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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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上半身の痛みでわかってきたこと
143、首周囲の痛み11

痺れ(しびれ)の話

前回痺れの話を少ししたので、今回はこの続きです。

 整形外科の考えでは、神経が明らかに圧迫されて起こる症状が痺れです。
そのため、明らかに圧迫されていると証明される部位しか、病気として認められていません。その一部を図示します。

痺れるという訴えで、皮膚の感覚が鈍くなる方、筋力が低下する方は少ない

 神経の圧迫が続いていて進行すると、その神経が支配している皮膚の感覚が鈍くなり、筋力が低下する症状が見られます。しかし、ただ痺れが来ただけでは、通常そこまでの症状はでません。痺れが持続しているにもかかわらず、放って置いて、しかも神経が本当に圧迫され続けている方に、この症状が出てきます。これは、きちんと治療しないと回復しない神経麻痺の状態です。痺れが続いている時は、一度、診察を受けられた方がよいです。

実際は、関節障害、腱鞘炎でも痺れます。
 このことは整形外科の診断にはありません。関節運動学的アプローチの考えから来ています。
 関節運動学的アプローチの考えでは、第1肋椎関節(1番目=一番上の肋骨と、一番目=一番上の胸椎の横がつながる関節)が、痛みや、肩こりの原因となるとされます。これは、この関節を麻酔剤でブロック注射すると痛みが取れる方が多いことから事実です。この関節のすぐそばには、腕の先に行く神経が通っているため、この関節に炎症が起きるとその神経が刺激されて、腕の一部に痺れが出るのです。(この関節障害とそのために痺れが出ることは整形外科の考えでは認められていないと思います。)
 
 足趾(あしのゆび)が痺れる、手の指が痺れるというときが、一番わかりやすくなります。診察所見で明らかに足趾(あしのゆび)や、手指の付け根の関節に炎症があったり、手の指の付け根の手のひら側の腱鞘炎があるとき、痺れると訴える方がいます。また、その腱鞘内に、麻酔剤を注入する治療をした後、指が痺れる方もいます。関節や、腱鞘のそばに、神経が通っている時は、その炎症などで、神経を刺激して痺れという感覚が出るのです。


朝だけ手や足が痺れるが、起きて動くと治る は、 正座の後痺れて回復するのと同じ まず、心配は要りません。

 朝痺れが来るのは、寝ている間、上肢、下肢が、神経や血管が圧迫される位置に長い間あったためです。筋力が低下したり、体調が悪くなると、痺れやすくなります。適度な運動を行って、血行をよくし、体調を整えておくことが肝要です。

上肢や手に痺れるとき、脳からの病気を心配する方がいますが、

 片側の上肢のみが痺れるときに、まず脳の障害のことはありません。首から上肢へかけてのどこかが痺れの原因です。
 両側の指全体が痺れるときは、首の部分で、脊髄そのものが圧迫されている可能性があります。持続する時は診察を受けられることを勧めます。
 また、手や、足に痺れが来たときに、何かの別の病気の前触れの可能性はあります。が、痺れだけではそこまでは診断できない。のが現状です。


○○が痺れます。という訴えは、痺れの原因部位がわからないことも多い。

 片側の全部の足趾が痺れる、片側の手のひらから先が全部痺れる、などと訴える患者さんは、どこが痺れの原因がわからないことがよくあります。
両側の手の指、足趾が痺れる場合に、糖尿病などからくる抹消神経炎 という病気がありますが、この状態になっていると診断できる方も少ないです。
頚椎、腰椎から、手の先、足の先に神経が行きますので、頚椎、腰椎の椎間板ヘルニアや、脊柱管狭窄症が原因のときもありますが、MRI検査でそれらの病気が証明されても、そこが原因で痺れています。と断言できない場合も多いのです。

 手のひらの親指側が主に痺れる、と訴える方で、実際に圧迫されている原因部位が特定できないこともあります。この部分は、正中神経と呼ばれる神経の領域で、手首の手のひら側の部分で圧迫されることが多く、手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)と呼ばれます。診断する診察方法がいくつもあるのですが、この病気だと確定できないのです。そのような場合は、通常、痺れや痛みが上肢全体や、首まで広がっています。

