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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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整形外科の病気の話10
整形外科の病気の話10

手周囲の病気の話2

手舟状骨骨折  
マレットフィンガー        指伸筋腱の断裂
ボクサー骨折        殴った時に起こす
伸筋腱断裂  
屈筋腱断裂  
手指神経断裂  
関節リウマチ        女性に多い
ガングリオン        手関節 腱鞘 


手舟状骨骨折(てしゅうじょうこつこっせつ)

手関節を構成する手根骨(しゅこんこつ)のひとつが、舟状骨(しゅうじょうこつ)です。親指の付け根の延長にあります。
バイクでハンドルを握ったまま、転倒した時などに見られます。
最初レントゲンでわかりにくく、1週間、2週間後に撮り直して骨折が判明することもあります。この場所の骨折は血流が悪いため、骨がつきにくく、隙間がない場合でも6週間ぐらいと固定期間が長くなります。隙間があいている骨折では、骨がつかないため、手術する必要があります。骨の中にチタン製のスクリューを埋め込んで固定する方法です。(スクリューを抜く必要がありません。)
放って置くと偽関節(ぎかんせつ)といって、関節のように動きが残って(動く範囲はごくわずかですが)痛みが残ります。この状態で発見されることもあります。この状態では、骨移植(自分の骨を他の部位からとってきて骨折部に埋め込む)とスクリュー固定手術が必要です。

ボクサー骨折
こぶしで殴った時に生じる骨折です。手を握っていますから、折れるのは、指の付け根の出っ張っているMP関節の手の甲の部分で、小指の付け根の第5中手骨(ちゅうしゅこつ)が折れることをいいます。ただし、中指の付け根の第3中手骨など、他の中手骨が折れる方もいます。
ひどいと、関節をつくる中手骨が手のひら側にお辞儀をする形で曲がります。戻るように押し上げて、指を強く屈曲させてギプス固定を行う方法が教科書に書かれていますが、うまくいったためしがありません。お辞儀をした骨折部の戻りが不充分な上、骨がつくまで指を曲げっぱなしにしますので、伸びなくなってしまって、動きをもどすのが大変です。少しぐらい形が変わって付いても機能に問題がありませんが、握りこぶしを作ったときには、骨折している部分の指の付け根の角の骨が沈んだ形になります。
大きく転位(ずれて)している時は、手術的にもどして鋼線で固定する方法を薦めます。

マレットフィンガー

指先の一番目の関節(=DIP関節)を伸ばす腱が、断裂した時、骨と一緒にはがれて骨折した時の指の状態を表す病名です。
指先の関節だけが曲がってしまい、伸ばすことが出来なくなります。放置していても、3〜4週間経つと、このままの形で、伸びるようにはなりませんが、曲がりますので、痛みもほとんどなくなり、使えます。このように放置してしまった方もしばしば見受けられます。
骨折がなく、腱の断裂だけの時の治療は、6週間ぐらいの指を伸ばしたままの固定安静が必要です。この期間指先だけの障害で固定し続けることが出来ない場合が多いので、鋼線を通して関節を動かなくしておく方法もあります。それでも固定をはずすと曲げる練習をして使ってゆくと、伸びが悪くなることもあります。腱にワイヤーや強い糸を掛けて、骨を通して引っ張って固定しておき、腱がしっかり骨に付いたらワイヤーや糸をはずして動かすと完全に伸びる指に戻りますが、この方法で治療することはまずありません。
骨折があるときで、ずれ(転位)が大きい時は、鋼線を2本使って元にもどして固定する方法などを行います。それでもうまくもとの形に戻らないこともありますが、放置して変な形で骨がついても、あまり障害にならないのがこの場所です。

手指の伸筋腱断裂(しんきんけんだんれつ)

