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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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本に載っていない整形外科の話
 

首が痛い!3

 

今回は、治療方法の話します。また悲観的になる様な話ですが、あしからず。

 

まず、大前提は、

すべての方に効果がある、(ひとつの)治療方法

はない!

首の痛み とは限りません。

この治療は すべての痛みに 効果があります。

という治療方法はありません。

もし、そのような治療方法をうたっている宣伝がありましたら、嘘 です。

 

整形外科の治療だけではすべての痛みは取れない

 

整形外科は、外科と名前が付くように、手術治療で治すことが治療の根本になる。

 

どのような方が手術になるのか?

 

1、首では、腕に行く神経の圧迫が強くて、他の治療をしても痛みが取れない方

 

椎間板ヘルニアが大きく神経の出口の方に飛び出して、腕に行く神経の圧迫が強い時、

神経根ブロック、首の硬膜外ブロックを行っても、痛みが改善しない、感覚障害、筋力低下が改善しない 時です。

軽い方は、痛み止めを飲んだり、首を引っ張る牽引治療などを受けることで、改善しますが、それでもよくならないときに、上に述べた、神経ブロックを行います。

 

神経ブロックとは、神経の周囲に麻酔剤を注射して、痛みが脳の方へ伝わることをブロックする治療です。麻酔が切れた後も痛みを抑え続ける効果が期待できます。

 

一度痛みが伝わることを遮断すると、麻酔が切れた後も、過剰に伝わっていた信号を抑えることが出来ます。

いままでの痛みとは、別の刺激を神経に与え、脳に伝わりますので、脳のほうから、痛みを抑える指令が出ます。

(これらのことは後でまた説明します。)

麻酔剤が、痛みの原因部分に当たれば、痛みがない間に、体自身が悪い部分を修復するように働く とも考えられます。

 

ただし、原因部分がかなり悪い時は、麻酔が切れるとまたもとの痛みに戻ってしまいます。

 

首が痛い! で来られて、頚椎椎間板ヘルニアの症状の方は少ないと述べました。そのヘルニアになっている方で、さらに今お話した治療でも治らないようなひどい方は、かなり少なくなります。

 

2、脊髄が圧迫されて、神経麻痺の症状が進行してしまう方

 

前々回の述べた話です。手が痺れて、細かい運動が出来なくなる。脚が突っ張ってうまく運べなくなる などの症状が進んでしまう時です。

脊柱管が狭い方が少ない上、その中で、脊髄の圧迫症状が、このように進行する方も少ないです。

 

手術をしたら、元の状態に戻るのか?

 

形を、元の状態にもどすことは出来ない。

腰なども含めた、脊椎の手術の共通に言える事です。

 

手術では、ヘルニアなど、飛び出した悪い部分を切除する。

飛び出すような椎間板は、悪くなっている椎間板である。

切除したら、よい椎間板が出来てくるのか?

そうではありません。

 

椎間板ヘルニアは、髄核が飛び出します。その髄核を出来るだけすべて取ります。残しておくと、残った髄核がまた飛び出す可能性があるからです。

髄核がなくなった椎間板は、繊維輪という組織で支えられます。なくなった髄核は、別の組織で埋まりますが、元の様にしっかりしてはいないのです。

しっかりしていないで、ぐらぐらしていると、そこで痛みがでますので、固定をする必要があります。

特に首では、椎間板を繊維輪を含めてすべてとりますので、椎間板の部分が空洞になってしまいます。そこで、その部分を自分の骨を植えて固定をするのです。

首の前の方から手術して、頚椎の前の部分(椎体)を固定しますので、頚椎前方固定術といいます。

二つの椎体をくっつけて、ひとつの骨にするのです。


どの骨を植えるかというと、自身の腸骨の前の部分の骨です。自分の骨でないと、体が拒絶反応を起こすためです。→他人の骨ですと、異物として体は排除しようとします。

その中で、腸骨(骨盤の前の左右の骨)の骨は、骨髄が豊富で、つきやすいため、一番利用されます。

 

脊椎の狭いところを開く手術は、脊柱管拡大術といいますが、図のように首の後方から手術して開きます。真ん中を切って左右に開く時は、開いた中央部に同じように自分の骨を植えて開いた骨がまた閉じないように固定します。片側を切って開くときは、骨を植えません。そのままで開き続けることが出来ます。

 

いずれも、元のよい状態に戻ったとは、とてもいえませんね。

 

