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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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足部の痛みでわかってきたこと
94、母趾(=1趾)の痛み1

1、外反母趾の痛みに隠された、変形性関節症や、高尿酸血症

 母趾(=1趾)の付け根の関節の部分(下図の赤丸)の痛みを訴えてこられる方は多いのですが、必ずしも、外反母趾とは限りません。多いのが、その関節の変形性関節症です。レントゲンで、軟骨が磨り減って関節の隙間が狭くなっていたり、関節の骨の輪郭が不整(でこぼこ)になります。(正常な関節の骨の輪郭はきれいな曲線です。)特に男の方は、外反母趾になっている方は少なく、変形性関節症や、あるいは、痛風発作の前触れで痛みが出ている方が多く診られます。
 外反母趾は、趾の付け根の関節=中足骨の先端の関節の横のアーチが弱くなり、左右に広がって、関節に負担がかかって痛みが出ます。ところが、変形性関節症では、横アーチが崩れなくても、痛みが出て、その部分の関節がやや腫れて太くなってきます。女性には外反母趾と変形性関節症の双方合併している方も診られます。
 痛風発作は、男性の方がほとんどで、母趾の付け根の関節に起こることが多いです。激痛で、赤く腫れ上がることが特徴で、はっきりわかることが多いのですが、軽いと、痛風と気づかないことも多いです。高尿酸血症(=血液中の尿酸と言う物質が高くなります。)、があり、尿酸の結晶が多くなって、血液中に溶けきれなくなると、関節に出てきて、発作を起こします。典型的なものが、赤く腫れ上がる激痛ですが、軽いと、痛みが出てくるだけでそのまま治るときもありますし、その後に激痛発作になることもあります。

高尿酸血症+高脂血症の話をもう少し詳しくします。一般的に言われている原因、治療、予後(放って置くとどうなるか)などは省略します。

 痛風もうひとつの発作?の形は、尿酸の結晶に誘発されて水が溜まるタイプの関節炎です。こちらは、関節に水がたまり、腫れが強いのですが、赤くなることはほとんどなく、激痛よりは少し軽い痛みです。母趾の付け根の関節に起こることもありますが、多いのは膝や足関節です。また、高尿酸血症があると、調子が悪い時に、あちこちの関節痛が出やすくなります。これらは、はっきりした関節炎ではなく、痛みも軽いのですが、痛風発作になる可能性がある前状態と考えています。男の方に多く、女性の方で、関節に症状が出る方はまれです。
 また、尿酸が高くなる方は、高脂血症になっている方がしばしば診られます。特に中性脂肪が高くなる方が多いです。男性に多く、体質的なものと考えています。実は私もこの体質です。私の場合は、コレステロールが高くなります。このような方は、尿酸を下げる薬を飲んで尿酸を下げると、逆に中性脂肪の値が高くなることが多いです。(10年以上前にこのような現象になぜなるのか、内科の先生に尋ねてみましたが、わからないとのことでした。)さらに、尿酸は下がっていても、中性脂肪が1〜2ヶ月の測定ごとに大きく変動します。=中性脂肪は、150mg/dl以下が正常なのですが、200以下の正常に近い方でも、尿酸を最初に下げたときに、250以上にあがってしまい、その後も、尿酸が正常範囲の値に下がっていても、中性脂肪のほうは200〜400ぐらいを変動したりするのです。中性脂肪を下げる薬を追加してコントロールしてもこのようになることもあります。高コレステロールには良く効く薬はあるのですが、純粋に中性脂肪だけを下げる薬は良いものがないようです。内科専門でもない( 私の内科は漢方薬治療です。残念ながら、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病は漢方薬では太刀打ちできませんので、正直言って専門外です。)のですが、一番新しい西洋薬まで使ってコントロールに四苦八苦しています。

2、若い方では種子骨(しゅしこつ)の痛み


 母趾の足底側には、種子骨と呼ばれる小さな骨が二つついています。(母指の手のひら側にも同じくついています。)特に若い方で、運動する方はしばしばこの部分が痛くなります。さらにその中には、ときどき種子骨の片方が、もともと二つに分かれている方(分裂種子骨)がいます。分裂している(=分かれている)部分は、骨折ではなく、もともと存在していて、骨より弱い繊維性の組織でつながっていますので、負荷に弱く痛みが出だすと考えています。

 治療に関しては1,2も共通です。リハビリは、小さい部分に照射できるスパーライザー(レーザー)治療や、トリオ治療、超音波治療を行っています。痛みや炎症が強いときは、消炎鎮痛剤(痛み止め)の内服が効果的です。さらに、簡易テーピングを行うと歩くときのサポートになり、治りが早くなります。よほどひどい方は、関節内にステロイド剤(=副腎皮質ホルモン)を注射します。当院では、レントゲン透視を見ながら行えますので、より確実に入ると考えています。

3、まれに腰椎椎間板ヘルニアのときがある。

 母趾が痛い と訴えてこられた方の中に、まれに腰椎椎間板ヘルニアの方がいます。痛いのは、足の1趾なのですが、悪いのは腰です。腰椎の中には足先まで行く神経が走っていて、椎間板が出っ張って(=ヘルニアといいます。)その神経を圧迫すると、腰ではなく、神経が行っている先に痛みが出るのです。通常は足先だけではなく、神経の走る部分に沿って、もう少し広い範囲に痛みが出ますが、母趾だけの痛みもまれにあります。神経が圧迫されると、母趾を反らす(=背屈する)弱くなることもありますが、外反母趾などの母趾の付け根の関節の障害だけでも、反らす力が弱くなりますので、診断に注意が必要です。

次回は陥入爪のお話です。
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