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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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本に載っていない整形外科の話
 

痛みの話(+α)

 

悲観的な話の続きをします。

首の痛みとは限りません。痛みの診断と治療は難しいことがある。 と思ってくだされば、結構です。

前回述べた痛みを感じる仕組みの私の考え の続きの話です。

 

1の痛みの伝える神経が過剰に働く 

は、

外傷で、強い痛みが送り続けられる時、骨折してずれたまま形を戻していない時、脱臼してもどしていない時におこります。

椎間板ヘルニアなどでもおこります。

一言で言うと、強い痛みを我慢してしまった時、強い痛みにさらされていると、起こります。

手首の軽い骨折にもかかわらず、うめくような痛みがあって、手を押さえながら来院されるお子さん。

足首の捻挫であるにもかかわらず、痛くて足がつけないので、けんけんをするお子さん。

足の捻挫で、痛くて足がつけないので、歩けずに車椅子で移動している女性。

頚部痛で、来院できたにもかかわらず、待っていられなくなり、ベットで横になっている女性。

頚部痛で、診察で腕を動かす(炎症が強いと首は動かなくなります。)と痛みが強く出て、ほとんど腕を動かせない状態の女性。

腰痛で、仰向けに寝て(腰が動かないほどの腰痛では、仰向けに寝れません。)脚を動かした時だけ、強い痛みが出る男性。

 

これらは、重度の障害がないのに、それ以上の痛みが出ている状態です。

 

 

長く痛みが続いていて、我慢してしまった時

神経が痛みに長くさらされていると、痛みの原因がなくなっても、神経が痛みを伝え続ける という状態になります。

急に激痛がくる。が、しばらくすると治る。

焼けるような、チクチクする、ぴりぴりした感覚がある。

少し触っただけ、押しただけでつらい痛みが出る。

冷たい物や、熱い物に触ると痛みが出る。

痛みがある場所に痺れがある。

など、このような痛みの出方 になります。

 

椎間板ヘルニアがあまり大きくないのに、あるいは、検査で悪い原因部位がないのにもかかわらず、つらい痛みが続いている。

 

こちらも、障害部位の程度より、強い痛みが出ています。

 

 

3の痛みを抑える神経の機能が落ちる

は、

自律神経の機能が乱れているとき→交感神経の機能が副交感神経の機能より強い時 

です。

また、1の痛みを伝える神経が過剰に働いていると、同時に、この痛みを抑える神経の機能も低下している、あるいは、この機能が働いても痛みを抑えきれない と考えます。

 

治療で神経ブロック注射や、痛みが出ている部位に注射すると治るのではなく、逆に痛みがつらくなってしまった。

超音波照射する、あるいは、低周波の電流を流す治療を受けたら、逆につらくなってしまった。

このような反応になります。ただ、通常は、いつまでも痛みが続くのではなく、半日だけつらかった。3〜4日つらかった。などです。

 

 

今回の新しい話は、

 

2の脳で痛みを強く感じるとはどのような人か

 

今までの経験で、次のような方に診られる傾向があります。

痛みを気にする方、すべての物事を気にする方

→ひとつのことをいつまでもいろいろ考えて悩みやすい方

うつ病になっている方もいます。

よい方向に働けば、よく気がついて、如才のない方になります。

→ひとつのことをそうだと考え、思い込みますので、それを違うといわれたときは、逆に怒ります。他の人から見れば、何でこれくらいのことで怒るのか、ということになります。

俗に言う 切れる方 になります。

 

また、脳梗塞、脳出血の後や、認知症の方にも起こりえます。

 

診察所見では、首、腰、腕、脚を動かしても、何も異常所見が出ません。MRI検査で、椎間板ヘルニアなど異常所見が出ません。にもかかわらず、首が痛くてつらい 腰が痛くてつらい と訴えます。

痛みがつらいことばかり話します。 

 

不安や心配、恐怖、怒り(いらいら)、の感情が、脳での痛みの感じ方を強くする。ドパミンという神経の信号を伝える物質が脳での痛みを感じている部分で低くなり、オピオイド(後で少し述べます。)を感じ取る機構も減り、痛みを抑える神経の機能も低下する。 

というデータがあります。

同じく、緊張、疲労、ストレスにさらされていても、同じことが起こると推測します。

オピオイド≒麻薬が効かなくなる方もいる という事です。

 

