、手術して、スクリューや鋼線、ワイヤーなどで固定します。いくつかに分かれていても、出来るだけ骨をくっつけて止めます。ひとつひとつ止められないほどばらばらになっていても、ワイヤーで外周をまとめてしばって、ひとつにまとめます。手術後は、ギプス固定→装具装着、運動を少しずつ始める と、手術しない時と同じ治療がよいです。

 

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)

 

膝蓋骨は、通常、外側に外れます。外れやすい方は、前回お話した、膝蓋骨と、大腿骨のかみ合わせが悪い上、外反膝(がいはんひざ)の形になっている、関節が柔らかく動きが大きい、などを兼ね備えた時に見られます。そのため、比較的若い女性に多いです。外れやすい方は繰り返し外れることがあり、習慣性(反復性)膝蓋骨脱臼(しゅうかんせい(はんぷくせい)しつがいこつだっきゅう)とよばれます。

来院された時は、元にはまっていることも多く、そのままギプス固定後、膝蓋骨の周りを抑えるタイプの装具を着けて、少しずつ膝の運動を開始します。もちろん、大腿四頭筋力は強い方がよいです。手術は、頻繁に繰り返し脱臼する方に行います。膝蓋骨が外側に行かないように、膝蓋靭帯(膝蓋腱)の付く脛骨結節を、骨ごと内側にずらして止めたり、自身の腱を使って膝蓋骨を内側に引っ張って止めたりします。手術後は、やはり、手術しない時と同じように治療を行います。

 

脛骨高原骨折(けいこつこうげんこっせつ)

 

膝の下腿側の関節面の骨を脛骨高原と呼びます。この部分の骨折をこう呼びますが、関節にかかる骨折部分が離れていたり、関節面の部分の骨が下方(足側)に落ち込んでいる時には、手術を行います。特に、関節の荷重(体重が載る)部分の骨が陥没している時は、その骨を持ち上げて、持ち上げた骨の下に隙間が出来るので、その部分に骨移植(自分の骨を骨盤の前の腸骨からとってきて埋め込む)を行って、スクリューなどで止めます。隙間が出来るのは、その部分の骨が構造の弱い海綿骨(かいめんこつ)といって血球(赤血球、白血球など)を造る骨髄だからです。

レントゲンで診断が出来るはずなのですが、関節面が陥没しているだけですと、わからない、見落とされることもあります。この場合、CT,MRI検査が必要です。ギプス固定後、装具を着けて膝の運動を開始する方法は変わりませんが、体重が載る関節面の骨折ですので、その部分に体重を載せて歩ける(荷重歩行)のは、骨が充分ついてからの6〜8週以降です。(荷重が早いと、再び陥没する可能性があります。)

| 病気の話 | 19:08 | - | - | - | - |
整形外科の病気の話12
整形外科の病気の話12

膝の病気の話1

変形性膝関節症            加齢
大腿骨内顆骨壊死            加齢 
オスグットシュラッテル病        スポーツ少年少女
膝蓋靭帯炎            少年少女〜
膝蓋軟骨軟化症            少女
棚障害                少女〜
腸脛靭帯炎            ランニングニー
膝蓋滑液包炎  
膝関節炎


膝の解剖

大腿骨と、下腿骨(=脛骨(けいこつ))との間の関節で、それぞれの骨を覆う硬い軟骨と、その間で、ある程度動いてクッションの役目をする柔らかい軟骨の半月板があります。
膝は、比較的大きな関節ですが、股関節と違って、伸展と屈曲の運動が主です。特に屈曲角度が大きいので(=正座までできるので)、中央部を、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)、後十字靭帯(こうじゅうじじんたい)で、内側は、内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)外側は、外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)で支えられて、前後左右にぶれずにスムースに動くようになっています。この靭帯や半月板が切れると、不安定となって、痛みが出やすくなります。

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

加齢とともに起こってきます。股関節よりは頻度が高く、中高年の膝の痛みには少なからず、関与しています。
若い頃、膝を骨折して、形が変わった、半月板を痛めた、手術をした、靭帯をいためた、手術をした、などが原因の事もありますが、怪我をしていなくても、内反膝(ないはんひざ)の形の方は、変形を起こしやすくなります。+スポーツなどで使う頻度が高い方は、起こしやすくなります。
内反膝は、内側に体重がかかりやすいので、内側から軟骨が傷んできて、レントゲンでは、関節の隙間が狭くなります。進んでくると、骨がそれを体重が載る(荷重(かじゅう))面積を大きくしてカバーして修復するように、とがってきます。→骨棘(こつきょく)ができてきます。さらに進行して軟骨がなくなってくると、骨が硬くなって、レントゲンでは白く写ります。そして、さらに進行すると骨が壊れてきます。それに伴い外側の軟骨も傷んできて関節が狭くなり、同じように骨がとがってきます。
膝蓋骨と、大腿骨の間の軟骨がすりへって、狭くなり、骨がとがってくることもよく診られます。十字靭帯が下腿骨につく中央部にも負担がかかって、骨がとんがってくる方もいます。ただ、膝の外側だけ軟骨が磨り減って、関節が狭くなり、骨がとんがってくる症状の方は少ないです。
以上のような変化が、関節の変形=変形性関節症です。みために膝の形が変わる、ずれるという意味ではありません。

治療は症状に応じて選びます。
使って痛いときは、スポーツなどは休み、歩く距離を少なくしたり、体重を載せて曲げたり伸ばしたり、(=膝を屈伸する)正座や横すわりしたり、階段の上り下りは無理しないように注意します。自転車は体重がすべて膝に乗りませんので、よいように思われますが、膝を曲げたまま漕いだり、乗り降りの時に膝に負担がかかり、注意が必要です。
痛みが強い時、痛みはあまり強くないが、膝に水が溜まっている時は、消炎鎮痛剤(いわゆる痛み止め)を内服します。夜間(寝ている間)など、痛みが強く気になる時は、ノイロトロピンの内服や、静脈注射も効果があります。歩いたり、使うと痛い時、曲げ伸ばしが痛い時は、膝をかばう、サポーターや装具をつけること、あるいは、ヒアルロン酸の関節注射を考えます。膝に水が溜まって、かつ痛みが強い時は、注射で関節液を抜くと同時に、ヒアルロン酸や副腎皮質ホルモン(ステロイド)を関節内に入れます。
膝をかばう装具は、膝に着けるだけではありません。膝の内側に体重が載って、変形してくる方が多いため、体重が外側に載るように足の底に、足底板(そくていばん)という装具を着けて、脚全体の角度を変えて、歩くようにします。
副腎皮質ホルモン(ステロイド)は炎症を強く抑えます。炎症の強い状態ですと、効果があります。
ヒアルロン酸は、関節液の成分、関節軟骨の成分で、炎症も押さえますが、組織を修復する作用が強く、傷んだ部分を回復する目的で注射します。飲む薬は、コマーシャルでは皇潤(こうじゅん)などが有名ですが、残念ながら処方薬としてはありませんので、飲んだ人の何パーセントの方に効果があるのか、どの程度痛みを取り、軟骨を回復させるのか、不明です。同じく、コンドロイチン硫酸、グルコサミン(ともに軟骨の成分)なども一般薬局では売っていますが、処方薬にないため、効果のほどがよくわかりません。
ほか、進行を出来るだけ防ぎ、痛みをでにくくするため、大腿四頭筋訓練(だいたいしとうきんくんれん)を行います。
これはすべての膝の障害に共通する運動治療です。
大腿四頭筋は大腿前面にあり、膝を伸ばす筋肉です。膝蓋骨について、さらに膝蓋靭帯で、下腿の骨についています。膝をかばうには、この筋肉の力が必要です。膝が悪い状態が続くとこの筋力が落ちてきます。
基本的な訓練方法を述べます。
仰向けに寝て、膝を伸ばして、膝蓋骨を頭の方に引き上げる運動。 同時に膝を伸ばすように力を入れますので、膝が伸びにくい時に行います。膝蓋骨と大腿骨のかみ合わせを鍛えます。
仰向けに寝て、膝を伸ばしたまま、脚全体を20〜30センチ持ち上げて、10秒ぐらい静止します。
いすに座って、膝を伸ばします。10秒ぐらい静止します。砂糖袋や、ペットボトルなどを利用して足先に錘をつけると、負荷がかかります。

進行したときは、手術を行います。下腿骨=脛骨(けいこつ)を切って角度を変えて、体重が、膝の内側ではなく、均等にかかるように変える、骨切り術や、傷んだ軟骨を骨とともに取り去って、人工の物に変える、人工関節置換手術が主です。膝の人工関節は、正確に切れるような誘導補助装置を使うことが出来るため、手術後の成績(=どのくらいもつか)は、股関節よりかなりよくなっています。

大腿骨内顆骨壊死(だいたいこつないかこつえし)

膝の内側の大腿骨側の部分が、大腿骨内顆(だいたいこつないか)です。その体重が載る軟骨の下の骨の部分が死んでゆく病気です。変形性膝関節症だと思って何ヶ月も治療しても、改善しない、水が溜まり続けるとき、この病気になっていることがたまに?あります。高齢の女性に多い印象です。膝の内側が痛いので、変形性膝関節症の症状と全く同じです。初期にはレントゲンで異常がわかりません。改善が悪い時は、2,3ヶ月に一度レントゲンを撮り直して見る必要があります。MRI検査ですと、より初期から、どの程度の範囲に及んでいるか詳しく見ることが出来ます。
治療も、変形性膝関節症とほぼ同じです。体重が外側に載るように足底板(そくていばん)をつけて歩く、ヒアルロン酸の注射を関節にする、超音波治療(骨壊死を改善する作用があります。)を行うなどです。ただし、ステロイドの関節注射は、骨壊死の原因になりますので、行いません。通常は、半年から1年ぐらいで回復してきて治ります。進行して、どんどん骨が壊れてゆく場合は、骨を切って、体重が外側になる手術を行います。(骨切り術)

オスグットシュラッテル病
膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)


主に、十代のスポーツする若者に診られます。
膝蓋骨(しつがいこつ)と脛骨結節(けいこつけっせつ)とは、膝蓋靭帯(しつがいじんたい)あるいは膝蓋腱(しつがいけん)で、結ばれています。膝を伸ばすには、大腿の前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が縮んで、膝蓋骨を上に押し挙げて、さらに膝蓋靭帯を伝わって、脛骨結節に伝わり、下腿を伸ばす方向に作用します。膝蓋骨は、ちょうど大腿骨の上を滑ると同時に固定されて、てこの支点のような役割をしますので、なくなるとこの作用が機能しなくなりますので、大事です!!膝を踏ん張った時にも、膝蓋骨は大腿骨に圧迫されて、膝蓋腱を伝わって、脛骨結節にも、力がかかって、脚を固定します。したがって、膝の曲げ伸ばしを、体重をかけながら繰り返し行ったり、走って、急に止まったり、ジャンプして着地する時には,大きな力がかかります。この病気は、このような運動(バスケットやバレーボールなど)をする選手に多く見られます。
脛骨結節には、10代前半までは骨の成長線があります。骨が成長する部分は、軟骨になっていて骨よりは弱い上、身長の伸びが早いとこの膝蓋靭帯(膝蓋腱)伸びが追いつかずに引っ張られやすい状態になっているので、負担がかかると傷んできて痛みが出ます。この部分の障害をオスグットシュラッテル病と呼んでいます。一方、膝蓋骨についている方は、骨の成長線はありません。しかし、身長の伸びが早いとこの膝蓋靭帯(膝蓋腱)伸びが追いつかずに引っ張られやすいことに変わりませんし、膝蓋骨と大腿骨は硬い軟骨同士でしっかり圧迫されたり、こすれたりしますので、このこすりあわせが悪い、軟骨が弱い(つぎの膝蓋軟骨軟化症(しつがいこつなんかしょう)と関係が強いと考えます)と、膝蓋骨側でも痛みが出ます。こちらは、オスグットシュラッテル病のように病名が付いていませんが、実際はオスグット病より多く診られますので、膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)とします。
いずれも初めに述べた状態で起こると考えますので、治療、注意事項などもすべて共通です。
運動は、使いすぎないこと、特に屈伸運動、走っていて急に止まる動作、ジャンプなどは要注意です。膝蓋骨と、脛骨結節部分を圧迫する装具や、膝蓋骨を固定するテーピングを使うこと。特にオスグット病は骨の成長線が閉じるまでに骨のかけら(骨片)が残らないように治ることが大事です。大腿四頭筋訓練は、曲げ伸ばしをしない、あお向けて寝て脚を伸ばしたまま持ち上げる方法がよいです。治りが悪い時は、骨の成長線を早く閉じる目的で、ドリルで成長線を貫通するように、骨の奥までいくつも穴を開けて、骨の奥にある海綿骨(かいめんこつ)部分から出血させて→治癒させて骨の成長を促します。

膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)

膝蓋骨の裏は、大腿骨をすべるように硬い軟骨同士で関節になっています。このかみ合わせが悪く、膝蓋軟骨が傷んできている状態をさします。軟骨が溶けて柔らかくなっている状態ではありません。女性に多く診られ、運動している十代の方は痛みが出やすくなります。(次回述べますが、このかみ合せがひどく悪く、さらにX脚(えっくすきゃく)があると、膝蓋骨が外側に脱臼することもあります。何度も繰り返して、習慣性に脱臼することもあります。)
テーピング、装具治療や、運動上の注意は、オスグット病と同じです。大腿四頭筋訓練は、膝蓋骨と大腿骨の圧迫を促す、人間椅子(空気椅子)、四股のポーズを保つ方法がよいです。ただし、この方法は、痛みが強い時は行えません。
棚障害(たなしょうがい)

この症状が出る方も10代から若い女性に多い印象です。
膝蓋骨と、大腿骨の関節の内側に、棚と呼ばれる膜があるのですが、これが大きくなって、膝蓋骨の内側で痛みを出す状態です。
治療は、オスグット病、膝蓋軟骨軟化症と共通な部分が多いのですが、治らない時は、内視鏡を診ながらあるいは、直接皮膚を切って開いて、その棚を切除する手術をすることもあります。

腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)

ランニングをしている方に多く診られます。大腿の外側の大腿四頭筋の筋膜は厚く、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)と呼ばれます、この筋膜は、膝の外側を通って、下腿骨(脛骨けいこつ)についています。この膝の外側をまわる部分にランニングを続けることで、こすれて炎症を起こし、痛みが出る病気です。
テーピングや、安静で治療を行います。炎症を抑えるために、超音波治療なども効果があります。

膝蓋滑液包炎(しつがいかつえきほうえん)

膝蓋骨の表面には、皮膚と骨が摩擦を起こさないように、滑液包(かつえきほう)と呼ばれる組織(袋)があります。この部分に炎症を起こして、水が溜まる病気です。膝の関節の中に水が溜まっているわけではありません。
悪性のものではありませんので、放置しても構いませんが、毛穴からばい菌が入ると化膿しますので、あまりに大きい時は、注射器で内容物を抜いて、弾性包帯で、屈伸などの動きを制限して、圧迫し続ける治療を行います。(圧迫を続けないと、すぐにまた水が溜まります。)

膝関節炎

膝の関節の中に炎症がある状態を指す病名です。ひどくなると、水が溜まります。今まで述べた病気すべて、次回述べる病気、外傷も原因となります。他に原因として、大きな関節に炎症が起こるタイプの関節リウマチ、尿酸や、カルシウムなどの結晶が関節に析出して、急激に炎症を起こして、水が溜まり、痛みが強くて歩けなくなる、結晶誘発性関節炎(けっしょうゆうはつせいかんせつえん)が診られます。カルシウムがたまっている時は、レントゲンでわかります。偽痛風(ぎつうふう)と呼びます。一方、尿酸はレントゲンでは写りません。が、中年以降の男性に多く診られます。尿酸が高くなっても(高尿酸結晶こうにょうさんけっしょう)、痛風の発作ではなく、関節炎として発作が起こるのです。
治療は、消炎鎮痛剤(痛み止め)の飲み薬が効果が出ます。炎症が強い時は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)の関節注射が最も効果があります。
| 病気の話 | 19:34 | - | - | - | - |
整形外科の病気11
整形外科の病気11

股関節の病気
変形性股関節症          加齢
大腿骨頚部骨折          骨粗鬆症
内側型  
外側型  
大腿骨骨頭壊死          外傷後 ステロイド
股関節炎 小児
先天性股関節脱臼           乳児
   
大腿四頭筋損傷          スポーツ少年〜
大腿二頭筋損傷          スポーツ少年〜

変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)

中年以降の女性に多く診られる病気です。股関節は、大腿骨の骨頭(こっとう)部分が、骨盤の臼蓋(きゅうがい)にはまっていて、動くようになっている構造です。
原因がわからないことも多いです。
ただ、骨頭(こっとう)が臼蓋(きゅうがい)に充分に覆われていない(=臼蓋が浅い)と、骨頭の一部分に体重負荷が集中して、この病気になりやすくなります。
先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)(後述)の治療がうまくいかない時は、股関節が臼蓋(きゅうがい)にうまくかぶらなくなり,10代以前からこの病気に陥ります。
大腿骨骨頭壊死(=だいたいこっとうえし)(後述)の治療がうまくいかない時も、大腿骨骨頭が変形したまま治り、つぎに臼蓋の傷んできてこの病気に陥ります。
どのような状態になるかというと、まず、股関節の軟骨が磨り減ってゆき、レントゲンでは、関節の隙間が狭くなります。次に、それを修復しようとして、骨がとがってきたり、磨り減った軟骨の下の骨が硬くなり、レントゲンでは白く写ります。
症状は、レントゲンで変化が出る前に、痛みが出始めます。進行しているときは、通常痛みが出続けます。進行が止まると、痛みが出なくなり安定します。進行してくると、関節の動く範囲が狭くなります。関節を動かす筋肉の力が落ちてきます。痛みで歩く距離が落ちてきます。

治療は、手術以外の治療で進行を強く防ぐ“これだ”という有効な方法が見当たりません。

股関節を持ち上げる大腰筋(だいようきん)を中心とする筋力トレーニング、股関節を外側、後ろに持ち上げる筋力トレーニング
歩く時は股関節と骨盤を支えるサポーター、ゴムバンド、テーピングなどをつける。杖を使って手で体重の一部を支える。
超音波などの体の深部まで到達する治療器を使う。
ヒアルロン酸の関節内への注射は有効ですが、保険適応がありません。
などでしょうか。
いずれにしても、出来るだけ歩かずに、大事に使うしかないということになります。

歩けなくなったら、手術を考えます。
大腿骨の骨を切って、骨頭の壊れていない部分を荷重面に回す骨きり術などもありますが、
通常は人工の関節に置き換える人工関節置換術(じんこうかんせつちかんじゅつ)を行います。
うまく行くと、10年20年持つのですが、うまくいかないこともあり、5年前後で手術をやりなおすことも見られます。


大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)

骨粗鬆症になっている方が、転倒した時に起こしやすい骨折で、治療しても、歩けなくなることがあり、今日の高齢化社会で問題となる骨折です。
内側型=大腿骨頚部内側骨折(だいたいこつけいぶないそくこっせつ)

大腿骨は、近位部(=体の中心に近い部分)が、球面となっていて大腿骨骨頭(だいたいこつこっとう)と呼ばれます。その骨頭のすぐ下の部分で骨折を起こすのが、内側型です。骨折すると、骨頭へ栄養を送る血管が一緒に切れる=断裂するため、非常に骨がつきにくくなります。特に、骨折が転位(てんい=ずれる)していると、骨がつく見込みがないため、人工の骨頭に取り替える手術を行わないと歩けるようになりません。→大腿骨の人工骨頭置換術(じんこうこっとうちかんじゅつ)といいます。 骨がつかないと痛みが残って体重が掛けられませんので、歩けるようになりません。

外側型=大腿骨頚部外側骨折(だいたいこつけいぶがいそくがたこっせつ)

大腿骨の骨頭から離れた部分の骨折です。転子部(てんしぶ)で骨折すると、大腿骨転子間骨折、転子貫通骨折、などとも呼ばれます。こちらは、待てば骨がつきます。ただ、骨がついて、歩く練習が出来るようになるまで、2〜3ヶ月かかりますので、動けなくなって、歩けなくなる可能性が高くなります。転位(ずれ)が大きいときは、手術で固定して出来るだけ早く動き、早く歩く練習を開始することが大事です。固定方法はいろいろあります。早く歩く練習が出来るようになるのは、体重が充分支えることが出来る髄内定(ずいないてい)とスクリュー固定を利用したものです。

大腿骨骨頭壊死(だいたいこつこっとうえし)

大腿骨の骨頭部分の骨の血管が詰まり、骨が死んでゆく病気です。中年以降に起こります。
原因は、先に述べた、大腿骨頚部内側骨折のあと、骨折をスクリューでつないで癒合をまっているうちに起こしてきたり、アルコール中毒で肝硬変になるくらい進行している時、膠原病などで副腎皮質ホルモン(ステロイド)を長期に内服している時 などがありますし、わからないこともあります。
レントゲンでは、初期は、骨が固くなって白く写る硬化像(こうかぞう)として始まることが多いのですが、体重が乗る部分の骨が死んできますので、骨頭が次第につぶれてきます。症状も痛みが伴って歩けなくなります。
治療は、体重が乗る部分の骨の血流をよくするため、その部分に体重が載らないようにすることです。松葉杖で体重をかけないように歩く、骨盤の坐骨で体重を支える、長下肢装具(しょうかしそうぐ)を使用して歩く、などがその方法ですが、治るまで非常に長期に続けることが必要で、ある程度の年になるとほぼ不可能です。そこで、骨を切って、つぶれてきている骨頭部分に体重が載らないように骨頭を回転させて止めなおす方法や、人工骨頭置換術(じんこうこっとうちかんじゅつ)の手術を行うことが通例です。
まれですが、5〜7歳ぐらいの幼児にも骨頭の骨が死んでゆく病気があります。ペルテス病といいます。こちらの原因は不明ですが、2,3年で自然に治癒しますので、先に述べた、体重を載せないようにする免荷(めんか)治療をします。つまり死んできている部分に体重をかけないように歩くことです。体重をかけていると、骨頭の形が左右に大きくゆがんで治り、将来、変形性股関節症の原因となります。

股関節炎(こかんせつえん)

5歳前後の幼児に多く診られます。原因がわからない単純性股関節炎と呼ばれるものがほとんどで、レントゲンや血液検査で異常が出ないことが通常です。風邪の後、風邪の最中に診られることもしばしばです。
症状は、股関節が痛いと訴えてくれればよいのですが、痛くて足を付いて歩かない、歩いてもびっこを引いている症状だけのときや、膝を痛がることもあります。
治療は、痛み止めのアセトアミノフェンを飲ませると効果が高いのですが、安静だけでも治ります。運動はおろか、歩かせないようにすることです。外来通院でも、1週間以内にはほぼ改善します。痛みが先に取れますので、勝手に治ったと判断して運動をして痛みが再発することもあります。安静が保てない時や、改善が悪い時は、入院して、脚を引っ張って安静にさせると3,4日で改善します。また、改善が悪い時、他の関節も痛みが出てくる時などは、溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)のことがあります。その菌に効く抗生物質(こうせいぶしつ)を飲ませるとよくなります。
先に述べた、ペルテス病のときも、最初はこの症状です。改善が悪い上、レントゲンで変化が現れますので、区別がつきます。

