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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
腰痛でわかってきたこと
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話9

72、骨粗鬆症の治療2

 今回は、薬の話です。こちらもいろいろな本に書いてありますので、書いてないことを述べていれば、幸いです。

現時点での骨を強くする治療薬の第一選択薬は、骨が壊れる方を抑える内服薬。
 前にお話したように、骨は壊されては造られている生きた組織です。ここ数年で、骨が壊れる方を抑える作用のある薬が、骨の量を増やすことがわかってきて、骨が特に弱い方は、この薬を、第一に考えます。そのうち、朝一番で飲む薬が、特に効果が高いです。食道から、胃にかけての部分で、炎症を起こしやすい副作用が注目されていて、出来るだけ、多くの水と共に飲むように、(200CC以上)その後、また寝ないこと、起きていて、薬がちゃんと胃に入るようにすることがまず大事です。
 週一回だけ、飲のめばよい薬も出ましたが、飲み方を間違えて、うまく吸収されないと、効果が出ません。効果が出ない方は、うまく吸収されていないのではないかとも考えています。要点は、出来るだけ水は多く飲む方がよいと考えます。いっぺんに飲めない方は、分けて飲んでください。むかむかする副作用も出やすいのですが、400CC飲んだら、気持ち悪くならなくなったという方もおりました。30分以内に、他の飲み物(コーヒー。牛乳、お茶もです)や、食べ物、薬を飲むと薬の吸収が妨げられます。これも個人差があって、吸収が遅い方は、一時間以上開けた方がよいと考えます。その間、水だけを大量に飲み続け、身体は動くことをお薦めします。
 この薬で、骨が強くなる効果があったというデータは、女性だけです。男性の方は効果があるかどうかわかっていません。もともと男性で、治療が必要なほどの骨粗鬆症の方は少ないのです。私も男性の方数人にこの薬を飲んでもらっていますが、まだ骨の量が増えているとはっきりしたデータが出ていません。

 一方、朝一番で飲まなくても、一日一回食後に飲めばよい薬もあります。こちらは、女性ホルモンを補う形で、骨が壊れる方を抑えます。(女性ホルモンが減ると、骨粗鬆症が進行します。)したがって、男性の方には投与が認めれていません。閉経後すぐの方には、最も適した薬ですが、血栓が出来やすいため、動脈硬化のある方には要注意です。他にも、女性特有な癌(子宮がん、乳がん)の発生率は下げる、コレステロールを下げるなど作用を併せ持ち、理論上はかなりよい薬なのですが、実際に使用してみて、骨が強くなる効果は、残念ながら、あまりない印象です。

痛みをよく取るカルシトニン製剤の注射
 実際の骨粗鬆症の痛みをよく取るのは、週一回行う、この注射です。よくカルシウムの注射と思っている方もいますが、骨が壊れることを抑えて、カルシウムが骨から抜けにくくする 作用のある注射で、カルシウムを打つわけではありません。この注射だけで、骨量が増える方もいますが、一番の効果は、症状をよく改善することです。内服薬でも効いてくると痛みが取れてきますが、骨が壊れることが、ある程度抑えられてからのようで、この注射よりはかなり時間がかかります。
 体の中のカルシウムは、ほとんど骨に蓄えられていますが、血液中にある一定の濃度のカルシウムがないと人間は生きていけません。筋肉など機能するときは、必ずカルシウムがいるのです。したがって、カルシウムが不足すると、骨から血液中にどんどんカルシウムを出すようになってしまって、骨がカルシウム不足となり、弱くなるのです。それ(=骨からカルシウムが抜けること)を抑えるのが、この注射です。もとのカルシウム不足を補うために、カルシウム剤の内服、+カルシウムの吸収をよくするためのビタミンD の内服が加えられ、この3者併用が、10年以上前までの骨粗鬆症の治療の定番でした。
 なぜ、痛みなど症状をよく改善するのかは、この注射が、それ以外の作用があるためです。
 痛みは、伝える神経と、それを抑える神経があります。この注射には、その抑える神経の作用を高める作用があります。他に血流改善作用もあり、たとえ骨粗鬆症でなくても、背中から、腰、下肢にかけての痛みを抑えます。腰部脊柱管狭窄症で、歩くと下肢が痛くなって、立ち止まる方も、少しずつ、痛みが軽くなります。ただし、効果が高いのは、背中から下の下半身です。上半身の痛みを抑える作用はあまりないので、やはり、骨粗鬆症で痛みが出やすい場所と一致しています。

