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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
<< 筋緊張性障害という病名がありました!!が・・・・・・ | main |
横隔膜緊張症という仮説

 

またまた大変お待たせしました。

筋肉が緊張して固くなる 話の続き です。

前回お話ししてからも、なぜ起きるのか、ず〜っとわからなかったのですが、

最近1〜2カ月で、上のタイトルの状態が起こっているのでは?と考えるようになった 

というお話をします。

 

この場合の“筋肉が緊張して固くなる”とは、

炎症で起こるものではありません。

筋肉を使いすぎて起きる筋肉痛は、筋肉が一部壊れて炎症を起こすことで生じます。

適度に安静や、クールダウンで筋肉を動かしてゆくことで、回復してゆきます。

ただし、普通の筋肉痛でも、安静にしているつもりで、筋肉が緊張していると、回復が遅れて、慢性的な痛みになります。

スポーツ選手が、激しく運動をして筋肉を傷めた後、安静時にスマホゲームを長時間し続けたりすると、安静にしている筋肉が緊張してしまって、回復が非常に遅れる などです。

 

この 筋肉が緊張して固くなる状態 になると、

軽いうちは、はじめは、普通の痛み止めや、一般に整形外科医で使用する筋肉の弛緩剤が効きますが、ある程度進行する、月日が経過する と、効果が出なくなります。

一般的な痛み止めは、炎症を抑えて痛みを取る作用 だからです。

 

この筋肉の緊張は、脳からの指令 が関与すると考えます。筋肉を動かす、支配するのは、運動神経で、脳からの指令で動きます。脳が緊張していると、筋肉も緊張します。したがって、脳へのストレス、不安や、いらいら、などが影響します。また、運動神経は、自律神経の一つである交感神経の影響をうけます。交感神経が緊張していると、運動神経も緊張して、筋肉が緊張します。自律神経は、自分ではコントロールできない神経です。そのうち、交感神経は脈を速くして、筋肉の血流量を増やし、有事に対応するように緊張させる神経です。神経の通り道にあり、運動神経に影響を与えている と考えてください。

一般の筋肉の緊張を取る弛緩剤も、そこまで作用しないので、効果が出なくなります。

 

交通事故などで、最初は首周囲だけの痛みだったのだが、次第に背中から腰まで痛くなる方がいます。後から痛みが出てくる、痛みが増す、痛む範囲が広がる、です。

なぜこうなるか わからなかったのですが、身体の中心の横隔膜が緊張している と考えると、説明がつきそうです。

 

横隔膜は、膜と書きますが、実際は、筋肉で膜が構成されています。

この膜が痙攣すると、しゃっくり が起こります。

この膜が緩むと、胃や食道が肺の方に出てきてしまう、ヘルニアを起こします。

横隔膜が、では緊張してつっぱる感じになると、

そんな病気は、記載がありません。

でも、起こってもおかしくないはずです。

 

横隔膜は胃や肝臓のすぐ上にあり、肺や、心臓のすぐ下にあります。前は、腹筋へ後ろは脊柱や背筋へつながっています。

これだけの範囲にある、膜状の筋肉が緊張するのですから、

後ろの部分へは、背部痛、肩こり、腰痛、首痛、頭痛も起こります。私も実際、胃の透視で嫌なバリウムを飲んだ後、おなかが張って、気持ち悪く、頭痛を起こした経験があります。今思うと胃が膨らんで横隔膜が緊張した症状と考えます。

前の部分への影響は胃の運動障害、胃痛、肝臓への影響、胆汁うっ滞、腹筋の緊張などが考えられます。

心臓や肺への影響は、動悸、不整脈、呼吸苦、咳など、

また、もっと上へは、胸がつかえて苦しい、のどが詰まる などの症状です。私も精神的に追い詰められて、胸がつかえて苦しくなったことがあります。これも今思うと、横隔膜の緊張した状態と考えます。

また

もっと下へは、

横隔膜の裏側に、腹腔神経節という、交感神経がへばりついています。

この交感神経が緊張すると、おなかの症状、便秘、下痢、さらに腰痛から、下肢痛まで起こり得ます。

続いてしまうと、自律神経がすべて乱れる可能性があるのです。

吐き気、動悸、冷えのぼせ や

さらに進行すると、精神不安や、うつと同じ症状が出るでしょう。

逆のこともあるでしょう。

うつ病や、精神不安、で脳の緊張が続いていると、横隔膜が緊張して、上に述べたいろいろな症状が加わってくる可能性があります。

心身症、更年期障害、あるいは診断がつかない精神疾患 など といろいろ診断名がつく可能性があります。

心筋梗塞などの疾患でも、この膜が緊張するといろいろな症状が出るはずです。

心筋梗塞=胸の痛み ではないという事です。

 

先程、腰から下肢の痛み

と書きましたが、

MRI検査などで説明がつかない強い下肢痛 はこの状態が加わっている と考えます。

圧迫されている箇所があるのですが、それでは説明付かないような強い下肢痛、圧迫されている反対側の下肢に痛みが出る などです。

MRI検査では、脊椎の中の神経の通り道=脊柱管の部分で神経が圧迫されているかどうか しかわかりません。

しかし、下肢へ行く神経は脊柱管を出た後も、大腰筋という筋肉の中を通り、仙腸関節の下の部分をかすめて、殿筋(お尻の筋肉)の中を通ります。以前は、その仙腸関節が原因 と記載しましたが、仙腸関節自体を注射で痛みをブロックしても改善が悪い方も多く、そのような方は、大腰筋や殿筋など、神経周囲の筋肉が緊張して痛みを出している と考えた方がよさそうです。

