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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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整形外科の病気の話6
腰部の病気の話2

今回は、腰椎の病気と診断できない時の腰部の病気の話をします。実際は、腰が痛い、下肢が痛い、痺れる、という症状で、腰椎の病気と診断できない例も少なくありません。

坐骨神経痛          腰椎の病態(病名)除外
梨状筋症候群  
仙腸関節炎  
恥骨骨折  
坐骨骨折  
腸骨剥離骨折
尾骨骨折  

坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)

腰椎では、主に、第4,5腰椎と、第5腰椎、仙椎(仙骨)の間の椎間板の位置から左右に出る神経が、骨盤の中で、神経叢(しんけいそう)と呼ばれるいくつもの神経が絡み合った部分を形成します。そして、一本の坐骨神経となって、臀部の筋肉の間から骨盤の外へ出ます。そして、下肢の後ろ側を走って、足先まで行きます。
したがって、症状は、臀部から、下肢の後ろに走る痛みや、痺れです。
前回お話した、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎変性あるいは分離すべり症で、第4,5腰椎の間、第5腰椎、仙骨の間(の椎間板レベル)で下肢に行く神経が圧迫されて、下肢痛が出る場合の症状が、坐骨神経痛です。
ただ、これらの場合は、上に述べた、それぞれの腰椎の病名がつきます。(症状が坐骨神経痛です。)
ところが、坐骨神経痛の症状が出ているにもかかわらず、上に述べた病気でない場合は、症状名である坐骨神経痛をそのまま病名にします。 (と考えてください。)
=腰椎の中で圧迫されていないのですから、原因は、腰椎から出た後の骨盤の部分です。整形外科では、この部分での障害の適格な病名がない のですが、次の二つを病名としてあげます


梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)

坐骨神経が、臀部の筋肉から出てゆく部分で圧迫されている時の病名です。この部分の筋肉を梨状筋(りじょうきん)と呼びます。
MRI、CT、レントゲン検査では診断できません。いいかえれば、前回お話したMRI検査や、脊髄造影CT検査で、腰椎の病気がないことです。(=腰椎の病気を除外する→除外診断といいます。)診察所見で診断します。この部分を麻酔剤で神経ブロックを行って、痛みが取れれば、確実です。
治療は、痛みの出ているところに、炎症を抑える超音波、レーザーを照射する消炎鎮痛処置や、骨盤を押さえて安静にするコルセット(あるいはゴムバンド)、上述の診断にも治療にもなる坐骨神経ブロックです。改善しない時は、梨状筋の圧迫部分を切って神経を解放する手術を行います。

仙腸関節炎(せんちょうかんせつえん)

仙腸関節は、腰椎のすぐ下の仙骨と、骨盤の左右にある腸骨の間をつなぐ関節です。
教科書に載っているものは、一般の細菌が感染した時の化膿性の関節炎や、結核菌が感染した時の結核性関節炎などです。進行すると、骨盤に膿がたまってきますので、CTや、MRI検査で診断が可能です。が、これらは稀です。

実際は、ここで痛み(腰痛)が出ている方は少なくありません。坐骨神経は、この関節のすぐ下をかすめて筋肉の外に出ますので、この関節に負担がかかっていたり、炎症が起こると、坐骨神経痛が出る可能性があります。
こちらも、MRI,CT検査で異常が出ません。上述した、除外診断となります。整形外科では、この部分を病気として見なすことは少なく、異常なし とすることが多いと考えます。が、多少なりとも炎症がありますので、仙腸関節炎という病名で紹介します。
ある程度高齢の方ですと、レントゲンで変形(=変形性関節症)がみられます。ずれ ではありません。関節の下の部分の骨がとがってきます。また、前方にある恥骨結合に変形が見られる場合(間隔が狭くなったり、輪郭がでこぼこになったり、骨の角がとがったり、こちらは、左右に段差が出来る ずれ がある時もあります。)も、後ろの仙腸関節も変形性関節症があると推測します。