先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)

乳児の股関節が外側に脱臼する病気です。生まれた直後は、股関節の開きが悪いぐらいの症状しかないため、月ごとに経過を追ってレントゲンを撮る必要があります。
原因は不明ですが、ほとんど女子に診られます。股関節は、大腿骨骨頭が、骨盤の臼蓋(きゅうがい)に覆われている構造です。この臼蓋(きゅうがい)の形成が不十分ですと、骨頭が充分覆われないため、次第に外側にはずれてゆくのです。
治療は、この形の不充分な臼蓋(きゅうがい)を、うまく骨頭を覆うようにつくらせることです。そのため、最初はリーメンビューゲル装具を着けて、股関節を開いた恰好でうごかさせて、骨が造られるように促します。軽い方は、大きい布オムツをつけて、脚を伸ばさずに、股関節が開いたままで動かさせることで充分です。
まれですが、うまく脱臼が整復できない時は、一歳前ぐらいから、入院して脚を持続的に引っ張ったり、股関節を手術して脱臼をもどす、股関節を開いたままギプスあるいは装具で固定する治療を行います。それでも脱臼が戻らない重症例が、10歳ぐらいから早期に変形性股関節症となってゆきます。

大腿四頭筋損傷(だいたいしとうきんそんしょう)

大腿(=もも)の前にある筋肉の障害です。膝を伸ばす作用があり、4つに分かれているので、四頭筋(しとうきん)と呼ばれます。
経験上、10代のスポーツをする男性に多く診られます。激しい運動で、筋肉を傷めます。この筋肉は、股関節周囲の骨盤についています。この骨についている部分が損傷されると、骨盤の剥離骨折となります。
筋肉損傷、筋肉断裂、いわゆる肉離れ どのくらいの程度かは、診ただけではわかりません。エコー検査をするとわかるのですが、手軽に外来で出来ない病院が多い上、なれないと画像の判断が難しく、あまり普及していません。エコー検査で、実際に筋肉が大きく断裂する(肉が離れている状態になる)ことは稀です。
治療は、筋肉は自然に修復しますので、安静を保つことで充分です。

大腿二頭筋損傷(だいたいにとうきんそんしょう)

大腿の後ろにある筋肉の障害です。膝を曲げる作用があり、2つに分かれているので、二頭筋(にとうきん)と呼ばれます。
こちらも、10代のスポーツする若者に多く診られます。この筋肉は骨盤の下の坐骨についていますので、この骨が剥離骨折することも稀にあります。
診断治療は、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と同じです。
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整形外科の病気の話10
整形外科の病気の話10

手周囲の病気の話2

手舟状骨骨折  
マレットフィンガー        指伸筋腱の断裂
ボクサー骨折        殴った時に起こす
伸筋腱断裂  
屈筋腱断裂  
手指神経断裂  
関節リウマチ        女性に多い
ガングリオン        手関節 腱鞘 


手舟状骨骨折(てしゅうじょうこつこっせつ)

手関節を構成する手根骨(しゅこんこつ)のひとつが、舟状骨(しゅうじょうこつ)です。親指の付け根の延長にあります。
バイクでハンドルを握ったまま、転倒した時などに見られます。
最初レントゲンでわかりにくく、1週間、2週間後に撮り直して骨折が判明することもあります。この場所の骨折は血流が悪いため、骨がつきにくく、隙間がない場合でも6週間ぐらいと固定期間が長くなります。隙間があいている骨折では、骨がつかないため、手術する必要があります。骨の中にチタン製のスクリューを埋め込んで固定する方法です。(スクリューを抜く必要がありません。)
放って置くと偽関節(ぎかんせつ)といって、関節のように動きが残って(動く範囲はごくわずかですが)痛みが残ります。この状態で発見されることもあります。この状態では、骨移植(自分の骨を他の部位からとってきて骨折部に埋め込む)とスクリュー固定手術が必要です。

ボクサー骨折
こぶしで殴った時に生じる骨折です。手を握っていますから、折れるのは、指の付け根の出っ張っているMP関節の手の甲の部分で、小指の付け根の第5中手骨(ちゅうしゅこつ)が折れることをいいます。ただし、中指の付け根の第3中手骨など、他の中手骨が折れる方もいます。
ひどいと、関節をつくる中手骨が手のひら側にお辞儀をする形で曲がります。戻るように押し上げて、指を強く屈曲させてギプス固定を行う方法が教科書に書かれていますが、うまくいったためしがありません。お辞儀をした骨折部の戻りが不充分な上、骨がつくまで指を曲げっぱなしにしますので、伸びなくなってしまって、動きをもどすのが大変です。少しぐらい形が変わって付いても機能に問題がありませんが、握りこぶしを作ったときには、骨折している部分の指の付け根の角の骨が沈んだ形になります。
大きく転位(ずれて)している時は、手術的にもどして鋼線で固定する方法を薦めます。

マレットフィンガー

指先の一番目の関節(=DIP関節)を伸ばす腱が、断裂した時、骨と一緒にはがれて骨折した時の指の状態を表す病名です。
指先の関節だけが曲がってしまい、伸ばすことが出来なくなります。放置していても、3〜4週間経つと、このままの形で、伸びるようにはなりませんが、曲がりますので、痛みもほとんどなくなり、使えます。このように放置してしまった方もしばしば見受けられます。
骨折がなく、腱の断裂だけの時の治療は、6週間ぐらいの指を伸ばしたままの固定安静が必要です。この期間指先だけの障害で固定し続けることが出来ない場合が多いので、鋼線を通して関節を動かなくしておく方法もあります。それでも固定をはずすと曲げる練習をして使ってゆくと、伸びが悪くなることもあります。腱にワイヤーや強い糸を掛けて、骨を通して引っ張って固定しておき、腱がしっかり骨に付いたらワイヤーや糸をはずして動かすと完全に伸びる指に戻りますが、この方法で治療することはまずありません。
骨折があるときで、ずれ(転位)が大きい時は、鋼線を2本使って元にもどして固定する方法などを行います。それでもうまくもとの形に戻らないこともありますが、放置して変な形で骨がついても、あまり障害にならないのがこの場所です。

手指の伸筋腱断裂(しんきんけんだんれつ)

手首や指を伸ばす腱を伸筋腱(しんきんけん)といいます。その腱は筋肉になって、前腕の手の甲側を走り、肘の外側(手のひらを前に向けた位置での)についています。
上述のマレットフィンガーは、骨折がない時は、指を伸ばす伸筋腱の皮下断裂で起きます。創がないのに皮膚の下で、断裂するという意味です。他に皮下で断裂するのは、関節リウマチの炎症が強いときに手の甲で伸筋腱が切れたり、橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)では、母指を伸ばす腱が切れることがあります。いずれも、元のように指を伸ばすには、腱を縫う必要があります。
通常は、創ができて一緒に切れます。指を伸ばす腱は、鋭い刃物できれいに切れている時は、創を縫うときに、切れているのに気づけば、その場で縫って構いません。(外科の先生は腱が切れていると腱には手をつけないことが多いです。)よほどひどい縫い方をしない限り、くっついて動かなくなることが少ないのです。
手術して縫ったところは、他の皮下の組織と手術後にある程度くっついてしまいます。これを癒着(ゆちゃく)といいます。創からばい菌が感染すると、癒着はひどくなります。癒着を出来るだけ避けるのには、この感染を避けることと、組織のダメージを出来るだけ少なくすることです。最初から、創によるダメージが強ければ、癒着は必ず起こりますので、ダメージを受けている腱の部分を切り取って、きれいな部分をつなぎ合わせる必要があります。腱も、他の組織もよけいなダメージを与えないようにするには、すべての組織を針でピンポイントで持つ、すべてメスを使って線で切ってゆく手術をすることです。(点と線の手術=これが本当のアトロウマティック(よけいな損傷のない)手術です。)
このような方法を取らなくても、少しぐらいくっついても動きがほとんど戻るのが、伸筋腱です。
ただし、切れた腱が付くまで、3週間ぐらいは無理に動かさない様に、ギプスシーネで固定は必要です。

手指の屈筋腱断裂(くっきんけんだんれつ)

指や手首を曲げる腱を屈筋腱(くっきんけん)といい、その腱は、筋肉となって、前腕の手のひら側を走って、肘の内側に付きます。
こちらは皮下で断裂することはほとんどなくなります。
通常は、創ができて一緒に切れます。神経や、血管も一緒に切れることも多く、整形外科でも、手の外科の細かい手術に慣れている方が行わないと、縫っても腱がくっついてしまい、指が元のようになかなか動くようになりません。神経が切れている時はそちらも縫う必要があります。(血管は通常縫う必要はありません)
指を曲げる腱は、DIP関節(指先から1番目の関節)とPIP関節(指先から2番目の関節)を同時に曲げる腱と、PIP関節だけを曲げる腱の2本があり、その腱が交差する部分をノーマンズランドといって、刃物で切ったような鋭い傷でも、同時に2本とも縫うと、くっついてしまって、指がうまく動かなくなるといわれています。そのため、DIP関節とPIP関節同時に動かす方の腱だけを縫っておけば、両方の関節が曲がりますので、1本だけ腱を縫う方法を取るのが通常です。
縫った後は、ギプスシーネ固定をして、指が伸びないようにします。指を伸ばすと、縫った腱が切れてしまいます。神経も切れてしまいます。しっかり付くまで、4〜6週、固定し続けて動かさないでいると、指が動くようになかなかなりません。そこで、早くから少しずつ動かす工夫をするのが通常です。手術中のどこまで伸ばしても大丈夫かを確認しておくと、術後早めに、その範囲で手術した先生自らが指導して動かすようにすれば、動きはかなりよくなります。→元のように動くようになるためには、手術後のリハビリテーションがかなり重要だということです。
(刃物でノーマンズランドの部分を切った創でも、点と線の手術で、手術後のリハビリも完璧なら、2本とも腱を縫っても元に戻ります。=戻るはずです。)

手指神経断裂

手指に創をつけたとき、前述したように屈筋腱と一緒に切れることもありますし、神経だけ切れることもあります。
神経は手の外科の手術になれている先生が、顕微鏡(=拡大鏡)を見ながらにきちんと縫うことがベストです。圧迫されたり引きちぎられているような怪我の時は、神経がちぎれたり、つぶれたりして、だめになっている部分が生じます。だめになった部分は、取り除いて、正常な部分をつなぎ合わせなければつながりません。だめになった部分が長いと、正常な部分同士を引っ張り合わせて縫うことが出来なくなります。そういう場合は、患者さん自身の他の部分から皮膚の神経を持ってきて足りない部分の橋渡しをしなければなりません。=神経移植術といいます。
指の神経は細くなりますので、神経をつなぐ手術を行うのは、DIP関節(指先から1番目の関節)より、手首に近い部分までです。それ以上先の神経は、通常手術してつなぎません。
手術後は、神経がつながるまで、ギプスシーネで固定して、安静を保ちます。通常3週間は固定をはずさないようにします。
順調に行けば、1日1ミリ伸びて、神経が回復するとされます。指の先端から6センチ(=60ミリ)のところで切れて縫ったとすれば、指の先の感覚が戻るには、手術してから60日後ということになります。

神経断裂の話のついでに、手に行く神経の話をもう一度まとめます。

正中神経(せいちゅうしんけい)