手首や指を伸ばす腱を伸筋腱(しんきんけん)といいます。その腱は筋肉になって、前腕の手の甲側を走り、肘の外側(手のひらを前に向けた位置での)についています。
上述のマレットフィンガーは、骨折がない時は、指を伸ばす伸筋腱の皮下断裂で起きます。創がないのに皮膚の下で、断裂するという意味です。他に皮下で断裂するのは、関節リウマチの炎症が強いときに手の甲で伸筋腱が切れたり、橈骨遠位端骨折(とうこつえんいたんこっせつ)では、母指を伸ばす腱が切れることがあります。いずれも、元のように指を伸ばすには、腱を縫う必要があります。
通常は、創ができて一緒に切れます。指を伸ばす腱は、鋭い刃物できれいに切れている時は、創を縫うときに、切れているのに気づけば、その場で縫って構いません。(外科の先生は腱が切れていると腱には手をつけないことが多いです。)よほどひどい縫い方をしない限り、くっついて動かなくなることが少ないのです。
手術して縫ったところは、他の皮下の組織と手術後にある程度くっついてしまいます。これを癒着(ゆちゃく)といいます。創からばい菌が感染すると、癒着はひどくなります。癒着を出来るだけ避けるのには、この感染を避けることと、組織のダメージを出来るだけ少なくすることです。最初から、創によるダメージが強ければ、癒着は必ず起こりますので、ダメージを受けている腱の部分を切り取って、きれいな部分をつなぎ合わせる必要があります。腱も、他の組織もよけいなダメージを与えないようにするには、すべての組織を針でピンポイントで持つ、すべてメスを使って線で切ってゆく手術をすることです。(点と線の手術=これが本当のアトロウマティック(よけいな損傷のない)手術です。)
このような方法を取らなくても、少しぐらいくっついても動きがほとんど戻るのが、伸筋腱です。
ただし、切れた腱が付くまで、3週間ぐらいは無理に動かさない様に、ギプスシーネで固定は必要です。

手指の屈筋腱断裂(くっきんけんだんれつ)

指や手首を曲げる腱を屈筋腱(くっきんけん)といい、その腱は、筋肉となって、前腕の手のひら側を走って、肘の内側に付きます。
こちらは皮下で断裂することはほとんどなくなります。
通常は、創ができて一緒に切れます。神経や、血管も一緒に切れることも多く、整形外科でも、手の外科の細かい手術に慣れている方が行わないと、縫っても腱がくっついてしまい、指が元のようになかなか動くようになりません。神経が切れている時はそちらも縫う必要があります。(血管は通常縫う必要はありません)
指を曲げる腱は、DIP関節(指先から1番目の関節)とPIP関節(指先から2番目の関節)を同時に曲げる腱と、PIP関節だけを曲げる腱の2本があり、その腱が交差する部分をノーマンズランドといって、刃物で切ったような鋭い傷でも、同時に2本とも縫うと、くっついてしまって、指がうまく動かなくなるといわれています。そのため、DIP関節とPIP関節同時に動かす方の腱だけを縫っておけば、両方の関節が曲がりますので、1本だけ腱を縫う方法を取るのが通常です。
縫った後は、ギプスシーネ固定をして、指が伸びないようにします。指を伸ばすと、縫った腱が切れてしまいます。神経も切れてしまいます。しっかり付くまで、4〜6週、固定し続けて動かさないでいると、指が動くようになかなかなりません。そこで、早くから少しずつ動かす工夫をするのが通常です。手術中のどこまで伸ばしても大丈夫かを確認しておくと、術後早めに、その範囲で手術した先生自らが指導して動かすようにすれば、動きはかなりよくなります。→元のように動くようになるためには、手術後のリハビリテーションがかなり重要だということです。
(刃物でノーマンズランドの部分を切った創でも、点と線の手術で、手術後のリハビリも完璧なら、2本とも腱を縫っても元に戻ります。=戻るはずです。)

