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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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本に載っていない整形外科の話
 

交通事故後 などの 長引く首の痛み

 

追突された時、首が振られて、首の痛みが出る ムチウチ症

診断名は 頚椎捻挫 となります。

 

今回は、頚椎捻挫 に対する 私の考え の話です。

交通事故で起こるとは限りません。

仕事中の怪我(労働者災害保険=労災 扱いになります。)でも、スポーツでも起こります。

頭の前の部分を打った時も、首が振られて、起こします。

原因に、相手からやられた という時に、長引くことが多くなります。

 

 

最初に振られて障害があっても、次第に改善するのが、外傷の自然経過です。

 

したがって、最初少し痛かったが、次の日は大丈夫になった というのが通常です。

 

後から痛みが出るのは、痛みの病気 になっている という考え。

 

振られた時に、少し首が痛くなっていたのだが、たいしたことがないので様子をみていた。しかし、次の日につらくなった、あるいは、日ごとにつらくなった ので、来院した。

仕事の緊張やストレスなどで、このようなことも起こりえるので、

これは自然の経過のひとつ とも考えます。が、

軽くても、すでに、痛みがコントロールできない状態 になっています。

ましてや、最初はなんでもなかったのに、

次の日に、あるいは3日後に痛くなった、

最初は首だけだったのに、腰も痛くなってきた、

最初は首だけの痛みだったのに、腕まで痛くなってきた、

などは、痛みの病気になっています

 

痛みがコントロールできない状態になると、

以前から悪いところ、弱くなっているところに痛みが出てきます。

 

事故以前に痛みがなくても、弱くなっているところに痛みが出てきます。

肩関節が悪い方は、肩痛が、

腰が悪い方は、腰痛がでてきます。

 

痛みがコントロールできない状態になると、

なかなか痛みが楽になりません。

 

この治療をするとぱっと痛みが取れる

という治療方法は、今のところ見つけられない状況です。

週2,3回来院していただいて、ある程度時間かけて治療しています。

 

後から痛みが出るから診てもらった方がよい

という言葉を信じないこと

 

後から とは、せいぜい1〜2週間以内のことです。それ以降は、ましてや1年後などは 全く関係ない と考えます。

 

最初の事故の一撃で、痛みが出ていなければ、

たいしたことは、なかったのです。よかった と思ってください。

後から痛みが出るのではないかと思うと、ほんとうに痛みが出てきてしまいます。

もちろん、痛みも他の症状もないのなら、病院で診てもらう必要はないのです。

人身事故ではないのです。

 

後から痛みが出る障害 を認めていない もある

 

その国の国民は、後から痛みが出る状態になる ということを考えに入れない そのようなことは、事故ではない と考えているのです。

 

日本では、事故後に起こった痛みを 治療することが出来ます。

が、

治療期間の制限があります。

 

支払いは、健康保険の医療費を支払う健康保険組合ではなく、自身や、相手が個人的に支払いをしている生命保険会社です。営利目的の会社ですから、

頚椎捻挫で、何ヶ月も治療することはおかしい とみなされます。

事故の程度に比べて、痛みが長引いて、なかなか終了しないと、医療現場のほうに問い合わせがきます。これが、対応に時間がかかり、混雑している外来では、はなはだ迷惑な話です。

 

そこで、最近の私考えは、

 

 

ある程度の痛みは治療を止めれば改善する

 

振り向いた時に痛い

上を向くと痛い

疲れると痛い

天気によって痛みが出る

痛み自体はさほどつらくない

 

などぐらいの痛みのときは、

治療を止めれば治る と考えています。

交通事故で治療しているので、治らない と考えます。

 

苦にならない軽い痛みは治療しない方がよい

 

放って置けば治る と考えます。

 

長引く方は、痛みに弱い方が多い。

 

注射が怖くて受けられない 方も診られます。

注射針に対して、刺されると痛い という恐怖感があり、このような方は、痛みに敏感になっていることが多いのです。

神経ブロックにしても、静脈注射にしても、痛みを抑える手段としては、有効な場合が多いのです。

受けられない治療がある方 は、治す手段が減る ことになります。 →うまく治らないこともある と妥協してください。

 

事故で痛みが出た と事故のせいにしないこと

 

事故の前になかった痛みがあると、事故でこうなった

と考えますが、

こう思っていると、

治るものも治りません。

痛みは気にすれば、どんどん痛くなる→痛みを気にすると治らない

のです。

相手からこうされた と相手のせいにすることも同じです。

被害者意識 があると、治るものも治りません。

 

事故に遭わなくても、首が痛くなることは ほとんどの方が経験することです。

事故でなくても、痛みが出る と思ってください。

 

事故での治療を止めて、事故のことはさっさと片をつけて、忘れることが 大事と考えます。

 

痛みがあるからといって、仕事をしない のは避けましょう!