 最後に、ビタミンDでも、カルシトニン製剤でも、新しい薬でも、使用すると骨量が増えるというデータが出なくても、骨折しにくくなるというデータがあります。そのようなデータを薬の販売員(MRといいます。以前まではプロパーと呼ばれていました。)が持ってきます。勤務医時代より感じていたことですが、骨粗鬆症の治療に通われてくる方で、大腿骨頚部骨折(股関節の骨折)のような、ひどい骨折を起こす方は少ないのです。その骨折を起こして運ばれてくる方は、ほとんど通院治療していない、初めての方ばかりでした。
 私は、これは薬だけの効果だけではないと考えています。通われてくる方は、多少なりとも歩きます。運動します。通院するだけで、リハビリテーションになります。通院すること自体が、骨折を起こしにくくする運動神経を養っているのだと感じております・
| 腰痛 | 23:15 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話8

71、骨粗鬆症の治療1

まず、ご自分で出来ること。

 食事や、運動にいくら気をつけても、骨粗鬆症になる方はなります。しかし、気をつけないよりは、ちゃんと気をつけたほうがよいに決まっています。一般の本にもいろいろ書かれていますので、書かれていないだろうということを簡単に述べます。

カルシウムを多く取るだけでは駄目
 カルシウム剤を飲んでいる方もおられますが、薬だけでと、大量に飲まなければ一日量がまかなえませんし、カルシウムは身体に吸収されにくく、どれだけ体内に取り込まれているかは不明です。(水に溶けているカルシウムの方が吸収されやすいのですが、飲み物になっているものは、一般に含有量が少ないです。牛乳が一番よいとされるのは、量が多い上、吸収がよいためです。)あくまでも、カルシウム剤は食事の補助として考えてください。
 カルシウム以外にも、骨を造るとき必要な栄養素は多々あります。
 ビタミンD,K、マグネシウム コラーゲンなど骨を形成するタンパク質などが必要です。食事や、栄養学には詳しくないので、患者さんには、比較的やさしく、かつ詳しく書かれている栄養学の先生の文献をコピーしてお渡ししています。一言で言いますと、乳製品と、和食系の食べ物がよく、食事の内容としては、変なバランスです。また、乳製品を取りすぎなければ、比較的カロリーも低く、脂質なども多くなく、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病にも共通する食事内容です。

運動をする。体を動かすことは、適度に 
 運動することは、骨に刺激に与えて、骨の強さを保ちます。筋力をつけておけば、骨が弱くなってもカバーできます。かといって、過度の運動は、筋肉や、骨に疲労が蓄積されますので薦められません。(もちろん、関節の悪い方は、関節障害が出ます。)運動しすぎは、筋肉を破壊します。運動後、2.3日たってからの筋肉の痛みは、破壊された筋肉を修復するときの炎症などの痛みで、しばらくの期間続きます。年とともにその回復期間が長くなるのは実感されている方も多いと思います。骨に関しては、骨膜炎(陸上競技者の下腿のシン・スプリントなど)や、疲労骨折などを起こすことがあります。はっきりとした症状が出なくても、これらの一歩手前の状態を起こすことが考えられます。
 日に当たると、ビタミンDが、体の中でつくられます。ビタミンDは、カルシウムの吸収を増やすなど、骨が弱くならないために不可欠な栄養素です。日に当りながらの、あまり激しくない散歩や、体操などの運動が薦められる理由です。毎日の日課として、欠かさず、適度に行うことを薦めます。

水の中の運動は大変よい反面、注意が必要。
 水の中では、体重が軽くなりますので、動きやすく、地上の運動より、負荷をかけずに、筋力をつけられる、関節の動きを改善するなど、効果が高いのですが、骨に逆に負荷がかかりにくくなりますので、骨が弱い方にとっては、注意が必要です。
水の中に長時間いると、負荷が少ない分、骨への刺激が少ないということ。=長時間水の中にいるスポーツ選手は、逆に骨が弱くなります。
水から上がるときに、急に体重が重く感じられ、急に骨や関節に負荷が増えるといこと。骨が弱くなっている方が、急に骨に負荷をかけると、そのときに骨を痛める可能性があります。関節に対しても、悪い状態で行うと、同じ場合があります。できれば、15分に1回ぐらいは、水から上がって、また水に入って運動するようなペースがよいと考えます。30分水の中に使ってから、外に上がるとき、すでにかなり体が重く感じますし、1時間も水の中にいるのは、水から上がるときの骨や関節への負荷を考えると、よいとは考えられないからです。
 さらに、痛みがある方にとって、水の中では、冷たいので、血管が収縮する、水からあがると、血管が広がる、の繰り返しになります。血管は、自分ではコントロールできない、自律神経に支配されていて、自然に自律神経の訓練になっていると考えられます。温冷浴のときに述べたように、自律神経の機能が悪くなると痛みに敏感になり、逆に、機能がよくなれば、痛みに対して強くなることが考えられますし、むくみも改善しますし、水に入ったり、出たり繰り返すことが、痛みにもよい方向に働くと考えています。
| 腰痛 | 12:48 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話7