しかし、圧迫されているところを取り除けば、神経への圧迫は取れますから、症状は楽になるはずです。

 

それには、条件があると思います。

 

1、飛び出しているヘルニアに神経が圧迫されていることにより、それに見合う症状が出ていること。

 

当たり前のことですが、圧迫されている程度に等しい痛み、症状が出ているかどうかです。

椎間板が小さくて、圧迫が軽度にもかかわらず、つらい痛みを訴える時などは要注意です。

特に腰椎の椎間板ヘルニアなど、そこからの痛みと説明が出来ないほどのつらい痛みなどの症状を訴えている時は、手術で椎間板を取るときに神経を少しどかしますので、=触りますから、逆につらくなることもあります。(後述)

 

そこからの以外の痛みが出ている時は、当然、その症状は残ります。

MRI検査で明らかにそこだけにヘルニアがあり、それに見合う症状があれば確実ですが、はっきりしない時は、

前回お話した、悪い部分に注射して、痛みが取れれば確実です。

 

 

 

脊柱管が狭い方に広げる手術をする時は、前に述べた指の動きが悪くなる、脚がつっぱってうまく歩けなくなる などの症状が進む時です。

すでに、進行してしまっていて、時間が経ちすぎていますと、手術しても、回復が悪くなります。手の動きはよくなったが、痺れや、脚のつっぱり感が残るなど。

 

上に述べた腰の手術をして逆に痛みなどの症状がつらくなる話は、例は非常に少ないのですが、お話しておきます。もちろん、神経を切ってしまったり、ちぎってしまったりする医療ミスではないときです。

首では、直接神経に触ることが少ないので、少ないです。

 

2、手術する時に、悪い神経をよけて、ヘルニアをとる必要があるときは、神経に触りますので、そのことにより、痛みが残ったり、別の痛みが出たりすることがある。

手術で圧迫を取ると、痛みが出ている神経の走っている角度などが変わりますから、そこで別の痛みが出る。

痛みは取れたのに、痺れが残ることもあります。

手術前に麻痺している筋力が、順調に回復するとは限りません。麻痺したままのこともあります。

 

3、神経への血流が悪くなったり、手術の時に、神経を触るので、手術後に、神経が回りの組織にくっついて、別の症状が出ることがある。(手術で、触った部分は、多少なりとも、手術後に、組織がくっつきます。)

特に糖尿病がある方は、神経がやられやすくなっていて、手術の時に、軽く引いているだけで、神経麻痺の症状、特に、その神経が支配している筋力が落ちることがあります。神経を切ったりつぶしたりしなくても です。=医療ミスではありません。

首では、脊柱管狭窄症のとき、脊椎の後ろの部分を広げる時、脊髄へ行く血管をある程度損傷しますので、血流が悪くなって、麻痺を起こすこともあります。=通常の手順での手術ですから医療ミスではありません。

 

したがって、

手術がうまくいたからといって、すべての症状が取れるわけではないのです。

そこで、今ある症状と、手術後残るであろうと考えられる症状を、天秤にかけて、それでも、手術した方がよい と判断される時が、手術を薦める時です。

 

 

受ける側も、命にかかわる病気ではありませんので、

手術を希望する方は少ない。

 

以上より、手術で治す例は、かなり少ない となります。

 

悲観的な話をしましたが、少しぐらい別の症状が残っても、今あるつらい症状が取れた時は、非常に快適です。手術が成功している方は、このような例ですし、

行う側も、出来るだけそうならないように勤めているのです。

手術した方がよい の判断が的確な先生(もちろん手術もうまくいくことが前提)なら、手術した方は、ほとんど、すべてよくなります。

 

 

一方、整形外科では、手術治療以外の治療は、どうしても手薄になる。

 

整形外科の手術以外の治療といったら、牽引する治療がメインです。

 

頚椎椎間板へルニア、頚椎椎間板症(=頚椎の椎間板から痛みが出ている時)、頚椎の椎間関節から痛みが出ている時は、牽引治療が、低周波電流刺激、レーザー光線照射、超音波照射などの痛みを抑える治療(ホームページ参照)より有効な場合が多い印象です。

 

ところが、牽引治療を行うと逆につらくなることがあります。

痛みが強く出ている初期には特に起こりえます。

が、少しぐらい痛みが強くなっても、その後(半日ぐらいの方もいれば、3,4日後の方もいます)痛みが楽になりますから、有効なのですが、痛みが強くなることで、悪くなったと感じるのが人間です。

 

