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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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上半身の痛みでわかってきたこと
149、肘の痛み

肘の痛い方の参考になれば幸いです。

テニス肘

肘の外側(手のひらを前に向けてからだの外側に当たる部分)=親指側 の、手首や指を動かす筋肉が付く部分の炎症です。手首を手の甲側に反らしたり、人指し指や中指を伸ばしたり、雑巾を絞ったりしてひねると、痛みが走ります。テニスなどのラケットを振るスポーツする人に多く診られるために、この名が付いています。

テニス肘はテニスなどのスポーツが原因でないことが多い。

自然に起こります。ただし、中年に差し掛かった女性、中年の男性などに診られ、若い方には少ないです。それらの年代の方が、腕を酷使していれば、スポーツでなくてもなりやすいです。

手首をこねると肘に痛みが出る。 

肘の外側には、手首を手の甲側に反らしたり、指を伸ばす筋肉、前腕部分を回す筋肉が付いていますので、最初に述べたように、手首を動かして使っていると痛みが出ます。反対の内側にも、手首を手のひら側に曲げたり、指を曲げる筋肉が付いていますので、同じです。

肘も変形性関節症になる

肘は体重が乗るなどの強い負荷がかかりませんし、肩ほど大きく動きませんので、レントゲン上はっきりわかる変化まで進む方は少ないのですが、多少なりとも、老化は起こります。老化して、油切れになると痛みが出やすいのです。そのような状態な方が、テニスひじの症状が最も出やすくなります。

肘は負荷に弱い

逆に、下肢の膝、股関節などと違い、普段、体重を支えるなどの強い負荷にさらされていませんので、少しの負担でも痛みが出やすくなります。

利き手の肘の痛みは治りにくい

右利きの方は、洗面、化粧、(歯磨き、ひげそり)身の回りの動作など、ほとんど右で行っています。指を使う、手首を使うことは、前述のように肘に響きますので、痛いときは、反対側の手でも出来るように訓練することが重要になります。

手首を安定させる必要がある。

手のひらを下に向けて、手首を固定して、そのまま指をとじて物をつかむように使います。手首を動かすと、肘に響きます。

手首をひねらずに、回さずに使う。

手のひらを上向きにして、さらに手首を動かしながら使うと、肘に負担がかかります。

そして、肘を伸ばして使うと、筋肉が引っ張られて、筋肉の付いている肘の部分により負担がかかる。

→肘を少し曲げた状態で、手を使うことを勧めます。肘が伸びないように弾性包帯で固定して使うこともひとつの方法です。

肘を屈伸すると痛みが出るときも、肘を安静にする。

変形性関節症が進むと、あるいは炎症が肘の関節全体に及ぶと、肘を強く(充分に)伸ばしたり、強く(充分に)曲げたりする時に、痛みが出だします。このときも、肘が曲がらないように、伸びないように、やや肘を曲げた位置で弾性包帯で固定して動きにくくするとよいです。
中年の男性の肘の痛みは、変形性関節症、高尿酸結晶による関節炎の予兆(発作を起こすのが、痛風です。)、使いすぎなどの関与が多くなり、これに当てはまる方が多くなります。

手の中の筋肉と、前腕の筋肉を鍛える。

中年に差し掛かった女性などは、筋力不足が根底にあります。
痛みが出なければ、手首を固定して、手のひらを下に向けた位置で、肘を少し曲げて、俗に言う、指の第1関節と、第2関節をピンと伸ばしたまま、つまむ運動をお薦めします。
指を伸ばしてつまむことで、手のひらの中の筋肉を鍛えて、手首を安定化させます。それとともに、前腕部分の肘の外側と内側に付く筋肉を同時に鍛えられます。この筋肉が強いと、肘を保護して肘の負担を軽くします。

手の中の筋肉と、前腕をストレッチする。

痛みが出なければ、肘を少し曲げた位置で、ストレッチは、指と手首をすべて曲げて、あるいは伸ばして行います。
筋肉トレーニングと、ストレッチは、痛みが強いと出来ません。その場合は、まずはあまり使わずに安静です。

野球肘は、肘の内側が痛くなる。

野球をする少年に多く診られるのは、逆に肘の内側(=小指側)の、筋肉の付着部の痛みです。まず痛み出した時に来られる方は、投げると痛くなるが、バッティングでは大丈夫が普通です。レントゲンを撮っても、異常が出ない段階です。

スポーツに復帰する時は、少しずつ使うことを勧める

安静にして痛みが取れてから、また普通に野球を行うと、また痛みが出る の繰り返しになる可能性があります。
楽になった時点で、少しずつ軽く投げて慣らしてゆく方法を薦めます。まずは軽くキャッチボールから、痛みが出なければ、週上がりで、3割の力で、5割の力で、7割の力で、9割がたの力で、そして全力で投げてみる などです。遠投も全力になってからがよいと考えます。
肘の屈伸で痛みが出る、バッティングでも痛い方は、より安静の期間を長くして、少しずつ使ってみることは共通です。

