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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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上半身の痛みでわかってきたこと
148、肩関節の痛み2

今回は病気の話というより本音の話です。ただし、専門的な内容が入りますので、あしからず。

鎖骨骨折の治療はこれが一番だ!!というものがない、
鎖骨骨折の治療方針は整形外科の医師の意見が分かれるところ。

この骨折は、待てば、必ず骨癒合する。  と考えています。
ギプスなどのある程度しっかりした固定も必要なく、鎖骨バンドという肩をそらす方向に固定するバンドで安静にするだけで骨が付いてきます。ただ、どのくらいの日数で付くかが問題です。幼少時のお子さんはまず問題ありません。2〜3週間で新しい骨(仮骨=かこつ)が見えてきます。=骨がついてきたという証拠です。

鎖骨骨折はなかなか骨癒合しない時がある。

青少年期以降は違ってきます。順調に行けば、4〜6週で新しい骨が見えてきますが、中には、10代の女性でも、新しい骨が見えてきて骨がついてきたと判断できるまで、10ヶ月かかった例も経験しました。あと、中年以降の男性は骨が付きにくくなります。まず、癒合するまで。4ヶ月〜半年以上かかります。中には1年以上かかってしまう例もあります。ギプス固定したからといって、早く骨が付くわけではありません。
→少しぐらい動いていても、骨は付くということです。
→骨が付くのだから、手術しないで待てばよいわけです。
→時間がかかっても骨が付くのであるのだから手術する必要はない。患者さんも、手術を受けないで済むならそれに越したことはありません。
ただ、骨が皮膚を飛び出そうとする方向に、尖っていたりする時や、皮膚を突き破りそうな時は、手術をしてもどした方がよいです。もちろん、皮膚に穴が開いて骨が飛び出している時も手術です。皮膚から骨が飛び出てしまうと、そこからばい菌が入ってしまって、感染することがあります。骨までばい菌がつくと、骨髄炎といって、治るのに非常に時間がかかる病気になってしまうからです。

骨折すると、通常、鎖骨が短縮して付きます。

若い女性などは左右の肩の形位置が変わってしまうので、以前は、正確な整復がよいという意見もありました。今は分かりません。
投げる動作が必要な方も、肩の位置が変わってしまうと元のように投げれなくなる可能性があるため、正確な整復が必要と考えます。

正確にもとの形にもどすには、手術が必要です。
外から整復するのは、ほぼ不可能です。

医者になって5年目ごろの外傷病院に勤務していた若い頃、皆でよってたかって?整復してみました。図のように、背中の真ん中に台を置いて、局部に確か麻酔を行って、痛みを少しでも取り、(完全に痛みは取れません。)肩をぐっと引き下げて、ギブス固定をしました。(座ったままだといくら押さえても、背中が動いてしまい整復不良となります。)押えることに人と力がいる上、寝たままギプスをしますので、さらに、ギプスを巻く人、身体を持ち上げる人(台が下にありますので身体を持ち上げながら巻く必要あり)と、数人必要です。この力ずくの方法で、何とかもとの状態に近いところまで整復できたはずです。とても一人では行えませんし、労力もいるため、通常行えないと感じたものです。
話はそれますが、脊椎の圧迫骨折を元にもどすのも、このくらいの整復作業がいります。体の上下に台を置いて、背中を出来るだけそらしてギプス固定をします。今度は局部麻酔では痛みは取れませんので、患者さんも苦痛ですし、やはり身体を持ち上げる人、ギプスを巻く人と、人数が必要な上、痛みでうまくそることが出来ないと、整復不充分となります。(最近は、日数がたつと、さらにつぶれてくる脊椎圧迫骨折は、人工骨を中に詰めて固定する手術する先生もいます。)

手術がうまくいけば、早く骨癒合する。正確にもとの形に戻る。


順調に行けば、3ヶ月もすれば骨はつきますし、元の形に戻ります。

手術方法は大きく分けて二つです。

1、プレートを入れてスクリューで固定する

強固な固定は出来ますが、骨の周りの組織をほぼはがさなければなりません。(骨の周りの組織ははがさない方が早く骨がつきます。)
ぴったり合ったときは、早く骨がつくはずです。
圧迫固定が甘かったり、骨折部がぴったり合わずにすきまができていると骨がつかなくなる可能性が高くなります。
プレートとスクリューは骨がついたら抜かなければなりません(もう一回手術が必要)ので、鎖骨は骨が細いので、抜いた後、再骨折しないように、しばらく要注意です。
組織を剥がす範囲が広いので、全身麻酔などのしっかりした麻酔が必要と考えます。