牽引は、強い痛みが落着いて、それでも腕の痺れなどの症状が取れないときには、有効になります。

 

他の痛みを抑える方法は、

 

消炎鎮痛処置 (炎症と痛みをとる処置) あるいは、痛みを取って日常生活、社会生活復帰させるという意味の、リハビリテーション(リハビリ)という言葉で表します。

整形外科では、低周波電流刺激装置(トリオ、SSP、干渉波など多数あります。)や、 極超短波、ホットパックなどの温熱治療(あたためる治療)などの治療を行っていることがあり、低出力なレーザー光線治療(スパーライザー光線もこの一種)になると、少なくなります。当院で使われている超音波治療となるとさらに普及は少なくなります。他にリラクゼーション目的の、水圧式マッサージベット、カプセルタイプの装置などいろいろですが、ほとんど開業医が使用していて、一般病院には見られません。

筋力トレーニングや、関節をほぐす運動療法を行うリハビリテーションは、通常、理学療法士という資格のある方が行っていています。資格がない方でも、マッサージなどを行っています。関節運動学的アプローチもこの運動療法を行うリハビリテーションに入りますが、あまり普及しておりません。

 

神経ブロック治療は?

 

痛みが出ている部分には、痛みの発生部位とは別に、トリガーポイントと呼ばれる部位があります。この部位に注射すると、痛みが楽になることがあります。

使う薬は、麻酔剤が多いのですが、他の薬でも構いません。

皮膚のすぐ下の部分に薬を入れますので、安全で施行後すぐ帰れます。整形外科でも、行うことが多いです。

痛みが皮膚のポイントに表れている時は、病気の種類にかかわらず、有効です。が、椎間板ヘルニアで、神経の圧迫が強い例では、効果が余りありません。

 

首の神経根のそばに注射するブロックは、レントゲン透視を見ながら行わないと、目的の部位の神経に当たったかどうか正確には判断できませんが、見ないで行うことも可能です。

椎間板ヘルニアで、神経が圧迫されている時、その痛みの原因部分に当たったときは、特に有効です。

 

他に、首では、星状神経節ブロック、首の硬膜外ブロックなどがあります。整形外科では施行できる先生が少なくなり、麻酔科の先生が行うことが多くなります。

星状神経節ブロックは、痛みに敏感になっていて、余計な痛みが出ている時に有効です。頚椎椎間板ヘルニアでも、ヘルニアの圧迫による痛み以外の強い痛みがあった場合は、有効です。

首の硬膜外ブロックは、脊柱管内の、硬膜の外に直接麻酔剤を入れますので、椎間板ヘルニアや、脊柱管内に圧迫の原因がある病気のほか、腕や、首周囲からの神経が、脳に到達することをブロックしますので、首の外に痛みの原因のある病気にもある程度、有効です。

この二つのブロックは、自律神経のうちの、交感神経をブロックする作用が強く、血管を広げて、血流を改善する作用もあります。この場合は、首周囲や、上肢の血流の改善になります。(後述)

 

 

(首の)神経ブロック治療は万能ではない

 

ただし、注射をすると、すべての方が楽になるわけではありません。

痛みには有効ですが、痺れ、感覚障害、筋肉の脱力→神経が圧迫されて麻痺している状態となると、効果が悪くなります。これは、より強力な、星状神経節ブロックや、硬膜外ブロックにもいえることです。

 

痛い方でも、痛みに敏感になっていると、逆に、注射して薬を入れるという刺激で痛みが強くなることがあります。

その後、痛みが楽になれば、有効です。次の日楽になる方、3,4日つらくて、その後楽になる方など、その期間は人によって異なりますが、なかなか楽にならない方に、施行し続けると、痛みがどんどん強くなって、痛みが取れなくなる病気に移行することがあります。


何故このようなことになるか、

痛みを感じる仕組みを簡単に話します。

 

過去にも何回かお話したことですが、また、お話しておきます。

 

1、痛みは、皮膚、関節、筋肉などから知覚神経を伝わって、脊髄を上昇し、脳に伝わります。

2、その感覚を、で、痛い と感じます。

3、痛みを感じた時、脳や脊髄から、痛みを抑える指令が出て、痛みを伝える神経の作用を抑えます。

 

痛みを感じ方が違うのは、以上のバランスの問題です。

 

1の神経の痛みの伝わり方が鈍ければ、痛みの感じ方は小さくなります。

 

