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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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整形外科の病気の話8
肩関節から肘にかけての病気の話

今回は、病気より、外傷の話が多くなります。

習慣性肩関節脱臼       肩が外れる通り道
上腕骨近位端骨折       骨粗鬆症
上腕骨外科頚骨折  
上腕骨骨頭骨折  
   
上腕骨骨幹部骨折  
   
上腕骨外上顆炎        テニス肘
上腕骨内上顆炎        野球肘
肘滑液包炎  
肘内障  
肘部管症候群  
   
上腕骨外上顆骨折  
上腕骨顆上骨折  
肘頭骨折  
橈骨頭骨折  


習慣性肩関節脱臼(しゅうかんせいかたかんせつだっきゅう)

肩関節は、靭帯や、腱板で支えられてだけで、しっかりとした骨の壁に覆われていない関節です。その上、動く範囲も大きいため、無理に動かされると、脱臼しやすいのです。前方に脱臼することがほとんどです。
脱臼した時は、肩を支える靭帯は切れます。その靭帯が修復されるには、3週間ぐらいはかかると考えられるのですが、脱臼整復後、1週間も腕を安静にしていると、痛みが取れて治った感覚になってしまいます。そのまま使うと、靭帯が修復されないまま動くので、肩関節の袋が大きくなって治ります。そして、肩が外れる通り道が出来てしまうのです。
また、肩の関節の肩甲骨側の支えが小さく浅いと、外れやすいです。これはその人の生まれつきの形です。このような条件がそろうと、ちょっとひねっただけで何度も肩が外れるようになります。この状態を、習慣性(あるいは反復性)肩関節脱臼といいます。
再び脱臼しないようにするには、広がってしまった肩関節の袋を縮める手術が必要です。力がある男の方や、肩甲骨側の受ける面が小さい方は、肩甲骨の前の部分に脱臼しないように骨で壁を作る(肩甲骨の前に突出する烏口突起(うこうとっき)をずらしてスクリューで止めるなど。)手術も必要になります。腱板を鍛える運動治療だけでは、再脱臼を防ぐことが出来ないとされています。
上腕骨近位端骨折(じょうわんこつきんいたんこっせつ)
上腕骨外科頚骨折(じょうわんこつげかけいこっせつ)
上腕骨骨頭骨折(じょうわんこつこっとうこっせつ)


呼び名が違いますが、上腕骨の肩関節を構成する部分の骨折で、ほとんど同じものです。近位端(きんいたん)は上腕骨では、身体に近い肩の部分を表します。
腱板がついている部分の骨だけが骨折しますと

上腕骨大結節骨折(じょうわんこつだいけっせつこっせつ)
となります。

骨が弱い、骨粗鬆症の方は、ちょっとした転倒で起こします。
骨折の転位(=ずれ)がないときは、腕が動かないように固定して骨がつくことを待ちます。ギブス固定は通常行いません。
転位が大きい時は、固定する手術を行います。鋼線を挿入したり、プレートとスクリューで止めます。骨が何個にもばらばらになって、転位が大きいときは、人工の肩関節(=人工骨頭)に変えることもあります。
いずれの治療も、固定安静で、骨がしっかりつくのを待っていると、リハビリテーションが大変になります。→肩関節が硬くなり、腕がなかなか挙げることが出来ません。ほぼ元のように挙げるために、半年〜1年以上かかります。
骨がついた時に、腕がかなり挙がっていても、怪我以前と同じように肩関節が動くようになるのはなかなか困難です。→この場合でも2,3ヶ月かかります。
少なくとも、骨がついた時に、ほとんどもとの動きにもどっているためには、骨がつくかなり前からの(受傷後5日目〜一週間ぐらいからの)運動治療が必ず必要=本人の努力も必要です。
上腕骨幹部骨折(じょうわんこつこっかんぶこっせつ)

上腕骨の中央部分の骨折です。
明らかな外傷のとき以外にも、腕相撲をしていて起こすこともあります。
こちらは、ギプス固定をして骨がつくのを待つことが最低必要です。
転位(ずれ)があるときは、通常プレートとスクリューで固定する手術を行います。
上腕骨の中央部分は橈骨神経(とうこつしんけい)が走っていますので、受傷時も、手術時もこの麻痺に注意です。麻痺すると手首や指が、手の甲側に動かすことが出来なくなります。(→指を握る方はできます。) ですが、切れたり、大きな損傷以外では、肩、肘の安静を保っていますと、1.2か月で回復してくるのが通例です。損傷して神経を縫い合わせても、3、4カ月で回復します。

上腕骨外上顆炎(じょうわんこつがいじょうかえん)

手のひらを体の前に向けて腕を垂らした時に、肘の外側に触れる骨の部分を、上腕骨の外上顆(がいじょうか)といいます。テニスをしている方がよく痛くなる場所で、俗称テニス肘です。加齢で、肘も少しずつ軟骨が傷んできたり、骨がとがってきたりします。つまり、肘の変形性関節症です。このような状態ですと、少しの負担で、あるいは自然に痛みが出てきます。この場所から痛みが出てくることが多くなります。
この部分には、指を伸ばしたり、手首を甲側に反らしたり、前腕部分を回したりする筋肉が付いていますので、手首や、指を動かした時=手を使った時に肘に痛みが走るようになります。
そのため、肘に痛みが出たら、手首を回したり、こねて使うことを避けることが大事になります。また、肘を伸ばすと、筋肉が伸びて肘に負担がかかりますので、肘を曲げて筋肉をゆるめた位置で使うことも大事です。
治療は、レーザー光線、超音波照射などを行う消炎鎮痛処置、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を注射する、テーピングで、筋肉に負担がかからないようにする、肘の下の部分にバンド(エルボーバンド、テニス肘用バンド)を巻いて、筋肉の動きを抑えて肘の負担を軽くする、手首を固定するバンドを使う、などです。

