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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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上半身の痛みでわかってきたこと
150、手の痛み

ついに指の先まで到達します。わかってきたことシリーズは今回を一区切りといたします。

手首が痛い

前腕は、小指側にある尺骨(しゃっこつ)、親指側にある橈骨(とうこつ)という二つの骨があり、手首(手関節)も、この二つの骨と、手根骨と呼ばれる、小さな骨が集まって出来ています。この尺骨の尖端には、動きをスムースにする軟骨のクッションがあります。
多くの患者さんを診ていると、このクッションが痛みの原因になっている方が多いのに驚きました。男の方は怪我で傷めてこの部分で痛みが出ることが多く、女性は自然に痛みが出る方が多く診られます。特に、尺骨と橈骨の間がゆるかったり、尺骨が長くて二つの骨のバランスが悪い方は、二つの骨の間が大きく動いて、このクッションを傷めやすくなります。

当院では、超音波治療や、スーパーライザー治療(ホームページ参照)で炎症を抑えていますが、基本は、手首の安静です。肘の時と同じように、手のひらを上に向けて手首を使うと痛みますので、肘を少し曲げて、手のひらを下に向けて使うようにします。また、痛みがないほうの手を使うようにすることも重要です。
固定は、傷め方の程度で決めます。怪我で損傷がひどいと、ギプスで固定することもあります。尺骨の先端部分の動きが大きく=尺骨と橈骨の間の動きが大きい時は、テーピングで押さえたり、弾性包帯で固定します。
改善が悪い時は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を注射することもあります。
損傷がひどく改善が認められないときは、手の外科の専門の先生に紹介して、関節鏡の処置(=手術)などを行うこともあります。

親指を動かすと痛い

比較的若い方で、親指(母指)を小指に近づけたり、外側に広げる時に手首が痛いときは、親指を伸ばしたり、外に広げる腱の腱鞘炎の可能性があります。特に、産後の女性はなりやすい病気です。
障害部分は、ピンポイントで狭いので、当院では、主にレーザー(スーパーライザー)治療を行っています。
固定は、ひどい時は、プラスティック装具や、ギプスのあて木を造ります。堅い固定で親指を安静にします。それ以外は、テーピング、弾性包帯、柔らかい装具で固定します。産後の腱鞘炎は一時的なものがほとんどで、この固定安静を2〜4週間続けると充分改善します。
改善が悪い時は、ステロイドを腱鞘内に注射します。ステロイド注射は一週間は間隔を開けて、4〜5回程度施行します。それで全く改善しない時は、改善が見込まれないときです。ステロイドは、組織を弱くしますので、それ以上続けて回数を打つことを避けるのが普通です。が、2週間ほどで注射した部位の組織は回復するとも考えられますので、この注射で改善する時は、さらに、2週ごとに数回打ち続けています。2週ごとに打ち続けても、副作用は出た経験はありません。
改善が見込まれないときは、手術目的で紹介しています。

高齢の女性(男性もいます)では、親指の付け根の変形性関節症がしばしば診られます。
変形性関節症とは、まず、軟骨が磨り減ってきて、関節の隙間が狭くなります。次に骨が関節の負担を補うように尖ってきます。さらに進行すると、軟骨に接する骨が硬くなったり、壊れてきます。
治療は上と同じですが、高齢な方が多いためか、酷使する方が少ないのか、注射(この場合は、透視を見ながら関節内に打ちます)治療まで行く方がたまにおられるぐらいで、手術紹介の経験はありません。
変形性関節症は残っても、痛みが出なくなればよいということです。

