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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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整形外科の病気の話13
 

整形外科の病気の話13

 

膝の病気の話2

 

今回は膝の外傷の話です。

 

膝内障

 

半月板損傷(断裂)

 

前十字靭帯損傷(断裂)

 

後十字靭帯損傷(断裂)

 

内側側副靭帯損傷(断裂)

膝蓋骨骨折

 

膝蓋骨脱臼

外反膝 習慣性 若い女性

脛骨高原骨折

 

 

膝内障(しつないしょう)

 

この言葉は、本来、膝の骨以外の損傷や、障害をすべて含めて表します。

が、どの部分の損傷か障害かわかる時は、その病名をつけます。例えば、これからお話しする半月板損傷、靭帯損傷は、それらすべて含めて膝内障となるわけですが、それぞれの病名をつけて診断名とするのが通常です。そこで、どの部分の障害か、損傷かはっきりしない時にこの病名で呼ぶのが通常となっています。前回お話した、膝蓋骨周囲の病気は診断名とつけることが少なく、膝内障とすることも多いです。そして、比較的若い方に付けます。加齢とともに膝のいろいろな障害、軽い損傷は変形性膝関節症の病名に含まれてゆきます。

 

半月板(はんげつばん)損傷(断裂)

 

前回の解剖で述べたように、半月板は内側(ないそく)と外側(がいそく)の二つあります。断面方向に脚を切って見ますと、半月の形ではなく、ともに三日月形をしています。この半月板は柔らかな軟骨で、膝の動きとともに動いてクッションの役割をします。動くため、急にひねったり、ひねる方向に繰り返し負荷をかけていると、切れてしまうのです。

そのため、比較的若いスポーツ選手に多く見られます。が、加齢とともに半月板は薄くなり、弾力も失って、自然に切れて痛みが出ることもあります。また、円板状半月といって、断面で三日月形ではなく、本当の半月の形をしていて厚い半月板を持った方がいます。厚く大きな半月板は損傷を受けやすいのです。外側が円板状の分厚い半月板のことが多く、これは、先天的な形ですので、明らかな怪我もないのに10歳以下の幼少時から症状が出ることがあります。軽いと、完全に膝が伸展できない症状が特徴です。

 

診断は、半月板はレントゲンでは写りません。MRI検査が有用ですが、損傷が軽いと異常として現れないこともあります。MRI検査がなかった時代には、空気と造影剤を一緒に膝に注射する関節造影検査がよく行われました。しかし、いずれも細かい損傷はわからないことが多いため、症状が改善しない時は、関節鏡(関節の中を見る内視鏡)で直接中を見ます。この検査は、下半身麻酔をして、ばい菌が入らないように清潔にして行わなければなりませんので、手術室で手術と同じ状況で行います。麻酔もかけますので、手術前の血液、心電図などの検査も必要ですし、手術後入院が必要です。したがって、この検査を行う時は、同時に悪くなっている部分の処置(切除、縫合など)を行います。→(関節)鏡視下手術((かんせつ)きょうしかしゅじゅつ)といいます。

半月板そのものは、血管がなく血液が流れていませんので、修復する能力がありません。半月板そのものが、切れて(断裂して)障害がひどいと、手術しか治る方法がなくなります。が、周りの組織と付いている部分の断裂は、周りからの血流で修復する可能性がありますし、軽い損傷(断裂)ですと、障害がなんとなく薄れてきて日常生活に困ることもなくなります。このような場合は手術しないで治るのを待ちます。半月板そのものの損傷では、出血しませんので、膝が腫れることもなく、通常は、装具を着けて安静にし、回復状況を診て、膝の運動を始めます。

また、大きく動いて、引っかかって、膝が動かなくなることもあります。この場合は、関節の中に麻酔剤を入れた後、引っ掛かりを取る整復術を行うこともあります。

手術は以前は皮膚を適度に切開して、半月板をすべて取ってしまうことが行われました。しかし、現在は、切れていて悪さをする部分だけを切除したり、縫い合わせば、ある程度元に戻ると考えられる時は、縫合して出来るだけ半月板を残します。半月板はクッションの役割をしますからあった方がよいのです。なくなると、大腿骨側と下腿骨(脛骨けいこつ)側の硬い軟骨が直接こすれて、より早くすりへってしまいます。逆に、切れている部分は、ひっかかったりして、硬い軟骨をどんどん削ってしまいますので、ない方がよいのです。