肘の手のひら側を通って、手首の手根管(しゅこんかん)を通って、手の母指、示指(人差し指)、中指の皮膚の感覚と、母指の腹の筋肉の一部を支配します。手根管より前の部分の正中神経は、肘の辺りで、指や、手首を曲げる筋肉を支配します。そのため、肘の外傷で、正中神経が麻痺しますと、指の関節特に、示指のDIP関節、母指のIP関節(ともに指先から1番目の関節)を曲げることが出来なくなることから始まります。感覚は、上に述べた指先の感覚が鈍くなります。痺れもでます。示指と母指でつまんで、○を作れなくなります。

尺骨神経(しゃっこつしんけい)

肘の内側(手のひらを前に向けた時)の後ろを通って、手のひらの手首の小指側を通って小指と環指(薬指)の皮膚の感覚と、手のひらの筋肉を支配します。肘で圧迫された時が、前にお話した肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)です。痺れも出ます。麻痺すると、小指が外に広げる力が弱くなります。母指と小指でつまむ力が弱くなります。感覚は、今述べた指先の感覚から鈍くなります。

橈骨神経(とうこつしんけい)

上腕骨骨幹部骨折の項でお話した神経です。
手の指を伸ばす、手首を反らす筋肉と、手の甲の母指と示指の間の皮膚の感覚を支配します。上腕の中央部で麻痺することが多く、痺れよりも、指と手首が上に持ち上がらない(=反らすことができない)症状が出ます。寝ていて自然に圧迫されて起こすことも多いのですが、回復は、上の二つの神経よりよく、2,3ヶ月で元に戻ります。

治療は神経が圧迫されている部位を固定安静として回復を待ちます。手首で圧迫されているなら手首を、肘で圧迫されているなら肘を固定して動かないようない、出来るだけ使わないようにすることです。ギプスシーネや装具で固定することもあります。橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)で、手首がたれてしまう時は、手首を保つように固定します。
圧迫部位にレーザー光線を当てると回復が早まることが多いです。
圧迫部位に炎症を抑える副腎皮質ホルモン(ステロイド)を注射すると回復が早まることが多いです。
薬は神経を回復させるビタミンB12を内服します。
改善しない時や、どんどん麻痺が進行するときは、手術して圧迫されている神経を開放します。神経を包んでいる膜だけを切開することを神経剥離術(しんけいはくりじゅつ)といいます。(手根管症候群で正中神経が麻痺している時は、手根管を構成する靭帯も切開します。)神経を圧迫されている部分からずらして違うところを通るようにもって行く手術は、神経移行術(しんけいいこうじゅつ)です。(肘部管症候群で尺骨神経が麻痺している時は、この手術をします。)

関節リウマチ

慢性関節リウマチのことです。成人以降の女性に多く診られます。(子供がかかるのは、若年性関節リウマチといいます。)
原因はまだわかっていません。簡単にまとめてみます。外からのばい菌やウイルスなどを破壊して、身体を守る力(=体の機構)を免疫(めんえき)といいますが、自分の体までは壊さないようになっています。この状態がくずれて、自分の体まで破壊してしまうようになる病気を自己免疫性疾患(じこめんえきせいしっかん)といいます。この自分の体のうち、関節の組織を壊すのが、関節リウマチです。(肝臓を壊してしまう時は、自己免疫性肝炎です。)壊れた組織は、白血球が集まってきて処理されます。組織が腫れて炎症をおこすことになります。
したがって、関節リウマチでは、関節炎になります。どの関節が炎症を起こすのか、どのくらい進行するのかは、いろいろなパターンがあります。進行する典型的な型は、指のMP関節、PIP関節、手関節が両側とも炎症を起こすものです。指先から1番目のDIP関節だけが炎症を起こすことはまずありません。この場合は、前回お話した、手のヘベルデン結節=変形性関節症です。他に、足関節、膝関節、肘関節など、大きな関節に来る型もあります。ひとつの関節だけが炎症を起こすこともあります。
手や指の関節から炎症を起こす場合の、初期の症状として、朝のこわばりがあります。朝起きたときに手指が固くなって、動きづらくなる症状です。炎症がおきている時は、動かさないでいると、動かし出すときに動きづらかったり痛みが出たりします。したがって、腱鞘炎、ばね指でも同じように動きが悪くなります。変形性関節症でも炎症があれば、動きが悪くなります。つまり、朝のこわばり=関節リウマチとは限りません。
この病気は、炎症が治まることなく進行しますと、関節の軟骨が壊れて、レントゲンでは関節の隙間が狭くなります。さらに、軟骨の下の骨も壊れていき、関節が破壊されていきます。変形性関節症では、ひどい負荷をかけ続けなければ、骨が修復するようにとがってきたりしますので、ここが違うところです。関節リウマチのほうが、進行すると変形性関節症より、関節がだめになりますので、人工関節の手術する機会も以前は多かったです。
現在は、治療薬が進行を防ぐよいものがどんどん出てきています。関節が破壊されて、人工関節の手術まで行く方は少なくなりました。新しい薬は、免疫抑制剤(めんえきよくせいざい)、生物学的製剤(せいぶつがくてきせいざい)と呼ばれます。ただし、副作用もかなりあり、副作用を調べる検査も度々行わなければいけません。そのため、使うことが出来ない方も診られます。以前から最もよく効果がある薬は、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)です。こちらは、長期的に飲むと副作用が現れますので、そこが問題です。症状が軽い方は、消炎鎮痛剤(しょうえんちんつうざい=痛み止め)と、抗リウマチ剤(=免疫調整剤)の併用で進行はかなり止められます。

ガングリオン

手関節、特に手の甲が最もよく見られる部位なので、ここで紹介します。
関節の弱いところに孔が空いて、そこから袋が出てきて、その中にゼリーが溜まります。その弱い部分から痛みが出ることもあります。水より粘り気が強い物質が溜まりますので、硬く触れて、骨や、軟骨が出てきたような感じになることもあります。
ばね指を起こす部分(MP関節の手のひら側)の腱鞘から出来ることもあります。手のひらの指の付け根に小さい硬いしこりが触れるようになります。
もちろん、膝、足など、他の関節からも出ます。
治療は、注射器で内容物を抜いたり、つぶしたりします。自然につぶれることもあります。手術でとる時は、関節に通じている孔まで追いかけていって、塞いでおかないと、また再発する可能性があります。ただし、悪いものではありませんので、放置しても通常問題はありません。
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整形外科の病気の話9
整形外科の病気の話9

手周囲の病気の話1

橈骨遠位端骨折             子供〜高齢者 骨粗鬆症
尺骨茎状突起骨折            成長期以後〜高齢者 骨粗鬆症
手関節炎                 三角線維軟骨障害
母指狭窄性腱鞘炎            腱鞘炎
手根管症候群            正中神経麻痺
母指CM関節症            高齢者 変形性関節症
ばね指                 腱鞘炎
手ヘベルデン結節            変形性関節症


橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)

老若男女問わず、しばしば見られる骨折です。
転んで手を着いたときに起こす手首の骨折で、最も多く診られます。
骨の成長期のお子さんでは、軽いと、若木骨折(木の細い枝を折ったときつながって折れる形)となります。2〜3週間のギプスシーネ(ギプスで造った当て木)固定で充分治ります。
同じお子さんでも、この骨折がひどく転位(ずれる)していると、局部、あるいは上肢全体に麻酔してもどします。ただし、隣の尺骨(しゃっこつ)が折れていない時は、転位が大きい(骨折部がかみ合っていないほどの)と、戻りませんので、手術が必要なこともあります。少し切開してもどして鋼線で止めます。
高齢者では、骨が弱くなっている骨粗鬆症の方は、少しの外傷でも起こしやすくなります。激しく手を突いたときは、骨が3つ4つに割れて骨折して、短縮してしまいます。この場合、麻酔して元にもどしても、ギプス固定中にまた短縮してしまう場合が多いので、元の形にもどすには、手術して、固定しておく必要があります。今のはやりは、手のひら側にプレートと、スクリューで固定する方法です。 ただし、手術を受けずに、短縮して手首の形が変わっても(=変形治癒(へんけいちゆ))、手首を酷使しない方にとっては、あまり痛みも出なく使えるのが通常です。

尺骨茎状突起骨折(しゃっこつけいじょうとっきこっせつ)

尺骨の尖端ある突起の骨折です。骨の成長期のお子さんでは、この突起は充分骨になっていませんので、成長期が終わった後の年齢から、通常は、橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)に合併して診られます。(骨の成長期のお子さんは、尺骨も橈骨と同じ高さ(=位置)の遠位端で骨折します。)
初診時は、見落とされることもしばしばですが、癒合しなくても、痛みが残らないことも多いです。症状が残る場合は、手首を回すと痛みが出ます。橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)より、骨癒合が悪く、ギプス固定期間を長くする必要があります。

複合性局所疼痛症候群(ふくごうせいきょくしょとうつうしょうこうぐん)=CRPS

前にもこの話をしましたが、この骨折のあと、指が動きにくくなる方がいます。放って置くと、全くというほど指が動かなくなってしまい、使えない手になってしまいます。女性の中年以降の方が多い印象です。指を動かすように外来で頻繁に診てゆくのですが、それでもある程度までは進行して、指の動きが悪くなって、元にもどすには、3,4ヶ月、半年、あるいはそれ以上かかります。この状態になるかならないかは、人によって決まっているようです。遺伝子に素因があるのではないかと推測します。この状態も、上病名の一種と考えています。

手関節炎

手首の関節に炎症があり、痛みが出る状態です。炎症は強いと、腫れる、熱感がある、赤みが出るなど、目に見える症状が出ますが、軽いと、見た目ではわかりません。
自然に痛みが出ることも多く、中でも三角線維軟骨障害(さんかくせんいなんこつしょうがい)のことが多いです。
手首の前腕側の骨は、橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)が関節をつくっています。この二つの骨の間と、手側の手根骨(手首を構成する小さな骨群)とがスムースに動くように軟骨のクッションがあります。これを三角線維軟骨(さんかくせんいなんこつ)といいます。この部分が傷んできて炎症が起こり、痛みが出る場合が多いのです。
尺骨の方が橈骨(とうこつ)より長かったり、尺骨の端が、手の甲側に出っ張る方は、痛みが出やすくなります。自然に痛みが出る方は、若い女性に多い印象です。
もちろん、怪我をしてここの障害を起こすこともあります。スポーツで酷使して痛みが出る方もいます。この場合は、若い男性が多い印象です。
症状は、手を小指側に動かすと痛む、手のひらを上側に回すと痛む、手のひらを上を向いた位置で、さらに手の甲側にそらすと痛む、などです。お茶碗をもつ手の位置や、手のひらを上に向けて物を持ち上げて、手首をそらした時などが、これに当たります。
他に、手根骨の間に痛みが出ることもあります。これも若い女性に多い印象です。痛みが出た後しばらくして、痛みが出ている部分の手の甲が膨らんでくることもあります。これは、痛みが出ているところの関節が弱くなっているために、袋が関節の外に出て中にゼリー状の分泌物が溜まる ガングリオン と呼ばれるものです。
さらに手首全体に腫れが強い時は、関節リウマチのこともあります。これも女性が多くなります。
治療は、レーザー光線や、超音波を当てる消炎鎮痛処置(ホームページ参照)と、弾性包帯固定で安静にします。手のひらを上にして手を使わないこと、手首をこねて使わないこと、=手のひらを下に向けて手首を固定して使うことがベストです。
三角線維軟骨(さんかくせんいなんこつ)の損傷が強い時は、装具で固定したり、ギプスの当て木(=ギプスシーネ)を作って、固定します。
さらにひどい損傷で改善しない時は、手の外科の専門医で、関節鏡を見ながら修復する手術を行うこともあります。

母指狭窄性腱鞘炎(ぼしきょうさくせいけんしょうえん)

