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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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整形外科の病気の話7
肩周囲の病気

今回は、肩こりの部分、肩関節の部分、胸、肋骨の病気、外傷(一部)の話です。

鎖骨骨折  
肩鎖関節脱臼  
胸鎖関節炎  
肋骨骨折                 骨粗鬆症
肋軟骨炎  
胸骨骨折   
肩関節周囲炎            以下の病気を含む
五十肩                可動域制限
肩峰下滑液包炎  
上腕二頭筋腱炎  
石灰沈着性腱板炎            急激な炎症
肩腱板損傷(断裂)          肩峰下滑液包部痛

鎖骨骨折

鎖骨は左右に長いのですが、骨折するところが多いのは、中央部分、肩関節に近い部分(=遠位端(えんいたん)といいます) です。

中央部の骨折

乳児から、大人まで起こします。
生まれた時、産道を通った時にも起こします。乳幼児でもおこします。明らかな怪我の後、腕が挙がらなくなります。大きくずれることはまずなく、細い木の枝を折ったときにつながって折れるような形(=若木骨折(わかぎこっせつ))のことが多いです。骨もつきやすく、固定もせずに、経過観察でも充分です。2週間ほどで治ります。
小学生ぐらいまでの、お子さんでも、同じように若木骨折の形で折れます。厚めの包帯(弾性包帯(だんせいほうたい))で8の字に固定するか、鎖骨バンドで固定して経過を診ます。同じく、3週ぐらいで治ります。
中学生以上になると、骨折にずれ(=転位(てんい)といいます)が出ることがあります。骨のつきがいいので、同じ鎖骨バンド固定で充分で、4週ぐらいで治りますが、高校生の女の子で、8ヶ月以上骨がつくのがレントゲンで見えてこなかった経験があります。
大人になって、骨が硬くなると、3つ、4つに砕けて骨折することがあります。同じ鎖骨バンド固定で通常は骨がつきます。痛みがつらい時は、最初はギブス固定の方が楽です。が、胸全体と、腕の一部を固定しますので、嫌がる方も多いです。中年以降の男性は骨のつきが悪くなります。3.4ヶ月かかることが通常です。1年以上骨がついたことがレントゲンでわからないこともあります。そのため、転位(ずれ)が大きい時は、手術を薦める先生もいます。手術は、骨の中に鋼線を通す方法、プレートとスクリューで固定する方法の二つがメインです。

遠位端の骨折

鎖骨の左右の端っこの骨折です。高校生以上の大人に多い印象です。
転位(ずれ)が大きい時は、手術して止めることもあります。ずれが少ない時は、同じ鎖骨バンド固定で骨がつくのを待ちます。骨がつく期間は上と同じで、中年以降の男性は骨の付きがかなり遅くなります。転位が大きくて骨がつかなくなっても、あまり痛みが出ないこともあり、高齢の方は、手術しないことがほとんどです。


肩鎖関節脱臼(けんさかんせつだっきゅう)

鎖骨の左右の端っこ(遠位端)は、肩甲骨と関節をつくります。肩鎖関節(けんさかんせつ)といいます。その部分で、鎖骨が上方へ脱臼します。すぐ上に述べた、遠位端の骨折と同時に起こすこともあります。
転位が大きい時は、鎖骨の端っこがかなり飛び出て見えます。押し込んでもどしても、また上に挙がってしまいます。そのため、元の位置にもどすには、手術が必要です。ただ、絶対もとの位置に戻って治る確実な手術方法がありません。→手術をしても、また上に挙がってしまうこともあるということです。
外見上、でっぱりが残っても、あまり障害が残らないため、様子を診ることもあります。最初は痛くても、そのうちに痛みもなく使えるようになるということです。そのため、高齢者は通常手術しません。

胸鎖関節炎(きょうさかんせつえん)

鎖骨の体の中心部のほう(近位端(きんいたん)は、胸骨(きょうこつ)と関節をつくります。こちらは、胸鎖関節(きょうさかんせつ)といいます。この部分では、炎症が診られることあります。(脱臼や、この部分の鎖骨の骨折もありますが、稀になります。)女性が多い印象です。変形性関節症のこともあります。骨や、軟骨が出っ張って皮膚の下に膨らんで触れます。痛みがあるときは、消炎鎮痛処置のリハビリや、飲み薬で充分です。
この関節の炎症と、手のひらや足の裏に湿疹ができる時は、掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)という病気の可能性があります。この病気の治療はいまだに決め手がないようです。