手指神経断裂

手指に創をつけたとき、前述したように屈筋腱と一緒に切れることもありますし、神経だけ切れることもあります。
神経は手の外科の手術になれている先生が、顕微鏡(=拡大鏡)を見ながらにきちんと縫うことがベストです。圧迫されたり引きちぎられているような怪我の時は、神経がちぎれたり、つぶれたりして、だめになっている部分が生じます。だめになった部分は、取り除いて、正常な部分をつなぎ合わせなければつながりません。だめになった部分が長いと、正常な部分同士を引っ張り合わせて縫うことが出来なくなります。そういう場合は、患者さん自身の他の部分から皮膚の神経を持ってきて足りない部分の橋渡しをしなければなりません。=神経移植術といいます。
指の神経は細くなりますので、神経をつなぐ手術を行うのは、DIP関節(指先から1番目の関節)より、手首に近い部分までです。それ以上先の神経は、通常手術してつなぎません。
手術後は、神経がつながるまで、ギプスシーネで固定して、安静を保ちます。通常3週間は固定をはずさないようにします。
順調に行けば、1日1ミリ伸びて、神経が回復するとされます。指の先端から6センチ(=60ミリ)のところで切れて縫ったとすれば、指の先の感覚が戻るには、手術してから60日後ということになります。

神経断裂の話のついでに、手に行く神経の話をもう一度まとめます。

正中神経(せいちゅうしんけい)

肘の手のひら側を通って、手首の手根管(しゅこんかん)を通って、手の母指、示指(人差し指)、中指の皮膚の感覚と、母指の腹の筋肉の一部を支配します。手根管より前の部分の正中神経は、肘の辺りで、指や、手首を曲げる筋肉を支配します。そのため、肘の外傷で、正中神経が麻痺しますと、指の関節特に、示指のDIP関節、母指のIP関節(ともに指先から1番目の関節)を曲げることが出来なくなることから始まります。感覚は、上に述べた指先の感覚が鈍くなります。痺れもでます。示指と母指でつまんで、○を作れなくなります。

尺骨神経(しゃっこつしんけい)

肘の内側(手のひらを前に向けた時)の後ろを通って、手のひらの手首の小指側を通って小指と環指(薬指)の皮膚の感覚と、手のひらの筋肉を支配します。肘で圧迫された時が、前にお話した肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)です。痺れも出ます。麻痺すると、小指が外に広げる力が弱くなります。母指と小指でつまむ力が弱くなります。感覚は、今述べた指先の感覚から鈍くなります。

橈骨神経(とうこつしんけい)

上腕骨骨幹部骨折の項でお話した神経です。
手の指を伸ばす、手首を反らす筋肉と、手の甲の母指と示指の間の皮膚の感覚を支配します。上腕の中央部で麻痺することが多く、痺れよりも、指と手首が上に持ち上がらない(=反らすことができない)症状が出ます。寝ていて自然に圧迫されて起こすことも多いのですが、回復は、上の二つの神経よりよく、2,3ヶ月で元に戻ります。

治療は神経が圧迫されている部位を固定安静として回復を待ちます。手首で圧迫されているなら手首を、肘で圧迫されているなら肘を固定して動かないようない、出来るだけ使わないようにすることです。ギプスシーネや装具で固定することもあります。橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)で、手首がたれてしまう時は、手首を保つように固定します。
圧迫部位にレーザー光線を当てると回復が早まることが多いです。
圧迫部位に炎症を抑える副腎皮質ホルモン(ステロイド)を注射すると回復が早まることが多いです。
薬は神経を回復させるビタミンB12を内服します。
改善しない時や、どんどん麻痺が進行するときは、手術して圧迫されている神経を開放します。神経を包んでいる膜だけを切開することを神経剥離術(しんけいはくりじゅつ)といいます。(手根管症候群で正中神経が麻痺している時は、手根管を構成する靭帯も切開します。)神経を圧迫されている部分からずらして違うところを通るようにもって行く手術は、神経移行術(しんけいいこうじゅつ)です。(肘部管症候群で尺骨神経が麻痺している時は、この手術をします。)

