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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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上半身の痛みでわかってきたこと
145、整形外科の病気でない病気(=未病(みびょう))の時の痛み

今まで述べてきた、話のまとめ(の一部)です。

 前回、スパーライザーを痛みが出ているポイントや、つぼ照射、星状神経節の照射を行う治療の話をしました。
 星状神経節の照射は、仰向けに寝て行いますので、ほかの痛みが出ているポイントや、つぼがそのまま寝て照射できる時は、ねたままですべての治療しますが、背中や腰のポイント照射のある方は、座ったり、うつ伏せで照射してから、仰向けに寝て星状神経節を照射します。つまり、二つのポジションでわけて行います。

この治療は、事故後の痛みを抑える以外にも、次のような方に行っています。
 痛みが上肢全体に広がっている、半身の同じ側の上下(首も背中も、腰も痛い)に痛みが来ている、悪いところがあまりないと言われているのに、つらい痛みがある、その痛みもかなりの期間続いている、などの特徴があり、痛みに敏感になっている状態の方にです。
 自律神経の調節が悪くなっていて、頭痛、めまい、吐き気などのの症状が出ることもありますし、精神的にも、肉体的にもストレス、疲労、緊張が重なっている状態の方がほとんどです。胃腸の調子も悪いことが多く、自覚症状もはっきりある方から、あまり気づかない方までおります。

→事故後にはこの状態になりやすいので、共通の症状が出ます。
前回のイ痢後から痛みが出る も、この状態です。


 整形外科の教科書どおりの診察では異常が出ない ことがほとんどです。レントゲンでも異常が出ません。中には、加齢的な変化(椎間板の高さが減少して狭くなる、骨棘(こつきょく)が出ている)が見られることもありますが、そこから痛みが出ていると診断できません。血液検査も異常なく、西洋医学的には病気ではない のです。
したがって、整形外科の病名は と聞かれると、頚部痛、背部痛、腰痛症と、痛いという表現が病名になったり、頚部筋筋膜炎(けいぶきん きんまくえん)、腰部筋筋膜炎(ようぶきん きんまくえん)などの、筋肉や、筋膜の炎症という病名が付くぐらいです。場合によっては、異常なし になります。

+痛みに敏感になっている状態とは、
 前述したような症状で、診察しても、痛みに見合う所見がないのが特徴ですが、明らかな変形性膝関節症や、肩関節周囲炎の方でも、その部分の痛みに敏感になっている方がいます。
 通常の診察方法や、関節運動学的アプローチに基づいて動かした時の反応で、この痛がり方は敏感になっているな と判断できるようになったのは、ここ半年ぐらいです。

漢方医学の診察で異常が出る。
 上腹部(みぞおち周囲)を診ると、緊張していて硬くなっている、押すと痛い、脈打っているのが触れる、舌を診ると、白色や黄色みがかったコケがある、などは、わかりやすい所見です。脈を触れると、沈んでいる(≒脈が弱い)が、心脈がころころ触れる、はっきり触れる、肺、脾脈だけがややはっきり触れる などの所見がでます。
 この状態は、上半身の痛みの初回で述べた、129背中の痛みと同じ状態 です。背中の痛みが上下に広がって、同じ側の首や腰が痛くなります。漢方医学的には、気虚、気逆と呼ばれる状態です。漢方は、病名にこだわりません。その方の今ある状態に応じて薬を選ぶことになります。

関節運動学的アプローチに基づく手技では所見が出る。
 頚椎、胸椎では、棘突起(きょくとっき=背中の真ん中に触れる骨)を動かすことで、脊椎の椎間関節で痛みが出ていることがわかります。また、膝下をベットサイドから垂らしたポジションで、第1肋椎関節(だいいちろくついかんせつ=第1肋骨が、胸椎1番の横突起に付く部分の関節)を抑えて、腕を引き上げると、痛がる方が多く、その部分から痛みが出ていることがわかります。また、大腰筋(だいようきん)ストレッチで、脚を引っ張ると、腰の痛みが出る方もいます。これは、骨盤の後ろに位置する仙腸関節(せんちょうかんせつ)が原因の痛みです。同じ側の首、背中、腰が痛くなる状態は、仙腸関節から、同じ側の背筋を伝わって、胸椎や頚椎下部の椎間関節で痛みが出て、さらに、第1肋椎関節で痛みが出たり、逆に、第1肋椎関節から、背筋を伝わって仙腸関節に痛みが出ている状態です。