また、骨盤は後ろの左右の仙腸関節と、前方の恥骨結合の3箇所でつながっています。前方は恥骨結合というぐらいですから、関節ではなく、結合していて動かないのが正常です。ところが、この恥骨結合が動いている方がいます。片脚ずつ立った位置で、骨盤をレントゲン撮影すると、動いている(上下にずれます)ことがわかります。これを骨盤輪不安定症(こつばんりんふあんていしょう)といいます。女性は出産でこの恥骨結合が緩みますので、多いのは女性です。

一方、中年以降の方で、変形性腰椎症があり、腰痛が出ている方は、こちらが原因の方も少なくありません。特徴は、股関節の動きが悪くなります。膝を曲げたまま股関節を曲げた時に内側にひねれなくなります。→屈曲内転内旋(ないせんないてん)が制限されます。この方向に股関節が動かなくなって腰痛が出る方は多い(男性も多い)です。あるいは、膝を曲げたまま股関節を曲げた時に外側に開かなくなります。→外旋外転(がいせんがいてん)が制限されて、あぐらが掛けなくなってきます。股関節が動かなくなっても、悪いのは骨盤ということです。

治療は、手術以外の腰椎の時と同じです。骨盤をコルセットで押さえます。骨盤牽引、超音波、レーザー治療も有効です。プロテックという椅子型の牽引運動治療も有効です。(ホームページ参照)、痛みが強い時は、仙骨部硬膜外ブロックも有効です。

恥骨骨折(ちこつこっせつ)坐骨骨折(ざこつこっせつ)

骨盤の前の恥骨結合の左右の骨をそれぞれ、恥骨、坐骨といいます。

骨粗鬆症の方で転倒した時に、股関節を骨折(=大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ))するのではなく、こちらを骨折することがあります。症状が似ているため、診察で区別しにくいことがありますが、レントゲンで通常わかります。通常といったのは、この部分の骨折がわかりにくい時があること、見落とされることがあることなどの理由です。
ただし、見落とされていても、安静にしていれば、自然に治り、2〜3週間でまた歩けますから、まずは安心です。大腿骨頚部骨折は、見落とされると、歩けなくなる可能性が高いですから、この骨折でよかったと思ってください。

若いスポーツをする方で、自然に骨折を起こすことがあります。細い骨ですから、疲労骨折を起こすという意味です。ただし、この骨折しやすい部分はもともと骨の成長線がありますので、こちらと区別しにくいことがあります。この場合は、3,4週時間が立つと、新しい骨が出来てわかることもあります。ひどい骨粗鬆症や、ビタミンD不足で起こる骨軟化症(こつなんかしょう)の時は、自然に起こることもあります。が、稀です。

腸骨剥離骨折(ちょうこつはくりこっせつ)

腸骨とは、皮膚からも骨盤の左右前に触れる骨です。触れる部分のすぐしたあたりには、膝を伸ばす筋肉群(大腿部の前にある筋肉で大腿四頭筋など)が付いています。若い方、特に力のある男子がスポーツ中に急に力を入れた時に、その筋肉の力で、腸骨に付いている部分の骨をはがすように骨折することがあります。骨が薄くはがれるように骨折するので、剥離(はくり)骨折といいます。治療は、安静で回復を待ちます。少しぐらい骨が浮いた状態で治っても問題はないのが通例です。大きく引っ張られて離れてしまっている時は、スクリューや、ワイヤーで止める手術を検討します。(手術しない先生も多いようです。)

尾骨骨折(びこつこっせつ)

仙骨の下についている骨は、シッポにはなっていないのですが、尾骨といいます。俗に言う、尾てい骨です。
しりもちをついたときにここを骨折することがありますが、レントゲンでわかりにくい=骨折と診断しにくい のが特徴です。理由は、尾骨は、もともと、つなぎ目があります。(この部分の骨折はわかりにくい!!)あるいは、もともと90度近く曲がった形をしている方もいます。折れて曲がったのではないということです。治療は安静で通常治ります。ので、骨折かどうかはっきりしなくても治療方針は変わりません。