骨折などの外傷などで、ひどく悪い部分が体に生じると、その部分から痛みの信号が出続けて、異常な信号量になることがあります。激痛になったままの方はこの状態の方です。

 

神経ブロックは、この神経で痛みを伝えることを一度麻酔剤でブロックします。麻酔剤が効いている間は、痛みがなくなりますし、麻酔が切れた後、痛みの伝わり方を元の落着いた状態に戻すことができます。

 

2の脳で痛みの感じ方が少なければ、痛みはあまり気になりません。

 

3の痛みを抑える神経がよく働いていれば、痛みは比較的楽になります。

 

骨折などの外傷で、初めは激痛でも、しばらくすると、痛みが楽になってきます。来院された時に比較的に痛みが収まっている方は、この神経がよく働いている方です。

1の方は、痛みが過剰に伝わりすぎていて、この神経の作用が間に合わず、激痛のままですが、一度ブロックすると、痛みの伝わり方が元に戻りますので、この神経の機能も働いて、痛みが楽になります。

 

私は、すべての治療は3の痛みを抑える神経を利用していると考えています。

ブロック注射などの別の痛みを与えることはもちろん、前に述べたすべての消炎鎮痛処置は、別の刺激を与えることで、痛みを抑える神経の働きを促しているのです。

 

痛みに敏感になっていて痛みを強く感じる時は、

 

1の痛みを伝える神経が敏感になっていて過剰に痛みを脳へ伝えている。

2の脳での痛みの感じ方が大きくなっている。

3の痛みを抑える神経の働きが悪くなっている。

です。

このうちどれが一番関与しているかは、人それぞれですし、3つのうち3つとも関与していることもあります。

上に述べた状態ですと、注射などの痛みの刺激を与えると、痛みがつらくなりそうな気がしますね。

 


自律神経が、痛みの感じ方をコントロールする。

 

この話も過去に何回かいたしましたが、またお話しておきます。

 

自律神経は、自分の意思でコントロールできない神経です。物を取ろうと思って、動かす動作は、脳からの指令が、神経を伝わって筋肉を動かしますので、自分の意思でコントロールできるのですが、心臓を拍動させたり、物を消化したりするときに作用する神経は、自分の意思とは関係なく働きます。このような神経が自律神経です。

内蔵の機能を高めたり、身体の生命保持機能を安定させる副交感神経と、緊急、緊張時に心臓の拍動を高めて、脳に血流が多く行くように、他の部分の血管を修復させ、内蔵の機能を抑えて備える交感神経の2種類があります。

 

副交感神経は、脳幹部と脊髄下部に中枢があり、交感神経は、脊髄に入る直前の脊椎の傍らに中枢が並んであります。このうち、首の下部にある大きな交感神経の中枢が星状神経節です。

交感神経は、痛みの神経の通り道(痛みを体の先から脳へ伝える神経)、運動神経の通り道(脳から筋肉へ指令を送る神経)の傍にあり、痛いとき、それを避けるように体をより敏感に反応させように働きます。つまり、痛みを強く感じさせるように働きます。この時、交感神経の機能が、副交感神経の機能より強く作用してます。次のような状態です。

 

交感神経が緊張している時

ストレス、緊張、いらいらなどが強い時、痛みが続いている時になります。

 

この状態ですと、痛みを抑える神経の機能が落ちて、痛みをよりつらく感じます。痛みに敏感になるのです。その交感神経の機能を抑えるのが、前述した神経ブロックです。この状態になっていて、痛みがつらい時は、交感神経を一度ブロックすると、機能が落着きますので、麻酔が切れた後も痛みが楽になるのです。

 

副交感神経の機能が落ちている時

一方、交感神経の機能が正常でも、副交感神経の神経の機能が落ちると、交感神経が副交感神経より強く作用していることになります。

更年期障害の症状は、脳幹部での副交感神経の機能が落ちている時の症状です。動悸(心臓の拍動数が挙がる)便秘、吐き気(消化器の機能が落ちる)めまいや、血管が収縮して下肢が冷える、それに対して、脳の血流は保たれて、上肢はほてる などの症状がでます。

 

この状態で、交感神経をブロックすると、痛みに敏感になっている状態は改善されると考えますが、他の症状は残る可能性もあります。しかし、腰にブロックを行うと、下肢の血流が改善されて下肢の冷えた感覚が改善する。交感神経をブロックすることで、副交感神経の機能が高めて症状が和らぐ(身体は、どちらかが、有利に働くようになっているはずです。)とも考えられます。

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