肋骨骨折

しばしば見られる骨折です。
骨が弱い骨粗鬆症のときは、明らかな怪我がなくても起こします。激しい運動や、咳込むことが続いていて、繰り返し負担がかかっていると、起こすこともあります。
肋骨は左右12本ずつあるため、レントゲンで、骨と骨が重なって写るため、骨折がわからないこともあります。2,3週間後に取り直してわかることもありますし、撮影方向を少し変えるとわかることもあります。1ヶ月たって、取り直したときに新しい骨ができているので骨折とわかることもあります。
骨折かどうかはっきりしなくても、治療方針に違いはありません。痛みが強い時は、バストバンドなど、マジックバンドつきの固定具で圧迫固定して骨がつくのを待ちます。ギプス固定は行いません。骨が肺を突き刺すような骨折でない限り、通常手術もしません。
1週間ほど経って、炎症が肺の膜(=胸膜)に及ぶと痛みがつらくなることもしばしばあります。肋骨のすぐ下は肺です。骨折自体の痛みより、この炎症が広がっている時の方が、痛みが強いのです。
4〜6週で、治りますが、3,4本と多発骨折の時は、治りが遅くなります。また、多発骨折の時は、肺の損傷も起こし、肺がしぼんでくることがありますので、注意が必要です。


肋軟骨炎(ろくなんこつえん)

肋骨の前の部分は、軟骨となって、胸骨(きょうこつ)につながっています。
軟骨ですので、レントゲンでは写りません。そのため、この部分の損傷はレントゲンで折れているかどうかわからないため、骨折という診断名はつきません。
自然に痛みが出ることもあります。女性に多く、この病名をつけることがあります。
消炎鎮痛処置のリハビリや、飲み薬で通常は治ります。(治りが悪い時は、今まで述べてきてた痛みのコントロール障害で、痛みが出ていることもあります。)


胸骨骨折

胸の前の部分にある骨です。肋骨が肋軟骨となって、この骨とそれぞれ関節をつくっています。
強く圧迫された時に骨折を起こすことがあります。この骨はレントゲンですと、心臓、気管支、肺、肋骨の陰影と重なって、正面像がよく写りません。側面(身体を横向きにして、腕を後ろに組んで撮影)で、骨折がわかることがあります。(ぽっきり折れてずれるほどの時は肺などの損傷も考えられ重症です。)
治療は安静で、つらい時は、肋骨骨折に使うバストバンド固定します。


肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)

肩関節とは、腕を動かす体との関節です。腕の付け根の部分です。肩こりの部分ではありません。
この関節の周りに起こる炎症を指す病名です。
これから述べる病名はすべてこの状態になります。

五十肩

広い意味では、上に述べた病名全体を指します。
本来は、以下に述べる状態の病気です。
四十、五十過ぎになって、原因なく自然に起こり、痛みが続いているうちに、肩関節が動かなくなって、腕が挙がりにくくなったり、後ろに回りにくくなります。(=凍結肩(とうけつかた))さらに月日とともに、自然に痛みがなくなり、動きが次第によくなります。この間、1,2年かかることもあります。

肩峰下滑液包炎(けんぽうかかつえきほうえん)

肩関節周囲の部位を表す病名で一番多く見られる炎症です。
肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)は、上腕骨と、肩甲骨の肩峰(けんぽう)と呼ばれる部分の間に、腱板と呼ばれるすじ状の筋肉が走っていて、その腱板がスムーズに動くように、肩峰との間にある潤滑の役目をする大きな袋です。炎症を起こした後に、袋がくっついてしまうと、肩関節の動きが悪くなります。
症状は、肩関節部分の痛みに限らず、上腕部分の痛み、肩甲骨を支える筋肉の痛みなど広がります。

上腕二頭筋腱炎(じょうわんにとうきんけんえん)

同じく、肩関節周囲の部位を表す病名です。
肘を曲げる時にできる力こぶを上腕二頭筋といいます。この筋肉は、腱状になって肩の前の肩甲骨部分についています。この腱は、肩関節部分の上腕骨の前のところを通っていて、そこでこすれて炎症を起こします。
炎症が長く続くと自然に切れてしまうこともあります。通常高齢になってから起こしますので、手術してつなぐことはあまりしません。
他に、肩の前の部分や、肩峰と、烏口突起(うこうとっき)の靭帯の下の部分の炎症、鎖骨と肩峰のあいだの 肩鎖関節(けんさかんせつ)の炎症などもしばしば診られます。

石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)

今まで述べてきた肩の周囲にカルシウムを含む石灰が溜まり、それが炎症を起こして痛みを起こします。腱板に溜まることが多いので、この病名としましたが、上腕二頭筋腱などのほかの部分にも溜まります。今まで述べてきた肩周囲の炎症はレントゲンでは確認できません。しかし、この石灰は、レントゲンで写ります。
急激に炎症を起こすと、激痛がきて、急に肩(=腕)を動かすことが出来なくなります。マイルドな炎症ですと、症状が急激にきませんので、レントゲンで確認しないかぎり、他の肩関節周囲炎と区別がつきません。
激痛でも、炎症を抑える治療を行うと、どんどん楽になって改善します。
一番効果的な治療は、石灰沈着している部分に副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤を注射することです。注射が苦手な方は、その部分に、レーザー光線、超音波などを照射し、痛み止めの薬を使うと効果があります。
五十肩と違うところは、急激に炎症が来て、肩関節が動かなくなること、炎症を抑える治療を行うと、改善は早いこと、 です。