尾骨は原因不明で痛みが出ることもあります。稀に腰椎椎間板ヘルニアが原因であったり、さらに稀に、馬尾神経(ばびしんけい=脊髄から下へ出ている脊柱管内を通る神経の束)に腫瘍が原因であったこともあります。
また、尾骨部の痛みがなかなか取れないことがあります。経験上、トリオ治療(ホームページ参照)が最も除痛(=いたみをとる)には効果があります。

補足1
他の骨盤の骨折は?
骨盤が大きく縦に骨折してずれた時、仙骨が大きく骨折している時、仙腸関節が大きく脱臼している時、これらは骨盤内臓器の損傷も起こしている確率が高い、命にかかわる超重症です。このようになることはぜひさけてくだい!!

補足2

慢性腰痛、腰部慢性痛

腰痛といつも付き合っている状態を指す病名ですが、程度はピンきりです。日常生活や、仕事上差しさわりがあるほどの腰痛が、ほぼ連日あるとき、あるいは週に何日かあるときが本当にこの病名の方と考えてください。普段は普通に生活が送れていて、年に何回か、あるいは数年に何回か、油断すると腰痛がひどくなる程度は、この場合に当てはまりません。ひどくなった時に治療すればそれでよいのです。
痛み障害で、精神的な関与が大きいと考えて、精神医学的な治療を行っている大学病院もあります。
ひどくなると、なかなかいろいろな治療してもよくならない、治療に反応しないこともあり、この状態に陥らないようにすることが大事です。
こちらは、上半身の痛みは含みませんが、起こっている原因や、機序は、前回お話した、線維筋痛症(せんいきんつうしょう)と共通部分があると思います。上半身中心に痛みが来るのが、線維筋痛症で、下半身が、腰部慢性痛です。前者が、女性が多いのに対して、こちらは、男性が多い印象です。

現時点での、私の痛みに対する考え(≒推測)をまとめます。

痛みは次の3つでコントロールされています。

…砲澆鯒召愿舛┐訖牲(=知覚神経) 脳の中で痛みを感じる部分、そして、D砲澆鰺泙┐訖牲  です。特に、の痛みを抑える神経が働いて、痛みは抑えるようにコントロールされています。がうまく働かないと、痛みは抑えられなくなります。ですが、,過敏になっていて痛みを伝え続けたり、△過敏になっていて、痛みをずっと感じ続けていたり しても、では抑えられなくなります。

この痛みがうまく抑えられない状態が続くと、慢性痛になってゆきます。
この3つのどれが、どの程度、関与しているか、測定する方法はありません。
診察で推測しています。
おおよそまとめてみます。
診察台でいろいろ動かして、動いてもらった時、痛みを強すぎるほど訴える時は、,凌牲个過敏に反応している可能性が高くなります。
逆に動かしても少しも痛がらず、なおかつ、いろいろな治療を行っても 変わりません と答える時は、△把砲澆魑憶してしまっている可能性が高くなります。
治療をすると、逆に痛みがつらくなったと訴える時は、の機能がうまく働いていない可能性が高くなります。神経ブロックでも、超音波照射などの消炎鎮痛処置でも、治療は刺激を与えますので、その刺激を抑えることが出来ないためです。

もう少し詳しく述べます。

…砲澆鯏舛┐訖牲个敏感になる。

 悪いところを放置して、痛みを感じ続けていると痛みの原因がなくなっても、痛みを感じる信号を脳へ送り続ける状態になる可能性があります。椎間板ヘルニアなどで痛みが取れない時は、我慢せずに速やかに治療を進めましょう!

