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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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本に載っていない整形外科の話
 

肩関節の痛み

 

二の腕が痛いとき、実は肩関節の炎症のことが多い。

 

上腕部分の中央部分が痛い 時は、肩関節の炎症の可能性があります。

痛みが上腕部分に走る、

肩を支える三角筋が、上腕部分についているところにも炎症が及ぶ、

などの可能性です。

 

五十肩で動かなくなる方は痛みの病気?

 

年とともに自然に痛みが出るのが、四十肩、五十肩です。

肩の周囲に炎症が起こって、そのまま放置すると、組織がくっついて、動かなくなり、肩の動きが悪くなります。この動きが悪くなった肩を凍結肩(とうけつかた)といいます。その後、月日がかかりますが、自然にまた動くようになります。

これが、五十肩の自然経過です。

果たして、皆がそうなるのでしょうか?

私は、

痛みの感じ方が強い方は、痛いので、動かさないでいる。

痛みの感じ方が弱い方は、痛くても、動かしている。

と考えます。

組織がくっついて動かなくなる時期(2週間ぐらいの間)があると考えますが、

その時に動かさないでイルと、そのままくっついてしまう

のです。

2週間ぐらいというのは、2週間前に診察したときに肩が動いていた方が、そのまま放置して、2週間後に再び診察した時には、動かなくなっていた。

という例をしばしば診たからです。

 

つまり、

凍結肩になる方は、痛みの病気になりやすい、あるいは、なっている。

 という考えです。

 

痛みの病気→痛みに敏感になっている肩関節の症状は?

 

診察で動かした時に、やたらに痛い

 

一定方向に動かした時だけ痛い

ある角度にすると痛い

 のではなく、

ほぼ、いろいろな方向に動かすと強い痛みがでる

のです。

動かすと痛いのですから、動かさないでいますので、くっついて動かなくなります。

 

寝ている時に痛み=夜間痛 がつらい

 

夜間痛が出るのが、肩関節の痛みの特徴です。

痛い方が下になっていると痛みが出る。

寝ぼけて痛い方向に動かしたので痛い。

動かさないでじっとしているので、血流が悪くなって、痛みを起こす物質が滞るので痛い。

などですが、

特に、痛くて眠れない。

痛くて目が覚める。

など、

痛いことを強く主張する方です。

 

動かさなくても、ズキズキ と痛い。

 

動かさない時は、あまり痛くない。

昼間はあまり痛くない。

のが特徴です。 

 

痛みが肩関節に留まらず、首の横や、肘から手まで広がる。

 

肩関節の炎症では、上腕(二の腕)の方に痛みを感じる、肩の後ろのほうに痛みを感じる、肩甲骨に痛みを感じる、などの症状が出ます。

それ以上の広い範囲に、肘まで痛い、手まで痛い、首の横まで痛い という時は、痛みに敏感になっています。

訴える範囲が広いので、痛む場所を聞いただけでは、どこが痛みの原因かわからない感じです。が、診察をすると、肩関節の炎症であることがわかります。

 

動かなくならないように動かせば、早く治る?

 

動きが悪くならなければ、早く治ります。

しかし、動かなくならないように動かすことは実は難しいのです。

動かして強い痛みが出るときに、無理に痛いのを我慢して動かすと、逆に痛みが増して、ますます動かなくなります。

そのため、動かして、ある程度の痛みが我慢できるところまでしか、動かすことが出来ません。

 

動かした時に出る痛みを抑える方法

 

肩関節周囲に、ヒアルロン酸、副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤を注射すると、動かした時の痛みが減る可能性が高いです。

肩関節周囲の痛みが出る部位は決まっていますので、レントゲン透視で見ながらその部位に注射すると効果が高くなります。

腱板の炎症や損傷があるときは、原因部位を、エコーで確認しながら注射すると、さらに効果が挙がります。

 

肩の注射が怖くて受けられない方は、ノイロトロピンの静脈注射が次に効果が高いです。

 

痛み止めや、ノイロトロピン、漢方薬の飲み薬の効果は、3番目と考えます。

 

そして、

動かした時に痛みがでにくくなれば、少し力を入れて?少し無理に?動かすことが出来ますので、治りは早くなります。

 

治る次の段階は、

動かした時に痛みがでなくなる。

 

痛みがでないのは、

動かせる範囲内でのことです。

動かない部分を無理に動かそうとすると、痛みはでます。

この場合も、

動かせない範囲を無理に動かしていると、逆に痛みが増して、動きが悪くなることがあります。

無理に動きを改善しようとして、麻酔をして思い切り動かしても、麻酔が切れると、また痛くて動かなくなってしまうのです。

少しずつ、動きを改善するしかないのが、現状です。

動きが非常に悪くなっていると、1〜2年以上かかってしまうことがあります。

 

さらに、治る前には、無理に動かしても痛みがでなくなる

 

多少無理に動かしても痛みがでなくなりますので、動きがどんどんよくなります。

この状態に早く持ってゆくことが治療目標です。

そのため、注射の治療を行うのです。

 