超音波治療が効果がある。

すべての人に効果があるわけではありませんが、以上述べてきた場合すべてに、当院では、加えて超音波治療を行っています、悪い部分に直接当てれば、炎症を抑えて、悪くなっている組織を修復します。

疼痛部位や、関節の中に副腎皮質ホルモンを注射するには、透視で見たほうが確実

改善が悪い時、炎症が強い時は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)の注射を行います。
筋肉の付いている部分と、関節の中に薬が入るように打ちます。レントゲン透視で見ながら行うことで、簡単に、より確実に関節に入れることが出来ます。

テーピングも効果はある。 エルボーバンドは長い間つけていられない。

指、手首まで安定するように指先から肘に引っ張り上げるように、固定します。外側が痛いときは、外側の筋肉をブロックする、内側が痛いときは、内側の筋肉をブロックするように、横方向に引っ張って止めます。筋肉をブロックするとこで、肘に負担をかかりにくくします。主に、使う時にお薦めします。肘のすぐ下の筋肉を直接締めてブロックするバンドは、着脱は簡単ですが、長くつけておくと、腕の先がむくんだり、痺れてきてしまいます。使う時だけするものです。

肘の滑液包炎(かつえきほうえん)の話

肘頭(肘の裏側)にあって、皮膚と、肘頭の骨との間の動きを潤滑にするのが、この部位の滑液包(かつえきほう)です。ここに炎症が起こると、水が溜まって膨らんできます。
さらに放置して悪化させると、毛穴から(皮膚から)ばい菌が入って化膿(感染)してきます。最初は痛みもなく、悪いものではないので、様子を見てもよいのですが、化膿することもあり、気になる方は治療を薦めます。
治療は、まず、肘の曲げ伸ばしを制限して徹底的に安静にします。弾性包帯でしっかり固定し続けます。(風呂に入るときなど、つけはずしは自由です。)これだけで腫れが引いてくることもあります。
腫れが引かないときは、注射器で溜まっている水を抜いて、同じようにしっかり包帯固定です。固定をしないで使っているとまた水が溜まってくることが多く、俗に言う、水を抜くと癖になる 状態となります。ただし、関節とは交通していません。関節の外ですから、圧迫していると組織がくっつくのです。通常、固定をきっちりやっていただければ、2〜4回ぐらい抜けば、水がたまらなくなります。ただし、水がたまらなくなったら、固定をはずしてどんどん使ってよいではありません。もう固定はよいと思って使うとまた水が溜まってくることがあります。水が溜まらなくなってから、さらに2〜4週固定し続ける必要があります。完全に、滑液包の炎症が治まってから使うことを薦めています。
炎症が強く、感染(化膿)している時は、まず固定だけで安静にします。抜くという行為で感染が悪化する可能性があるからです。同時に、抗生物質を患部に塗ったり、内服したり、点滴したりして、治療します。感染が治まってから、前述した水を抜く治療を行います。
この滑液包の炎症は、他に膝頭(膝蓋骨の前)、足関節の外くるぶしによく診られます。全く同じように治療すると、水がたまらなくなります。しかし、この方法ですべて治るわけではありません。治らない時は、炎症が長い間続いていて、滑液包の袋が分厚くなっていて、くっつかない状態になっていることが考えられます。さらに、足のくるぶしなどは、足関節と交通していることがあると、抜いても、足関節のほうからまた水が溜まってくる(変形性足関節症などがあり、水が溜まりやすい状態になっている)ことがあります。

肘内障(ちゅうないしょう)の話

幼児に起こる状態で、橈骨頭(とうこつとう)にかかる、輪状靭帯がずれることが原因です。0歳から、7歳までの方を経験しています。急に腕をひぱったとき、痛がって、腕を動かさなくなり、だらんと垂らした状態になります。肩が外れた、手首を傷めたと思うことも多いのですが、実際は、肘を痛めています。脱臼していませんので、レントゲンでは異常が出ません。
橈骨頭を指で押さえながら、肘を曲げた位置で、前腕を外側に回して整復します。触れている指にコクンと整復音を感じれば元に戻ります。整復自体が痛いと、しばらく痛がっていますが、5〜10分ぐらいして元のように万歳して使うようになります。後は固定する必要もなく、シップを貼るなどの処置もいりません。
放置しても、痛がっていて使わなくなっていた児が、自然に戻って、また使うようになることもあります。服を着替えさせたら自然に戻って、また使うようになることもあります。
ただ、これらの通りでないこともあります。
まず、引っ張った時に起こるとは限りません。ひねった時にも同じ状態を起こすことがあります。大した怪我でもないのに、同じように腕をだらんと垂らして使わなくなるのが特徴です。どこまで傷めているのかはっきりしませんので、レントゲンで異常が出ない時は、整復具合や、その時の痛がり方に合わせて、シップ、弾性包帯固定などを行っています。
引っ掛かりが強いと、整復できないこともあります。受傷の次の日来院するなど、時間がたったときも、整復できないことがあります。このような時は、そのままシップ、弾性包帯を巻いて、安静にさせて様子を診ます。3,4日で痛みが取れて、自然に使うようになります。