関節鏡(関節の中を見る内視鏡)を見ながら行うことができる時は、皮膚を大きく切開することなく手術することも出来ます。(=前述の鏡視下手術)今流行の内視鏡で見ながらの手術は実はこの手術が始まりです。

 

前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)損傷(断裂)

 

膝の解剖の図で、大腿骨の中央後方から、脛骨(脛骨)=下腿骨の中央前方に付く靭帯が、

前十字靭帯です。この靭帯は下腿が大腿骨に対して前方向に飛び出さないように制動をかけています。この靭帯が損傷したり、断裂したりして、機能しなくなると、下腿が前方向に動き、膝を踏ん張った時、走って急にとまったり、坂道や階段を下りたり、前へジャンプして着地したりした時に、不安定となり、痛みが出たりします。非常に不都合な状態となるため、重要な役割をする靭帯です。

診断は、膝を90度に曲げた位置で、下腿を前に引き出すストレスをかけ、横から膝をレントゲン撮影して不安定の有無を見る検査(前方引き出しテスト)で判断は可能です。が、靭帯そのものは写りませんので、靭帯自体の状態がわかるのは、半月板と同じMRI検査が必要です。

靭帯も切れ方、切れる部位により、修復程度が変わります。中央部で完全に断裂すると、再び靭帯が着いて治る見込みはなくなりますが、大腿骨や、下腿骨についている付近の損傷では、修復する可能性が高くなります。

治療は、急に損傷した時は、まず、ギプスなどで固定安静とします。痛みが軽くなって時点で、装具を着けながら、動かす運動を始めます。開始時期は損傷の程度で違いますが、完全に靭帯が修復するのを待つと、大腿四頭筋などの筋力も落ちますし、軟骨も弱くなり、関節も固くなって、かえって回復が遅れます。そして、かなり関節が動くようになり、歩けても、少しぐらい走れても、装具は膝が安定するまで、着け続ける必要があります。

不安定感が残る時は、大腿四頭筋の筋力回復が重要です。(筋トレ方法は前回述べました。)この筋力が強ければ、膝を曲げて踏ん張った時に、膝蓋骨から膝蓋靭帯を伝わって、脛骨結節に力が伝わり、その作用で、下腿が前に出ることを制限してくれます。

損傷がひどく(=完全に断裂してる時など)は、これからの膝の使い方によって手術を行います。スポーツ選手は膝を酷使しますので、手術する確率は高くなります。逆に年を取られて、あまり動かないような方は必要ありません。手術方法は、自分自身の膝の周囲のほかの靭帯(例えば膝蓋靭帯)や、腱を利用して、前十字靭帯の部分を修復する手術がメインです。手術後の治療経過は、初めに述べた手術しない時と同じになります。関節鏡視下に行うことも可能です。関節鏡は、MRIではっきりしない損傷もわかりますので、診断の補助になりますし、手術も以前より関節を大きく切開することなく行うことが出来ます。

 

後十字靭帯(こうじゅうじじんたい)損傷(断裂)

 

大腿骨の中央前方より、脛骨(下腿骨)後方中央につく靭帯です。

こちらは、大腿骨に対して、下腿骨が後方に動くことを押さえます。

診断は、前十時靭帯と同じです。 レントゲンでは、膝を90度に曲げた位置で、下腿を後方に押し込んで横から撮影します。後方に不安定性があるか判断します。が、直接靭帯が写って確定できるのはMRI検査です。

前十字靭帯損傷との大きな違いは、こちらは、後方に不安定性が残っていても、通常は不便さを感じないことです。したがって、手術することはなく、痛みが引くまでギプス固定、膝装具固定などで回復を待てば充分です。

 

内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)損傷(断裂)

 

この靭帯は、内側に膝の半月板に付いてる構造です。診断は、膝を伸ばしたまま、膝の内側を広げるように下腿を外側に引っ張って、レントゲン撮影(外反ストレステスト)をします。損傷が強いと、膝の内側の関節の隙間が大きく広がります。→外反不安定性(がいはんふあんていせい)。関節造影の検査を行って、造影剤が内側から関節の外へもれる場合は、靭帯に穴が空いている断裂です。

治療は、軽度の断裂は前に述べたギプス固定→装具装着、膝の運動 で治療します。外反不安定性が強い時は、手術で縫合して、その後ギプス固定→装具治療と同じ治療を行います。

外側の靭帯は? 

