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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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私の薦める治療
74、歩けなくなってきたときの腰部硬膜外ブロック治療

 腰椎に行う、硬膜外ブロック治療は、痛みを抑え、痛みによる手術を避けられる強力な治療方法です。図の赤い矢印1から針を刺します。腰痛(腰痛でわかってきたこと)26で述べましたが、このブロックは、下肢の血行も改善します。腰部脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症に効果があり、歩けなくなってきた方の強力な治療法のひとつです。ただ、チューブを入れておいて、持続的に麻酔薬を入れたり、(持続的に麻酔薬を入れ続けられる装置?器具があります。)一日2,3回、ある程度の量の麻酔薬を注入する方が、効果が高く、入院治療を行う必要があります。チューブを入れてからの、麻酔剤の投与の仕方(持続的に入れるか、一日2回ずつ注入するか、)での、効果の差は、あまり違いがない印象でした。

 ただ、この治療は万能ではありませんので、今回はこの話を追加します。
1、下肢の麻痺、脱力には、あまり効果がないこと。
 痛みはよく取りますが、痛みがない麻痺だけの方の治療効果が、あまり出ないということです。例えば、腰椎椎間板ヘルニアで、痛みもなく、足首をそらせる力が入らない方などです。ただ、痛みが強くて力が入らない方は、痛みを取れば力が入ってきますので、効果があります。

以下は非常にまれですが、遭遇していますので、お話します。
2、麻酔剤を注入するため、麻酔のショック?があること。
 硬膜外ブロックは、手術のときの硬膜外麻酔と全く同じ手技です。ただ、麻酔のときの方が、麻酔剤の量を多く注入します。そのため、硬膜外麻酔をかけたときに、このような例に2回遭遇しています。
 麻酔剤を入れてから、10分ぐらいで、心臓の拍動が遅くなり、次第に止まってしまうのです。麻酔剤は、細胞の電気信号の伝達を抑えますので、心臓の拍動の電気信号も抑えてしまうのではないかと推測します。ショックの治療をしても反応せず、麻酔剤が切れるまで、2時間ぐらい心臓を動かし続けることが出来るのなら、助かったのかもしれませんが、そのようなことも出来るはずもなく、結局、お二人とも お亡くなりになりました。
 ただ、このお二方は、大腿骨頚部骨折(股関節の部分)を起こしている、ご高齢の方です。心臓や、血管が、決して強くなく、若い方に比べたら、余力がない状態でした。
 一般に、薬には、ショックが起こることがまれにありますが、局部の浅いブロックでの、麻酔剤のショックには遭遇していません。

3、痛みが暴発する方がいる。

 硬膜外ブロックの針を刺すときに、痛みを感じるのは、皮膚、皮下がほとんどで、この部分は、局部麻酔をしてから行いますので、通常は、押された感じがするだけで、後は最後に硬膜外の部分に麻酔を注入するときに痛みを感じるぐらいです。この注入時の痛みは、個人差があり、かなり痛みがある方と、ほとんど痛くない方もいます。ただ、痛みに敏感になっている方で、非常にまれですが、硬膜外の針を刺すときに、それ以外でも異常に痛みが出る方がいます。開業して、レントゲン透視を見ながら、針を刺すようになってわかったのですが、硬膜外の手前の、黄靭帯のところで、異常に痛がるようです。(図のオレンジ色の部分が黄靭帯)その部分が、痛みに異常に過敏になっているとしか考えられないのです。その時点で麻酔薬を注入して、そのまま針を進めて、硬膜外に達した所で麻酔を注入して通常は治まりますが、中には、異常に痛がるので、そのまま針を刺すのは無理と判断して、中止した例もありました。その痛みが出た時点(黄靭帯のところ)で、麻酔薬を入れて、痛みを抑えようとしましたが、効果はなく、その方は、そのまま異常に痛みが続き、拮抗性鎮痛薬(麻薬の構造を元に造られた鎮痛薬)で、ようやく痛みが治まりました。

 このような例を、お話しすると、怖くて治療を受けられなくなってしまうかもしれませんが、いずれもまれですので、それを加味しても、硬膜外ブロック(硬膜外麻酔)の治療効果はすばらしいものと、今でも感じております。ただ、開業して、硬膜外にチューブを入れておく治療が出来ないことは、残念でなりません。チューブを硬膜外に入れておく治療は、チューブの刺入口から感染しやすいので、必ず、清潔な手術室で行うほうがよい事と、入れる麻酔剤の管理も、清潔で行わなければなりませんし、(患者さん自身が行うと、不潔になる可能性があります。)チューブが詰まった などのトラブルにも対応しなければなりませんし、開業時間内だけでは、とても無理と判断しております。
| 私の薦める治療 | 11:02 | - | - | - | - |