 このように、通常の整形外科の診察では異常がなくても、漢方医学的に所見がある、言い換えると、西洋医学的には異常なし、ですが、漢方医学的には異常が出ている 状態を、未病(みびょう)といいます。西洋医学の病気になる手前の状態です。この時に、関節運動学的アプローチに基づく(オリジナル)手技で診察治療を行うと、所見が出る(痛みが出る)ことが多く、その手技を行うことで、診断にもなりますし、治療にもなります。また、その時の痛がり方の反応を診て、改善しているかどうかの判断も出来ます。

 今まで述べた、いろいろな診察方法でも、MRIなどの画像診断を追加検査しても、全く異常所見が出ないこともあります。
 この場合は、痛みや症状を脳で記憶している可能性が高く、より精神面の関与が大きいと考えています。


 治療は、病名にこだわりません。その方の症状にあわせた治療を行えばよいのです。これは病気ではありません。そんな病気はありません。異常無しです。は関係ありません。病気でないから治療をしない ではありません。ある方は、精神面の影響で、いろいろからだの痛みや症状を訴えているかもしれません。たとえば、うつ病、心身症の症状として痛みが出ている時もあります。、更年期の方も調子が悪くなると、これらの症状が出やすいのも事実です。それらも関係ありません。症状にあわせて治療を行えばよいのです。
 治療は共通です。器械によるリハビリも、関節運動学的アプローチに基づく治療手技も、これから述べる、漢方薬や、神経ブロック治療、いずれも、ある程度までの精神的障害による症状にも有効です。

 したがって、よく病名を気にする方がいますが、その必要もありません。
腰や、首の病名がそうです。椎間板ヘルニアになっているかどうかは、診察とレントゲンだけでは確定できません。ましてや、腰や首のどの部分が悪くて痛みが出ているかわからないことも多いのです。症状も、経過を診ていると変わります。そこで、その時の痛みの状態に合わせた治療法や注意事項を選べばよいのです。
 全く別の例を出せば、
 手が腫れている時は、その症状に応じて、治療をするのです。怪我をしたか、原因不明かは問いません。腫れが強く、痛みが強い時は、できるだけ強固な固定、ギプス(シーネ)固定がよいです。骨折がある無しは関係ありません。強い関節炎でも構いません。症状に応じてです。この考えで治療すれば、最初の病院の診断が捻挫で、次の病院に行ったら、骨折していると言われたとしても、治療法は何も変わりません。その最初の時の症状にあわせて固定するのです。あとからレントゲンでわかる骨折は軽いものです。症状が軽ければ、骨折していても、厚めの弾性包帯固定で構いません。まず 手術になる などの治療変更は考えられないのです。

 薬の治療は西洋薬で効果がないときは漢方薬が効くことがあります。
 胃が痛くなって、西洋薬が飲めない方、胃潰瘍や、胃炎がひどくて、痛み止めが飲めない方も、漢方薬がお薦めです。
かといって、事故の保険(特に労災)では漢方薬が認められないことが多いのです。健康保険を含めて、病名で薬を選んでいるからです。
確かに、漢方薬でも適応症といって説明書には病名が付いていますが、前述してきた状態の方には、この病気は、この漢方薬という考えでは、処方できません。具体的には、142首周囲の痛み10、気を調節する漢方薬でのべたように、気逆、気虚を改善する漢方の組み合わせを中心にお出ししております。この場合、呉茱萸湯(ゴシュユトウ)の適応症は頭痛です。別にその方に頭痛がなくても処方しています。竹茄温胆湯(チクジョウンタントウ)の適応症は、インフルエンザ、風邪、咳です。病名とは、全く関係がありません。他に、漢方的に肝(かん)の状態を改善する柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)なども効くときがあります。この薬の適応症も、風邪ですから、全く病名は関係ないのです。
(→処方薬局で、漢方薬を処方するときに、どの病気のときの飲む薬かを説明する薬剤師は、漢方を理解していない方と考えます。)
 そのため、健康保険では、これらの病名をつけさせていただいて、保険請求しています。しかし、事故の保険では風邪などの病名はつけることが出来ませんので、認められません。他にも、事故でつけられない病名の時に使う薬は使えなくなります。関節炎の時使う副腎皮質ホルモン(ステロイド)、変形性(膝)関節症の時使うヒアルロン酸、腰部脊柱管狭窄症のとき使うプロスタグランディン、後で述べる、プラセンタ製剤もそうです。