手首の親指(母指)側の部分には、母指関節を伸ばす腱や、母指を外側に開く(=外転する)腱が走っていて、その腱が浮いてこないように、腱鞘(けんしょう)と呼ばれるトンネルの中を通っています。このトンネル内で、炎症を起こして、トンネル(=腱鞘)の壁が厚くなり腱がうまく動かなくなるのがこの病気です。→実際の症状は、母指を小指に近づける方向に動かすと痛い、逆に外側に開こうとすると痛くて出来ないなどの症状です。
原因はわからないことが多いのです。が、通常2本の腱が3本に分かれていたりしている方は、なりやすく、また治りにくいため、手術治療になることがあります。また、出産後2、3ヶ月〜半年ぐらいでこの状態になる女性が時々診られます。
治療はレーザー光線や、超音波を照射する消炎鎮痛処置を行い、厚手の包帯、装具、ギブスの当て木(ギプスシーネ)で固定安静にします。改善が悪い時は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を腱鞘内に注射します。産後に生じる方は、まず、ここまでの治療で改善します。改善しない時は、この腱鞘を切開する手術を行います。ただし、3本目の腱に気づかずに切開し忘れると、症状が残ることがあります。

手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

手首の関節は、前腕の骨の指先側(=遠位(えんい)側)は、手根骨と呼ばれるいくつかの小さな骨で構成されています。この手のひら側は、靭帯で支えられていて、その中には、手のひらに向かう、正中神経(せいちゅうしんけい)と呼ばれる神経が走ります。この部分を手根管(しゅこんかん)といい、この部分で、正中神経が圧迫される病気が手根管症候群です。
原因はわからないことが多いのですが、人工透析をしている方には時々診られます。
症状は正中神経麻痺です。母指、人差し指(=示指(じじ))中心に痺れる、同指先の感覚が鈍くなる、母指の付け根の手のひらにある筋肉(=母指球)が麻痺して細くなり、示指と母指でOの字を書くようにつまむことがうまく出来なくなります。
症状がはっきりせず、診断が確定できない時は、筋電図(EMG)検査(きんでんずけんさ)が有用です。針を刺して母指球の力の入り具合を測定したり、知覚伝導検査(ちかくでんどうけんさ)といって、皮膚の間隔を脳のほうに伝える知覚神経の伝わる早さを測定して、
治療は、ビタミンB12を飲んだり、レーザー光線を当てて神経の回復を促します。手首を固定安静にして刺激を減らします。改善しない時は、手術的にこの手根管を切開して開放します。

母指CM関節症(ぼし しーえむ かんせつしょう)

母指の付け根の第一中手骨と手根骨との関節をCM関節といいます。この部分は、加齢で、変形性関節症になることがあり、それにより痛みが出る病気です。男性より、女性が多い印象です。軟骨が磨り減ってきて、レントゲンで、関節の隙間が狭くなり、骨が固くなって白くなったり、骨がとがってきたり(骨棘(こつきょく))が出来たりします。
症状は、母指の付け根の部分が腫れて出っ張ってくる、押すと痛みが出る、母指を動かしたり、力を入れると痛みが出る などです。
治療は、レーザー光線や、超音波を照射する消炎鎮痛処置を行う、厚手の包帯や、装具、ギプスシーネで固定安静を保つ。改善ない時は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を関節内に注射するなどです。手術は、この関節を固定する手術ですが、高齢者で不便をあまり感じない方が多く、通常は手術までは至りません。

ばね指

指の先から2番目の関節(母指では一番目)を曲げて、伸ばす時に、ばねのように引っかかってガクンと来る病気です。痛みもこの2番目の関節に感じることが多くなります。症状が軽いと、まずは痛みだけ、次に朝だけ曲げて伸ばした時に引っかかるが、使っていると引っかからなくなる。進んでくると、2番目の関節が完全にまっすぐ伸びなくなる、曲げるとなかなか元に伸びない、そのため曲げることを恐れて、充分に曲がらなくなってくる などの症状になります。
指先から1番目の関節をDIP関節、2番目の関節をPIP関節、3番目の関節をMP関節といいます。母指では、1番目の関節をIP関節、2番目の関節をMP関節といい、3番目の関節が前に話したCM関節となります。
症状はPIP関節に出るのですが、実際の悪いところは、MP関節です。(母指でもMP関節です。)このMP関節の手のひら側を通る指を曲げる腱は、皮膚表面に浮いてこないように、腱鞘のトンネルがあります。このトンネル内で炎症を起こして、腱鞘(=トンネルの壁)が厚くなって中を通っている腱が動きにくくなります。つまり腱鞘炎を起こします。この腱は、DIP、PIP関節を動かす腱なので、動きが悪くなるのは、より指先の関節となります。
治療は、レーザー光線、超音波などを照射する消炎鎮痛処置、腱鞘内にステロイド注射します。改善が悪い時は、腱鞘を切開する手術をおこないます。固定治療は言われていませんが、実際は、MP関節を固定して、指先の関節だけ動かすように固定し続けると改善してきます。

手ヘベルデン結節

DIP関節(指先から1番目の関節)に起こる変形性関節症です。痛みが出てきて、腫れてきて、ごつごつした塊が触れてきます。進行すると、指先が曲がってきます。レントゲンでは、軟骨が磨り減って、関節の隙間が狭くなります。関節の周囲の骨がとがってきます。(骨棘形成(こつきょくけいせい))
中年以降の女性に多く診られます。母指には起こりにくく、起こすのは、示指(人差し指)、中指、環指(薬指)、小指です。どの指から起こるのか、どの指までがなるのか、どの程度までに進行するかは個人差があります。(→ならない方は全くなりません)
治療はレーザー光線を当てる消炎鎮痛処置や、テーピングなどで、固定して使います。薬は、長期に飲み続けなければなりませんが、痛み止めが効果があることがありますし、パロチンという皮膚の角化症(かくかしょう=皮膚が硬くなる病気)に使う薬が効果がある方もいます。
| 病気の話 | 09:18 | - | - | - | - |
整形外科の病気の話8
肩関節から肘にかけての病気の話

今回は、病気より、外傷の話が多くなります。

習慣性肩関節脱臼       肩が外れる通り道
上腕骨近位端骨折       骨粗鬆症
上腕骨外科頚骨折  
上腕骨骨頭骨折  
   
上腕骨骨幹部骨折  
   
上腕骨外上顆炎        テニス肘
上腕骨内上顆炎        野球肘
肘滑液包炎  
肘内障  
肘部管症候群  
   
上腕骨外上顆骨折  
上腕骨顆上骨折  
肘頭骨折  
橈骨頭骨折  


習慣性肩関節脱臼(しゅうかんせいかたかんせつだっきゅう)

肩関節は、靭帯や、腱板で支えられてだけで、しっかりとした骨の壁に覆われていない関節です。その上、動く範囲も大きいため、無理に動かされると、脱臼しやすいのです。前方に脱臼することがほとんどです。
脱臼した時は、肩を支える靭帯は切れます。その靭帯が修復されるには、3週間ぐらいはかかると考えられるのですが、脱臼整復後、1週間も腕を安静にしていると、痛みが取れて治った感覚になってしまいます。そのまま使うと、靭帯が修復されないまま動くので、肩関節の袋が大きくなって治ります。そして、肩が外れる通り道が出来てしまうのです。
また、肩の関節の肩甲骨側の支えが小さく浅いと、外れやすいです。これはその人の生まれつきの形です。このような条件がそろうと、ちょっとひねっただけで何度も肩が外れるようになります。この状態を、習慣性(あるいは反復性)肩関節脱臼といいます。
再び脱臼しないようにするには、広がってしまった肩関節の袋を縮める手術が必要です。力がある男の方や、肩甲骨側の受ける面が小さい方は、肩甲骨の前の部分に脱臼しないように骨で壁を作る(肩甲骨の前に突出する烏口突起(うこうとっき)をずらしてスクリューで止めるなど。)手術も必要になります。腱板を鍛える運動治療だけでは、再脱臼を防ぐことが出来ないとされています。
上腕骨近位端骨折(じょうわんこつきんいたんこっせつ)
上腕骨外科頚骨折(じょうわんこつげかけいこっせつ)
上腕骨骨頭骨折(じょうわんこつこっとうこっせつ)


呼び名が違いますが、上腕骨の肩関節を構成する部分の骨折で、ほとんど同じものです。近位端(きんいたん)は上腕骨では、身体に近い肩の部分を表します。
腱板がついている部分の骨だけが骨折しますと

上腕骨大結節骨折(じょうわんこつだいけっせつこっせつ)
となります。

骨が弱い、骨粗鬆症の方は、ちょっとした転倒で起こします。
骨折の転位(=ずれ)がないときは、腕が動かないように固定して骨がつくことを待ちます。ギブス固定は通常行いません。
転位が大きい時は、固定する手術を行います。鋼線を挿入したり、プレートとスクリューで止めます。骨が何個にもばらばらになって、転位が大きいときは、人工の肩関節(=人工骨頭)に変えることもあります。
いずれの治療も、固定安静で、骨がしっかりつくのを待っていると、リハビリテーションが大変になります。→肩関節が硬くなり、腕がなかなか挙げることが出来ません。ほぼ元のように挙げるために、半年〜1年以上かかります。
骨がついた時に、腕がかなり挙がっていても、怪我以前と同じように肩関節が動くようになるのはなかなか困難です。→この場合でも2,3ヶ月かかります。
少なくとも、骨がついた時に、ほとんどもとの動きにもどっているためには、骨がつくかなり前からの(受傷後5日目〜一週間ぐらいからの)運動治療が必ず必要=本人の努力も必要です。
上腕骨幹部骨折(じょうわんこつこっかんぶこっせつ)

上腕骨の中央部分の骨折です。
明らかな外傷のとき以外にも、腕相撲をしていて起こすこともあります。
こちらは、ギプス固定をして骨がつくのを待つことが最低必要です。
転位(ずれ)があるときは、通常プレートとスクリューで固定する手術を行います。
上腕骨の中央部分は橈骨神経(とうこつしんけい)が走っていますので、受傷時も、手術時もこの麻痺に注意です。麻痺すると手首や指が、手の甲側に動かすことが出来なくなります。(→指を握る方はできます。) ですが、切れたり、大きな損傷以外では、肩、肘の安静を保っていますと、1.2か月で回復してくるのが通例です。損傷して神経を縫い合わせても、3、4カ月で回復します。

上腕骨外上顆炎(じょうわんこつがいじょうかえん)

手のひらを体の前に向けて腕を垂らした時に、肘の外側に触れる骨の部分を、上腕骨の外上顆(がいじょうか)といいます。テニスをしている方がよく痛くなる場所で、俗称テニス肘です。加齢で、肘も少しずつ軟骨が傷んできたり、骨がとがってきたりします。つまり、肘の変形性関節症です。このような状態ですと、少しの負担で、あるいは自然に痛みが出てきます。この場所から痛みが出てくることが多くなります。
この部分には、指を伸ばしたり、手首を甲側に反らしたり、前腕部分を回したりする筋肉が付いていますので、手首や、指を動かした時=手を使った時に肘に痛みが走るようになります。
そのため、肘に痛みが出たら、手首を回したり、こねて使うことを避けることが大事になります。また、肘を伸ばすと、筋肉が伸びて肘に負担がかかりますので、肘を曲げて筋肉をゆるめた位置で使うことも大事です。
治療は、レーザー光線、超音波照射などを行う消炎鎮痛処置、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を注射する、テーピングで、筋肉に負担がかからないようにする、肘の下の部分にバンド(エルボーバンド、テニス肘用バンド)を巻いて、筋肉の動きを抑えて肘の負担を軽くする、手首を固定するバンドを使う、などです。