筋電図が役に立つことがある

 このときに、役立つのが筋電図検査です。ます、筋肉に針を刺して、力を入れてもらって、筋肉からの電気の発生具合を見て、筋肉が正常に機能しているかどうか調べます。=脊髄から手足の先へ行く運動神経が正常に機能しているか、そのうち、どの神経(腕には、正中神経(せいちゅうしんけい)、尺骨神経(しゃっこつしんけい)、橈骨神経(とうこつしんけい)の3つが行っています。)が支配する筋肉に異常があるのか など診断します。
 次に、抹消からの感覚を脊髄の方へ伝える知覚神経の伝導速度(神経の電気信号が伝わる早さ)を測ります。(=神経伝導速度検査、同一神経中には、例えば正中神経には、運動神経と知覚神経同時に走っています。→ひとつの神経はいくつかの神経の集まりです。)部位を選んで電気刺激を与えて、反応する速度を測定します。手から肘までの部位を3箇所測定することで、手のひらの部分の速度に比べて、前腕部分の速度が落ちていることがわかれば、手首の部分で神経が圧迫されて、感覚が伝わりにくくなっている判断できます。つまり、手根管症候群と確定できるのです。
→前項の最後に述べたことと合わせると、手根管症候群が痺れの原因でも、痛みや痺れが首まで広がっていることもある ということです。=痛みに敏感になっているのです。

 この検査の難点は、設定や診断が難しいことです。4,5回検査を行ったぐらいでは、筋肉の電気信号がどうでているか読み取ることが難しい上、神経伝速度検査は、電極の位置の設定が難しく、うまく測定できないこともあります。→神経麻痺が起こってから日数がたたないとうまく出ないようです。
 そのため、この検査を自信をもって行える医師は少なく、その医師を招いて検査をしている病院がほとんどで、検査日が限られている現状です。=すぐにその場で手軽に行うことが出来ません。+針を刺すことの恐怖感(あまり痛くありません)や、神経の伝導速度の測定は、針は刺しませんが、電流を流しますので不快感があるようです。

したがって、治療は、原因である可能性がある所すべてにレーザーを当ています

 レーザー(スーパーライザー)は神経の回復を高める作用が強い治療です。しかも同じ箇所に当て続けるより、次々に部位を代えて当てる方法に向いています。多数のポイントを治療点にすることが出来るのです。痺れの原因部位が確定できない時は、原因となりうる箇所すべてに照射できるレーザー治療を行っています。

ですが、痛みが去った後、痺れが残る、痺れが長い間続いている は、なかなか治らない。

 腰でも首でも椎間板ヘルニアで、痛みが続いた後、痺れだけが残ることがよくあります。 この痺れる感覚はなかなか取れません。ヘルニアが落ち着いて神経の刺激が少なくなるまで根気よく、無理せずに治療を続けることを薦めます。ヘルニアは、局部に負荷をかけずに安静を保つと、へこみます。あるいはなくなります。へこまない場合でも、圧迫されている神経が回復すれば、症状は取れます。腰部脊柱管狭窄症の方も同じです。痛みが取れても、痺れだけが残る方がいます。脊柱管の狭窄は手術をしない限り、形は変わらず、広がるわけではありませんので、圧迫されたままでも、その神経が回復すれば、症状も改善すると考えます。
 経験上、頚椎、腰椎が原因の痺れは、急性期の痛みを伴う場合は、レーザーや、超音波治療などの静止していてできる治療を行い、治療を続けても改善が悪い時に、首や、腰を引っ張る牽引治療に変更すると効果が高い印象です。