カルシウムは、骨にほとんど蓄えられていて、それ以外の部分にレントゲンでわかるほど溜まることは通常ありません。なぜ、石灰(カルシウム)が、骨以外の部分に溜まるのか はわかっていません。また、溜まっていても、通常はサイレントです。→石灰が消えなくても、症状が出なければよいのです。加えて、なぜ急激に炎症を起こすのかもわかっていません。ただ、使いすぎたり、ひねったなどのちょっとした負荷の後に起こる場合が多いです。
ある程度の年齢の方が起こすことが通例ですが、20代でも起こす方がいます。骨からカルシウムが出やすい状態になっていると考えられます。カルシウム不足ですと、骨からカルシウムが出やすい状態になりますし、そのような状態になっていて、カルシウムを取りすぎると、さらに石灰が溜まるとも考えられます。

肩腱板損傷、断裂(かたけんばんそんしょう、だんれつ)

腱板は、上腕を、肩甲骨に押し付ける作用があり、腕を上げるためになくてはならない腱状の組織です。肩の表面に盛り上がって見える三角筋だけでは、腕は挙がりません。4つの筋肉が腱状になっていて、肩を包みますが、損傷されやすいのは、棘上筋(きょくじょうきん)です。
もちろん骨ではありませんので、レントゲンでは写りません。→レントゲンでは確定できません。MRI検査、エコー検査でわかることがあります。

怪我をして、腕をひねったり、手をついて肩に負荷がかかると、腱板を損傷します。ひどくなると、上腕骨の肩の部分に骨折を起こしますが、骨折の話は次回とします。明らかな外傷がなくても、腱板は自然に損傷されます。スポーツ選手で、繰り返し振りかぶって球を投げたり、打ったり、ラケットを振ったりすると、腱板は肩峰にこすり続けられます。前に述べた、肩峰下滑液包炎になりますが、ひどくなると、腱板を傷めます。年を取ってくると、自然に傷んできて、肩峰の下の部分や、上腕骨の腱板の付いている部分の骨が、でこぼこになってきます。これが、肩の変形性関節症です。
腱板の話をここでするのは、肩峰下滑液包のすぐ下(深層)にありますので、症状が軽いと、肩関節周囲炎(=肩峰下滑液包炎)と区別がつかないためです。→五十肩と診断しても、腱板の損傷の可能性があるのです。
症状が強くなりますと、腕を挙げる時や、降ろす時に引っかかったり、痛みを感じる角度が出てきます。痛みも、肩関節部分ではなく、上腕の方に感じることが多くなります。さらにひどくなり、断裂して穴が開きますと、最初は腕が挙がりません。小さな断裂ですと、その部分が何とか修復されて1ヶ月もすると、また腕が挙がるようになります。ところが、大きく穴が開いてしまうと、3ヶ月以上たっても、腕が挙がるようになりません。そのような場合、ある程度、若い方ですと、不便ですから、手術して修復する治療を考えます。

今まで述べた病気に共通する治療の話

原因となっている部位に、超音波や、レーザー光線を当てる消炎鎮痛処置は、炎症を抑えて、組織を修復させる作用があります。
ヒアルロン酸の注射も炎症を抑えて組織を回復させる作用があります。副腎皮質ホルモン(ステロイド)の注射は、炎症を強く抑えます。
腱板周囲の障害は、エコー検査でわかることがあり、エコーを見ながら、その障害部位に針を刺して、ヒアルロン酸と、ステロイドを注射すると、効果が一番高くなります。(当院で行っていますので経験上の話))この方法は一般病院では、手軽には行えませんが、効果がある と発表はされてきていますから、これから普及するかもしれません。
肩に診察所見に見合わない極度の痛みを訴えられるときは、ノイロトロピンが効果があります。飲み薬より、静脈注射がより効果的です。
五十肩は、自然経過で、炎症が強い時期、→腕が挙がらなくなる時期と進行しますので、すぐに改善しません。特に動きが悪くなってからでは、月数をかけて、運動療法を行って、少しずつ動きをよくする必要があります。
麻酔して、くっついている組織をはがして、急に動きをよくしても、また組織がくっついてしまって、思ったように改善しません。また、運動療法で動かすとき、痛みが強いと、上に述べた、肩関節のヒアルロン酸とステロイド注射、ノイロトロピンの静脈注射などを加えないと、なかなか痛みが取れなかったり、逆に動きが悪くなってしまうこともあります。
| 病気の話 | 08:32 | - | - | - | - |