高齢者の手首の骨折は変形が残ってもあまり痛がらない

骨が弱くなっていると、転倒して手の着き方が少し悪いと、尺骨と橈骨の手首に近い部分の骨折を起こします。損傷が強いと、骨折部がずれて変形する骨折になりやすくなります。麻酔をして引っ張って整復すると、ほぼもとの形に戻るので、そのままギプス固定しますが、問題は、ギプスで固定を保持していても、損傷時のずれて変形した形に戻ることも多いのです。それを避けるには、手術して、金属で整復した位置で止めておく必要があります。そのため、希望を聞いて手術紹介をします。ご高齢の方は、手術を希望される方は少なく、ご了解を得た上で、そのまま固定のみで治療を続けることもしばしばです。
予想通り、受傷時の変形した形に戻って骨折がついた場合は、レントゲン上では、手の外科の先生に言わせれば、その治療は落第です。しかし、実際は、使っていて、あまり痛い、不便だという方がほとんどいません。結果オーライなのです。ご高齢なので、あまり酷使しないことがその理由と考えています。中には、40代の女性でも手術は絶対いやだといって、変形治癒したのですが、痛くなく使えます という方もいました。

この部分の骨折は、子供が転んでも起こし、かなり診られますが、こちらは、若木骨折といって、細い木の枝を折ったときのような、つながったまま折れる折れ方になることが多くなります。少しひどいと、橈骨が曲がった形になります。まっすぐな状態から30度以上角度がついている時は、整復して元にもどすとされますが、整復しなくても、10歳以下のお子さんなら、回復力が強く、もう少し角度がついていても、ほぼまっすぐに戻ってきて、不便なく使えます。

変形性関節症は俗言う指の第1関節が多い。

手の変形性関節症でよく診られるのは、先に述べた親指の付け根の関節、そして、この一番指先の関節(親指は除く)です。指先から2番目の関節にも変形性関節症が起こりますが、外来患者さんの数は、ぐっと少なくなります。起こす方は、ほとんどが中高齢の女性です。よくリウマチを心配されてこられる方もいますが、みためで明らかに変形性関節症とわかります。関節リウマチは、3番目の関節が腫れてくることが多く、次に2番目の関節が腫れます。腫れ方も尖った(かくばった)ような変形でなく、もわっ?と腫れる感じです。一番目の関節が腫れることはほとんどありません。
診られるのは、小指、人差し指、中指、薬指の関節です。親指にはあまり診られません。この順に多く起こすかもしれません。人によって進み方が違います。小指だけの方、次々と他の指も変形してくる方、、来院された時の患者さんの進行状況の違いだけかもしれませんが、どんどん進んでゆく方、比較的進行がゆっくりな方の違いはあると考えます。ひどい方になると、親指以外の指すべてに起こり、指先が曲がってきます。同時に、指先から2番目の関節も変形してきます。
治療は、進行を食い止めて、安定させることです。これはどの場所の変形性関節症も共通の治療目標です。
当院では、小さな範囲を照射できるスーパーライザー(レーザー)治療を行っています。消炎鎮痛剤の痛み止めも進行を止める作用がありますが、関節リウマチを同じように飲み続けなければなりませんので、希望する方は少なくなります。指の皮膚が硬くなることを防ぐ薬を使う先生もおられますが、効果は不明です。
安静目的に、テーピングをして、関節に負担がかからない様に常に保護します。水を使う時は手袋でぬれないようにするか、巻きなおさなければならないため、し続けられる方が少ない現状です。

デイップエイドが便利

昨年の8月に発売されました。貼り付けるだけなので、装着が簡単です。少しぐらいぬれても固定しつづけられます。が、中はふやけます。着けなおすこともできます。が、もって3日間位です。ワンサイズで、小さな方の指先の関節にはやや大きめです。2番目の関節の固定にも使えます。親指の付け根や、3番目の関節にも使うことが出来ます。巻きつける形にはなりませんので、固定力は落ちますが、何もつけないよりは、はるかに制動になります。