70、動けなくならないための筋肉トレーニング

 最初に、あまり歩けなくなった方の特徴的な印象を述べます。(どの本にも書いていないと思います。)今の医院には、歩行練習を行う平行棒などはなく、歩行練習が出来ません。それでも、歩けなくなってきている方は来院されますので、開業して多くの方を診ていて、ベット上で診察していていろいろ動いてもらって、初めて気づいたことです。

 このような方は、ベットに寝ますと、寝返りが打てない、打ちにくいのです。横向きから仰向けになって、逆の横向きになる、この動きです。動ける方には、理解出来ないと思いますが、寝たままで向きを変えることが難しくなるのです。横向きとは充分に横を向くことです。=お腹、骨盤が完全に横を向く、両肩の位置が完全に横向きになっていることで、これが充分に横を向かなくなる、すぐに、速やかに充分な横向きになれなくなります。あるいは、向きを換えるために、一度上体を起こしてから出ないと、換えられなくなります。寝たままで、向き換えが辛いので、一度上体を起こしてから向きを換えた方が楽という方も、要注意です。つまり、上肢の力を使って換えるということです。背中があまりにも丸くなって、仰向けになれない方は別として、寝たままですと、胴部の力がある程度ないと変えなれません。胴部の力というと、腹筋背筋がすぐ思いつきますが、一番重要なものは、骨盤と腰椎を支える、内在(=体の一番深部で、骨についている)筋肉です。特に、大腰筋(図1の赤い筋肉)が重要です。
図1図2
 歩きが悪くなってきた方には、図2の片脚たちの練習(左右各々30秒ずつ位保つ)をお薦めします。大腰筋は、腰椎から、骨盤の仙腸関節、股関節に付いていて、股関節を持ち上げる作用があります。この筋肉が弱くなると、股関節の曲げる力が弱くなり、脚が持ち上げにくくなり、脚が前に出にくくなります。この筋肉が強くなると、脚が前に出やすくなり、自然に大股になります。
 実はこの筋肉は、腰痛の原因にもなっている大事な筋肉です。仙腸関節の障害や、股関節の障害、この筋肉自身の障害で腰痛として症状が出ます。(=腰脚症候群と呼ばせてもらいます。)この筋肉の力が弱くなると、下腹部がたるんででっぱり、容姿が悪くなる上、腰痛が非常に出やすくなります。
 鍛え方の注意としては、早くよくなろうとして、決して一生懸命やらないでください。筋肉疲労を起こして、痛みは悪化しますし、よいことはありません。一日、片脚2回ずつ行う程度で充分です。2,3ヶ月先に効果が出ればよいのです。一日2回洗面される方は、歯を磨きながらでも行ってください。・・・と指導しています。

 すでに歩けなくなってきている方のリハビリテーションは、通常、平行棒につかまったり、歩行器を利用しての歩行練習です。歩くことは、歩けるようになる練習だけでなく、足先から脳に刺激を与えて、頭をすっきりさせる、やる気を出させる、少しぐらいのボケなら改善する、など、すばらしい効果があるのですが、胴部の力がない方は、なかなか歩けるようにならないはずです。(西窪病院の勤務医時代、歩けなくならないようにするのが、治療目標のひとつでした。後半は、このような方がかなり来院され、入院して治療したのですが、驚くほど、歩けるようになる方がおられました。そうなると、頭もすっきりして、まるで別人になるのです。ただ、寝返りが打てたかどうかまでは気付きませんでした。)
 まず、寝ているときに、寝返りが打てるかどうか確認して、出来ないようなら、練習をさせてください。必ず、寝たままで向きを換えるのです。上体を起こしたり、持ち上げたりしてはいけません。先ほど述べたように、充分に横向きになれるようになるまで、練習です。これなら、家でも、どこでも、練習できます。夜寝る前、朝起きる前、一日2回で充分です。朝の練習のときだけ、痛みがあったりして、困難な場合は、やはり骨粗鬆症があると考えます。骨粗鬆症の治療をしている方なら、その治療効果が充分に出ていないと考えます。これもすぐに出来るようになる必要はありません。一生懸命やらないでください。2,3ヶ月先になんとなく出来るようになれば充分です。
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腰痛でわかってきたこと
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話6

