RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

09
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--

赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
<< 新しい痛みを抑える薬はどこまで効くのか | main | 筋肉が緊張しないようにする治療の話 >>
痛いからじっとしていると筋肉が固くなって動かなくなる // 緊張して筋肉が固くなることが痛みを悪化する、病気を悪くする という話

 痛みが出た時、動かすと痛いので、そっとしておきたい、じっとして痛みが治まるのを待つ という方も多いのではないかと思います。確かに痛みは身体に対して 痛いことをするな という警告です。しかし、あまりに大事にしすぎると?筋肉を固くして、関節の動きを悪くして、痛みの改善を逆に遅らせる原因になる。→固くなる病気や状態がある。今回は、この話をします。

身近な例では、骨折でギプスで固定しているとき、動かすと悪くなる痛くなる、動かしてはいけない という思いがあまりに強いと、4週後ぐらいにギプスを外した時に、骨折した周囲の関節が動かなくなり、骨がついた後も、何カ月もリハビリテーションが必要になる場合があります。少し位動かしても骨折は付きます。例えば、鎖骨骨折は、胸の部分を抑えるバンド固定だけで付きます。この固定ですと着脱できますし、肩関節も動きますが、それでも骨折は付くのです。

 痛みをこらえて使う事、無理に動かすことはもちろんよくありませんが、あまりに安静にしすぎると、回復を遅らせる のです。

しかし、動かし方にも問題があります。筋肉に力を入れて、痛みを我慢して動かし続けることも良くありません。 

最近の診療では、使ったり、動いたり、逆にじっと動かずにいる時など、何をしていても、どの場合でも、緊張して筋肉がつっぱる=力が入ってしまうこと が、痛みを悪化させる、関節を悪くする原因になっている と感じておりますので、このことについてもお話しします。

 

最初に、筋肉を動かすと痛みが出る、固くなる病気をいくつか挙げておきます。

 

多発性筋炎

 

筋肉に炎症がある病気で、筋肉が痛くなり、動かすと痛みが出ますが、固くなるとは違います。自分の筋肉を自分で壊してしまう自己免疫疾患の一つで、血液検査で自己抗体や炎症所見が出ます。副腎皮質ホルモン=ステロイド剤 がよく効きます。

 

パーキンソン病パーキンソン症候群

 

手が震える。脚が大きく遅れず、小股のちょこちょこ歩きになる。顔の表情が乏しくなる。などの症状に加えて、関節が固くなって、動かすと抵抗がある。という症状が出ます。固縮、ジスキネジアと呼ばれます。

この病気は、原因が脳の中にあることがわかっています。脳のある一部の部分が、うまく機能していないのです。

これから述べる病気、状態もすべて脳の中の一部の機能障害が原因かもしれません。

脳の機能はまだまだ分かっていないことが多い現状です。

 

線維筋痛症

 

原因不明の全身の筋肉に痛みが出る病気です。

動かすと痛みが出ますが、固くなるとは限りません。疲労感やうつ病などの他の症状や、痛む場所が動くなど、いろいろな症状が出ることがありますし、決まった部位に圧痛点があることが、診断基準です。前回のべたリリカやサインバルタが治療薬の保険適応になっていますが、全例に効くとは限らないと考えます。

 

原因が不明で痛くて関節が固くなって動かなくなる病気は、筋肉が緊張して固くなるためか?と考えています。やはり、それは脳からの指令なのでしょうか。

 

原因不明で関節が動かなくなる病気

 

四十肩、五十肩

 

経験された方も多い病名です。

肩関節が痛いので、動かさないでいたら、動かなくなってしまう病気です。

四十、五十になって起こるのでこの名前です。

凍結肩と呼ばれ、以下の原因の解っている肩の病気の後に起こることもあります。

肩関節の腱板周囲の炎症

変形性肩関節症

肩腱板断裂や損傷

石灰沈着による腱板の炎症

しかし、レントゲンやMRIで異常がない、動かなくなるような痛みの原因が認められない→原因不明が本当のこの病気です。

特徴は診察で肩関節を動かすと筋肉が異常に緊張しているかのように固く動きに抵抗感があります。力を抜くように指示しても抜けない状態になります。特に肘まで固くしてしまって、力が抜けない方は典型例です。

診察で各方向に動かすと、痛み、抵抗感(固さ)、動く範囲の狭さ この3つが出ることが特徴です。

 

★肩には原因不明で動かなくなる五十肩という病気があるのですから、他の関節にあっても、首や腰など他の部位にあってもおかしくないはずです。しかし、どの教科書にも載っていません。ここ1、2年ぐらいは、あってもおかしくない と考えて診察に当たっていましたので、いろいろ気づいてきました。

以下に述べる病気や状態は原因不明、有効な治療方法もわかっていません。ただ、なる方はごくごく少数なので、過剰な心配は無用です。

 

筋肉を使っていると動かなくなる病気

 

筋肉が固くなって関節が動かなくなる ではないのですが、挙げておきます。

 

書痙(しょけい)

字を書いているうちに、指が動かなくなる病気です。

使っている筋肉に力が入らなくなる?のです。使っていない時は症状がないので、診察では全く異常がでません。

別に字を書くだけなく、パソコンでも、楽器でも、料理でも使っているうちに動かなくなってしまう時は、この病気と同じ状態が起こっている可能性があります。

 

これらは上肢に起こっていますが、下肢のもあったとしたらどうなるでしょうか?