2、髄内定(太いキュルシュナー鋼線)で固定する

私はこの方法で手術をしていました。小さな皮膚切開で出来るだけ骨の回りの組織をはがさないように行えます。第3骨片があるときは、まとめて大きな湾曲針で、体の中で解ける糸を裏側に通して縛ります。麻酔科の医師がいないときは、局部麻酔でも何とか手術可能です。頚部の硬膜外に硬膜外麻酔チューブを入れておけば、そこから追加麻酔できますので、完璧です。私はこの麻酔方法で一人で手術していました。
手術後にピンが抜けてくることがあるのが問題です。ピンの固定方法は、体の中心方向に引き抜いてから、外側に向けて入れなおして固定します。刺した位置が悪いと固定が甘くなり、ピンが抜けて皮膚から飛び出してきます。しっかり固定するためには一回で正確にピンを鎖骨の中に通さなければなりません。違った方向にピンを刺してしまうと、2回目以降、ピンの通り道が出来てしまって、いくら刺しなおしてもその方向にピンが通ってしまい、よい方向にピンがさせなくなることがあります。
骨がついたら、髄内定を抜く必要がありますが、局部麻酔ですぐ抜けます。簡単な上、(外来手術で行えます。)骨折部の周りの組織をもう一度剥がす必要がないので、まず再骨折することはありえません。

術後感染も問題です。固定力が弱いと中で骨が動いていて、感染の可能性も高くなります。
術後の充分な抗生剤投与が必要です。

以上のことがあり、
手術でうまく治療がいかなかった経験の多い?ある?先生は手術を薦めません。
手術に自信があって、ほぼうまく治療がゆく先生は、手術を薦めます。(正確な形にもどる上、骨がなかなかつかないということがない) 

という結論です。 

肩鎖関節脱臼の手術方法もこれが一番だ!!というものがない

上に外れた鎖骨の端を、皮膚の上から押さえ込んでも元に戻りません。
大きく上に外れた時には、手術をしますが、方法がいろいろあり、確立していないはずです。行ってみた方法の問題点を述べます。

1、肩鎖関節を鋼線で止める、あるいは鎖骨と肩甲骨の烏口突起(うこうとっき)をスクリューで止める方法

脱臼が落ち着くまで、固定し続けなければなりません。術後3ヶ月ぐらいで抜くとまた脱臼してくることがあります。
90度以上肩を上げると鎖骨は回転しますので、あまり動かさないようにして、脱臼部が落ち着くのを待つと、肩の動きが悪くなり、もとの動きにもどるのにかなり日数がかかります。
肩を動かす運動を頑張ると、あるいは、固定がうまくいっていないと、動かしているうちに、止めてある鋼線や、スクリューが外れることがあり、また脱臼してしまいます。

2、人工靭帯でしばる手術方法(通常、肩鎖関節を鋼線で固定する方法と併用します。)

烏口突起を回して、鎖骨に穴を開けて、人工靭帯を回す方法です。この方法単独では、鎖骨の動きが残るため、肩を動かすには上の方法よりよい(肩鎖関節を止めても、早めに鋼線が抜けますので、早めに運動開始できます。)のですが、靭帯の縛り具合が弱いと緩んで、脱臼してきますし、強すぎると、鎖骨が動かなくなり、肩も動かすのが大変になります。
人工靭帯を狭い範囲で回す手術手技が非常に難しく、ここで時間をかなり取ってしまい、大変です。(膝用に開発されたもので、膝などの大きく手術を行う部分はよいのですが、足などを含めて、小さい部分に回そうとすると穴を通して引き抜くのが非常に困難となります。)

そこで、出来るだけ保存的に治療する

脱臼したままでも、落ち着けば痛みが取れますので、手術を行わない方法です。痛みが取れる2〜3週間、肩があまり動かないようにゆるく固定します。場合によっては三角巾で吊るすだけです。高齢な方はこれで充分ですし、投球動作や、肩を上に挙げる動作があまりない方もこれで充分です。

肩関節脱臼をもどすにはコツが要る

教科書通りに行ってもはまらない  のが、肩関節の脱臼です。脱臼の中では多いはずですが、そうしばしば遭遇するものでもなく、なかなか経験が積み重ねられません。私も不得手で困っています。

こつがあるようで、麻酔無しでも出来る先生や柔道整復師がいる一方で、局部に麻酔しても戻らない ことも多いです。筋力の弱い高齢者でもです。
静脈麻酔で眠ってもらうと簡単に戻ります。この麻酔を行うと、呼吸が止まることがあり、(特に高齢者)呼吸などの麻酔管理が出来るところではないと、お薦めできません。

習慣性肩関節脱臼(=反復性肩関節脱臼)になりやすいのなぜか?