上腕骨内上顆炎(じょうわんこつないじょうかえん)

前に述べた外側の反対側の骨のでっぱりが、上腕骨内上顆(ないじょうか)です。この部分が痛くなる若い方は、野球をしている方が多いです。前と同じに加齢変化で痛みが出てくることもありますが、頻度は少なくなります。治療や、使い方の注意事項は、前述と同じです。ただ、指や、手首を伸ばしたりする筋肉が付くのが、外上顆で、指や手首を曲げたりする筋肉が付くのが内上顆です。

肘滑液包炎(ひじかつえきほうえん)

肘頭の表面と、皮下が滑るように作用する袋の炎症です。水が溜まって膨らんできます。毛穴からばい菌が入って感染する(=化膿する)と大変ですので、大きい場合は、水を抜きます。(=穿刺します。)ただ、抜いてそのままですと動いて炎症を起こして、また水が溜まりますので、厚手の包帯で動きを抑えて圧迫し続けることが大事です。それでもまた水が溜まりますが、何回か水を抜いて圧迫し続けているうちに袋がくっついて水がたまらなくなります。

肘内障(ちゅうないしょう)

乳幼児の腕を急に引っ張った時に起こします。(他に軽くひねった時にも起こします。) 1歳未満から6歳ぐらいまでです。痛がって、腕を垂らす恰好になります。これは、肘の橈骨頭(とうこつとう)を押さえている輪状靭帯(りんじょうじんたい)がずれることで起こります。肩を傷めたのではありません。年齢が上になってくると、靭帯がかたくなって起こさなくなります。
整復は簡単に出来ます。整復後は特に固定もいりません。ただ、強くずれていると戻らないこともあります。もどらない時はそのまま様子を診て構いません。3.4日で腕を使うようになります。長くても1週間後ぐらいには戻ります。

肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)

肘の内側の後ろ側の上腕骨の部分には、尺骨神経(しゃっこつしんけい)が通る溝があります。この部分を肘部管(ちゅうぶかん)といいます。これは、ここで神経が圧迫される病気です。
症状は、尺骨神経麻痺(しゃっこつしんけいまひ)です。手の小指中心に痺れが来ます。進行すると、小指を中心に感覚が鈍くなります。小指を外に保つ力が弱くなります。親指と小指でつまむ動作に力が入らなくなります。
原因は、この部分を圧迫したり、肘を酷使して刺激していた時ですが、不明のこともあります。この溝から尺骨神経がずれて(=外れて、脱転して)動いているので症状を起こすこともあります。手のひらを前にして腕を垂らした形で、前腕が極端に外側を向く外反肘(がいはんちゅう)の方は、起こしやすくなります。小さい頃怪我でこの形になり、大人になってからこの病気になることもあります。→遅発性尺骨神経麻痺(ちはつせいしゃっこつしんけいまひ)といいます。
診断を確実にするのは(=確定診断)、筋電図(=EMG)という検査です。筋肉に針を刺して筋力を調べると同時に、知覚神経を刺激してどこで神経が圧迫しているか調べます。(=知覚神経伝導検査)
治療は、軽ければ、神経を回復させるビタミンB12の飲み薬と、厚手の包帯固定を巻くなどして肘の安静を保つことです。ひどい時は、手術をします。尺骨神経を溝からはずして圧迫されない部分に動かして固定する方法です。

上腕骨外上顆骨折(じょうわんこつがいじょうかこっせつ)

小児に多い骨折です。先ほど説明した、肘の上腕骨の外側の部分の骨折です。転位(ずれる)とそのまま付いて、肘の形が変わってしまう(変形治癒(へんけいちゆ)する)ので、手術をして、正確な位置にもどして鋼線で固定する手術する機会が多くなります。

上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ

こちらも小児に多い骨折です。ほとんど ずれ(転位)がない例はそのままギブス固定で付きますが、転位が大きい時は、入院して腕を垂直上方向に引っ張ってベット安静にするなどの処置が必要です。そのままギブス固定をしますと、さらに転位が大きくなって変形治癒(へんけいちゆ)したり、親指や人差し指に行く正中神経(せいちゅうしんけい)が麻痺することもあります。 転位が大きく、骨折部がかみ合っていない時(図青矢印)は、位置をもどして鋼線で固定する手術をすることもあります。
老人でもこの骨折を起こすことがたまにあります。最初をずれ(転位)がなくても、ギブス固定をしているうちに、転位してきて変形治癒しますので、正確に元のように治すには、手術が必要です。

肘頭骨折(ちゅうとうこっせつ)

成人以降に多く診られます。
ひじがしらは、肘を曲げた時に、外側に出っ張る部分です。ここには、上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)という、肘を伸ばす筋肉が付いているので、引っ張られて、骨折部が離れてしまうのが通常です。(図青矢印)そこで、鋼線とワイヤーで手術することが通常です。

橈骨頭骨折(とうこつとうこっせつ)

橈骨頭(とうこつとう)は、肘頭が尺骨であるのに対して、橈骨(とうこつ)の端にあって、肘の関節を形成する部分です。小学生低学年ぐらいまでの小児では、軟骨のままで、完全に骨が出来てきません。したがって、レントゲンで骨折は見えませんし、小児ではこの部分は柔軟性があるため、ここの骨折はまず診ません。それ以降の年齢の方に診られることになります。ここも、橈骨神経(とうこつしんけい)がすぐそばを走っていますので、麻痺に注意は必要です。
程度の軽い例は、包帯固定や、ギプス固定で治ります。ひどい転位(ずれ)があるときは手術をすることもあります。
| 病気の話 | 09:54 | - | - | - | - |
整形外科の病気の話7
肩周囲の病気

今回は、肩こりの部分、肩関節の部分、胸、肋骨の病気、外傷(一部)の話です。

鎖骨骨折  
肩鎖関節脱臼  
胸鎖関節炎  
肋骨骨折                 骨粗鬆症
肋軟骨炎  
胸骨骨折   
肩関節周囲炎            以下の病気を含む
五十肩                可動域制限
肩峰下滑液包炎  
上腕二頭筋腱炎  
石灰沈着性腱板炎            急激な炎症
肩腱板損傷(断裂)          肩峰下滑液包部痛

鎖骨骨折

鎖骨は左右に長いのですが、骨折するところが多いのは、中央部分、肩関節に近い部分(=遠位端(えんいたん)といいます) です。

中央部の骨折

乳児から、大人まで起こします。
生まれた時、産道を通った時にも起こします。乳幼児でもおこします。明らかな怪我の後、腕が挙がらなくなります。大きくずれることはまずなく、細い木の枝を折ったときにつながって折れるような形(=若木骨折(わかぎこっせつ))のことが多いです。骨もつきやすく、固定もせずに、経過観察でも充分です。2週間ほどで治ります。
小学生ぐらいまでの、お子さんでも、同じように若木骨折の形で折れます。厚めの包帯(弾性包帯(だんせいほうたい))で8の字に固定するか、鎖骨バンドで固定して経過を診ます。同じく、3週ぐらいで治ります。
中学生以上になると、骨折にずれ(=転位(てんい)といいます)が出ることがあります。骨のつきがいいので、同じ鎖骨バンド固定で充分で、4週ぐらいで治りますが、高校生の女の子で、8ヶ月以上骨がつくのがレントゲンで見えてこなかった経験があります。
大人になって、骨が硬くなると、3つ、4つに砕けて骨折することがあります。同じ鎖骨バンド固定で通常は骨がつきます。痛みがつらい時は、最初はギブス固定の方が楽です。が、胸全体と、腕の一部を固定しますので、嫌がる方も多いです。中年以降の男性は骨のつきが悪くなります。3.4ヶ月かかることが通常です。1年以上骨がついたことがレントゲンでわからないこともあります。そのため、転位(ずれ)が大きい時は、手術を薦める先生もいます。手術は、骨の中に鋼線を通す方法、プレートとスクリューで固定する方法の二つがメインです。

遠位端の骨折

鎖骨の左右の端っこの骨折です。高校生以上の大人に多い印象です。
転位(ずれ)が大きい時は、手術して止めることもあります。ずれが少ない時は、同じ鎖骨バンド固定で骨がつくのを待ちます。骨がつく期間は上と同じで、中年以降の男性は骨の付きがかなり遅くなります。転位が大きくて骨がつかなくなっても、あまり痛みが出ないこともあり、高齢の方は、手術しないことがほとんどです。


肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)

鎖骨の左右の端っこ(遠位端)は、肩甲骨と関節をつくります。肩鎖関節(けんさかんせつ)といいます。その部分で、鎖骨が上方へ脱臼します。すぐ上に述べた、遠位端の骨折と同時に起こすこともあります。
転位が大きい時は、鎖骨の端っこがかなり飛び出て見えます。押し込んでもどしても、また上に挙がってしまいます。そのため、元の位置にもどすには、手術が必要です。ただ、絶対もとの位置に戻って治る確実な手術方法がありません。→手術をしても、また上に挙がってしまうこともあるということです。
外見上、でっぱりが残っても、あまり障害が残らないため、様子を診ることもあります。最初は痛くても、そのうちに痛みもなく使えるようになるということです。そのため、高齢者は通常手術しません。

胸鎖関節炎(きょうさかんせつえん)

鎖骨の体の中心部のほう(近位端(きんいたん)は、胸骨(きょうこつ)と関節をつくります。こちらは、胸鎖関節(きょうさかんせつ)といいます。この部分では、炎症が診られることあります。(脱臼や、この部分の鎖骨の骨折もありますが、稀になります。)女性が多い印象です。変形性関節症のこともあります。骨や、軟骨が出っ張って皮膚の下に膨らんで触れます。痛みがあるときは、消炎鎮痛処置のリハビリや、飲み薬で充分です。
この関節の炎症と、手のひらや足の裏に湿疹ができる時は、掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)という病気の可能性があります。この病気の治療はいまだに決め手がないようです。


肋骨骨折

しばしば見られる骨折です。
骨が弱い骨粗鬆症のときは、明らかな怪我がなくても起こします。激しい運動や、咳込むことが続いていて、繰り返し負担がかかっていると、起こすこともあります。
肋骨は左右12本ずつあるため、レントゲンで、骨と骨が重なって写るため、骨折がわからないこともあります。2,3週間後に取り直してわかることもありますし、撮影方向を少し変えるとわかることもあります。1ヶ月たって、取り直したときに新しい骨ができているので骨折とわかることもあります。
骨折かどうかはっきりしなくても、治療方針に違いはありません。痛みが強い時は、バストバンドなど、マジックバンドつきの固定具で圧迫固定して骨がつくのを待ちます。ギプス固定は行いません。骨が肺を突き刺すような骨折でない限り、通常手術もしません。
1週間ほど経って、炎症が肺の膜(=胸膜)に及ぶと痛みがつらくなることもしばしばあります。肋骨のすぐ下は肺です。骨折自体の痛みより、この炎症が広がっている時の方が、痛みが強いのです。
4〜6週で、治りますが、3,4本と多発骨折の時は、治りが遅くなります。また、多発骨折の時は、肺の損傷も起こし、肺がしぼんでくることがありますので、注意が必要です。


肋軟骨炎(ろくなんこつえん)

肋骨の前の部分は、軟骨となって、胸骨(きょうこつ)につながっています。
軟骨ですので、レントゲンでは写りません。そのため、この部分の損傷はレントゲンで折れているかどうかわからないため、骨折という診断名はつきません。
自然に痛みが出ることもあります。女性に多く、この病名をつけることがあります。
消炎鎮痛処置のリハビリや、飲み薬で通常は治ります。(治りが悪い時は、今まで述べてきてた痛みのコントロール障害で、痛みが出ていることもあります。)