歩いているうち、立ち続けているうちなど、動いているうちに脚に力が入らなくなっていしまって、脚が前に出にくくなり、つまづいて転ぶ、歩けなくなる、立ち止まってしまう、しゃがみこんでしまう という症状になるはずです。動いていない時のベット上での診察では全く異常が出ません。これは、腰部脊柱管狭窄症と同じような症状です。が、腰部脊柱管狭窄症はMRI検査で診断できます。脚が動かなくなるだけではなく、痛みやしびれが出ます。これらの症状や検査で異常がないと、下肢に起こる書痙と同じ という事になります。

 

筋肉が固くなって動かなくなる病気

 

痙性斜頸(けいせいしゃけい)

原因不明の首周囲の筋肉が固くなって、首が曲がったまま固定してしまう病気です。

書痙とこの動かなくなる病気は、ジストニアと呼ばれています。

 

痛みを伴って動かなくなる その他の病気や状態

 

CRPS(複合性局所疼痛症候群)=RSD(反射性交感神経性萎縮症)

 

怪我の後に起こってくる原因不明で動かなくなる病気です。

ついこの間まで、RSDと呼ばれていましたが、原因が交感神経だけでは説明付かない部分も多く、今は、CRPSと言います。

最初の症状が、痛くて動かなくなる です。進んでくると、腫れる、皮膚がてかてかになる、骨がスカスカ=萎縮 になるなどの症状が加わります。

どの関節でも動かなくなった時、この病名を付ければよい とも考えますが、上記症状がそろっているのが、本当のこの病気です。

 

以下は、どの本にも載っていない状態を挙げてゆきます。

 

首が痛いので動かさないでいたら、動かなくなる

 

こちらは、痙性斜頸と違って、首が曲がって傾くではなく、まっすぐ向いたままになり、上下、左右向くことが困難になります。動かそうとすると、痛みを伴って、筋肉が固くつっぱって動きません。進んでくると、両肩関節も動きが悪くなって、五十肩と同じ症状になります。腰まで痛くなってきて、腰椎や、股関節の動きまで悪くなる方もいます。病気として認識されていないので、病名がありません。

はじめは痛みがあまりないのですが、日を追うごとに痛みが増して、動きが悪くなります。交通事故に遭われた方に診られることがほとんどですが、怪我を起こさないでも起こり得ます。最初人身事故でない と申請したのに、後から症状が出現してひどくなってしまうこともある状態です。事故の衝撃に関係なく起こる という事です。

次に述べる病気と違って

急に動かなくなるのではなく、数日かけて固くなってゆきます。

小さいお子さんでは診たことがありません。

安静にしても動くようになりませんし、通常の痛み止め 前回お話ししたリリカ、トラムセット、サインバルタなどの飲み薬はあまり改善効果がなく、消炎鎮痛処置、神経ブロックなどをやってもあまり改善しません。

 

環軸回旋位固定

 

第一頚椎の環椎と、第二頚椎の軸椎が、少しずれた位置で急に固定してしまう病気です。

お子さんではこの状態になると、首が左右どちらかに傾斜して、顔もバランスを取ろうとして傾く斜頸と呼ばれる形になります。風邪、扁桃炎、中耳炎などの炎症が及んで起こすので、炎症性斜頸と呼ばれます。が、動かしてグキンとなったり、怪我の時も起こりますし、原因が不明でも起こります。

成人になっても、傾く=斜頸になる方もいますが、年を取ってくると、首が固定して動かないことは共通ですが、まっすぐのままのことが多くなり、この病気と診断されないことも多いようです。

こちらは安静にしていて、痛み止めを飲むと痛みが改善して動くようになります。ご安心ください。

 

股関節(骨盤) にもあります。

 

股関節を動かすと痛みが出る、診察で各方向に動かしたときに筋肉がつっぱって固い、動かく範囲も狭くなる という症状です。股関節を屈曲する方向=脚を前に送る方向が最後まで動きます。

股関節、骨盤周囲の筋肉に痛みが出ます。臀部、大腿部などです。

腰と股関節が痛い と訴えられる方が多いです。そのため、ただの原因がわからない腰痛とされてしまうことも多いはずです。

 

身体が固くて股関節があまり動かない ではありません。

この場合は、動く範囲が狭いだけで、スムースに動きますし、痛みは出ません。

股関節の関節唇障害という病気がMRI検査で解ってきましたが、こちらは、診察で動かすときに痛みは出ますが、固さ=抵抗をあまり伴いません。

変形性股関節症も、動く範囲も狭くなり、痛みも伴いますが、動かしたときの固さはありません。屈曲方向も動かなくなり、レントゲンで診断できます。

 

下肢全体が固くなる方もいる

 

