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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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整形外科の病気の話12
整形外科の病気の話12

膝の病気の話1

変形性膝関節症            加齢
大腿骨内顆骨壊死            加齢 
オスグットシュラッテル病        スポーツ少年少女
膝蓋靭帯炎            少年少女〜
膝蓋軟骨軟化症            少女
棚障害                少女〜
腸脛靭帯炎            ランニングニー
膝蓋滑液包炎  
膝関節炎


膝の解剖

大腿骨と、下腿骨(=脛骨(けいこつ))との間の関節で、それぞれの骨を覆う硬い軟骨と、その間で、ある程度動いてクッションの役目をする柔らかい軟骨の半月板があります。
膝は、比較的大きな関節ですが、股関節と違って、伸展と屈曲の運動が主です。特に屈曲角度が大きいので(=正座までできるので)、中央部を、前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)、後十字靭帯(こうじゅうじじんたい)で、内側は、内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)外側は、外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)で支えられて、前後左右にぶれずにスムースに動くようになっています。この靭帯や半月板が切れると、不安定となって、痛みが出やすくなります。

変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)

加齢とともに起こってきます。股関節よりは頻度が高く、中高年の膝の痛みには少なからず、関与しています。
若い頃、膝を骨折して、形が変わった、半月板を痛めた、手術をした、靭帯をいためた、手術をした、などが原因の事もありますが、怪我をしていなくても、内反膝(ないはんひざ)の形の方は、変形を起こしやすくなります。+スポーツなどで使う頻度が高い方は、起こしやすくなります。
内反膝は、内側に体重がかかりやすいので、内側から軟骨が傷んできて、レントゲンでは、関節の隙間が狭くなります。進んでくると、骨がそれを体重が載る(荷重(かじゅう))面積を大きくしてカバーして修復するように、とがってきます。→骨棘(こつきょく)ができてきます。さらに進行して軟骨がなくなってくると、骨が硬くなって、レントゲンでは白く写ります。そして、さらに進行すると骨が壊れてきます。それに伴い外側の軟骨も傷んできて関節が狭くなり、同じように骨がとがってきます。
膝蓋骨と、大腿骨の間の軟骨がすりへって、狭くなり、骨がとがってくることもよく診られます。十字靭帯が下腿骨につく中央部にも負担がかかって、骨がとんがってくる方もいます。ただ、膝の外側だけ軟骨が磨り減って、関節が狭くなり、骨がとんがってくる症状の方は少ないです。
以上のような変化が、関節の変形=変形性関節症です。みために膝の形が変わる、ずれるという意味ではありません。

治療は症状に応じて選びます。
使って痛いときは、スポーツなどは休み、歩く距離を少なくしたり、体重を載せて曲げたり伸ばしたり、(=膝を屈伸する)正座や横すわりしたり、階段の上り下りは無理しないように注意します。自転車は体重がすべて膝に乗りませんので、よいように思われますが、膝を曲げたまま漕いだり、乗り降りの時に膝に負担がかかり、注意が必要です。
痛みが強い時、痛みはあまり強くないが、膝に水が溜まっている時は、消炎鎮痛剤(いわゆる痛み止め)を内服します。夜間(寝ている間)など、痛みが強く気になる時は、ノイロトロピンの内服や、静脈注射も効果があります。歩いたり、使うと痛い時、曲げ伸ばしが痛い時は、膝をかばう、サポーターや装具をつけること、あるいは、ヒアルロン酸の関節注射を考えます。膝に水が溜まって、かつ痛みが強い時は、注射で関節液を抜くと同時に、ヒアルロン酸や副腎皮質ホルモン(ステロイド)を関節内に入れます。
膝をかばう装具は、膝に着けるだけではありません。膝の内側に体重が載って、変形してくる方が多いため、体重が外側に載るように足の底に、足底板(そくていばん)という装具を着けて、脚全体の角度を変えて、歩くようにします。
副腎皮質ホルモン(ステロイド)は炎症を強く抑えます。炎症の強い状態ですと、効果があります。
ヒアルロン酸は、関節液の成分、関節軟骨の成分で、炎症も押さえますが、組織を修復する作用が強く、傷んだ部分を回復する目的で注射します。飲む薬は、コマーシャルでは皇潤(こうじゅん)などが有名ですが、残念ながら処方薬としてはありませんので、飲んだ人の何パーセントの方に効果があるのか、どの程度痛みを取り、軟骨を回復させるのか、不明です。同じく、コンドロイチン硫酸、グルコサミン(ともに軟骨の成分)なども一般薬局では売っていますが、処方薬にないため、効果のほどがよくわかりません。
ほか、進行を出来るだけ防ぎ、痛みをでにくくするため、大腿四頭筋訓練(だいたいしとうきんくんれん)を行います。
これはすべての膝の障害に共通する運動治療です。
大腿四頭筋は大腿前面にあり、膝を伸ばす筋肉です。膝蓋骨について、さらに膝蓋靭帯で、下腿の骨についています。膝をかばうには、この筋肉の力が必要です。膝が悪い状態が続くとこの筋力が落ちてきます。
基本的な訓練方法を述べます。
仰向けに寝て、膝を伸ばして、膝蓋骨を頭の方に引き上げる運動。 同時に膝を伸ばすように力を入れますので、膝が伸びにくい時に行います。膝蓋骨と大腿骨のかみ合わせを鍛えます。
仰向けに寝て、膝を伸ばしたまま、脚全体を20〜30センチ持ち上げて、10秒ぐらい静止します。
いすに座って、膝を伸ばします。10秒ぐらい静止します。砂糖袋や、ペットボトルなどを利用して足先に錘をつけると、負荷がかかります。