ばね指の話

大人では
親指では、指先から1番目の関節が、他の指では、指先から2番目の関節を曲げ手伸ばす時、引っかかってカクンとなります。実際は、この関節が引っかかるのではなく、親指では、2番目の関節の、他の指では3番目の関節の手のひら側の部分で、腱鞘が炎症して厚くなり、指を曲げる腱が引っかかるのです。
軽いと、原因部分ではなく、曲げる関節の痛みを感じる方もいます。朝だけ引っかかる方もいます。進行すると、2番目の関節(親指では一番目の関節)が充分伸びなくなります。
さらに進行すると、その関節を曲げると戻らなくなります。そのため、さらに放置すると、曲げないようにするためか、その指自体が充分曲げられなくなります。
原因は、その指の使いすぎ、関節リウマチなどがありますが、わからないことも多いです。

乳児では、
まれですが、親指にたまに診られます。指先から1番目の関節が曲がったまま固定する形になります。こちらは、腱鞘が厚くなるのではなく、指を曲げる腱自体が太く、引っかかって動かなくなります。指を伸ばす様に少しづつ矯正すると、5,6才位には治るといわれますが、その前に手術する先生も多く、症例が少ないため、不確かです。

注射は入らないことも多い。

治療は、原因の腱鞘内に、ステロイド注射をします。若い頃は、手首側から入れるように指導されましたが、腱鞘が厚くなっていると、指を曲げる腱との隙間が狭く、うまく薬が入らないこともあります。入らないと、もちろん効きが悪くなります。指先側のほうが、腱と腱鞘の隙間に余裕(実際、手術の時見てもそうです)があり、最近は、指先側から行っています。手の外科の先生が、こちらから注射しているテレビ画像が出て、この方法に変更しました。

ばね指は原因となる関節の固定が効果がある。

親指なら、先から2番目の関節だけを、他の指なら3番目の関節だけを固定して、指先の関節は動かします。原因関節より先の関節を固定すると逆効果です。この方法は、勤務医時代の15年以上前から行っています。その方法をなぜ始めたかは覚えていませんが、そのとき一緒に仕事をしていた手の外科の先生に、その方法は、理論的には正しいです。といわれたことは覚えています。
ただ、この治療は、本人の根気が要ります。
固定には、アルミニウムの硬い固定を使うことが一番効果があります。ただし、数ヶ月間、できるだけ着け続けなければなりません。水を使う時ぬれないようにはずしたり、それ以外、使う時邪魔なので、なかなかきっちり着けていただけません。そこで、テーピングで固定してみました。手袋をして少しぐらいなら水仕事が出来ますが、つけ続けることが出来ない方も多く、固定力も弱いため、効果は劣ります。ディップエイドで固定する方法でも、何もつけないよりは効果があるようです。つけ続けられない方は、この方法で固定を薦めています。

進行しているばね指は、手術治療が一番早く治る。

腱鞘を切開して腱の引っ掛かりを取る手術です。うまく行けば、2週間で切開した創が治った時に治っています。

ただし、うまく行かないことがある。
簡単な手術なので、新人が行う。簡単だと思って行うと、指へ行く神経を傷つけて、痺れが残ったり、感染して、なかなかすっきり治らないなど。

手の外科の手術は、前腕部や上腕部でしっかり血を止めて、手術中に出血しないようにして、神経や血管を損傷しないようによける必要があります。しかも、他の組織を傷つけないように、アトロウマティックという方法で行い、他の部分の手術方法とは別と考えています。簡単だと考えて、ざっと手術したりするとこのようなことが起こります。
また、きちんと清潔にして行わないとマイルドな感染も起こします。大学病院のほうから、ばね指の手術ぐらいなら医院で出来るだろうといわれて、開業当初は行っていましたが、感染しやすいため、今では全く行っていません。清潔な空気、清潔な手術する空間を造れる手術室で、充分手洗いしてから行わないと“だめ”ということです。

