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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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上半身の痛みでわかってきたこと
146、肩甲骨と肩関節

 図は後ろから見たものです。はじめてこられる患者さんには、どの部分で痛みが出ているか簡単な人体図に○をつけてもらっているのですが、首の横に○をつけている方、肩関節に○をつけている方は、肩が痛いと言って来られます。
 肩関節とは、腕の付け根の動く関節です。よく“肩”というと、首の横の凝る部分(肩こり部分)を言う方がいますが、医学的には、肩関節が”肩“です。
 首の下の横の部分、肩甲骨やその周囲が痛いとう訴える方は、頚椎、その下の胸椎、第一肋椎関節、肩関節と、どの部分も痛みの原因になります。腕に行く神経も走っていますので、腕が痛い時、痺れが出ている時もどの部位も痛みの原因になります。
 頚椎から肩甲骨や、肩甲骨の間へ神経が行っていますので、頚椎が原因の事もあります。顔を真上に向けて、首を真後ろに反らしたり、顔が斜め上方を向く方向に反らすと痛みが出ます。頚椎の下の胸椎が原因で、肩甲骨の方へ痛みが来ている方もいます。前から述べている、みぞおち周囲の上腹部が緊張して背中に痛みが来る方はこのタイプです。背骨を左右で支える脊柱起立筋が原因の方もいます。顔が下を向くように首を動かすと筋肉引っ張られて痛みが出ますが、肩関節、肩甲骨を動かしても痛みが出ません。
 第1肋椎関節(だいいちろくついかんせつ)は関節運動学的アプローチに基づく診察で、痛みの原因になっているか判断できます。
 上腕骨と肩甲骨の間の肩関節の動きが悪くなると、肩甲骨を無理に動かして、腕を使うことになります。→肩関節の動きが悪くなると、腕を動かした時は、肩甲骨が肋骨の表面をすべるように大きく動きます。その結果、肩甲骨に付いている内側や下側の筋肉に負担がかかり、痛みが出てきます。肩甲骨の裏側と肋骨の間に炎症が起きて痛みが出る方もいます。
 頚椎からの痛みもあり、肩関節にも炎症がある方もいます。上に述べた診察所見が必ずしもあるとは限りません。どちらが痛みの主原因かわからないこともありますし、肩関節が痛みの原因と診断しても、次の診察のときは、首からの痛みが主原因だったという方もいます。そのような時は、原因の可能性ある箇所を超音波やレーザー(スパーライザー)などで、すべて照射して治療しています。
 また、二の腕(上腕)に○をつけている方もほとんどが肩関節が原因の痛みです。三角筋が上腕骨についている部分の炎症も考えられますが、肩関節の動きが悪くなると痛みが二の腕に走る場合が多いようです。また、後述する腱板が傷んでいるときも、痛みが二の腕に走ることが多くなります。

 実は、肩甲骨の動きが悪くなると、肩関節の痛みが出てくる と考えています。左右の肩甲骨は、近づいたり、遠ざかったり、肋骨をすべるように大きく動きます。肩甲骨から上腕骨に筋肉が付いていて、肩を外側に回したりします。この肩甲骨の周囲の筋肉の力が弱くなったり、硬くなったりすると、肩甲骨の動きが悪くなり、左右の肩甲骨が中央に近寄りにくくなると、猫背になります。肩を外側に回しにくくなります。これを防ぐのが、肩の周りの運動です。以前から述べているものを含めて、また、図を載せてみます。
 これらの運動は、肩甲骨を大きく動かす、肩甲骨部分の筋肉を鍛える運動に他なりませんし、五十肩(肩関節の痛み)、猫背、2重あご、胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん 139首周囲の痛み7)などの肩甲骨周囲が原因の腕の痛みや痺れ(頚肩腕症候群=けいけんわんしょうこうぐん)の予防や治療になるのです。

肩の構造

 肩甲骨と上腕骨の間の関節です。球面で接触している部分以外も、肩峰(けんぽう)との間も関節の一部です。接触面が小さいため、骨以外の靭帯や、腱状の筋肉が四方から支えていますが、骨の支えがないため、衝撃で外れやすくなります。(脱臼)接触面が小さいため、いろいろな方向に大きく動くため、動きが悪くなった時には、元に動きに戻るのが大変です。(肩関節拘縮=かたかんせつこうしゅく)
 上腕骨を肩甲骨に密着させていて、腕を吊り上げている、腕を挙げるためには絶対必要な腱板(けんばん)という腱状になっている筋肉組織があり、肩峰(けんぽう)との間には、表面に潤滑にすべるように滑液胞(かつえきほう)とよばれる構造があります。上腕と、肩甲骨の肩峰(けんぽう)の間をすべるように動きますので、この間の隙間が狭い方は自然に炎症が起こりやすくなります。(五十肩)
 腱板に大きな穴が開くと、機能しなくなって、腕が挙がりません。肩表面に盛り上がる三角筋だけ鍛えても、腕は挙がりません。(腱板断裂=けんばんだんれつ)腱板が付いている骨が一緒にはがれた時は、最初は腕が挙がらなくても、骨が付けば挙がる様になります。(上腕骨大結節骨折=じょうわんこつだいけっせつこっせつ)

 レントゲンで肩甲骨と上腕骨の間の関節や、肩峰や腱板の付いている部分の骨の表面がぎざぎざになったり、骨が尖ってきたりした時は、変形性肩関節症です。
 外傷で起こりやすいのは、先ほど述べた、肩関節脱臼、腱板断裂(けんばんだんれつ)や、上腕骨大結節骨折(じょうわんこつだいけっせつこっせつ)、肩峰と鎖骨の間の関節が脱臼する、肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)、鎖骨の骨折、骨が弱くなると起こりやすくなる、上腕骨の肩に近い部分の骨折(上腕骨近位端骨折=じょうわんこつきんいたんこっせつ、上腕骨骨頭骨折=じょうわんこつこっとうこっせつ)などです。
| 上半身の痛み | 19:35 | - | - | - | - |