69、骨粗鬆症の行き着くところ

 骨がどんどん弱くなると最後はどうなるか という話です。
 内臓が丈夫ですと、かなり長寿になるこの頃ですが、今度は、だんだん歩けなくなるという問題が出てきます。よく、90歳にもかかわらず、元気に山道を歩いている方のテレビを見ますが、この方が、100歳を超えたときに同じように動けているかというと、そうとも限りません。歩けなくなるのはどうしてでしょうか?病気ですと、腰部脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症、脳動脈硬化症(脳梗塞)などが考えられますが、歩けなくなるすべて方が、これらの病気になっているとは考えられません。ひとつは、筋力が弱くなること、もうひとつは、骨が弱くなること、 これらのために最後は歩けなくなるのだと考えています。骨粗鬆症は骨折を起こさなければ、進行しても症状が出ないことも考えられます。症状が出たときは、歩けなくなっているとき、の方もいると考えています。
 ですから、長生きになればなるほど、骨が弱くならないように、筋力が落ちないようにしないといけないのです。筋力も大事です。筋力があれば、筋肉が付いていれば、転びにくくなりますし、転んだときに、骨が弱くなっていたとしても、骨の損傷(=骨折)を抑えるようにカバーできるのです。最近は特に、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病(=成人病)が注目され、胴回りの太さなどが問題となって、太りすぎはよくないということばかりが言われます。確かに脂肪ばかりが付いていて太っていることは、よくありません。体重が重くなって、腰や、膝、股関節、足関節に余計負担がかかって痛みが出やすいことも事実です。太りすぎの方は、整形外科医からもやせなさい。といわれている方も多いと思います。通常、やや太り気味の普通の体格の方ですと、5キロやせると身が軽くなって、脚腰の負担が軽くなり、快調になります。逆に、普通の体格の方で、5キロ太ると体が重くなって、脚腰に負担がかかって痛みが出やすくなることも事実です。ただ、これは、年齢とともに徐々に太ってくる場合ではなく、3ヶ月、半年などの短期間で、急に太ると、こういう状況になるのです。
 私は、年を取って、やせている方が逆に要注意と考えています。年を取ってやせている方は、ぎすぎすです。骨皮すじ衛門で、筋肉もなくなってしまっています。(皮膚のしわも目立ちます。)このような方は、どんなに注意をしても、年とともに骨は自然に弱くなってきますし、動きがよいと怪我は付き物です。転んだときに、骨にもろに荷重がかかり、骨折してしまうのです。(勤務医時代に経験した、歩けなくなる原因で要注意の大腿骨頚部骨折(股関節の部分)を起こす方は、太っている方ばかりでなく、やせてぎすぎすの方も多かった。という印象です。)たとえ筋力がなくても、まだ脂肪があったほうが、クッションになると考えてください。

年とともに、年相応に少しずつ太ってきて、程よく脂肪があったほうがよい。筋力はあったほうがよい。=程よく運動していた方がよい。がよいと考えています。
| 腰痛 | 09:13 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話5

骨粗鬆症の痛みがはじめて出るときの状況は?・・・これもどの本にも載っていないと思います。私の経験上の意見を述べます。

68、骨がどのような状況のときに痛みが出やすいのか?

 骨は生きている組織ですので、古くなると壊され、新しくまた骨が造られています。壊れる方が多くなり、造られるのが間に合わないと、どんどん骨が弱くなります。この、壊れる方が多くなって、骨がどんどん弱くなってくる時期に最初に痛みが出てくると考えています。骨密度測定(当院では踵で、超音波で測定する装置を常備しています。ホームページ参照)は、現在の骨の密度、量を測定できますが、これから、どんどん骨が弱くなってゆくのか、あまり弱くならないのかは、わかりません。それには、骨がどのくらい造られている状態か、どのくらい壊されている状態か を測る必要があります。血液と尿の特殊検査(通常の健康診断では行っていません)でこれがわかりますので、骨粗鬆症の痛み が疑われた場合、この検査を加える必要があります。

 急に骨が壊れてゆく場合、年齢が、60代以上の女性の方が多い印象ですが、40代、50代の女性の方にも見られます。中には、もっと若くても起こり得ます。このような方は、骨密度検査で、年相応の骨の強さよりは、同じレベル(平均値)以下の方が多いので、疑わしいときは、血液と尿検査をお薦めしています。

 一方、年齢が、70代、80代になると、少しずつ骨が弱くなっていく状態の方が多くなります。骨密度も年相応より低いのですが、骨が造られる状態が低下していて、骨が壊れる状態は、正常にもかかわらず、骨が弱くなります。64でお話した、骨の機能が全体的に悪くなってきて、貧血(血液は骨の中で造られています。)の方も診られます。このような状態の方も痛みが出てきます。

骨密度検査だけでは、安心できない。

 骨が壊れてくるときに、痛みが出だすのなら、その時点ではまだ、骨密度が低くなっていないことは考えられます。したがって、年相応の平均値では安心は出来ない。ということはわかると思います。
それ以外にも、経験上、体の骨の場所によって、骨密度、骨量が違うことがある のです。
 