これらの3つの状態が、通常は、いくらかずつでも組み合わさって、つらい痛みを感じている と考えています。

 

1人1人の方が、痛みに対して、今まで述べてきたどの状態に陥っているのか、診断がむずかしい。

 

神経の敏感度を測定する器械や、質問表がありますが、時間と手間がかかり、大勢の方に行うのは難しい状況です。

来られた方が、1の痛みの伝わり方が過剰か、2の痛みを脳で強く感じているのか、3の痛みを抑える神経の働きが悪くなっているのか、あるいは、いくつかの要素が組み合わさっているのか、診察でおおよそは予想できます。

が、実際に治療を行ってみないと、わからないこともあります。

例えば、浅いトリガーポイントなどのブロックを行って、その後、痛みがつらくなったことで、始めて判断できることもあります。

 

わかりやすい診断例を挙げておきます。

同じ上腕の肩関節の部分での骨折例でも、痛みの反応がまったく違います。

 

]咾猟砲澆強くて、よい方の腕で痛い方の腕を抑え続けている、脚は異常ないのに、歩くと響くため、歩行が出来ずに、車椅子で移動している中年女性。

肩関節の部分を少し痛がっているが、あまり騒がないため、様子を見ていたら二の腕が腫れてきたので、家族が心配して半日たって連れてこられた老年の女性。

レントゲンでは、ともに同じ骨折でした。

,諒は、1の痛みを伝える神経が過剰に働いていて、3の痛みを抑える神経がほとんど働いていません。2の脳での痛みの感じ方も強いかもしれません。

△諒は、3の痛みを抑える神経が充分に働いている、加えて、2の脳での痛みの感じ方が鈍くなっているのかもしれません。

 

この骨折での通常の痛みの反応は、

O咾痛いので、よい方の腕で、悪い方の腕を抑えながら歩けます。

 

つぎは、治療の話です。

 

1の痛みを伝える神経が過剰に痛みを伝える場合

 

この神経の痛みの余計な伝わりを抑えるリリカ(薬品名プレガバリン)という薬が昨年の夏に発売されました。もちろん、この状態になっていると診察で判断できないと結果が違いますが、使ってみると、効く方が多いのです。効果抜群の方もいる一方、効果がない方もいます。ふらふらする、ぼうっとする 眠い、などの副作用も出ることもあります。

 

骨折や、脱臼の方でこの状態になっている時は、麻酔して整復すると、元の状態に戻ります。

 

3の痛みを抑える神経の機能が悪い場合

 

自律神経のうち、交感神経が過剰に働いてつらい痛みが出ている場合は、神経ブロックが効きます。ただし、交感神経が過剰に働いているかどうか、検査、診察で確定できません。

痛みを抑える神経の機能を高める作用は、ノイロトロピンという薬が最も効果的と考えています。かなりの方に、効果があります。1の状態でも、軽い方には効果があります。関節の障害の時にも効果(リリカは神経の障害の時に使う薬で、関節の障害の時には使いません。)があり、炎症も軽くなる印象です。

 

2の脳で痛みを強く感じている方

 

アセトアミノフェンは お子さんに使う痛み止め、兼、熱さまし ですが、脳で直接痛みをブロックする作用もあるため、頭痛によく使われますが、効果は強くありません。

整形外科では、デパスという筋肉の緊張を和らげて、痛みなど気にならなくなる作用の薬を出しますが、効果があるのは、軽い方のみです。

抗うつ剤、向精神薬など、精神面に作用する薬を出す場合もありますが、痛みの感じ方を強く抑える作用の薬はありません。

 

 

 

 

以上述べてきたような、痛みを感じる神経のバランスを崩れていると考えられる方は、

神経ブロックの効き方も定かでない と考えられます。

一度ブロックすると、痛みの反応が、元の状態に戻ってゆく。

これが通常の反応です。

例えば、

首の痛みで、星状神経節ブロックを行うと、楽になった。

レントゲン透視を見ながら、原因部位の頚椎の椎間関節(神経の出口のすぐそばに当たります。)にブロックしたら、楽になった。

などです。

しかし、

行っても全く痛みが変わらない。

注射の刺激で、逆に痛みが強くなったままになる。

痛みが一時的に改善しても、麻酔が切れると再び痛くなって、痛くなくなっている時間があった分、再びの痛みがよりつらく感じる。

あるいは、ブロックした時はよいが、また痛くなって、繰り返し行っても改善してこない。

→神経ブロックは、何回か行って、改善ないときは、違う治療を選んだ方がよい となります。

 