第1関節で、指を伸ばす腱が切れても放置する人がいる。

人差し指から、小指までの4本に起こります。怪我をした後、指先から1番目の関節が曲がってしまいます。そのままにしても、2週間ぐらいで痛みが取れ、その関節が伸びなくても、元のように曲がって使えますので、放置する方もいます。(昔怪我をしてそのままにしましたという方に何人も遭遇しました。)
腱と一緒に、骨も折れることがありますが、曲がったままでもくっつけば、元のように使えます。
治療は、指をまっすぐにして、腱がつくまで、6週間は固定し続けるのですが、2週間ぐらいで楽になってしまうため、はずして使ってしまう方も多く、固定し続けられる方は少ない現状です。そこで、鋼線を挿入して動かないようにすることもありますが、はずして動かしていると、腱が伸びて=関節の伸びが悪くなって治ることも多い印象です。
完璧に伸びるように治すのは、腱を元の位置に引っ張って細い鋼線で骨に止めておく方法です。かなり手の外科の凝った手術になり、ここまで行うことは通常ありません。(勤務医時代は、手の外科の細かい手術も好きでしたので、行いました。この方法で治療した女性は完璧にまっすぐになりました。)

爪を傷めると下から新しい爪が生えてくる

怪我でも、感染でも爪を傷めたとき、軽ければ、そのまま爪が残りますが、それ以上の重傷なときは、残っている爪の下から、新しい爪が生えてきます。残っている爪の根元が、一月過ぎる頃に浮いてきます。二月過ぎ頃には、根元の爪が浮いて、指先に少し追い出され、下に新しい爪が見えてきます。そのまま徐々に、古い爪は指先に押し出されていって、新しい爪がどんどん見えてきます。ついには、古い爪は自然に取れて新しい爪だけが残ります。
それまで、何ヶ月もかかります。古い爪を早めに取ってしまうと、新しい爪がまだ充分伸びていませんので、3,4日は取れた爪の下の皮膚が痛いのですが、次第に通常の皮膚に置き換わって、短い爪の状態になってから、元の形に戻ります。これも非常に時間がかかります(下手すると年単位?)ので、充分新しい爪が伸びるまで、古い爪を残すようにバンドエイドなどで押さえる様にしています。
週に2、3回、トリオ治療を行って治癒を促すと早く治る印象ですが、それでも新しい爪に置き換わるまでは、3ヶ月以上はかかります。


わかってきたことシリーズ補足;
仙骨部硬膜外ブロックを横向きに寝て、透視下で行うと、入る確率がぐんと上がる。

このブロックは、入れば、強い椎間板ヘルニアや仙腸関節からなどの骨盤の痛みを軽くすることが出来ますし、その場では効きが悪くても、どんどん楽になる方向に持ってゆくことが出来ます。(非常にまれに、施行した後痛みが強くなる方がいますが、これは痛みを抑える神経がほとんど働いていない状態の方です。)施行後の休む時間も15分ぐらいで済むことが多く、その場ですぐに行いやすいものです。
しかし、
仙骨の下には穴が開いていて、硬膜外につながっていますが、その孔の位置がわからず、入らないこともあるのが、このブロックです。以前は、透視下で、うつ伏せで行ってみましたが、やはり入らないこともあり、効果が上がりませんでした。そこで、最近までは、ベットでうつ伏せ(あるいは横向き)で行っていました。(一般に整形外科医は皆この形で行います。)
当院では、レントゲン透視台に右上の横向きに寝ていただいて、レントゲン透視装置で、腰椎を正確に横向きに合わせます。腰椎の突起が背中に触れますので、その延長線上が真ん中ですから、図の位置ぐらいから針を挿入(刺入)します。この部分に明らかに穴が開いているのが、皮膚の上からわかる方、全くわからない方、孔がいくつかに分かれて触れるような方などがいますので、刺入部位を決めるのに非常に役立ちます。針が中に入ってゆくときは、針がぐっと入る感覚がわかります。この方法の難点は、透視を見慣れている必要のあることです。仙骨の側面は透視でわかりづらい上、針先の位置もわかりにくいのです。ポイントは、正確に側面に合わせることです。
| 上半身の痛み | 13:11 | - | - | - | - |