 踵で測定して、骨密度が年相応の平均値より、20〜30%近くも高い値方の中に、どう見ても背骨は、圧迫骨折が多発していて、骨粗鬆症の方がいました。ここに転院する前は、手のレントゲンで測定していましたが、やはり、同様な印象です。多くの方は、背骨と、手や、踵の骨密度は一定と考えていますが、中には、違う方もいるのです。踵は、歩くことで重力がいつもかかり、刺激をいつも受けていますので、骨が弱くなりにくいと考えています。手の骨量よりも、踵の骨量のほうが若干多い方もいるのも事実です。背骨に痛みが出やすいので、背骨で測ることが、一番確実ですが、残念ながら、背骨での骨密度測定装置は、高価で、器械を設置するスペースも必要で、あまり普及していません。

 手や、踵で、骨密度を測定して、年相応の平均より高い値が出ているからといって、安心はできないということです。急に骨が弱くなり始めるときは、骨密度はまだ減少していないこと。背骨よりも高い値の方がいるということ。だからです。逆に、踵で骨密度が、年相応の平均より低い値が出たときは、骨粗鬆症になり始めている と考えてください。踵が一番骨が弱くなりにくい と考えられるからです。
| 腰痛 | 19:40 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話4

67、骨が弱くなったときの症状は?パート2

 前回、初期には、症状が出ないことが多い。怪我をして始めてわかる方も多い。とお話しましたが、経験上、症状が出ている方のお話です。

 では、痛みなどの症状は?
 実は、あなたの痛みは骨粗鬆症の痛みです。と断言するのは難しいのです。骨粗鬆症の本で、このような痛みが出ます。と痛みに関して詳しく述べている本は私は見たことがないのですが・・・
 整形外科医の中で骨粗鬆症の痛みとしてよく知られているのが、朝起きたときだけ、腰が痛い 動いているときはなんでもない という訴えです。しかし、これも骨粗鬆症の痛みとは限りません。腰痛が治る直前の方で、朝だけ腰の痛みが残る方も多いのです。

 私の経験上、以下のごとくです。
 痛む場所は、重力がかかる、体重ののかかる、背中から腰、下肢の痛み が多いこと。

 骨が弱い=骨を痛めやすいため、急に腰痛が起こったときの特徴として、歩いていると動きはよいのでわからない。しかし、いったん寝ると、痛くて向きが換えられない=寝返りが打てない、起き上がれない などの症状がでます。=腰椎の前方部分の椎体を痛めるとこの症状になります。同じく、前方部分に当たる椎間板、仙腸関節を傷めても同様の症状になります。
 歩くと、腰や、下肢が痛くなる。休むと楽になってまた歩ける。
 腰椎の椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、下肢の閉塞性動脈硬化症などと同じ症状です。これらの三つの病気は、片方の下肢の一定の部分に痛みが来る のが特徴です。
 最初に経験した患者さんは、片方の下肢の症状でしたので、当然これらのどれかの病気だと考えて、治療行ったのですが、一向によくなりません。これらの病気は、MRI検査でわかります。が、検査であまり異常が出ませんでした。もしかして、と考えて、骨密度測定検査を行ったところ、骨粗鬆症になっていました。これは骨粗鬆症の症状であるはずがないと半信半疑でしたが、骨が壊れることを抑える作用の内服薬を追加したところ、どんどん症状が楽になったのです。
 つまり、骨が弱いのですから、使って負荷がかかれば(=歩けば)痛くなる ということです。片方の下肢に来たことが診断を遅らせましたが、上記三つの病気の裏に、骨粗鬆症が隠れている場合がある ということです。

歩くと、使うと、腰や下肢が痛くなる。両下肢が痛くなる。日によって、下肢のあちこちが痛くなり、訴えが一定でない。
 この場合、上記三つの病気では説明が付きません。この三つの病気では、いつもだいたい同じところ、あるいは神経血管の下肢の走っている部分に沿って(下肢のこの部分とおおむね決まっています。)痛みが来ます。

 ただし、仙腸関節障害、大腰筋障害(図の赤い筋肉、そのすぐ後ろにあるのが仙腸関節)などの骨盤の部分で出る症状(=腰脚症候群と呼ばせてもらいます。)も同じように動きます。骨盤の神経の走行部分には、多くの神経(図の黄色緑のライン)が集まっているため、脚のどの部分に痛みが出てもおかしくありません。いずれにしても、治りが悪いときは、骨密度測定を行って、骨粗鬆症になっているかどうか検査をお薦めします。

 痛みの出方として、朝起きるときに痛い 使っていると痛い、(歩くと痛い、前かがみで痛いも使うと痛いに入ります。)などですが、月単位、年単位の長い目で見ると、常に痛みが出ているわけでもありません。一年に一度、半年に一度、腰痛を繰り返す方にも、骨粗鬆症の痛みの方がいますので、繰り返す腰痛の方は検査をお薦めします。

| 腰痛 | 13:12 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話3

66、骨が弱くなったときの症状は?