股関節が固くなる方で、膝から足まで固くなる方がいます。

診察で、ベットに仰向けに寝てもらって、診察で脚を動かすと 固い、重いのです。

骨盤や腰の筋肉も一緒につっぱりますから腰痛もあります。

MRI検査で腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアがある方に起こるようです。すべての方にこの検査を行っていませんので、この表現です。

下肢が固いのですから、歩くと痛くなって、重くなって立ち止まってしまう この症状は、腰部脊柱管狭窄症と同じです。ただ、前に述べたように腰部脊柱管狭窄症はベット上の診察では下肢は動かしても柔らかく、筋力も正常で、所見がないことが多い ということが違います。

また、腰下肢が固く緊張していますので、寝ている間に動かさないでいるとさらに固くなってしまい、朝痛くて、つらくてなかなか起き上がれない方もいます。これは、腰部脊柱管狭窄症の症状にはないことです。

 

膝関節だけにも起こります。

 

膝の痛みに伴って、動く範囲が悪くなります。動かすと痛みと、抵抗感を伴います。割と程度の軽い変形性関節症や怪我の方に起こる印象です。血腫ができて癒着(組織がくっついて)して動かない ことではありません。

 

足関節だけにも起こります。

 

捻挫の後に固くなってしまう方がいます。(=動く範囲が狭い、動かすときの抵抗感が強い、痛みを伴う)こちらも血腫があって癒着する のではないと考えています。

 

指や足趾も動かなくなる方がいる

 

指、足趾の小さな関節は周囲に筋肉がありませんが、前腕、下腿に指や足趾を動かす筋肉があり、そちらが固くなると、指や足趾は動きが悪くなります。が、指自体の炎症や、変形性関節症、怪我でも起こります。

五十肩になった方で、同じ側に腱鞘炎を起こすと指の動きがどんどん悪くなる方がいます。

指が固くなって動かなくなっている方が、同じ側の五十肩になることもあります。指も固くて動かないのですが、肩関節も動かすと固く、動く範囲が狭くなります。

 

原因不明で痛みを伴って、筋肉が異常に緊張して固くなり、関節が動かなくなる この状態になる病気がある 

診察で動かしたときに固い、抵抗が大きい。痛みを伴う、動く範囲が狭い。まるで筋肉が異常に緊張して固くなって、動きに抵抗しているかのようだ。

→ 筋緊張異常症 と呼びましょうか。一度このような病名で紹介状を頂いたことがあります。

 

今まで述べてきた病気や状態になる方は、ごく少数です。

五十肩になる方が比較的多いのは、肩が痛くなって動きが悪くなるとすべて五十肩と診断されるため 目立つ と考えています。

 

次に、筋肉が緊張して力が入ると、ほとんどの方は、動かなくならなくても、痛みを悪くしている→関節や軟骨を悪くしている。という話をみじかくまとめてします。

 

ほとんどの痛みが改善しない方、痛みが悪くなってしまう方、変形性関節症などが進行してしまっている方は、次の状態に陥っていると考えています。

 

使っているときに、じっとしているときに、緊張して筋肉が固くなっている、つっぱっている。余計な力が入っている。

 

首、肩〜肘、手指

パソコンを打つ、字を書く、箸を使う、台所仕事をする、何をするにも、緊張して力が入っていると、痛みが悪化します。

レントゲン撮影の時、例えば、OKサインの形を作って小指側をフィルムに着けて置いて動かないでください と指示しても、指定した指の位置に停めて置くことができない方がいます。緊張して力が入る方は、指を思う様に動かすことができなくなっている、その形を維持することができなくなっているのです。このような方が、指の痛みや、指の変形性関節症が進んでしまう方です。

 

立っていても、座っていても、じっとして緊張していると、筋肉がつっぱってきて腰痛が悪化します。(椎間板は力が入り続けると、より圧力が上がるので、ヘルニアなどは症状が悪化します。)座っていると痛くなる、立ち上がるとき痛い などの症状が出ます。特に車の運転中は緊張が強いので、腰の周囲の筋肉が緊張して痛みが強まる方が多いです。沈み込むシートの形だけではないと考えています。

 

歩くとき、早く歩くと悪化します。脚に力が入るためです。

座っている時、じっとしていて脚に力が入っていると、立ち上がる時に膝に痛みが出ます。

床に(診察の時は診察ベットに)脚を伸ばして座ってもらって、診察で膝の後ろを手でもって膝を動かそうとすると、膝が固くて動かない方がいます。力を抜くように言っても固いままです。検者の手で動かすのですから、膝周囲の筋肉に力が入っていなければ、簡単に動くはずです。

このような方が、変形性膝関節症が進んでしまっています。

 

踵を内側に返すことができない方がいます。手で動かしても固くなってほとんど動かない方もいます。このような方が踵周囲の痛みが出ています。

 

前足痛

足趾を曲げたり、伸ばしたり、開いたりなど、うまく動かすことができない方が、進行しています。特に、母趾の第一番目の関節が曲げる方向に動かない方は要注意です。外反母趾も進行します。

 

どの部位でも、緊張して筋肉を固くしていると、関節が悪くなる、痛みが悪化する という話を加えました。

 

治療の話は次回以降お話しします。

 

| 痛み | 06:57 | - | - | - | - |