 

つらい痛みがあるときは休まざるを得ませんが、

ある程度楽になったら、

仕事を再開してください。

痛みで長期仕事を休むことは認められないことが多いのです。

 

仕事を休むことは、トラブルの原因になる

 

生命保険会社が、事故にあった方の 治療費以外の保障も支払うようです。

私自身、人身事故の当事者になっていないので不確かです。

診断書に記載された治療期間 以上の長期休業は、認められないことがあります。

 

トラブル があると 症状は改善しません。

 

長引いている方は、痛みの病気になっていますので、精神的な苦痛、いらいら、過労、緊張は、改善を妨げるどころか、悪化させることもあります。

したがって、

仕事が、緊張やイライラの原因になり、痛みを長引かせることがあります。

が、

休むことは薦めません。

 

 

トラブルにならないように 治療を受けること

 

あなたの医療費は、生命保険会社が支払います。

生命保険会社の意向を無視して治療することは困難です。

( 健康保険でも、治療がおかしい と判断されると、認められずに、すぐに医療費から削られます。)

生命保険会社に対して、保険料を払っているから という 上に立つ考え は止めましょう。

健康保険でも、自身で保険料は支払っています。その上、医療を受けると、負担金があるのです。

交通事故の場合は、医療を受けても、負担金がない分、まだまし と思ってください。 

 

後遺症は期待しないこと

 

後遺症は、何故か、受傷後、6ヶ月経っていないと書けない

という 生命保険会社のおかしな決まりがあります。

後遺症は、痛いだけ、痛くて動かない、痛くて、仕事や日常のいろいろなことが出来ない

だけですと、認められません。

痛みからくるいろいろな訴えは、測定できないからです。

本人が訴えていることだけなので、本当かどうか 確定できないからです。

 

交通事故で治療を止めても、残った症状を健康保険で治療できます。

 

治療が長引いている方は、痛みの病気になっている ことがほとんどですので、

改善があまりないときは、

交通事故での治療をとっとと止めて、交通事故のことは片付けて、

一般の病気として治療した方が治りはよくなります。

 

例えば、

肩の痛みが残ったとき

肩関節周囲炎になっていることがありますので、

その病気を改善する、ヒアルロン酸、副腎皮質ホルモン(ステロイド)注射をした方がよくなることもあります。

この注射は、一般疾患に用いるものですから、外傷後に行うことはおかしいのです。

特に 労災保険(仕事中に怪我をした時に使う保険です。)で治療を行っている時は、認められません。

 

膝の痛みが残ったとき

変形性膝関節症の時に使う、ヒアルロン酸注射や、膝関節炎の時に使う 副腎皮質ホルモン(ステロイド)注射を行うと、改善することがあります。

こちらも、一般疾患で使う薬ですので、労災保険では認められません。

 

腰の痛みが残った時、

高齢の方では、骨粗鬆症が原因のことがあります。

骨粗鬆症の治療に使う薬を使います。

腰部脊柱管狭窄症 の症状になっていることがあります。

プロスタグランディンなどの薬を使います。

もちろんこれらの薬は、外傷に使うものではありませんので、

労災保険では認められません。

 

もう一度言います。

交通事故で治療しない ということは、

交通事故のことはさっさと片付けて 忘れる

という意味です。

 

したがって、

なかなか痛みが取れない状態な上、

治療にもきて下されなければ、例えば、2週間以上来院できない時は、

治る見込みが立ちませんので、

交通事故での治療は中止とさせていただいています。

また、治療を長期に続けていても、ほとんど改善ないときは、保険会社や、調査会社から、いつまでかかるのですか?の問い合わせがきます。

その時も、いつまでに治る という見込みが立ちませんので、

この場合も、交通事故での治療は中止とさせていただいています。

 

→交通事故のことは片付けて、一般疾患で治療すれは治る という考えだからです。

→中止ですから、治癒した(治った)とは違います。保険会社との相談次第では、他の病院で治療することは可能と考えます。

 

 

治療の話を補足します。

 

神経ブロックは効くとは限らない

 

神経ブロックとは、

神経の周囲に麻酔剤を注射して、痛みを遮断します。

注射の刺激で、痛みを抑える神経の作用を高めます。

自律神経を調節して、血流を改善します。

 

受傷直後で

痛みが強く、つらい状況の時

めまい、動悸、頭痛、吐き気 などの自律神経の調節障害 があるときは、

星状神経節ブロックが効果があります。

改善する方向に持ってゆくことが出来ます。

 

受傷後 痛みが強くなっている時は、

痛みがコントロールできない状態になっている=痛みの病気になっている 可能性が高く、

効果が不確かになります。

注射すると、痛みがつらくなることもあります。

 

痛みが長引いている時は、

痛みの出ている箇所 に打つ、トリガーポイント注射 が効果があることがあります。

つらい痛みの時は、星状神経節ブロックなどを打つこともありますが、効果は悪くなります。

 

痛みに敏感になっている時は、

ノイロトロピンの静脈注射が効果がある。

 

ノイロトロピンは、自律神経を調節して、痛みを抑える神経の機能を高めます。

人によって、効果の差はありますが、痛みに敏感になっている=痛みの病気になっている時には、皆様に薦めています。ただし、受傷してから、時間が経っていると、効果が悪くなります。

 

ノイロトロピンで効果が悪い時は、リリカという薬を飲むと効果があることがある。

リリカは、ノイロトロピンと違って、痛みを伝える神経の機能を直接抑える作用があります。痛みに敏感になっている と診断した初期に投与すると効果が出ます。

 

大きく振られた時の捻挫は、点滴を薦めています。

 

振られ方が強いと、自律神経の調節障害の症状や、脳脊髄液が、硬膜の外に漏れて、脳脊髄圧が下がる低脊髄圧症候群(ていせきずいあつしょうこうぐん)という状態になることがまれにあります。しばらくの時間立っていると、はげしい頭痛が起こる病気です。

受傷後初期に、点滴を行って、安静にすることが重要と考えます。

 

結論

 

事故のあって、症状がないのなら、

よかった、体にはたいしたことがなくて

と思いましょう。

症状が出た時は、待たずに、速やかに病院への受診を薦めます。が、

症状がないときは、大丈夫です。

無理に、病院にかかる必要はありません。

 

首の捻挫で治療が長引いている方に対して、速やかに改善出来る有効な治療方法がないことは、私自身の力不足とも感じている部分です。

今後の課題として、治療方法を探している段階 とお許しください。

 

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