一度外れた肩関節が、何度も外れるようになることです。大横綱の千代の富士が現役時代に悩まされ続けた状態です。彼は、肩が外れないように=肩を上に挙げてひねらないようにうに脇を占めて、前みつ(まわしの前の部分)を取る相撲で一気に横綱になりました。もちろん持ち前のけたはずれのダッシュ力(中学の北海道の三段飛びの記録保持者)があったからこそなしえました。本来は、上手を取って相手を振り回す上手投げが得意です。(=ウルフスペシャル)この動作は肩をはずします。→横綱になってからも肩をはずしていました。千代の富士の肩は外れやすい形だったと記憶しています。外れやすい肩の形はもちろんありますが、関節の袋が大きくなってしまうと、はずれやすくなります。

一回目の脱臼時の後が重要です。
肩は前方に外れることがほとんどです。関節の袋や、そのすぐ外側を支える靭帯が破れて、上腕骨の肩の部分が前に飛び出します。その破れた部分が修復するまでは安静が必要です。
修復が充分でないうちに動かしだすと、大きくなった状態で関節の袋が落ち着いてしまいます。

実際、1週間以内で痛みがなくなってしまうため、そのまま使ってしまうことが多い。

最低2週間固定が必要と説明しても、痛みがないので治った気がして使ってしまいます。使わないでいて、逆に肩の動きが悪くなるぐらいならOKです。動きが悪いということは、関節の袋がくっついて小さくなっているということです。そのまま動くように訓練します。後に述べる骨折や、以前述べた五十肩に比べるとそれほど動きは悪くなりませんので、長期にリハビリはかかりません。
この安静は最低限必要です。それ以外の要因で肩が習慣的に脱臼することがありますので、あしからず。

一般整形外科医は習慣性肩関節脱臼の手術も行いたがらない?

一度大きくなった関節の袋の状態ですと、手術して小さくする以外は、脱臼を防ぐ方法はありません。以前から述べている(前回も図が出ています。)肩の外旋方向に筋トレを行って、腱板の筋力を鍛える(外の盛り上がる三角筋を鍛えてもだめです。)とある程度防げるかもしれませんが。・・・・
力の強い男の方や、関節が外れやすい形の肩は、骨を前方にくっつけて、補強する方法もあります。
これらの手術方法は、命にかかわるような、お腹を開けるものではないので、誰でも出来そうと私なら思いますが、専門的に行っていない先生にとっては、専門医に送ることが当たり前?のようです。術後のリハビリ管理や手術したにもかかわらず脱臼が再発することまで責任が持てないようです。

上腕二頭筋(じょわんにとうきん)の腱が切れても、手術してつなげない?

肩の前の部分に、二の腕の力こぶを作る上腕二頭筋の腱が通っていて、その部分で外から傷つくことなく皮膚の下で切れます。ある程度の高齢の方が多く、力こぶが縮んだ形になります。筋肉が肘の方(下の方)に縮みますので腱も下に引っ張られて、手術的に引き上げてつなげる以外元に戻りません。
この筋肉は肘を曲げる作用があります。肘が曲がらなくなるのでは と考えますが、そうではありません。痛みがなくなれば、(通常2,3週で)手術しなくても同じ肘を曲げる作用のある上腕筋があるため、肘は曲がります。ただし、力こぶは、縮んだままです。
手術して腱をつなげますと、つながるまで6〜8週から無理に動かしたり使えませんので、さらにそれから動かすことに日数がかかり、高齢の方にとっては苦痛になる方が多いと考えます。


上腕骨の近位部の骨折を起こした時、肩を動かさないでいると、動かす治療に期間がかかる

高齢で骨が弱い(骨粗しょう症)の方に多い骨折です。よほど大きくずれていなければ(大きく転位していなければ)、そのまま骨がつくのを待ちます。ギプス固定などしっかりした固定は必要なく、腕をつるして動かないようにしておけば充分です。
骨がつくまで動かさないでいると、肩が動かなくなってしまうため、骨が付いてから動かす運動を開始したのでは、肩が動くなるようになるまで何ヶ月も時間がかかります。あるいは、完全に上まで挙がらなくなることもあります。そこで、骨がつく前から、痛みがある程度よくなった時点で、運動を開始します。力を入れずに、身体を前屈して腕を垂らしてゆきます。これで、肩は動いていることになります。→少しぐらい動いていても骨折は付く ということです。
4〜6週ぐらいで新しい骨(仮骨かこつ)が見えて骨がつきだしますが、その後の1ヶ月ぐらいがさらに重要です。この間に動かす運動がうまくいかないと、やはり肩がくっついてしまいます。
骨がつく前までの運動では90度前後までの運動ですので、そこからさらに頑張らないと、上までいきません。固い床か畳の上で、肩甲骨を固定して、腕を上に挙げるように、骨折していない手を使って持ち上げます。これを根気よく行わないと、挙がりません。うまくいったときは、3ヶ月目には、ほぼ元の位置まで上がるようになります。くっついてしまって動きが悪くなると、さらに3ヶ月ぐらい掛けて、少しずつ上に挙げるように運動してゆくことになります。
このことは、手術して、鋼線などで固定したときでも同じですので、元のように動くか、使えるかは、手術後の運動が非常に大事なのです。
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