 骨が弱くなると、背中が丸くなる、骨折しやすくことはお話しました。他にどのような症状が出るのでしょうか?

 症状が全くない方も多いと考えます。
 全く何も症状がないのですが、骨密度を測ってほしいと来られる方の中に、骨粗鬆症になっている方もいます。そのような状況で来られる方はまだまだ少なく、症状がないのなら、普通、病院に来ない と考えるからです。
 背中が丸くなるのは、骨粗鬆症がある程度進行してからです。起こりはじめに(=急に骨がどんどん弱くなっていく時期)急になるわけではありません。背骨の前の部分がつぶれてくると背中が丸くなるとお話しましたが、これは、圧迫骨折といって背骨の骨折のひとつの形です。

 骨粗鬆症が進むと、しりもちなどの明らかな外傷がなくても、自然にいくつかの骨がつぶれます。背骨はいくつもの短い骨がつながっていますので、ひとつぐらいつぶれただけでは、通常背中は丸くなりません。(極端に前の部分だけつぶれるとその部分で曲がる=丸くなる方はいます。図2)したがって、いくつかの=何箇所かの骨がつぶれてきて、次第に背中が丸くなります。(図1)しかし、背骨の形は保たれているにもかかわらず、椎間板が悪くなって、その厚みが少なくなったときも、少し背中が丸くなる方がいます。(図3)背中が丸くなりだした=骨粗鬆症とも限らないのです。
 骨折するのも、手足が折れるのは、転んだりしないとわからない場合がほとんどです。上述した背骨がつぶれる圧迫骨折も、しりもちを激しくつく、腰を打つなどの怪我をして起こります。自然に起こるのは、骨粗鬆症が進行してからです。つまり、通常、怪我をしないと、骨粗鬆症になっているかどうかわからない ということになります。

 前回お話した、骨折しやすい箇所です。骨皮質が薄く、海面骨が多い部分です。背骨も骨皮質が薄く海面骨が多い骨なので、つぶれ(圧迫骨折)やすいのです。この中で、股関節部分の大腿骨の骨折は要注意です。(赤丸) 大腿骨頚部骨折といって、30年以上前は外科で手術しないで放置されて、歩けなくなる方が大勢いました。私の祖母もこの骨折で歩けなくなり、後から整形外科で手術をしたのですが、とき既に遅く、結局歩けずに、寝たきりで10年ぐらい過ごしました。今は、整形外科の治療が進んでいますので、歩けなくなる方は少ないのですが、それでも歩けなくなる方もいますので、要注意の骨折です。
| 腰痛 | 22:41 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話2

65、骨が弱くなる原因は?・・・・

 ほとんどの方が、自然にです。女性は閉経して女性ホルモンが減少すると、骨の量がどんどん減少します。女性ホルモンは骨の量を維持するために重要なのです。一方、男性にも女性ホルモンが存在しますが、急激に減ることはありませんので、骨粗鬆になりにくいのです。
骨が弱くなりやすいかどうかは、個人によってちがいます。
必 ず、年とともに骨は弱くなりますので、一番骨が強かったときの骨の量が多い方が、骨粗鬆症になりにくくなります。若いころにダイエットをして、栄養状態が悪いと、骨が強くなりませんので、年取ったときに、より骨が弱くなりやすいですし、アルコール中毒や、ダイエットを繰り返して、栄養のバランスの悪い状態が続くと、年を取らずに、骨は弱くなってしまいます。
 しかし、ちゃんとカルシウムなどの栄養を取って、運動を適度にして、気をつけている方でも、骨粗鬆症になってしまいます。なる方はなる、ならない方はならないのです。
 若いころに、骨が強くならないと、もともとの骨の量が少ないのですから、骨粗鬆症に将来なりやすいことは述べましたが、すでに若いころから、骨がかなり弱く、骨粗鬆症?になっている方もまれにいます。シンクロナイズドスイミングの選手に骨が弱い方がいるという事実は知っていたのですが、十代前半で、水泳を本格的に行っている方にも骨が弱い方がいました。水の中に長くいる=体重が軽い状態が続く=重力が少ない状態が続く と同じこととなり、骨への負荷が少なくなってしまうのです。その方は、あっちが痛い、こっちが痛いと、よく医院に来られていたのです。筋肉を使うのですから、痛みがよく出るのは当然と思っていたのですが、肋骨が痛くなった後、何ヶ月も痛みがひかないので、骨密度を測ってみたのです。水泳という激しく筋肉を使う運動をしているのだから、骨まで弱くならないだろうと思っていたのですが、なんと、すでに骨粗鬆状態でした。
水の中に長くいると、骨が弱くなるということは本当なんだと確認した次第です。