痛み止め(=消炎鎮痛剤)は、

炎症を抑えて、痛みを抑える薬ですから、原因部位に炎症があって痛みが神経を伝わって感じている時は、効果があります。しかし、原因部位が悪くないのに、神経が痛みを伝え続けていたり、痛みを抑える神経の作用も弱く、痛みを脳で強く感じている状態では、効果がありません。

 

麻薬や、麻薬を元にして造られた、拮抗性鎮痛薬=オピオイド

 

脳にオピオイドを感じ取る機構があり、痛みを最も強く遮断します。

強い痛みを抑えるため、つらい時だけ、何回か、月日をあけて使うなら問題ないと考えますが、

使い続けていますと、

使っているうちに段々と効き目が弱くなり、次第に量を増やしていかなければ効かなくなります。

止めようとして、効果の弱い他の薬を使っても、効きません。

より強い薬を使うしかありません。

=麻薬を使っている方は、オピオイドは効きません。麻薬が一番強い作用だからです。

=オピオイドを使っている時は、効かなくなったら麻薬を使うしかないのです。

(リリカを多く使うと、止められた方がいるという報告を読みましたが。・・・・)

(神経ブロックが効くなら、それで、痛みを抑えることは出来ます。)

→そのため、その同じ薬でないと効かないので、その薬を欲しがるようになり、量が増えて、依存症になる可能性があります。

→そのため、日本では、癌の(末期の)方に主に使われて、通常の改善しない慢性的な痛みに対しては、普及していません。

 

漢方薬は?

これらの西洋医学の治療の効果がない方にも、うまく合えば、効果がある例は、いろいろ紹介されています。ただ、それぞれの方で、出す薬が違うため、診察に時間を取られるのが、難点です。

効く薬は、ある程度しぼられていますので、これからの使用経験で確認して行く予定です。

 

 

このような状態になっている方は、

痛みの病気 になっている 

優しく言えば、痛みに敏感になっている

と私は考えます。

 

このような状態になっている方が、痛みが出ている方全体のどれだけの割合を占めるか不明です。

このようになっている方が

治療してもなかなか治らずに、通い続けることになりますので、余計に印象に残ります。

 

ただし、痛みに敏感になっているのは、体のその部分だけ(痛いところだけ)のことが多いのです。

首でしたら、首だけ、腰でしたら、腰だけ、肩関節でしたら、肩だけなど

首が痛みに敏感になっていても、腰は通常の痛み止めで楽になる。

腰が痛みに敏感になっていても、首は、超音波治療だけで楽になる。

などです。

 

話を優しい表現にしてみます。

 

あなたは痛みに敏感になっていませんか?

 

痛みのことが気になっていませんか?

普段は気にしていなくても、

友人や、家族に、痛みのことばかり話します。

(=重い病気になると、その病気のことばかりを人に言うようになります。)

お医者さん前では、痛みのことばかり 話します。

夜、布団に入ると、他に気がまぎれないので、余計に痛みのことが気になります。

痛みは気にすればするほど、つらく感じます。

 

痛みがあっても、日常生活はかなり普通に出来てはいませんか?

ある一部の動作、ある時だけに痛みがあるのではないですか?

痛みがあっても、仕事はある程度普通に出来ていますか?

逆に痛いので仕事は出来ないと 長期間休んではいないですか?

 

思い当たる方は

痛みから気をそらしましょう!

痛みのことをあまり訴えないことも大事です。

少しぐらい痛みがあっても、痛みがでないようにうまく日常生活や、仕事、可能なら運動をしてゆきましょう!

痛みがあるのでどうなってしまうのか不安がらずに、前向きに好きなことを行ってゆきましょう!

 

不安や心配、恐怖、怒り、の感情が脳での痛みの感じ方を強くする。

のですから、くよくよ考えずに、ストレス、緊張を避けるようにして、穏やかに過ごすことが大事です。

これが痛みを楽にするための、ご本人自身の根本の考え方と思います。

| 本に載っていない話 | 07:49 | - | - | - | - |