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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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本に載っていない整形外科の話
 

首が痛い4

 

話をもどします。

前々回の治療の話の続きから

 

いろいろな治療をしても、なかなかよくならない方がいる

人によって治療の反応が違う

→すべての痛みに効く、ひとつの治療方法はない

 

整形外科の治療では治らない方がいる

だから、カイロ、整体、鍼灸など、いろいろ民間治療があるのだ。

 

首が痛い、腰が痛い、などのとき、整形外科を受診する ということ知らずに、真っ先に、整体や、接骨院 (接骨医は、医師ではなく、柔道整復師です) で治療する方も多いと考えますが、

整形外科で治療してもよくならないので、他の治療を受ける方も多い とも考えます。

あるいは、整形外科で悪い病気か、骨折があるかないか 診断してもらって,大丈夫なら、接骨医で治療するという方もいます。

 

接骨医の歴史を簡単にまとめますと、

江戸時代に、柔術の師が、外傷の治療を行っていました。

明治時代に柔術が柔道というスポーツになって確立してから、柔道を行うものが、柔道を教えるだけでは食べていけないので、以前の柔術師と同じように、外傷の治療も出来るように、柔道整復師として、国家資格が確立されました。

 

一方、整形外科は、20世紀になってから本格的に確立された西洋医学で、その考えや、標榜科目が、全国にどんどん普及したのは、1970年代になってからで、まだ新しいのです。

例えば、私の祖母は、1960年代中ごろに交通事故で膝を骨折して、近くの外科の病院で治療して、膝がよく動かなくなりましたが、また歩けるようになりました。次に60年代の後半に転倒して、同じ側の大腿骨頚部内側骨折を起こして、前回歩ける様になったので、また外科で治療して、今度は寝たきりになってしまいました。

頚部骨折の内側型は、最初から人工骨頭置換手術をして速やかに歩く練習をしなければ、寝たきりになる という整形外科では当たり前の考えが普及してなかったのです。後からこの手術を行いましたが、すでに時遅く、歩けるようになりませんでした。

 

このような歴史的背景があり、柔道整復師の力が強く、信頼もしている方も多く、民間での治療は、まだまだ必要と考えています。

 

前回の話は

痛みの病気 になっている 

でした。

 

次は、

未病の話  です。

 

未病とは、病気と診断できない病気のことです。

痛みの病気になっている とはまた違う考えと思ってください。

 

日本の漢方では、病気としてではなく、その個人個人の体の状態を診ます。その体の状態が正常でないときは、薬の治療を行います。

通常いろいろな症状を訴えますが、そのうち西洋医学の診断検査では、病気として異常が出ない状態があります。例えば、身体がだるい、疲れる、肩が凝る、背中が張る などです。

これらの状態を病気になる前の状態、未病といいます。

 

上腹部(=みぞおち)の張りと肩こり、背部痛

 

首の周囲で痛みがある未病 というと、これです。

 

実際には、逆流性食道炎や、胃炎のときにも、この症状は出るようです。

逆流性食道炎の方が、この病気で肩が痛くなる ということをご存知ですか?と聞かれたことがあります。肩というので、肩関節をイメージして、聞いたことがないと思いましたが、よくよく尋ねると、肩こりの部分、つまり、首の左右下の部分の痛みが来る ということです。これなら、上の状態です。

 

同じく、軽い胃炎などを起こしても出るのですが、異常が出ない時もあります。

 

胃カメラや、胃の透視を受けるとわかります。血液検査は異常が出ません。

みぞおちを押すと、痛みが出る。硬くなっている。などの所見があります。

首の部分より、肩甲骨の内側から、背中が痛くなる方が多いです。

 

もちろん、過度のスポーツや、怪我がないことが前提です。

 

体を回したり、側屈したりなど、動かすと痛みが出ることも多く、診察で所見がありますが、レントゲンでは通常、異常が出ませんので、背部筋筋膜炎(はいぶきんきんまくえん) の診断になります。

寝返りで痛みが出るときは、骨粗鬆症で痛みが出ている可能性もあります。レントゲンで圧迫骨折がわかれば確定ですが、はっきりしないこともあります。

 

痛みの病気になっているわけではありませんので、

痛み止めを、胃薬と一緒に飲む、と効果があります。

胃が悪くて、痛み止めが飲めない場合は、漢方薬が効きます。

超音波治療などの消炎鎮痛処置が効きます。

 

ただし、長く続いていると、痛みの病気となりますので、注意は必要!