 原因部位がわからない場合を含めて、痺れが長い間続いている方も、なかなか症状が取れません。この場合は、症状を改善する治療を選ぶことからはじめます。ひとつの治療で改善が悪い時は、別の治療を選ぶようにしています。
 痺れは自覚症状ですので、診察所見が出ない場合が多いため、本人の訴えだけで、良くなったか、楽になったか判断するしかありません。本人の精神面の関与も大きい場合もあります。仕事で、痺れの原因となる体勢や、行動をとり続けている可能性もあります。診察は、本人にとってはほんのわずかの時間ですから、日常の大部分はどのように過ごしているかはわからないのです。
 関節運動学的アプローチや、器械によるリハビリテーション治療は、根気よく行えば、精神的な原因による症状をも改善する作用があると感じております。
 長い間痺れが続いている方でも、実際に皮膚の感覚が鈍くなったり、筋力が弱くなっている場合は少ないのが実際です。(前述したように、強く神経が圧迫され続けると、感覚や筋肉が麻痺してきます。)同じ痺れだけが続いて、他の症状が出ない場合や、変化がない場合は、まず、悪い状態ではないと考えてください。

いずれの場合も根気よく治療しましょう。


一時的に痺れが来る神経障害

急にきて麻痺まで起こる神経障害です。
これに対して、持続的な圧迫障害は、徐々に痺れから麻痺になります。

 上腕の外側が圧迫されて起こる橈骨神経(とうこつしんけい)麻痺が多いです。手の甲の親指側に痺れが出ますが、はっきり麻痺すると筋肉麻痺が前面にでます。手関節が甲側に上がりません。親指を含めて指も甲側に持ち上がらなくなります。伸びなくなります。上腕部(二の腕)の外側を、圧迫しながら寝てしまった時などに見られます。寝ているので圧迫されていたという認識はあまりないのですが。・・・局部を安静にして回復を待ちますが、外来通院では、仕事など、使いながらですので、少しずつ週単位で回復していって、2,3ヶ月かかることもあります。
 手の小指側が痺れると、尺骨神経(しゃっこつしんけい)麻痺となります。はっきりした感覚障害や、筋力低下の麻痺まで来ます。こちらは、肘頭(ひじがしら)の内側をぶつけた時に、びんと痺れる神経です。橈骨神経(とうこつしんけい)とは違って、肘の後ろの内側を、寝ていて圧迫され、回復しないで来院された方は記憶にありません。別の原因として風邪のウイルスが着く?など考えられますが、原因がわからないことがほとんどです。急に麻痺が来た患者さんを2,3例経験したことがあります。こちらも、肘を安静にして回復を待ちます。持続的な圧迫障害に比べると、明らかに回復は早いです。

神経が圧迫され続けた時の治療

 前項と違い、長期間圧迫され続けて徐々に麻痺が起こったときも、
 まず、固定安静です。動かないようにして安静を保つことで、圧迫されている神経の回復を待ちます。前に述べたように、形が変わらなくても、=圧迫されている状態でも、神経そのものが回復すれば症状は改善します。手関節で正中神経が圧迫されているなら、手首を、肘関節で尺骨神経が圧迫されているなら肘を固定します。ギプスや装具などの、しっかりした固定の方が、安静が保たれるため、=日常生活で使いづらくなるため、回復は早くなります。 骨の形が変わっていたり、腫瘍などで、原因部位の圧迫が明らかな時、強い時は、手術を行い、圧迫の原因を除去します。


 これらの神経の回復には、ビタミンB12を内服することが通常治療ですが、前回述べたように、神経へ行く細い血管を広げる薬(プロスタグランディン)を使うと、回復が早くなります。→プロスタグランディンは、飲み薬より、静脈注射の方が効果があります。

いろいろ述べましたが、

結論は、

 痺れるという感覚は厄介な自覚症状です。実際に神経がこの部位で圧迫されて起こっていると診断できない、感覚障害、筋力低下など、診察所見が出ないことも多く、本人にしかわかりません。そのため、治療して改善したかどうかも本人にしかわかりません。明らかな神経の圧迫障害の治療は学会、勉強会でも論議され、教科書にも載っていますが、そうでないことも多いということです。今まで述べてきた方法がすばらしく効く というわけでもないのです。、本人が症状が変わりません といえば、治療効果が出ていないことになります。長期間、根気よく治療してゆかないと、なんとも言えない方、なかなか改善しない方がいるのは事実です。治療効果が出ないときは、同じ生活を行っている中で、痺れの原因と考えられるものを自分で見つけ、自分でいろいろ変えてみることも必要と考えます。治療は、その方にとっては、ほんの一部の時間です。治すのは本人で、治療はあくまでも治すためのサポートと考えてください。
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