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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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私の薦める治療
75、パルクスの不思議な力

 前回、硬膜外ブロックは、神経が麻痺して力が入らない症状には、あまり効果がない とお話しましたが、これに効果があるのは、実はパルクス(プロスタグランディンE1製剤)です。注射していくうちに、日に日に力が入ってきて患者さんに喜ばれます。麻痺の原因となっている神経の血管を広げて血流を改善し、神経を回復させ、麻痺を改善すると考えています。内服のプロスタグランディンや、血管を広げる作用のある、他の一部の薬にも同様に麻痺を改善させる作用があります。しかし、効果は、注射剤にかなわないと考えています。残念ながら、神経を回復すると認められているビタミンB12は、さほど効果がありません。 硬膜外ブロックは、交感神経をブロックして、血管を広げて、下肢や上肢の抹消(先の方)まで血流を改善する作用は強いのですが、麻痺の原因となっている神経そのものの血流を改善する効果はあまりないようです。

 パルクス(プロスタグランディンE1製剤)には、直接血管に作用して広げますが、薬理学的には、交感神経をブロックする作用もあります。交感神経は、血管を収縮しますので、これをブロックすれば、血管はさらに広がります。痛みに対しては、これをブロックすることで、感じにくくすると考えています。(自律神経のひとつである交感神経が副交感神経より優位な状態が、痛みに敏感になると考えているからです。痛みの項目の、痛みは気から3理論編に記載しています。)保険では、動脈の閉塞性疾患(閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎、それらによる難治性の潰瘍)しか投与が認められていないのですが、いろいろ治療効果がありますので、列挙します。

1、頚椎捻挫後 
 しばらくして治りが遅い方に打つと効果があります。直接の外傷による損傷は軽ければ、実はすぐよくなるはずです。しかし、痛みが引かずになかなか治らなくなる方が、通院治療しているのです。最初の一撃による損傷時には、必ず炎症が起きている状態(この時期にパルクスを打つと、逆に炎症を強める可能性あり)ですが、経過とともに、炎症は治まり、組織は回復しているはずなのに、まだ痛みが続いている状態になります。このようなときには、交感神経が緊張している状態になっていて、痛みに敏感になっており、血行も悪くなっていると考えられ、上述した理由で、効果があると考えています。
2、頚腕症候群 
 腕に行く神経は頚椎から出ていますが、頚椎そのものではなく頚椎から出た後での、神経や血管の圧迫による障害 に効果があります。
3、歩行障害 
 前回お話した内容です。
4、神経麻痺による脱力
 上述した内容です。補足すると、頚椎椎間板ヘルニアによる上肢の部分の麻痺にも効果が高いです。痛みもなく、麻痺、脱力のみとしてこられる方は、もともと少ないのですが、下肢よりも上肢の方が多い印象です。

ある程度効果が期待できる症状が、
5、脊髄そのものの麻痺
 頚椎、胸椎部分での圧迫によるものです。(脊髄は、腰椎上部で終わっていますので)これらに対しては、椎間板ヘルニアなどの神経麻痺(=通常、脊髄そのものではなく、脊髄から出たところの抹消へ行く神経が圧迫されます。)と比べると効果は悪くなります。
 症状は、頚椎部の圧迫ですと、手の痺れから始まり、手先が不器用になる、下肢の送りが悪くなって階段でつまづきやすくなる、便秘、残尿、尿漏れなどの順に進行するのが、典型です。どんどん進行する方(月単位で悪くなります。)と、徐々に進行する方(年単位で悪くなります。)と、ほとんど変わらない方 がいます。
 どんどん進行する方は、圧迫を取り除く手術しか防ぎようがない現状です。
 徐々に進行する方は、高齢で手術を希望されない場合は、この注射をお薦めしています。

最後に注意点
 この薬は高価なため、保険審査が厳しい現状です。
 保険適応は3週間です。月初めから打ち出すと、翌月には打つことが出来ません。月半ば過ぎから打つと、翌月まで打てますので、(打ち終わりの日付は記入しませんので、)20本ほど打つことが出来ます。
 血栓を溶かす作用も幾分ありますので、血栓を溶かす薬をすでに飲んでいる方は、出血に注意です。ワーファリンを使用している方には、行わないようにしています。他の抗血栓薬も2種類以上飲んでいる方は特に注意が必要です。
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