胸骨骨折

胸の前の部分にある骨です。肋骨が肋軟骨となって、この骨とそれぞれ関節をつくっています。
強く圧迫された時に骨折を起こすことがあります。この骨はレントゲンですと、心臓、気管支、肺、肋骨の陰影と重なって、正面像がよく写りません。側面(身体を横向きにして、腕を後ろに組んで撮影)で、骨折がわかることがあります。(ぽっきり折れてずれるほどの時は肺などの損傷も考えられ重症です。)
治療は安静で、つらい時は、肋骨骨折に使うバストバンド固定します。


肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)

肩関節とは、腕を動かす体との関節です。腕の付け根の部分です。肩こりの部分ではありません。
この関節の周りに起こる炎症を指す病名です。
これから述べる病名はすべてこの状態になります。

五十肩

広い意味では、上に述べた病名全体を指します。
本来は、以下に述べる状態の病気です。
四十、五十過ぎになって、原因なく自然に起こり、痛みが続いているうちに、肩関節が動かなくなって、腕が挙がりにくくなったり、後ろに回りにくくなります。(=凍結肩(とうけつかた))さらに月日とともに、自然に痛みがなくなり、動きが次第によくなります。この間、1,2年かかることもあります。

肩峰下滑液包炎(けんぽうかかつえきほうえん)

肩関節周囲の部位を表す病名で一番多く見られる炎症です。
肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)は、上腕骨と、肩甲骨の肩峰(けんぽう)と呼ばれる部分の間に、腱板と呼ばれるすじ状の筋肉が走っていて、その腱板がスムーズに動くように、肩峰との間にある潤滑の役目をする大きな袋です。炎症を起こした後に、袋がくっついてしまうと、肩関節の動きが悪くなります。
症状は、肩関節部分の痛みに限らず、上腕部分の痛み、肩甲骨を支える筋肉の痛みなど広がります。

上腕二頭筋腱炎(じょうわんにとうきんけんえん)

同じく、肩関節周囲の部位を表す病名です。
肘を曲げる時にできる力こぶを上腕二頭筋といいます。この筋肉は、腱状になって肩の前の肩甲骨部分についています。この腱は、肩関節部分の上腕骨の前のところを通っていて、そこでこすれて炎症を起こします。
炎症が長く続くと自然に切れてしまうこともあります。通常高齢になってから起こしますので、手術してつなぐことはあまりしません。
他に、肩の前の部分や、肩峰と、烏口突起(うこうとっき)の靭帯の下の部分の炎症、鎖骨と肩峰のあいだの 肩鎖関節(けんさかんせつ)の炎症などもしばしば診られます。

石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)

今まで述べてきた肩の周囲にカルシウムを含む石灰が溜まり、それが炎症を起こして痛みを起こします。腱板に溜まることが多いので、この病名としましたが、上腕二頭筋腱などのほかの部分にも溜まります。今まで述べてきた肩周囲の炎症はレントゲンでは確認できません。しかし、この石灰は、レントゲンで写ります。
急激に炎症を起こすと、激痛がきて、急に肩(=腕)を動かすことが出来なくなります。マイルドな炎症ですと、症状が急激にきませんので、レントゲンで確認しないかぎり、他の肩関節周囲炎と区別がつきません。
激痛でも、炎症を抑える治療を行うと、どんどん楽になって改善します。
一番効果的な治療は、石灰沈着している部分に副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤を注射することです。注射が苦手な方は、その部分に、レーザー光線、超音波などを照射し、痛み止めの薬を使うと効果があります。
五十肩と違うところは、急激に炎症が来て、肩関節が動かなくなること、炎症を抑える治療を行うと、改善は早いこと、 です。

カルシウムは、骨にほとんど蓄えられていて、それ以外の部分にレントゲンでわかるほど溜まることは通常ありません。なぜ、石灰(カルシウム)が、骨以外の部分に溜まるのか はわかっていません。また、溜まっていても、通常はサイレントです。→石灰が消えなくても、症状が出なければよいのです。加えて、なぜ急激に炎症を起こすのかもわかっていません。ただ、使いすぎたり、ひねったなどのちょっとした負荷の後に起こる場合が多いです。
ある程度の年齢の方が起こすことが通例ですが、20代でも起こす方がいます。骨からカルシウムが出やすい状態になっていると考えられます。カルシウム不足ですと、骨からカルシウムが出やすい状態になりますし、そのような状態になっていて、カルシウムを取りすぎると、さらに石灰が溜まるとも考えられます。

肩腱板損傷、断裂(かたけんばんそんしょう、だんれつ)

腱板は、上腕を、肩甲骨に押し付ける作用があり、腕を上げるためになくてはならない腱状の組織です。肩の表面に盛り上がって見える三角筋だけでは、腕は挙がりません。4つの筋肉が腱状になっていて、肩を包みますが、損傷されやすいのは、棘上筋(きょくじょうきん)です。
もちろん骨ではありませんので、レントゲンでは写りません。→レントゲンでは確定できません。MRI検査、エコー検査でわかることがあります。

怪我をして、腕をひねったり、手をついて肩に負荷がかかると、腱板を損傷します。ひどくなると、上腕骨の肩の部分に骨折を起こしますが、骨折の話は次回とします。明らかな外傷がなくても、腱板は自然に損傷されます。スポーツ選手で、繰り返し振りかぶって球を投げたり、打ったり、ラケットを振ったりすると、腱板は肩峰にこすり続けられます。前に述べた、肩峰下滑液包炎になりますが、ひどくなると、腱板を傷めます。年を取ってくると、自然に傷んできて、肩峰の下の部分や、上腕骨の腱板の付いている部分の骨が、でこぼこになってきます。これが、肩の変形性関節症です。
腱板の話をここでするのは、肩峰下滑液包のすぐ下(深層)にありますので、症状が軽いと、肩関節周囲炎(=肩峰下滑液包炎)と区別がつかないためです。→五十肩と診断しても、腱板の損傷の可能性があるのです。
症状が強くなりますと、腕を挙げる時や、降ろす時に引っかかったり、痛みを感じる角度が出てきます。痛みも、肩関節部分ではなく、上腕の方に感じることが多くなります。さらにひどくなり、断裂して穴が開きますと、最初は腕が挙がりません。小さな断裂ですと、その部分が何とか修復されて1ヶ月もすると、また腕が挙がるようになります。ところが、大きく穴が開いてしまうと、3ヶ月以上たっても、腕が挙がるようになりません。そのような場合、ある程度、若い方ですと、不便ですから、手術して修復する治療を考えます。

今まで述べた病気に共通する治療の話

原因となっている部位に、超音波や、レーザー光線を当てる消炎鎮痛処置は、炎症を抑えて、組織を修復させる作用があります。
ヒアルロン酸の注射も炎症を抑えて組織を回復させる作用があります。副腎皮質ホルモン(ステロイド)の注射は、炎症を強く抑えます。
腱板周囲の障害は、エコー検査でわかることがあり、エコーを見ながら、その障害部位に針を刺して、ヒアルロン酸と、ステロイドを注射すると、効果が一番高くなります。(当院で行っていますので経験上の話))この方法は一般病院では、手軽には行えませんが、効果がある と発表はされてきていますから、これから普及するかもしれません。
肩に診察所見に見合わない極度の痛みを訴えられるときは、ノイロトロピンが効果があります。飲み薬より、静脈注射がより効果的です。
五十肩は、自然経過で、炎症が強い時期、→腕が挙がらなくなる時期と進行しますので、すぐに改善しません。特に動きが悪くなってからでは、月数をかけて、運動療法を行って、少しずつ動きをよくする必要があります。
麻酔して、くっついている組織をはがして、急に動きをよくしても、また組織がくっついてしまって、思ったように改善しません。また、運動療法で動かすとき、痛みが強いと、上に述べた、肩関節のヒアルロン酸とステロイド注射、ノイロトロピンの静脈注射などを加えないと、なかなか痛みが取れなかったり、逆に動きが悪くなってしまうこともあります。
| 病気の話 | 08:32 | - | - | - | - |
整形外科の病気の話6
腰部の病気の話2

今回は、腰椎の病気と診断できない時の腰部の病気の話をします。実際は、腰が痛い、下肢が痛い、痺れる、という症状で、腰椎の病気と診断できない例も少なくありません。

坐骨神経痛          腰椎の病態(病名)除外
梨状筋症候群  
仙腸関節炎  
恥骨骨折  
坐骨骨折  
腸骨剥離骨折
尾骨骨折  

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)

腰椎では、主に、第4,5腰椎と、第5腰椎、仙椎(仙骨)の間の椎間板の位置から左右に出る神経が、骨盤の中で、神経叢(しんけいそう)と呼ばれるいくつもの神経が絡み合った部分を形成します。そして、一本の坐骨神経となって、臀部の筋肉の間から骨盤の外へ出ます。そして、下肢の後ろ側を走って、足先まで行きます。
したがって、症状は、臀部から、下肢の後ろに走る痛みや、痺れです。
前回お話した、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎変性あるいは分離すべり症で、第4,5腰椎の間、第5腰椎、仙骨の間(の椎間板レベル)で下肢に行く神経が圧迫されて、下肢痛が出る場合の症状が、坐骨神経痛です。
ただ、これらの場合は、上に述べた、それぞれの腰椎の病名がつきます。(症状が坐骨神経痛です。)
ところが、坐骨神経痛の症状が出ているにもかかわらず、上に述べた病気でない場合は、症状名である坐骨神経痛をそのまま病名にします。 (と考えてください。)
=腰椎の中で圧迫されていないのですから、原因は、腰椎から出た後の骨盤の部分です。整形外科では、この部分での障害の適格な病名がない のですが、次の二つを病名としてあげます


梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)

坐骨神経が、臀部の筋肉から出てゆく部分で圧迫されている時の病名です。この部分の筋肉を梨状筋(りじょうきん)と呼びます。
MRI、CT、レントゲン検査では診断できません。いいかえれば、前回お話したMRI検査や、脊髄造影CT検査で、腰椎の病気がないことです。(=腰椎の病気を除外する→除外診断といいます。)診察所見で診断します。この部分を麻酔剤で神経ブロックを行って、痛みが取れれば、確実です。
治療は、痛みの出ているところに、炎症を抑える超音波、レーザーを照射する消炎鎮痛処置や、骨盤を押さえて安静にするコルセット(あるいはゴムバンド)、上述の診断にも治療にもなる坐骨神経ブロックです。改善しない時は、梨状筋の圧迫部分を切って神経を解放する手術を行います。

仙腸関節炎(せんちょうかんせつえん)

仙腸関節は、腰椎のすぐ下の仙骨と、骨盤の左右にある腸骨の間をつなぐ関節です。
教科書に載っているものは、一般の細菌が感染した時の化膿性の関節炎や、結核菌が感染した時の結核性関節炎などです。進行すると、骨盤に膿がたまってきますので、CTや、MRI検査で診断が可能です。が、これらは稀です。

実際は、ここで痛み(腰痛)が出ている方は少なくありません。坐骨神経は、この関節のすぐ下をかすめて筋肉の外に出ますので、この関節に負担がかかっていたり、炎症が起こると、坐骨神経痛が出る可能性があります。
こちらも、MRI,CT検査で異常が出ません。上述した、除外診断となります。整形外科では、この部分を病気として見なすことは少なく、異常なし とすることが多いと考えます。が、多少なりとも炎症がありますので、仙腸関節炎という病名で紹介します。
ある程度高齢の方ですと、レントゲンで変形(=変形性関節症)がみられます。ずれ ではありません。関節の下の部分の骨がとがってきます。また、前方にある恥骨結合に変形が見られる場合(間隔が狭くなったり、輪郭がでこぼこになったり、骨の角がとがったり、こちらは、左右に段差が出来る ずれ がある時もあります。)も、後ろの仙腸関節も変形性関節症があると推測します。