進行したときは、手術を行います。下腿骨=脛骨(けいこつ)を切って角度を変えて、体重が、膝の内側ではなく、均等にかかるように変える、骨切り術や、傷んだ軟骨を骨とともに取り去って、人工の物に変える、人工関節置換手術が主です。膝の人工関節は、正確に切れるような誘導補助装置を使うことが出来るため、手術後の成績(=どのくらいもつか)は、股関節よりかなりよくなっています。

大腿骨内顆骨壊死(だいたいこつないかこつえし)

膝の内側の大腿骨側の部分が、大腿骨内顆(だいたいこつないか)です。その体重が載る軟骨の下の骨の部分が死んでゆく病気です。変形性膝関節症だと思って何ヶ月も治療しても、改善しない、水が溜まり続けるとき、この病気になっていることがたまに?あります。高齢の女性に多い印象です。膝の内側が痛いので、変形性膝関節症の症状と全く同じです。初期にはレントゲンで異常がわかりません。改善が悪い時は、2,3ヶ月に一度レントゲンを撮り直して見る必要があります。MRI検査ですと、より初期から、どの程度の範囲に及んでいるか詳しく見ることが出来ます。
治療も、変形性膝関節症とほぼ同じです。体重が外側に載るように足底板(そくていばん)をつけて歩く、ヒアルロン酸の注射を関節にする、超音波治療(骨壊死を改善する作用があります。)を行うなどです。ただし、ステロイドの関節注射は、骨壊死の原因になりますので、行いません。通常は、半年から1年ぐらいで回復してきて治ります。進行して、どんどん骨が壊れてゆく場合は、骨を切って、体重が外側になる手術を行います。(骨切り術)

オスグットシュラッテル病
膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)


主に、十代のスポーツする若者に診られます。
膝蓋骨(しつがいこつ)と脛骨結節(けいこつけっせつ)とは、膝蓋靭帯(しつがいじんたい)あるいは膝蓋腱(しつがいけん)で、結ばれています。膝を伸ばすには、大腿の前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)が縮んで、膝蓋骨を上に押し挙げて、さらに膝蓋靭帯を伝わって、脛骨結節に伝わり、下腿を伸ばす方向に作用します。膝蓋骨は、ちょうど大腿骨の上を滑ると同時に固定されて、てこの支点のような役割をしますので、なくなるとこの作用が機能しなくなりますので、大事です!!膝を踏ん張った時にも、膝蓋骨は大腿骨に圧迫されて、膝蓋腱を伝わって、脛骨結節にも、力がかかって、脚を固定します。したがって、膝の曲げ伸ばしを、体重をかけながら繰り返し行ったり、走って、急に止まったり、ジャンプして着地する時には,大きな力がかかります。この病気は、このような運動(バスケットやバレーボールなど)をする選手に多く見られます。
脛骨結節には、10代前半までは骨の成長線があります。骨が成長する部分は、軟骨になっていて骨よりは弱い上、身長の伸びが早いとこの膝蓋靭帯(膝蓋腱)伸びが追いつかずに引っ張られやすい状態になっているので、負担がかかると傷んできて痛みが出ます。この部分の障害をオスグットシュラッテル病と呼んでいます。一方、膝蓋骨についている方は、骨の成長線はありません。しかし、身長の伸びが早いとこの膝蓋靭帯(膝蓋腱)伸びが追いつかずに引っ張られやすいことに変わりませんし、膝蓋骨と大腿骨は硬い軟骨同士でしっかり圧迫されたり、こすれたりしますので、このこすりあわせが悪い、軟骨が弱い(つぎの膝蓋軟骨軟化症(しつがいこつなんかしょう)と関係が強いと考えます)と、膝蓋骨側でも痛みが出ます。こちらは、オスグットシュラッテル病のように病名が付いていませんが、実際はオスグット病より多く診られますので、膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)とします。
いずれも初めに述べた状態で起こると考えますので、治療、注意事項などもすべて共通です。
運動は、使いすぎないこと、特に屈伸運動、走っていて急に止まる動作、ジャンプなどは要注意です。膝蓋骨と、脛骨結節部分を圧迫する装具や、膝蓋骨を固定するテーピングを使うこと。特にオスグット病は骨の成長線が閉じるまでに骨のかけら(骨片)が残らないように治ることが大事です。大腿四頭筋訓練は、曲げ伸ばしをしない、あお向けて寝て脚を伸ばしたまま持ち上げる方法がよいです。治りが悪い時は、骨の成長線を早く閉じる目的で、ドリルで成長線を貫通するように、骨の奥までいくつも穴を開けて、骨の奥にある海綿骨(かいめんこつ)部分から出血させて→治癒させて骨の成長を促します。

膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)

膝蓋骨の裏は、大腿骨をすべるように硬い軟骨同士で関節になっています。このかみ合わせが悪く、膝蓋軟骨が傷んできている状態をさします。軟骨が溶けて柔らかくなっている状態ではありません。女性に多く診られ、運動している十代の方は痛みが出やすくなります。(次回述べますが、このかみ合せがひどく悪く、さらにX脚(えっくすきゃく)があると、膝蓋骨が外側に脱臼することもあります。何度も繰り返して、習慣性に脱臼することもあります。)
テーピング、装具治療や、運動上の注意は、オスグット病と同じです。大腿四頭筋訓練は、膝蓋骨と大腿骨の圧迫を促す、人間椅子(空気椅子)、四股のポーズを保つ方法がよいです。ただし、この方法は、痛みが強い時は行えません。
棚障害(たなしょうがい)

この症状が出る方も10代から若い女性に多い印象です。
膝蓋骨と、大腿骨の関節の内側に、棚と呼ばれる膜があるのですが、これが大きくなって、膝蓋骨の内側で痛みを出す状態です。
治療は、オスグット病、膝蓋軟骨軟化症と共通な部分が多いのですが、治らない時は、内視鏡を診ながらあるいは、直接皮膚を切って開いて、その棚を切除する手術をすることもあります。

腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)

ランニングをしている方に多く診られます。大腿の外側の大腿四頭筋の筋膜は厚く、腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)と呼ばれます、この筋膜は、膝の外側を通って、下腿骨(脛骨けいこつ)についています。この膝の外側をまわる部分にランニングを続けることで、こすれて炎症を起こし、痛みが出る病気です。
テーピングや、安静で治療を行います。炎症を抑えるために、超音波治療なども効果があります。

膝蓋滑液包炎(しつがいかつえきほうえん)

膝蓋骨の表面には、皮膚と骨が摩擦を起こさないように、滑液包(かつえきほう)と呼ばれる組織(袋)があります。この部分に炎症を起こして、水が溜まる病気です。膝の関節の中に水が溜まっているわけではありません。
悪性のものではありませんので、放置しても構いませんが、毛穴からばい菌が入ると化膿しますので、あまりに大きい時は、注射器で内容物を抜いて、弾性包帯で、屈伸などの動きを制限して、圧迫し続ける治療を行います。(圧迫を続けないと、すぐにまた水が溜まります。)

膝関節炎

膝の関節の中に炎症がある状態を指す病名です。ひどくなると、水が溜まります。今まで述べた病気すべて、次回述べる病気、外傷も原因となります。他に原因として、大きな関節に炎症が起こるタイプの関節リウマチ、尿酸や、カルシウムなどの結晶が関節に析出して、急激に炎症を起こして、水が溜まり、痛みが強くて歩けなくなる、結晶誘発性関節炎(けっしょうゆうはつせいかんせつえん)が診られます。カルシウムがたまっている時は、レントゲンでわかります。偽痛風(ぎつうふう)と呼びます。一方、尿酸はレントゲンでは写りません。が、中年以降の男性に多く診られます。尿酸が高くなっても(高尿酸結晶こうにょうさんけっしょう)、痛風の発作ではなく、関節炎として発作が起こるのです。
治療は、消炎鎮痛剤(痛み止め)の飲み薬が効果が出ます。炎症が強い時は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)の関節注射が最も効果があります。
| 病気の話 | 19:34 | - | - | - | - |