緊張、ストレス、疲労、イライラなどの影響で悪化している可能性が高く、

避けることが望ましい状態です。

胃炎や、胃潰瘍も同じですね。

 

 

更年期障害と肩こり、首の痛み

 

婦人科の診断で、女性ホルモンの量が低下しているときには、更年期障害と診断できますが、そうでないと、

これも未病のひとつです。

 

脳幹部の副交感神経が機能低下している状態と同じと考えています。

めまい、吐き気、動悸、いらいら、のぼせ、冷え などの症状を伴うこともあります。

副交感神経の機能が落ちると、交感神経の機能が強く表れます(前前回述べました)ので、痛みには敏感になり、あちこち痛みが出てくる方がいます。

 

婦人科の更年期に使う三大漢方のうち、痛みに対しては、加味逍遥散(かみしょうようさんが効くことがありますが、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、効果が余りありません。

気のほう、特に気が頭の方に上昇する気逆を調節する桂枝人参湯(けいしにんじんとう)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)などの漢方薬が効くことがあります。

 

更年期障害に効く、メルスモンという、プラセンタの注射も効果があります。

ただし、特定生物由来製剤 に指定されていて、使った製剤の番号と名前を控えておかなければなりません。

この薬、人の胎盤からの抽出液でつくられています。加熱処理をしていますので、ウイルスなどの感染は起こさないはずなのですが、未知の感染症を起こす危険性がある とみなされ、使ったことを記録する必要があるのです。

このことが気になる方には、使用できません。

 

星状神経節のレーザー照射、つぼや、痛みが出ているポイントをいくつかレーザー照射する治療も効果があります。

よほどつらい痛みでない限り、星状神経節ブロックは施行していません。

 

こられの未病からの痛みも、我慢していると、痛みの病気になってしまい、

通常の治療では改善しなくなりますので、早めに痛みを抑えることが大事です。

 

 

次は、未病に入ると考えますが、病名をつけることもある病気です。

 

首のすぐ外の部分で痛みなどの症状が出る病気

 

(頚椎)の中で神経が圧迫されている病気は、

椎間板で圧迫される 椎間板ヘルニア、

脊柱管の中央に椎間板が飛び出れば、脊髄が圧迫され、左右に出れば、腕に行く神経根が圧迫されます。

頚椎の骨が出っ張って圧迫される 頚椎の変形による(変形性)頚椎症((へんけいせい)けいついしょう)、

脊柱管の中央に骨が出っ張れば、頚椎症性脊髄症(けいついしょうせいせきずいしょう)、左右に出っ張れば、頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう) となります。

頚椎の後縦靭帯が骨のようになって肥厚して脊髄が圧迫される頚椎後縦靭帯骨化症(けいついこうじゅうじんたいこっかしょう)

など 

ですが、

 

首の外の部分で、腕に行く神経が刺激されても、症状が出ます。

腕が痺れるだけではなく、肩甲骨や、胸の前面にも痛みなどの症状が出ます。

 

鎖骨と、第1肋骨の間ではっきりと神経や、血管が圧迫されると、

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん) という病気になります。

電話機を耳元につけて持ち続ける腕の位置で、腕が痺れてきます。

 

重いものを持っていて、腕が下に引っ張られると、腕が痺れてくるときは、

肩が下に引っ張られると、首から腕に行く神経も引っ張られて、腕が痺れるのです。

下垂肩症候群(かすいかたしょうこうぐん) という病名がつくことがあります。

なで肩の方に診られます。

 

第7頚椎の横に飛び出る突起(横突起)の骨が長くても同じような症状が出ることがあり、頚肋(けいろく) と呼ばれます。

 

しかし、これらの特徴が診られない にもかかわらず、腕が痺れたり、痛みが出ることもあります。

自律神経の機能も乱れて、→更年期障害と同じように、副交感神経の機能が落ちて、

めまい、むかつき、などの症状を伴うこともあります。

これらを総称して頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)といいます。

が、はっきり病気である といえないことも多く、未病 にはいる と考えます。

 

つらい症状の方は、星状神経節ブロックが効果がありますが、

通常は、星状神経節を含めて、痛みが出ているポイントや、つぼを刺激するレーザー照射治療が効果が出ます。

血管を広げるプロスタグディン(注射のほうが効果あり)が効く方もいます。

自律神経を調節して、痛みを抑える神経の機能を高める ノイロトロピン(注射のほうが効果あり) も効果があります。

首、肩甲骨や、肩関節、上腕部の筋力が弱い方が多く、痛みがでないようにするには、これらの部分の筋力をつけることが一番大事です。

 

 

さらに、痛みの怖い?やっかいなお話です。

痛みが取れなくなる首の痛み

→痛みを(完全に)取ることが出来ません!