 つまり、骨への負荷、体重をかける、力を入れるなどの行為が、通常より少なくなる状態が続くと骨は弱くなる ということです。
体の部分的に来ることもあります。
 足の骨折で、ギブス固定をして、体重をかけない期間が長いと、その部分だけ骨が弱くなりますし、脳梗塞などで、よく動かない側の上肢、下肢は、筋力も落ちますし、骨も弱くなります。もちろん、歩けなくなってしまったら、体全体の骨が弱くなります。
 したがって、重力がかからない、宇宙の無重力状態では、いかに骨粗鬆症になりやすいか ということです。

副腎資質ホルモン(=ステロイド剤)の長期投与は、骨粗鬆症の原因でしばしばみられます。

 ついこの間まで、リウマチ(慢性関節リウマチ)では、もっとも効果のある薬がステロイド剤でした。今でも、この病気でステロイド剤を飲み続けてリウマチの進行を防いでいる方が大勢います。この薬は骨を弱くします。他の薬でも骨が弱くなるものがありますが、とにかく、一番目に付きます。患者さんが多いのです。リウマチの症状を抑えるために、飲み続けなければなりませんので、骨はどんどん弱くなります。数年前までは、ビタミンD を加えて飲んでもらっていたのですが、最近発売された骨が壊れることを抑える薬が一番骨が弱くなることを防ぐ効果があることがわかってきたので、一緒に投与されている先生も多いと思います。それでもひどい骨粗鬆症になっていて、治療効果が悪い方もいらっしゃいます。一方、リウマチにも最近よい薬がどんどん出てきたのですが、何せステロイド剤は、炎症を抑える力が非常に強く、急にやめると反動で副作用が出ますし、ステロイド剤から新しい薬に替えるやり方もまだ確立されていないようです。

 骨が弱くなる原因は特にない方が、ほとんどです。
もちろん、骨が弱くならないように、若いうちから無理なダイエットはせず、骨に重力をかける適度な運動をして、カルシウムなどもよく取るように心がけることは大切です。しかし、それでも、骨は弱くなる方はなる のです。
| 腰痛 | 17:17 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
 しばらくぶりで、腰痛に関連する話にもどしてみます。年を取ると、腰痛の原因として考えておかなければならない、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話をしてみます。しばらくの間、お付き合いください。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の話1

 =骨が弱くなると何がよくないかという話です。

 整形外科は、ベットを持たずに医院として開業したら、通常手術はしなくなり、整形内科となります。年を取った方が大勢来る医院(ほとんど年を取った方しか来ない医院)では、骨粗鬆症の治療がメインとなります。悪く言えば、骨粗鬆症の治療しかない ということになります。 ・・・だから、力が入ります。

64、骨粗鬆症とは何ぞや

 骨は年齢とともに弱くなります。これは当たり前のことで、病気ではないのですが、骨が年相応よりも弱くなり、ある一定の強さ以下になった状態を骨粗鬆症と言います。骨が弱くなること自体は、直接命にかかわるものではありませんし、自然の現象だといわれれば、その通りで、昔は病気とみなされませんでした。しかし、最近は寿命が延びたため、=他の内臓が丈夫なため、骨だけが弱くなったときの状態、症状?が障害になる方が多いのです。そこで、年齢別の骨密度、骨量の平均を調べて、基準を設けて、それより低い方を、病的と診断して、治療の対象にしました。以前は、よく年寄りで、腰がひどく曲がっている方を見かけましたが、これは、骨粗鬆症により、脊椎の骨の前の部分がつぶれて、背骨が曲がってきたためです。最近はこのような方が少なくなりました。食生活が豊かになり、栄養状態がよくなったこと などに加えて、骨粗鬆症という考えが広まってきて、姿勢を気にしているのではないでしょうか?


 まず、骨が、身体を支える役割していて、弱くなったら壊れやすい=骨折しやすい ことは誰でも理解できると思いますので、骨の構造を簡単に話します。
 骨の構造は、外側の硬い骨皮質内側の比較的柔らかい海綿骨から成り立っています。骨粗鬆症では、このうち海綿骨部分の強さが注目されます。骨量、骨密度などの骨の強さは、海綿骨で測定します。 が、手の骨(中手骨)で測定する方法は、外側の骨皮質の厚さも測定できます。海綿骨が弱くなっても、外側の皮質が厚く強ければ、骨折などの損傷は受けにくく、よいのです。実際、海綿骨が弱くなっている方は、皮質も薄く弱くなっている とは限りません。しかし、皮質が厚く強いところは、長い骨の中央部分なのです。現実に転んだりして、骨折を起こしやすい部分は、脊椎や、長い骨の端の部分にあたる大腿骨の股関節部分、前腕骨の手首の部分、上腕骨の肩の部分などです。これらの部分は、もともと皮質が薄く、海綿骨で支えている構造ですので、やはり、海面骨の強さが重要だということになります。