元の動き、正常な肩と同じに動くようにする という希望なら時間がかかる

 

床に仰向けに寝て、万歳して、こぶしが床に付くまで腕を挙げられて、なおかつ、悪くない方と同じに ということです。

ここまでの肩の動きは日常に必要がありません。

上の物がある程度取れれば、それ以上の動きは必要ないのです。

必要のない動きは、普段動かしませんので、なかなか改善しません。

 

注射ですぐによくなるときは、五十肩でない。

 

肩腱板に石灰がたまっている時は、激痛がきて、急に肩が動かなくなることがあります。

石灰には、カルシウムが含まれていますので、レントゲンで写りますので、わかりますが、何も写らない時も、同じような症状が出ることがあります。

 

石灰が溜まる原因はわかっていません。

が、

カルシウム不足で、骨からカルシウムが出やすい状態になっている。可能性があります。

血液中のカルシウムは、生命維持に欠かせません。骨は体の中のカルシウムをほとんど溜めている所ですから、不足して、血液中の濃度が減ると、カルシウムが骨から出るようになります。

カルシウムを取らない方がよい ではありません。

 

石灰が溜まっている=激痛がくるわけではありません。

痛みがほとんどないことも多いのです。

軽くひねったり、使いすぎて負荷がかかった後などに激痛がくることが診られます。

 

石灰が溜まっている部分に副腎皮質ホルモン(ステロイド)麻酔剤を注射すると、劇的に痛みが改善します。

石灰が溜まっている部分に正確に当たれば、改善します。

五十肩は、注射しても、ぱっと痛みがなくならないのが特徴です。

 

動かした瞬間に、ある角度に動かした時にだけ痛みが出るときは、腱板が悪くなっている可能性あり

 

腕を伸ばした時、

腕を外側に動かした時、

腕を挙げて降ろす時、

だけに痛みが出るときなどは、

腱板が損傷している可能性があります。

 

腱板の軽い損傷は、五十肩の症状と区別できないことがある。

 

ですが、安心してください。この場合の治療は変わりません。

炎症部位や、損傷部位に、ヒアルロン酸、副腎皮質ホルモンを注射する。

と効果が出ます。

 

腱板に大きな断裂が起こると、上肢が挙がらない。

 

怪我をして、腕が挙がらなくなった時、レントゲンで骨の損傷(骨折)がないときに、腱板の断裂が生じている可能性があります。

中高年になりますと、普通に使っていて、自然に起きることもあります。

小さな断裂ですと、修復して、2〜4週間で、また腕が挙がるようになりますが、

大きな断裂ですと、2、3ヶ月経っても挙がるようになりません。

ただ、肩甲骨の動きで、90度(水平の位置)に近いぐらいまでは挙げられます。

よく腕を使う方は、手術を薦めますが、

高齢で、あまり腕を使わない方は、日常にさほど困らないようです。

 

 

肩の脱臼は、もどすことにコツがイル

 

俗に言う

肩が外れることです。 

肩関節は、骨で覆われていないで、靭帯、腱などで支えられていますので、動きも大きいため、

脱臼の中では、多いのですが、

それでも、経験する機会はさほど多くありません。

もどすのにコツがいるため、

局部の麻酔をかけて行っても、(全身麻酔すると簡単に戻ります。)

なかなか戻らないこともあります。(私もこの仲間です。)

逆にこつをつかんでいる先生(柔道整復師=接骨医の方も)なら、麻酔しなくても、簡単に?もどすことができます。

 

 

肩の脱臼が癖になると、手術以外の有効な方法がない

肩関節脱臼が習慣性になる方は、外れやすい肩の構造になっている?

 

肩関節は、骨の部分の支えが小さいとお話しましたが、ちょうど受け皿のようになっていますので、この受け皿が、上腕骨の骨頭部分に比べて小さい方は、外れやすくなります。

何回も外れるようになりますと、関節を包む靭帯や袋(関節包=かんせつほう)が大きくなってしまって、外れる通り道が出来てしまいます。その袋を縫い縮めるか、外れないように、骨のブロックを置いて、外れることを防ぐ手術が必要になるのです。

こうならないためには、

癖にならないようにすることが一番です。

初めて脱臼された時は、2週間ぐらいあまり動かさない方がよい です。

動かさないでイルと、次の項目のように、肩が動きにくくなりますが、

動きにくい=肩の関節を包む袋(関節包=かんせつほう)がくっついて、逆に小さくなっていることですから、元の様の動くためには時間がかかりますが、脱臼はしにくくなると考えます。

 

肩の部分の上腕骨の大きく骨折をすると、元の動きにもどすのは、時間がかかる。

 