関節リウマチ

慢性関節リウマチのことです。成人以降の女性に多く診られます。(子供がかかるのは、若年性関節リウマチといいます。)
原因はまだわかっていません。簡単にまとめてみます。外からのばい菌やウイルスなどを破壊して、身体を守る力(=体の機構)を免疫(めんえき)といいますが、自分の体までは壊さないようになっています。この状態がくずれて、自分の体まで破壊してしまうようになる病気を自己免疫性疾患(じこめんえきせいしっかん)といいます。この自分の体のうち、関節の組織を壊すのが、関節リウマチです。(肝臓を壊してしまう時は、自己免疫性肝炎です。)壊れた組織は、白血球が集まってきて処理されます。組織が腫れて炎症をおこすことになります。
したがって、関節リウマチでは、関節炎になります。どの関節が炎症を起こすのか、どのくらい進行するのかは、いろいろなパターンがあります。進行する典型的な型は、指のMP関節、PIP関節、手関節が両側とも炎症を起こすものです。指先から1番目のDIP関節だけが炎症を起こすことはまずありません。この場合は、前回お話した、手のヘベルデン結節=変形性関節症です。他に、足関節、膝関節、肘関節など、大きな関節に来る型もあります。ひとつの関節だけが炎症を起こすこともあります。
手や指の関節から炎症を起こす場合の、初期の症状として、朝のこわばりがあります。朝起きたときに手指が固くなって、動きづらくなる症状です。炎症がおきている時は、動かさないでいると、動かし出すときに動きづらかったり痛みが出たりします。したがって、腱鞘炎、ばね指でも同じように動きが悪くなります。変形性関節症でも炎症があれば、動きが悪くなります。つまり、朝のこわばり=関節リウマチとは限りません。
この病気は、炎症が治まることなく進行しますと、関節の軟骨が壊れて、レントゲンでは関節の隙間が狭くなります。さらに、軟骨の下の骨も壊れていき、関節が破壊されていきます。変形性関節症では、ひどい負荷をかけ続けなければ、骨が修復するようにとがってきたりしますので、ここが違うところです。関節リウマチのほうが、進行すると変形性関節症より、関節がだめになりますので、人工関節の手術する機会も以前は多かったです。
現在は、治療薬が進行を防ぐよいものがどんどん出てきています。関節が破壊されて、人工関節の手術まで行く方は少なくなりました。新しい薬は、免疫抑制剤(めんえきよくせいざい)、生物学的製剤(せいぶつがくてきせいざい)と呼ばれます。ただし、副作用もかなりあり、副作用を調べる検査も度々行わなければいけません。そのため、使うことが出来ない方も診られます。以前から最もよく効果がある薬は、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)です。こちらは、長期的に飲むと副作用が現れますので、そこが問題です。症状が軽い方は、消炎鎮痛剤(しょうえんちんつうざい=痛み止め)と、抗リウマチ剤(=免疫調整剤)の併用で進行はかなり止められます。

ガングリオン

手関節、特に手の甲が最もよく見られる部位なので、ここで紹介します。
関節の弱いところに孔が空いて、そこから袋が出てきて、その中にゼリーが溜まります。その弱い部分から痛みが出ることもあります。水より粘り気が強い物質が溜まりますので、硬く触れて、骨や、軟骨が出てきたような感じになることもあります。
ばね指を起こす部分(MP関節の手のひら側)の腱鞘から出来ることもあります。手のひらの指の付け根に小さい硬いしこりが触れるようになります。
もちろん、膝、足など、他の関節からも出ます。
治療は、注射器で内容物を抜いたり、つぶしたりします。自然につぶれることもあります。手術でとる時は、関節に通じている孔まで追いかけていって、塞いでおかないと、また再発する可能性があります。ただし、悪いものではありませんので、放置しても通常問題はありません。
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