 次に、骨の機能は、支えることだけではなく、血液を造っています。骨は硬いので、石の様に思われるかもしれませんが、生きている組織ですので、常に造られて、壊されています。この造られる方が壊れる方よりも少なくなっている状態が続くと、どんどん骨が弱くなります。一般に壊されている方が、造られる方より、期間が長い(=どんどん壊れ続ける)ので、造られる方と、壊れる方が、ともに低下しても、(年とともに低下するのは当然ですが、極端に低下してる方がいます。)壊れる方がより強くなり、骨粗鬆症になるのです。このような方は、骨の活力が弱くなっていて、血液を造る力も落ちて、貧血になっている方もいます。したがって、骨を壊す方を抑えれば、造られる方を促すより、より効果的に骨が弱くなることを防げる、場合によっては、骨を強くすることが出来る と理解してください。

難しく話してしまいました。
もっと簡単述べます。
 骨が弱くなると、姿勢が悪くなる。骨折しやすくなる。
 骨は造られては、壊されている生きている組織で、壊れる方が強くなると、骨がどんどん弱くなるので、壊れる方を抑えることが、重要だ。

今回は、今後話してゆく主な項目のみ挙げます。

骨が弱くなる原因は。・・・ないことが多い。
骨が弱くなっている時の症状は。・・・症状として出ないことが多い。
 痛みとしては、腰から下半身に出やすい。しかし、実際は、骨粗鬆症の痛みかどうか判断することは難しい。
骨が弱くなっても、筋力でカバーできる。
やせている方は、筋力もないので、より骨折しやすい。
骨が弱くなって、筋力も落ちれば、行き着くところは、歩けなくなる。
骨を強くするのは、カルシウムの補給だけでは駄目。
| 腰痛 | 18:01 | - | - | - | - |
ときどき聞かれること
 今回から、腰痛に関連して、ときどき質問されることについて、私の考えを述べてみます。
前回、ベットの話をしたので、まず、それに関連して

37、布団は硬いのがよいのか、柔らかいのがよいのか

硬い布団(=せんべいぶとん)がよいのか、低反発ベットのような、身体のラインにあったベット(=柔らかいベット)がよいのか。

 昔から腰痛では硬いせんべい布団がよい と言われますが、そうとは限りません。低反発ベットのような、自分の体のラインに合う布団の方が楽な方もいます。おそらくこうだろうという私の考えを述べてみます。

 一般に、腰痛の方は、腰の前弯(反身)を強くすると、痛みも強くなるので、ひざを立てて、腰の前弯(反身)を取って、寝るほうが楽、さらには、横向きで、腰を丸めて寝るほうがさらに楽、です。これは、腰椎椎間板ヘルニアの方でも、腰脚症候群の方(腰椎以外の仙腸関節や大腰筋などの骨盤で痛みが出ている方)、でも同じです。

硬い布団で寝ると

柔らかい布団で寝ると

 姿勢性疼痛の方(=腰脚症候群の方 15、腰脚症候群の症状で述べました。)は、腰椎の前弯が強いので、硬い布団に仰向けに寝ると、図のように低反発ベットより、股関節が伸展する形になり、大腰筋が引っ張られて、痛みが強くなる可能性があります。仰向けに股関節を伸ばして寝ること自体が、大腰筋部分で神経血管が圧迫されて、痺れや、痛みが強くなる方が多いのです。特にこのような方は、脚を伸ばして仰向けに寝る恰好で、足背部の動脈の触れ方が弱くなります。(14、大腰筋ストレッチでも述べました)硬い布団に寝るときは、ひざを立てるくらいの、大きな座布団などを入れて曲げて寝る方が楽です。逆に、低反発ベットは、臀部の形を残そうとするので、結果として、前弯は残りますが、股関節がやや屈曲する余裕が出て、大腰筋の伸展は弱まるので、硬いふとんよりは楽なはずです。
 逆に、腰のヘルニア、脊柱管狭窄症などで、神経が圧迫されている方は、反身が強くなると、圧迫が強くなって辛くなる方が多いので、低反発ベットで反身(前弯)がそのまま残ると、辛い姿勢をとり続けることになりすので、より辛いということです。硬い布団ですと、臀部が強く圧迫されないように、腰の前弯を軽くして、脚を伸ばして腰が引っ張られるような形で寝ることが出来るため、柔らかい布団よりも楽になる と考えています。

 結論は、仰向けで寝ているとき、腰の前弯(反身)を残して、股関節をやや屈曲した位置に保つ方が楽か、腰の前弯(反身)を軽くして、股関節を伸ばした位置にした方が楽か で決まるのではないかと考えています。
| 腰痛 | 17:41 | - | - | - | - |