痛みを我慢し続けるとなる可能性があります。

体質的になる可能性の方がいると考えます。

 

 

痛みを感じているだけ

 

 

痛みの病気、原因2の方です。

診察して首を動かしても痛みが再現しません。

首が悪い方は、首をそらすと痛みが出る などの所見があります。

MRI検査をしても、椎間板ヘルニアなどの異常所見が出ません。

首のすぐ外の部分の神経の障害の所見もありません。

関節運動学的アプローチを基にした、手技で、椎間関節、第1肋椎関節からの痛みが再現されることがあります。

気を使う、緊張が連続する、肩が凝る職業を続けていることがあります。

 

うつ病、などの精神疾患のひとつの症状 とも考えられます。

精神的な症状 といえば、眠れない、気分がふさがる、外に出れない、やる気が出ない、急に怒り出す、幻覚を見る、自分が、わけの分からない状況になる、などいろいろありますが、その中で、痛みを強く感じる というだけの症状があってもおかしくはありません。

痛みを感じやすくなっている以外にも精神的な症状があって、すでに、抗不安薬(安定剤)、睡眠薬、抗うつ剤、向精神病薬を飲まれている方もいます。しかし、それらの薬は、脳で痛みを感じにくくさせる という強い作用はありません。

 

軽ければ、

痛み止め、筋肉の緊張を軽くする薬、痛みを抑える神経の力を増すノイロトロピン、筋肉の緊張を軽くして、痛みなどを気にしなくなるデパス などの飲み薬や、

超音波照射、レーザー照射、低周波電流刺激などの消炎鎮痛処置で効果があります。

 

長年続いていて、痛みをつらく感じていると、治療効果がなかなか出ません。

 

繊維筋痛症(せんいきんつうしょう) という病気

 

女性に多く診られます。

 

首肩中心の腕、腰へかけてのつらい痛みが続きます。

レントゲン、MRI検査で、椎間板ヘルニアなどの異常所見が出ません。

 

首や、肩甲骨周囲の圧痛(押して痛いポイント)が含まれますので、腰より下だけの痛みの方は含まれません。

原因がわかっていません。

この状態に陥ると、どんどん楽になる有効な治療方法がまだありません。

こつこつとその人に会う治療を探して行ってゆくと徐々に楽にはなります。

が、完全に痛みが取れる状態にはなりません。

日によってつらさが和らぐ、今日はつらい など変化が大きいため、よくなっている実感は、長期に徐々にです。

首、腕などを動かすと、痛みがつらく出て、痛みが悪化します。

通常の方は楽になる、動かしながら治す運動療法、体操療法、マッサージ、牽引などの治療を受けると悪化します。

痛みを抑える神経(前回の3)の機能がほとんど働いていないからです。

通常の方は楽になる、神経ブロック、低周波電流刺激、超音波照射、レーザー光線照射治療なども、刺激を受けて、痛みが悪化します。

痛みを感じる脳の機構にも異常があるようです。(前回の2)

うつ病や、向精神薬を使いますが、痛みを感じにくくすることはなかなか出来ないようです。

痛みを過剰に伝える神経の機能を抑える(前回の1) リリカという薬もあまり効果がありません。

 

今は、

治らないような痛みの病気の状態にならないように予防することが今は一番!!

と考えます。

 

痛みは気にして、痛い痛いと思っていると、どんどんつらくなります。

7.8、9歳のお子さんからすでに 診られます。

嫌な習い事があると、おなかが痛い といって休むお子さんはこの例です。

おなかが痛い と思っていると、どんどん痛くなってくるのです。

 

注射が怖くて受けられない 方は、要注意です。

痛みに対する恐怖が強いからです。

 

気にする性格 の方は、要注意と考えます。

痛みがなかなか治らない、痛みの病気に陥る 可能性が高くなります。

小さいことは気にするな!

気になることは、次の日には忘れるようにしましょう!

 

筋力がない方は、要注意と考えます。

筋力があれば、

体を支える力が強くなり、負荷に強くなります。自分の体に対して自信がつきます。

血流がよくなり、痛み物質も滞ることなくなります。

(消費カロリーが増えて太りにくくもなります。)

痛みの病気は、運動している方にも診られますが、

普段から適度に筋肉を鍛えるようにしましょう!

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