横隔膜の緊張は、腹腔交感神経を介して、これらの筋肉までも緊張させている と考えます。

さらには、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアで下肢全体が固くなってしまう状態も、この状態が、関与している と考えます。

そしてこの状態が起こっていると、治りが遅くなる と考えます。

 

腰痛に効く ドローイングは、横隔膜の緊張を取る方法だ。

 

おなかを大きく膨らませて、大きくへこませる 腹筋の運動のドローイングが、腰痛の予防や改善になる と言われています。詳細は、インターネットで検索できますので、そちらに任せます。これは腹式呼吸を大きくゆっくり行っていることですから、横隔膜を運動させて、緊張を緩める ということに他なりません。

他の呼吸法(例えばヨガ)も、同じことで、これらの呼吸法で体調がよくなることも、深呼吸で、気持ちが落ち着くことも、同じことと考えます。

 

腹部の筋肉の緊張は、西洋医学では説明のつかない漢方の治療で診断の根拠になっている。

 

これも、横隔膜の緊張の現れの一つ と考えると、今まで述べてきた胃腸、呼吸器系、心臓などのいろいろな症状で、西洋医学では検査で異常なしと言われている=未病の説明がつきます。

現に、腹部の緊張に効果のある漢方が背中の痛みに効くことがあります。

大まかに述べます。

上部腹筋が固い方に使う柴胡(さいこ)剤、胃腸の弱い方に使う桂皮(けいひ=けいし)剤、胸、のどのつかえに使う半夏(はんげ)剤=半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が有名

など が代表例です。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は筋肉のつりに使う薬で知られてきていますね。

芍薬(しゃくやく)は、筋肉のけいれんを抑える作用があり、甘草(かんぞう)は肺に働くと咳を鎮め、腸には働きを整える作用があります。

これらの成分が入った漢方が効く可能性があります。

当帰湯(とうきとう)という薬は、腹痛に使いますが、背中の痛みにも効くことがあります。

半夏、桂皮、芍薬、甘草が入っています。

柴胡桂枝湯も心窩部痛に使いますが、背中の痛みも取ります。

柴胡、桂皮、半夏、芍薬、甘草が入っています。

柴胡桂枝乾姜湯、柴胡加竜骨牡蛎湯なども同類です。

他に、建中湯(大建中湯はのぞく)には、桂皮、芍薬、甘草が、四逆散には、柴胡、芍薬、甘草が入っていて、このような横隔膜の緊張による諸症状に効く可能性があるのです。

 

治療の話をさらに加えます。

 

炎症を抑えて痛みを抑える薬より、炎症を抑える作用は強くなく、直接、痛みを抑える作用がある薬が効く

 

アセトアミノフェン=カロナールはお子さんでも飲める薬ですが、炎症を取る作用は強くなく、量も多く飲む必要がありますが、直接、頭で痛みを抑える作用があり、効果が期待できます。ソレトン=ザクロプロフェンも炎症を取る作用が弱い割に、痛みを抑える作用が強い印象です。

 

筋肉の緊張を取ると同時に脳へのストレスを減らす薬が効く

 

デパス=エチゾラムは、脳で不安やストレスを気にならなくする作用と同時に筋肉の緊張も抑えます。効果が期待できます。

 

うつに効く?という胃薬

 

セルベックス=テプレノンという胃薬は、うつ症状に効くというインターネット上に記載があります が、そのような薬効は、どこにも記載がありません。横隔膜の緊張を取る作用があり、それによるうつ症状が改善するのではないか と勝手に考えています。効果が期待できます。

 

他に脳に作用して効果が期待できる、比較的飲みやすい薬

 

リリカ=プレガバリンは、痛みを伝える神経をブロックする薬ですが、脳の中にも作用するため、効果が期待できます。

リボトリール=クロナゼパムは、痙攣を抑えるときに使う比較的弱い方の薬ですが、セルシン=ジアゼパムの仲間で鎮静作用があり、筋肉の緊張を取る作用で、効果が期待できます。

 

これらの飲み薬を組み合わせて飲まれると、症状が抑えられる方がかなりいる

という事が解ってきました。

 

注射もOKという方は、以下を加えます。

 

アルプロスタジル=プロスタグランディン E1 という静脈注射薬は、血管を広げて筋肉の血流量をあげる作用と、交感神経をブロックする作用で、効果が期待できます。特に、下肢が固くて、前に出にくくて、歩きにくい方には、有効です。

残念ながら、健康保険では連日静脈投与が原則で、本数制限(20本ぐらい)があります。しかし、埼玉県では連日ではなく、週2回以上なら認められています。(=週1回の投与ではだめです)

 

他に

 

硬膜外ブロックや、星状神経節ブロックも交感神経をブロックすること、筋肉の血流量を増やしますので、有効例が多いです。

 

副腎皮質ホルモン=ステロイド剤は、炎症を強く抑えますが、抗ストレス効果があるホルモンです。この病気の方はストレスにさらされて抗ストレスホルモンがうまく作用していないと考えると、この注射は効果が出ます。

健康保険の適応は、関節内注射ですが、ブロックに加えて打つことも可能です。

 

以上の組み合わせで、治療を行っています。

 

肩関節の周囲の筋肉が固くなって、動きが悪くなるのが、五十肩です。注射薬も含めて、以上の薬が効く方もいますが、まだまだ改善は悪いです。

交通事故後の、痛みが出る、広がる方には、有効例が多いです。

 

治療まで、大まかに述べましたが、まだまだ分かっていないことが多い現状です。

 


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