手術をした後に下半身の痛みが取れない時は、この状態に陥っていると考えます。手術して明らかにヘルニアを切除したのに、痛みは取れない状態です。

この状態になるか、ならないか は、遺伝で決まっているかもしれません。どれかの遺伝子の障害でなる方とならない方がいるということです。
例 帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹になって、治った後も痛みが残る状態)は、遺伝的原因が証明されてきています。ウイルスが神経に着くと、神経を包んでいる鞘の障害が残り、痛みを伝え続けるようになります。この障害になるかならないかは、遺伝で決まっているというのです。


 通常の方は、この伝える神経を麻酔剤で一度ブロック(これが神経ブロック)すると過剰に痛みを伝える信号は送らなくなりますので、楽になります。
例 全く違う場合ですが、手首を骨折してずれている時、麻酔して整復します。
 麻酔することで、痛みの信号を脳へ伝えることをブロックします。骨折部で激痛を感じていても、麻酔すると、麻酔が切れた後でも痛みが前ほどつらくなります。うまく整復されなくてもです。
治療で使う硬膜外ブロックも、悪いところから痛みを直接脳へ伝える信号をブロックしますので、効果があるのです。

痛みを伝える神経の通り道は自律神経でコントロールされています。
痛みは自律神経の交感神経が興奮していると悪化すると考えます。

一番目と同じ考えで、自律神経をブロックする(交感神経をブロックする)と痛みが楽になります。
外来診療で、首では、星状神経節ブロック、腰では、仙骨部硬膜外ブロックがすぐに出来ます。元論、硬膜外ブロックでチューブを入れて持続麻酔する(=ブロックし続ける)のが一番よいです。痛みの伝導そのもののブロック+交感神経ブロックになります。

このような治療で改善が見られないとき、,両態になっている可能性が高くなります。

この状態に陥ってしまったら、薬は、抗けいれん剤が痛みを伝える神経の活動を弱める といわれます。新しい薬も発売される予定です。自律神経をコントロールするのは、ノイロトロピンという薬があります。敏感になっている神経を抑えるには一番使いやすい薬です。

脳の中で痛みを感じすぎる。

脳で持続して痛み信号を感じていると、痛みを記憶するようです。
元の悪い部分が治っている、あるいは、あまり悪くないのにもかかわらず、痛みを強く感じます。痛みがつらいと訴えます。
やはり、原因となる痛みは速やかに取ったほうがよいのです。

一度手術をした後の下半身の痛みが残った、あるいは再発した場合にも、この状態が起こりやすいようです。
診察所見ではあまり激痛が起こりません。いろいろ治療してもほとんど改善しません。
頭に直接作用する薬は、整形外科医は通常処方しない、精神病や、うつ病の時に使う薬と同じ種類になります。整形外科で処方されるのは、筋肉の緊張を取る作用と、痛みが気にならなくなるような作用を併せ持つ デパスという薬ぐらいです。

D砲澆鰺泙┐訖牲个竜’修悪くなると痛みがつらくなります。

 痛みを抑える神経は脳や、脊髄の中にあります。
 この神経の電気信号を伝える物質は、セロトニン、ノルアドレナリンと呼ばれ、うつ病のときに不足する物質と同じです。うつ病の薬がこの神経の機能を高めます。うつ病の方は、◆↓の状態にともに陥りやすくなります。
治療で使う薬は、セロトニン、ノルアドレナリンともに賦活させる(=機能を高める)薬がよいです。セロトニンだけの機能を高める抗うつ剤が主に使われていますので、痛みのコントロールが出来ない人がしばしばいます。骨粗鬆症に使うカルシトニン製剤、自律神経を調節する作用のあるノイロトロピンもこちらの神経を賦活させます。
→慢性腰痛の男の方では、これらの薬に反応しない方も多い印象です。,筬△隆慷燭大きいと考えています。

この3つのいずれか、あるいは、組み合わせ、あるいはすべてが原因で起こりうると考えます。
残念ながら、この状態を調べる検査はありません。患者さんの話と、診察所見で推測するのですが、あくまでも推測できるのみです。
治療もこれだという有効な手段がありません。根気よく治療することが大事です。
精神的なストレス、緊張、いらいら、過労は必ず避けましょう!!
| 病気の話 | 18:18 | - | - | - | - |