これは、関節や、靭帯が柔らかいお子さんに見られる現象です。同じ方が何度も来院することもあり、注意が必要です。(ならないお子さんはなりません。)関節や靭帯が、柔らかい時期のみ起こります。通常、5,6歳までです。今までの私の経験では、7歳で起こした方が、再年長です。


上肢の関節は動きが悪くなると、動かすのが大変だ。

肩の項でも述べましたが、肘も痛みや外傷などで、動きが一度悪くなると、動かす治療に時間がかかって大変です。これは、指などの関節を含め、上肢の関節すべてに言えることです。上肢は、股関節、膝、足と違って体重などの強い負荷をかける必要は少なくないのですが、動かないと、日常生活の動作が不便になります。下肢の関節は、動きが悪くても歩くことが出来ますが、上肢の関節は動かないと出来ない動作が多くなり、非常に不便ということです。

動きが悪くなることを避けるのが、治療の目標のひとつです。
骨折や、靭帯損傷などで、(手術後を含めて)ギプスで固定する時は、固定しっぱなしの時期を可能な限り少なくしています。ある程度の最初の痛みが取れたら、治りに影響のない程度の範囲で、動かすことをはじめます。毎回診察で、私自身が動かします。はずして風呂に入れる、シップを取り替えられる状態でしたら、はずした時にこの様に動かしてくださいと、説明しています。つまり、最初の4週前後のギプス固定期間中にある程度動くようにしておきます。
次の4〜6週がまた重要です。この期間にしっかり動かす練習をしないと、組織がくっついてしまい、フルに動く様になかなかなりません。骨折部や靭帯損傷部は、かなり回復していますので、毎回診察である程度力を加えて、動かします。本人や家族にも診察で行っている程度には動かすように説明しています。

→ギプスをはずさずに4週前後以上固定しっぱなしにすると、最初の動かす運動が出来ていませんので、組織がくっついてしまい、最初から動かす治療が大変になります。
さらに固定後の1〜2ヶ月の動かす治療を怠ると、動きが悪くなって、これまたフルに動かすまでに何ヶ月もかかってしまいます。
以上のように、上肢では、動かすリハビリが治療の半分以上を占めると考えられ、非常に重要になります。

神経損傷があると動かすことが出来ない。

神経損傷があると、その回復には固定安静が重要なります。
私の若い頃の話ですが、手の外科専門の先生が手術で神経断裂を縫合されて、その患者さんがたまたま私の外来に来ました。当然、消毒、包帯交換に来たと判断して、ギプスシーネをはずして手術の傷を消毒して、固定を元にもどしました。後で、その手の専門の先生にひどく怒られました。はずした時動いて縫ったところが切れたらどうするんだ!! これは少し極端な話ですが、それだけ、神経損傷のときには、慎重に局部の安静が大切だということです。

動きが悪くなっている時の牽引療法と、関節運動学的アプローチによる運動治療

動かす時に少しでも早く動くように当院で行っています。動く範囲で動かすだけでは動きが改善しませんが、無理に痛いのを我慢して大きく動かすと、逆に動きが悪くなってしまうので、少し痛いところまで動かすことが肝要です。

膝から下をベットサイドに垂らします。ちょうど、大腰筋ストレッチのポジションです。この姿勢で、第1肋椎関節を押さえながら、必要な関節を腕を挙上しながら引っ張り、またもとの位置にもどします。肩関節のときは、肩関節自体を押さえて行うこともあります。この運動は、ごく最近の秋頃から行っていますが、牽引する側の半身の強力なストレッチになるようで、腰痛のある方では、腰や背中が引っ張られる感覚の方もいます。関節運動学的アプローチ(AKA)や、マニュピュレーションの考えで、関節の圧力を変化させるトラクション(牽引)の運動になると考えます。この運動を行った後、関節をさらに動かす運動を行うと、比較的にスムースに動かすことが出来ます。
この方法は、肩、肘、手首、指どの関節でも同じ方法で行っています。AKA単独では、逆効果のような印象であった、腱鞘炎、ばね指の時にも有効な印象です。
痛みに敏感になっていて、痛みが上肢全体に広がっている方にも有効です。この方法が痛くて行えない方は、痛みに敏感になりすぎていて、刺激のある治療方法が要注意の状態(治療の刺激で痛みが悪化する可能性がある状態)にすでに進行している方になります。つまり、診断にもなるということです。
| 上半身の痛み | 14:54 | - | - | - | - |