この場合の大きく骨折するとは、腱板がついている部分の小さい範囲の骨折ではなく、ぽっきり折れたり、複雑に折れたりすることを言います。

骨がつくまで、動かさないで固定していますと、肩関節はくっついてしまって、動かなくなってしまいます。

そこで、骨がつく前(早ければ、受傷後1週間前ぐらいからです。)から、体を前屈させて、腕をぶらぶらさせて動かします。肩が固くならないように、軟らかくしておきます。受傷4週以降の骨がついてから、本格的にどんどん動かしてもらいます。

この骨がつき始めてしっかりつく受傷後48週間の時期も大事で、この時期に動かす練習がうまく出来なくても、動きが悪くなって、元のようにもどすには、何ヶ月もかかってしまいます。

→この骨がしっかりしてついてゆく時期に、組織がくっついてしまう印象です。

=この時期の自分自身の練習、動かそうとする努力が重要なのですが、

強い痛みを我慢して、無理に動かすと、逆に痛みが強くなって、動きが悪くなることがあります。

=動かして強い痛みを感じる方が、動きが悪くなる のです。

=痛みの感じ方が敏感な方=痛みの病気になりやすい、あるいは、なっている方

 が、動きが悪くなる のです。

 

では、痛みに敏感になっている肩の治療は?

 

五十肩と同じです。

 

ノイロトロピンが効く方が多いです。飲み薬よりは、静脈注射の方が効果は高くなります。

 

前述した、ヒアルロン酸、副腎皮質ホルモン(ステロイド)麻酔剤の注射も効く方が多いです。(痛みを抑える神経の働きが非常に悪いと、逆につらくなります。施行前には判断できません。)

 

痛みを抑える器械による治療は、トリオ治療が、超音波やレーザー光線治療(いずれもホームページ参照)より、優れている印象です。

 

関節運動学的アプローチに基づく動かす治療手技も効果がありますが、無理に動かすと悪化しますので、時間はかかります。

 

 

肩の部分の上腕骨骨折、鎖骨骨折は、ギプスをしない?

 

前述の話から、上腕骨の肩関節の部分の骨折は、骨がつく前から動かす練習をしていても、骨はつく。ということになります。

そのため、肩関節を固定するような、ギプスは必要ありません。

三角巾で腕をつるして、体と一緒に弾性包帯で固定するだけでも充分です。

これは鎖骨骨折も同じで、鎖骨を押さえるバンドタイプの装具や、8の字に弾性包帯で固定するだけで充分です。

痛みが強い時は、

固定するギプス方法はあります。

胸部を覆うように、腕つきのチョッキのようなギプスを巻かないと固定になりません。固定しますと、夏など熱くて、とてもうっとうしいのです。

 

話を進めます。

強力な固定をしなくても、骨はついてくる。

ということです。

 

ギプスで固定しても、ギプスのなかで少し骨は動きます。完璧に動かない固定はしなくても骨はつくのです。

手術で固定することは、強力な固定になり、骨折部は動かなくなります。

(手術しても、動きが残ってしまった時は、逆に骨折はつかなくなります。手術することで、骨折部の治す力のある組織を傷めてしまうからです。)

 

鎖骨骨折は、手術しないで治る が、とても月日がかかることもある。

 

鎖骨骨折は、かなり“ずれ”=転位 があっても、骨がつきます。

ただし、その隙間が新しい骨でしっかり埋まるまでかかりますので、

3ヶ月以上かかる可能性が出てきます。

1、高校1年ぐらいの女の子で、骨がしっかりつくまで、10ヶ月ぐらいかかりました。

 中央部で2つに骨折して、少し転位(ずれ)がある形でしたが、レントゲン上、新しい骨がなかなか見えず、骨がつくまで、1年弱かかりました。

2、 50代の男性 鎖骨の肩側の端(=遠位端)の骨折で、骨折がつくまで、3年かかりました。

 

 

骨がついても、また同じ様に怪我をすると、再び骨折することもあります。

 

図のように転位(ずれ)がある骨折は、その間を新しい骨が出来て癒合します。その後、次第にまっすぐになるように形が形成されます。

新しい骨が出来てきて、骨折が癒合して=骨がついて見えるのは、6〜8週ですが、

新しい骨がしっかりするには、3ヶ月は、かかるようで、

その間(受傷後、2〜3ヶ月)に、激しい運動をしたりして、また怪我をすると、骨折部がまたずれて痛むことがあります。

 

以上を考えると、確実に治すには、手術の方がよいのでは?

 

手術がうまくいけば、結果がよければ、手術により、元の形に戻りますし、なかなか骨がつかない、ということにはなりません。ただし、骨がついてから、(手術後、半年から1年後に、)とめてある金具をとる手術をもう一度行う必要があります。

 

ところが、手術中にうまくもとの形にもどせずに、あるいは、うまく固定できない状態が長引く(手術時間がかかる)と、骨がつく能力のある骨の周囲の組織を傷めてしまい、固定力も弱くなり、かえって、骨はつかなくなります。その上、細菌に感染する可能性もでてきます。

→結果不良となります。

 

このリスクを考えると、手術しないでそのままつくのを待つことを薦める医師が多くなっている現状と考えます。

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