上腕骨内上顆炎(じょうわんこつないじょうかえん)

前に述べた外側の反対側の骨のでっぱりが、上腕骨内上顆(ないじょうか)です。この部分が痛くなる若い方は、野球をしている方が多いです。前と同じに加齢変化で痛みが出てくることもありますが、頻度は少なくなります。治療や、使い方の注意事項は、前述と同じです。ただ、指や、手首を伸ばしたりする筋肉が付くのが、外上顆で、指や手首を曲げたりする筋肉が付くのが内上顆です。

肘滑液包炎(ひじかつえきほうえん)

肘頭の表面と、皮下が滑るように作用する袋の炎症です。水が溜まって膨らんできます。毛穴からばい菌が入って感染する(=化膿する)と大変ですので、大きい場合は、水を抜きます。(=穿刺します。)ただ、抜いてそのままですと動いて炎症を起こして、また水が溜まりますので、厚手の包帯で動きを抑えて圧迫し続けることが大事です。それでもまた水が溜まりますが、何回か水を抜いて圧迫し続けているうちに袋がくっついて水がたまらなくなります。

肘内障(ちゅうないしょう)

乳幼児の腕を急に引っ張った時に起こします。(他に軽くひねった時にも起こします。) 1歳未満から6歳ぐらいまでです。痛がって、腕を垂らす恰好になります。これは、肘の橈骨頭(とうこつとう)を押さえている輪状靭帯(りんじょうじんたい)がずれることで起こります。肩を傷めたのではありません。年齢が上になってくると、靭帯がかたくなって起こさなくなります。
整復は簡単に出来ます。整復後は特に固定もいりません。ただ、強くずれていると戻らないこともあります。もどらない時はそのまま様子を診て構いません。3.4日で腕を使うようになります。長くても1週間後ぐらいには戻ります。

肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)

肘の内側の後ろ側の上腕骨の部分には、尺骨神経(しゃっこつしんけい)が通る溝があります。この部分を肘部管(ちゅうぶかん)といいます。これは、ここで神経が圧迫される病気です。
症状は、尺骨神経麻痺(しゃっこつしんけいまひ)です。手の小指中心に痺れが来ます。進行すると、小指を中心に感覚が鈍くなります。小指を外に保つ力が弱くなります。親指と小指でつまむ動作に力が入らなくなります。
原因は、この部分を圧迫したり、肘を酷使して刺激していた時ですが、不明のこともあります。この溝から尺骨神経がずれて(=外れて、脱転して)動いているので症状を起こすこともあります。手のひらを前にして腕を垂らした形で、前腕が極端に外側を向く外反肘(がいはんちゅう)の方は、起こしやすくなります。小さい頃怪我でこの形になり、大人になってからこの病気になることもあります。→遅発性尺骨神経麻痺(ちはつせいしゃっこつしんけいまひ)といいます。
診断を確実にするのは(=確定診断)、筋電図(=EMG)という検査です。筋肉に針を刺して筋力を調べると同時に、知覚神経を刺激してどこで神経が圧迫しているか調べます。(=知覚神経伝導検査)
治療は、軽ければ、神経を回復させるビタミンB12の飲み薬と、厚手の包帯固定を巻くなどして肘の安静を保つことです。ひどい時は、手術をします。尺骨神経を溝からはずして圧迫されない部分に動かして固定する方法です。

上腕骨外上顆骨折(じょうわんこつがいじょうかこっせつ)

小児に多い骨折です。先ほど説明した、肘の上腕骨の外側の部分の骨折です。転位(ずれる)とそのまま付いて、肘の形が変わってしまう(変形治癒(へんけいちゆ)する)ので、手術をして、正確な位置にもどして鋼線で固定する手術する機会が多くなります。

上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ

こちらも小児に多い骨折です。ほとんど ずれ(転位)がない例はそのままギブス固定で付きますが、転位が大きい時は、入院して腕を垂直上方向に引っ張ってベット安静にするなどの処置が必要です。そのままギブス固定をしますと、さらに転位が大きくなって変形治癒(へんけいちゆ)したり、親指や人差し指に行く正中神経(せいちゅうしんけい)が麻痺することもあります。 転位が大きく、骨折部がかみ合っていない時(図青矢印)は、位置をもどして鋼線で固定する手術をすることもあります。
老人でもこの骨折を起こすことがたまにあります。最初をずれ(転位)がなくても、ギブス固定をしているうちに、転位してきて変形治癒しますので、正確に元のように治すには、手術が必要です。

肘頭骨折(ちゅうとうこっせつ)

成人以降に多く診られます。
ひじがしらは、肘を曲げた時に、外側に出っ張る部分です。ここには、上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)という、肘を伸ばす筋肉が付いているので、引っ張られて、骨折部が離れてしまうのが通常です。(図青矢印)そこで、鋼線とワイヤーで手術することが通常です。

橈骨頭骨折(とうこつとうこっせつ)

橈骨頭(とうこつとう)は、肘頭が尺骨であるのに対して、橈骨(とうこつ)の端にあって、肘の関節を形成する部分です。小学生低学年ぐらいまでの小児では、軟骨のままで、完全に骨が出来てきません。したがって、レントゲンで骨折は見えませんし、小児ではこの部分は柔軟性があるため、ここの骨折はまず診ません。それ以降の年齢の方に診られることになります。ここも、橈骨神経(とうこつしんけい)がすぐそばを走っていますので、麻痺に注意は必要です。
程度の軽い例は、包帯固定や、ギプス固定で治ります。ひどい転位(ずれ)があるときは手術をすることもあります。
| 病気の話 | 09:54 | - | - | - | - |