外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)といいますが、これが単独で断裂することは稀になります。たとえ切れても、この靭帯は小さいので、固定後、膝の運動を行う治療を行うことで充分です。

 

膝蓋骨骨折(しつがいこつこっせつ)

 

膝頭(ひざがしら)、膝のお皿を、膝を曲げまま強く当てた時などに生じます。横方向に骨折することが多く、大腿四頭筋の力で上側(=頭側)骨は、上方(頭の方)へ引っ張られ、下側(=足先側)の骨は、膝蓋靭帯で、下腿の骨とくっついているままなので、骨折部で離れて隙間が空くことも多くなります。さらに、強く打つと、縦方向にも割れて、ひどいと粉々になります。

診断はレントゲンでわかります。

治療は、骨折線が離れていない時は、膝を伸ばしたままギプス固定→装具装着で、少しずつ膝の屈伸運動開始がよいです。骨が完全につくまで固定し続けると膝が曲がらなくなって、膝を曲げるリハビリテーションに月単位の時間がかかります。

骨折部が離れている時は、骨がつきませんので、手術して、スクリューや鋼線、ワイヤーなどで固定します。いくつかに分かれていても、出来るだけ骨をくっつけて止めます。ひとつひとつ止められないほどばらばらになっていても、ワイヤーで外周をまとめてしばって、ひとつにまとめます。手術後は、ギプス固定→装具装着、運動を少しずつ始める と、手術しない時と同じ治療がよいです。

 

膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)

 

膝蓋骨は、通常、外側に外れます。外れやすい方は、前回お話した、膝蓋骨と、大腿骨のかみ合わせが悪い上、外反膝(がいはんひざ)の形になっている、関節が柔らかく動きが大きい、などを兼ね備えた時に見られます。そのため、比較的若い女性に多いです。外れやすい方は繰り返し外れることがあり、習慣性(反復性)膝蓋骨脱臼(しゅうかんせい(はんぷくせい)しつがいこつだっきゅう)とよばれます。

来院された時は、元にはまっていることも多く、そのままギプス固定後、膝蓋骨の周りを抑えるタイプの装具を着けて、少しずつ膝の運動を開始します。もちろん、大腿四頭筋力は強い方がよいです。手術は、頻繁に繰り返し脱臼する方に行います。膝蓋骨が外側に行かないように、膝蓋靭帯(膝蓋腱)の付く脛骨結節を、骨ごと内側にずらして止めたり、自身の腱を使って膝蓋骨を内側に引っ張って止めたりします。手術後は、やはり、手術しない時と同じように治療を行います。

 

脛骨高原骨折(けいこつこうげんこっせつ)

 

膝の下腿側の関節面の骨を脛骨高原と呼びます。この部分の骨折をこう呼びますが、関節にかかる骨折部分が離れていたり、関節面の部分の骨が下方(足側)に落ち込んでいる時には、手術を行います。特に、関節の荷重(体重が載る)部分の骨が陥没している時は、その骨を持ち上げて、持ち上げた骨の下に隙間が出来るので、その部分に骨移植(自分の骨を骨盤の前の腸骨からとってきて埋め込む)を行って、スクリューなどで止めます。隙間が出来るのは、その部分の骨が構造の弱い海綿骨(かいめんこつ)といって血球(赤血球、白血球など)を造る骨髄だからです。

レントゲンで診断が出来るはずなのですが、関節面が陥没しているだけですと、わからない、見落とされることもあります。この場合、CT,MRI検査が必要です。ギプス固定後、装具を着けて膝の運動を開始する方法は変わりませんが、体重が載る関節面の骨折ですので、その部分に体重を載せて歩ける(荷重歩行)のは、骨が充分ついてからの6〜8週以降です。(荷重が早いと、再び陥没する可能性があります。)

| 病気の話 | 19:08 | - | - | - | - |