また、骨盤は後ろの左右の仙腸関節と、前方の恥骨結合の3箇所でつながっています。前方は恥骨結合というぐらいですから、関節ではなく、結合していて動かないのが正常です。ところが、この恥骨結合が動いている方がいます。片脚ずつ立った位置で、骨盤をレントゲン撮影すると、動いている(上下にずれます)ことがわかります。これを骨盤輪不安定症(こつばんりんふあんていしょう)といいます。女性は出産でこの恥骨結合が緩みますので、多いのは女性です。

一方、中年以降の方で、変形性腰椎症があり、腰痛が出ている方は、こちらが原因の方も少なくありません。特徴は、股関節の動きが悪くなります。膝を曲げたまま股関節を曲げた時に内側にひねれなくなります。→屈曲内転内旋(ないせんないてん)が制限されます。この方向に股関節が動かなくなって腰痛が出る方は多い(男性も多い)です。あるいは、膝を曲げたまま股関節を曲げた時に外側に開かなくなります。→外旋外転(がいせんがいてん)が制限されて、あぐらが掛けなくなってきます。股関節が動かなくなっても、悪いのは骨盤ということです。

治療は、手術以外の腰椎の時と同じです。骨盤をコルセットで押さえます。骨盤牽引、超音波、レーザー治療も有効です。プロテックという椅子型の牽引運動治療も有効です。(ホームページ参照)、痛みが強い時は、仙骨部硬膜外ブロックも有効です。

恥骨骨折(ちこつこっせつ)坐骨骨折(ざこつこっせつ)

骨盤の前の恥骨結合の左右の骨をそれぞれ、恥骨、坐骨といいます。

骨粗鬆症の方で転倒した時に、股関節を骨折(=大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ))するのではなく、こちらを骨折することがあります。症状が似ているため、診察で区別しにくいことがありますが、レントゲンで通常わかります。通常といったのは、この部分の骨折がわかりにくい時があること、見落とされることがあることなどの理由です。
ただし、見落とされていても、安静にしていれば、自然に治り、2〜3週間でまた歩けますから、まずは安心です。大腿骨頚部骨折は、見落とされると、歩けなくなる可能性が高いですから、この骨折でよかったと思ってください。

若いスポーツをする方で、自然に骨折を起こすことがあります。細い骨ですから、疲労骨折を起こすという意味です。ただし、この骨折しやすい部分はもともと骨の成長線がありますので、こちらと区別しにくいことがあります。この場合は、3,4週時間が立つと、新しい骨が出来てわかることもあります。ひどい骨粗鬆症や、ビタミンD不足で起こる骨軟化症(こつなんかしょう)の時は、自然に起こることもあります。が、稀です。

腸骨剥離骨折(ちょうこつはくりこっせつ)

腸骨とは、皮膚からも骨盤の左右前に触れる骨です。触れる部分のすぐしたあたりには、膝を伸ばす筋肉群(大腿部の前にある筋肉で大腿四頭筋など)が付いています。若い方、特に力のある男子がスポーツ中に急に力を入れた時に、その筋肉の力で、腸骨に付いている部分の骨をはがすように骨折することがあります。骨が薄くはがれるように骨折するので、剥離(はくり)骨折といいます。治療は、安静で回復を待ちます。少しぐらい骨が浮いた状態で治っても問題はないのが通例です。大きく引っ張られて離れてしまっている時は、スクリューや、ワイヤーで止める手術を検討します。(手術しない先生も多いようです。)

尾骨骨折(びこつこっせつ)

仙骨の下についている骨は、シッポにはなっていないのですが、尾骨といいます。俗に言う、尾てい骨です。
しりもちをついたときにここを骨折することがありますが、レントゲンでわかりにくい=骨折と診断しにくい のが特徴です。理由は、尾骨は、もともと、つなぎ目があります。(この部分の骨折はわかりにくい!!)あるいは、もともと90度近く曲がった形をしている方もいます。折れて曲がったのではないということです。治療は安静で通常治ります。ので、骨折かどうかはっきりしなくても治療方針は変わりません。

尾骨は原因不明で痛みが出ることもあります。稀に腰椎椎間板ヘルニアが原因であったり、さらに稀に、馬尾神経(ばびしんけい=脊髄から下へ出ている脊柱管内を通る神経の束)に腫瘍が原因であったこともあります。
また、尾骨部の痛みがなかなか取れないことがあります。経験上、トリオ治療(ホームページ参照)が最も除痛(=いたみをとる)には効果があります。

補足1
他の骨盤の骨折は?
骨盤が大きく縦に骨折してずれた時、仙骨が大きく骨折している時、仙腸関節が大きく脱臼している時、これらは骨盤内臓器の損傷も起こしている確率が高い、命にかかわる超重症です。このようになることはぜひさけてくだい!!

補足2

慢性腰痛、腰部慢性痛

腰痛といつも付き合っている状態を指す病名ですが、程度はピンきりです。日常生活や、仕事上差しさわりがあるほどの腰痛が、ほぼ連日あるとき、あるいは週に何日かあるときが本当にこの病名の方と考えてください。普段は普通に生活が送れていて、年に何回か、あるいは数年に何回か、油断すると腰痛がひどくなる程度は、この場合に当てはまりません。ひどくなった時に治療すればそれでよいのです。
痛み障害で、精神的な関与が大きいと考えて、精神医学的な治療を行っている大学病院もあります。
ひどくなると、なかなかいろいろな治療してもよくならない、治療に反応しないこともあり、この状態に陥らないようにすることが大事です。
こちらは、上半身の痛みは含みませんが、起こっている原因や、機序は、前回お話した、線維筋痛症(せんいきんつうしょう)と共通部分があると思います。上半身中心に痛みが来るのが、線維筋痛症で、下半身が、腰部慢性痛です。前者が、女性が多いのに対して、こちらは、男性が多い印象です。

現時点での、私の痛みに対する考え(≒推測)をまとめます。

痛みは次の3つでコントロールされています。

…砲澆鯒召愿舛┐訖牲(=知覚神経) 脳の中で痛みを感じる部分、そして、D砲澆鰺泙┐訖牲  です。特に、の痛みを抑える神経が働いて、痛みは抑えるようにコントロールされています。がうまく働かないと、痛みは抑えられなくなります。ですが、,過敏になっていて痛みを伝え続けたり、△過敏になっていて、痛みをずっと感じ続けていたり しても、では抑えられなくなります。

この痛みがうまく抑えられない状態が続くと、慢性痛になってゆきます。
この3つのどれが、どの程度、関与しているか、測定する方法はありません。
診察で推測しています。
おおよそまとめてみます。
診察台でいろいろ動かして、動いてもらった時、痛みを強すぎるほど訴える時は、,凌牲个過敏に反応している可能性が高くなります。
逆に動かしても少しも痛がらず、なおかつ、いろいろな治療を行っても 変わりません と答える時は、△把砲澆魑憶してしまっている可能性が高くなります。
治療をすると、逆に痛みがつらくなったと訴える時は、の機能がうまく働いていない可能性が高くなります。神経ブロックでも、超音波照射などの消炎鎮痛処置でも、治療は刺激を与えますので、その刺激を抑えることが出来ないためです。

もう少し詳しく述べます。

…砲澆鯏舛┐訖牲个敏感になる。

 悪いところを放置して、痛みを感じ続けていると痛みの原因がなくなっても、痛みを感じる信号を脳へ送り続ける状態になる可能性があります。椎間板ヘルニアなどで痛みが取れない時は、我慢せずに速やかに治療を進めましょう!

手術をした後に下半身の痛みが取れない時は、この状態に陥っていると考えます。手術して明らかにヘルニアを切除したのに、痛みは取れない状態です。

この状態になるか、ならないか は、遺伝で決まっているかもしれません。どれかの遺伝子の障害でなる方とならない方がいるということです。
例 帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹になって、治った後も痛みが残る状態)は、遺伝的原因が証明されてきています。ウイルスが神経に着くと、神経を包んでいる鞘の障害が残り、痛みを伝え続けるようになります。この障害になるかならないかは、遺伝で決まっているというのです。


 通常の方は、この伝える神経を麻酔剤で一度ブロック(これが神経ブロック)すると過剰に痛みを伝える信号は送らなくなりますので、楽になります。
例 全く違う場合ですが、手首を骨折してずれている時、麻酔して整復します。
 麻酔することで、痛みの信号を脳へ伝えることをブロックします。骨折部で激痛を感じていても、麻酔すると、麻酔が切れた後でも痛みが前ほどつらくなります。うまく整復されなくてもです。
治療で使う硬膜外ブロックも、悪いところから痛みを直接脳へ伝える信号をブロックしますので、効果があるのです。

痛みを伝える神経の通り道は自律神経でコントロールされています。
痛みは自律神経の交感神経が興奮していると悪化すると考えます。

一番目と同じ考えで、自律神経をブロックする(交感神経をブロックする)と痛みが楽になります。
外来診療で、首では、星状神経節ブロック、腰では、仙骨部硬膜外ブロックがすぐに出来ます。元論、硬膜外ブロックでチューブを入れて持続麻酔する(=ブロックし続ける)のが一番よいです。痛みの伝導そのもののブロック+交感神経ブロックになります。

このような治療で改善が見られないとき、,両態になっている可能性が高くなります。

この状態に陥ってしまったら、薬は、抗けいれん剤が痛みを伝える神経の活動を弱める といわれます。新しい薬も発売される予定です。自律神経をコントロールするのは、ノイロトロピンという薬があります。敏感になっている神経を抑えるには一番使いやすい薬です。

脳の中で痛みを感じすぎる。

脳で持続して痛み信号を感じていると、痛みを記憶するようです。
元の悪い部分が治っている、あるいは、あまり悪くないのにもかかわらず、痛みを強く感じます。痛みがつらいと訴えます。
やはり、原因となる痛みは速やかに取ったほうがよいのです。

一度手術をした後の下半身の痛みが残った、あるいは再発した場合にも、この状態が起こりやすいようです。
診察所見ではあまり激痛が起こりません。いろいろ治療してもほとんど改善しません。
頭に直接作用する薬は、整形外科医は通常処方しない、精神病や、うつ病の時に使う薬と同じ種類になります。整形外科で処方されるのは、筋肉の緊張を取る作用と、痛みが気にならなくなるような作用を併せ持つ デパスという薬ぐらいです。

D砲澆鰺泙┐訖牲个竜’修悪くなると痛みがつらくなります。

 痛みを抑える神経は脳や、脊髄の中にあります。
 この神経の電気信号を伝える物質は、セロトニン、ノルアドレナリンと呼ばれ、うつ病のときに不足する物質と同じです。うつ病の薬がこの神経の機能を高めます。うつ病の方は、◆↓の状態にともに陥りやすくなります。
治療で使う薬は、セロトニン、ノルアドレナリンともに賦活させる(=機能を高める)薬がよいです。セロトニンだけの機能を高める抗うつ剤が主に使われていますので、痛みのコントロールが出来ない人がしばしばいます。骨粗鬆症に使うカルシトニン製剤、自律神経を調節する作用のあるノイロトロピンもこちらの神経を賦活させます。
→慢性腰痛の男の方では、これらの薬に反応しない方も多い印象です。,筬△隆慷燭大きいと考えています。

この3つのいずれか、あるいは、組み合わせ、あるいはすべてが原因で起こりうると考えます。
残念ながら、この状態を調べる検査はありません。患者さんの話と、診察所見で推測するのですが、あくまでも推測できるのみです。
治療もこれだという有効な手段がありません。根気よく治療することが大事です。
精神的なストレス、緊張、いらいら、過労は必ず避けましょう!!
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