 また、ひとつの治療がすべての例に効くとは限りません。人それぞれです。効果が悪いと判断すれば、次の治療に変更します。
 冒頭、スパーライザー治療の話から始めましたが、他の器械によるリハビリでもかまいません。首から足の先まで症状が広がっている方には、水圧式マッサージベットが効果がありますし、下肢上肢全体に痛みが広がっている方には、つぼに電流を流すSSP治療器も効果があります。

 注射が受けれる方は、神経ブロック治療も有効です。
 自律神経が乱れている上半身の症状が強い時は、星状神経節ブロックが効果的です。痛みが出ているポイントや、筋肉が硬くなっているトリガーポイントにブロック注射することも有効なことがあります。第1肋椎関節からの痛みが強ければ、うつ伏せでそこのブロックを行えば効果が出ますし、仙腸関節で痛みが出ていれば、斜めうつ伏せで、そこのブロックを行えば効果が出るはずです。(後二つはともにレントゲン透視が必要です。)

 薬もいろいろです。漢方薬は選ぶのが難しい上、効果がなかなかでないこともあります。西洋薬は飲めれば、効果が高くなります。痛み止め、筋肉の緊張を和らげて痛みを軽くする薬、痛みを抑える神経の活動を高めて痛みを感じにくくするノイロトトピン、+胃薬で、効果があればよいのです。また、飲めない方でも、ノイロトロピンは点滴や、静脈注射すると効果が高くなります。プラセンタ製剤をトリガーポイントに注射することも効果があります。プラセンタ製剤は、人の胎盤から抽出して造るため、特定生物由来製剤に指定されています。現代の医学ではわかっていない、ウイルスや、プリオンによる未知なる感染症にかかる可能性がある のですが、結果がわかるのは、何十年も後のことです。ある程度の年齢の方には関係ないと考えます。効果は、更年期障害、炎症、精神的な病気など広く、免疫力を高め、治癒力を高める作用が強い優れものです。他の治療で効果がないときは、行ってみる価値は充分あります。
 精神面の効果の関与が大きい時は、頭の中に直接作用する薬が効くことがあります。うつ病や、統合失調症(以前は精神分裂病)、顔面の神経痛の薬などあり、ペインクリニック(麻酔科)の先生がいろいろ使っています。

治療効果は・・・・

 診察で所見が全くない時は、本人の訴えだけで、改善したか判断しますので、痛みが取れません と言われれば、治っていないと判断せざるを得ません。効果が出なければ、改善目的で、器械によるリハビリの内容を変更したり、薬の変更や追加、神経ブロックなどの治療を加えていくことを勧めることになります。それらの治療を受ける受けないは、本人の希望となります。治療効果も、千差万別で、よく反応して改善してゆく方、少しずつ改善してゆく方、全く反応していないと考えられる方など いろいろです。
 健康保険では、治らなければ、治療を長期に続けられますが、事故による労災、自賠責保険では、終了時点を決めなければなりません。症状が改善しなくなったら、治療を終わらなければいけない決まりにもなっています。(これが症状固定です。)改善が悪かったり、一進一退の時は、後どのくらい治療が出来て、どのくらいの症状が残るか予想をお話しています。つまり、いつを治療の終了にするか、その時どのくらいの改善を望んでいるのか、ご相談した上で、ご希望の治療を選んで行っている現状です。
| 上半身の痛み | 16:47 | - | - | - | - |