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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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私の薦める治療
私の薦める治療

73、骨粗鬆症に関連して、歩けなくなってきたときの注射治療

 骨粗鬆症の行き着くところは、歩けなくなること と述べました。そのときの治療のお話です。
 歩けなくなる原因として、腰から下肢にかけての痛みや脱力によるためのときのお話です。腰部脊柱管狭窄症、 閉塞性動脈硬化症(本来この病気の専門は、血管外科です)、骨粗鬆症すべて共通です。脳の障害での歩行障害は、必ずしも効果があるとはいえません。

驚くほど効果がある(ときがある)エルパル治療

 西窪病院(現陽和会武蔵野病院)に勤務していたころ、看護婦さんがエルパルと読んでいました。エルとは、エルシトニン(=カルシトニン製剤)で、週一回皮下注射します。前回お話した、骨が壊れることを抑える、骨からカルシウムが抜けることを抑える、痛みを抑える神経を活性化する,血流を改善する注射です。パルとは、パルクス(=プロスタグランディンE1製剤)で、詰まってきている動脈を広げ、血流を改善する作用があります。連日、3週間≒20本ほど注射します。(健康保険の適応はこうですが、週一回の投与でも効果があり、しばらくの期間施行し続けても、この当時は大丈夫でした。今は、長期間投与していたら、健康保険組合のほうでにらまれて、それ以降、指示通りに行ってもこの注射がすべて健康保険で認められなくなってしまいます。)この治療を受ける方があまりにも多いので、週3回の私の外来日は、看護婦さん3人がかりで、注射しまくっていました。そこで、このオーダーに対して、いつの間にか、エルパルというようになったのです。

 この当時は、なぜこの治療がこんなに効くのか、わかりませんでした。プロスタグランディンは、動脈が詰まったときが、本来の適応ですが、腰部の脊柱管狭窄症にも効果があることはわかっています。(保険適応は、一部の内服薬のみが、認められていますが、効果は、はるかに注射のほうがあります。)腰椎の中で圧迫されている下肢へ行く神経の、血流を改善することで、症状を改善します。つまり、閉塞性動脈硬化症の方と、腰部脊柱管狭窄症の方には共に効果があります。しかし、歩けなくなってきている方、ほぼ全員に多少なりとも効果があり、どう考えても、すべての方がこのどちらかの病気とは考えられなかったのです。

 効果は、単独より、一緒に行うほうが高いです。勤務医次代はワンパターンで、一緒に行っていましたが、開業してパルクス(プロスタグランディンE1)単独で行うと効果が悪くなるので、気づきました。

なぜ、効果が高いのか、私は、以下ごとく推測しています。
 プロスタグランディンE1(パルクス、他リプル、後発品プリンク、アリプロストなどすべてこの薬です。)は、血流改善作用ですが、非常に化学式の構造が似ているプロスタグランディンE2は、実は炎症を引き起こす物質です。構造も一箇所ほんの少ししか違わないため、E1を注射しても、E2の作用も少し出てしまうと考えています。実際、この注射中に肩の炎症が強くなったり、一時的に下肢の痛みが強くなったりする方もいますし、リウマチの方は、痛みが強くなってほとんど行えません。ところが、このE2の他のよい作用として、骨を壊す細胞(=破骨細胞といいます。)の、幼若タイプを抑える作用があります。(このように書いてある文献を見つけました。)E1を注射することで、E2のこの作用もあるのではないかと考えられるのです。一方、カルシトニン製剤は、この破骨細胞の、成熟タイプを抑えることにより、骨が壊れることを抑える とも書いてありました。つまり、この二つを重ねると、骨を壊す細胞の未熟なものと、成熟なもの、ダブルで抑えることになり、強力に骨が壊れることを抑えることが考えられるのです。この二つの注射が、骨粗鬆症の痛みをも改善すると考えると、反対に、骨粗鬆症だけでも歩けなくなってくるのだ と考えるきっかけにもなりました。
 さらに、カルシトニン製剤も、歩くと下肢が痛くなって立ち止まる(=間欠性跛(ハ)行といいます)症状を改善する作用もあることを、MRの方が、最近データを示してくれました。
 これら二つの薬には、腰部脊柱管狭窄症 骨粗鬆症に効果があり、+プロスタグランディンE1製剤には、閉塞性動脈硬化症にも効果があるので、すべての歩けなくなってきている方に有効なのだ と考えられるのです。
| 私の薦める治療 | 08:46 | - | - | - | - |