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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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足部の痛みでわかってきたこと
88、足関節部の骨折の話

 今回も経験でわかってきたことをお話してみます。
 どのような骨折があるのか、どのような治療があるかなどの話ではありません。

 足関節の骨折で一番多いのは、外くるぶしの部分の骨折です。その部分が腫れますが、かなり腫れていても、骨折はなく、捻挫のことがありますので、診ただけでは、捻挫と区別がつき難い現状です。
 骨折があると、これが意外に、骨折部分がレントゲン見えなくなるまで時間がかかる場合があります。6週間で治ると最初に診断しても、3ヶ月目になってもまだ骨折が見えて、治ったといえない状態がある ということです。
 そのため、少しでも=1〜2ミリの隙間やずれがある場合は、手術をして隙間なくぴったり合わせたほうが、早く治ります。ただし、骨折部位をプレートとスクリューで止めますので、もう一度、それらの金具を抜く手術が必要になる場合があります。(最近はチタン製で必ずしも抜く必要はありませんが、入れて置くとかさばりますので、若い方は、抜くことをお薦めします。)
 この考え方の先生は、少しのずれでも手術をしますが、必ずしも手術は必要ありませんので、手術したくない方は、徹底的に骨がつくまで待ちます。(上図左)
 ただし、あまりギブス固定期間を長くすると、足関節の軟骨が弱くなったり、骨が弱くなったり、足関節が動くにくくなったりして、回復が非常に遅くなる可能性があります。
 通常は、レントゲンで骨折が見えていても、先に症状はなくなりますので、症状に見合う固定で充分と考えています。
 必ず手術を薦めるのは、ずれが大きく、足関節の形が変わって治ると予想される場合です。(上図右)痛みが残る、近い将来、変形性関節症になる などが考えられるからです。

治りが悪くなる、2つの場合

1、手術しても、しなくても、平気でむくみを放置すること
 足の骨折(捻挫も含みます。)とは限りませんが、特に足の部分は、体の最も下に来ますので、心臓からも遠く、重力で、血液やリンパ液の戻りが非常に悪くなりますので、むくみが残りやすい外傷です。
 むくみが、怪我の後、あるいは手術後に、3〜4週間以上残ると、むくみによる弊害が出てきます。骨が萎縮(骨折部位以外の足の部分の骨もすかすかになります。)して、皮膚がてかてかになり、骨折がついた後も、使うと、皮膚がてかてかになり、赤くなって、むくんでくる。痛みも出てくるという状態が残り、その症状が取れるまで、3〜6ヶ月余計にかかります。
出来るだけ、むくみを早く取ること、むくまないようにすることが大事です。(私の薦める治療 51、むくみの治療を参照)
 出来るだけ、足を下にしないように いすに座るときも、他の椅子の上に乗せる。寝るときは、大きな枕の上に乗せて、心臓よりも高くしておく。ギブスから出ている、足の指は、出来るだけ動かして、血液や、リンパの流れを促す。
 足が、風呂に入れる状態なら、温冷浴を行う。
 薬は、西洋薬は効果が悪いので、漢方薬を飲む。

 すでに骨が萎縮している方は、骨粗鬆と同じ治療が治りがよい

 その部分だけ、骨粗鬆症になっていると考えて治療を行います。特にカルシトニン製剤の皮下注射を週一回行うことが、足の痛みもよく抑えて、治りが早くなるようです。

2、子供の、足関節の成長線の部分の骨折は長期免荷(体重をかけさせない)を

 この外傷が、後で、変形や、トラブルの元なっている例を見ます。

 骨の下端の、成長線のずれる骨折を起こすと、まず、手術的に戻りにくいことがある。

 前からの皮膚を切開してもどそうとしただけでは、うまく戻らない場合は、ためらいなく後ろからの切開も加えて、前後からもどすことを薦めます。完全にぴたっともどった状態でないと、変形してきます。

 うまく戻って、固定した後、通常は、6〜8週たってから体重を載せますが、これが早すぎると考えます。4〜6ヶ月の長期に体重をかけさせないほうが、後からの変形を防げる可能性があります。完全に免荷ができる装具を作って歩かせます。(松葉杖もなく、両手が使えて、歩けます。)(下図)レントゲンで、骨が萎縮してきたら、これ以上体重をかけないことに対して、骨が限界といっていると考えて、少しずつ体重をかけさせます。
| 足痛 | 09:57 | - | - | - | - |