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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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足部の痛みでわかってきたこと
97、なかなか痛みが引かない足部の外傷の話1
   (はっきりした骨折のない場合)

 今回は、足部の外傷の後、なかなか痛みがひかない時に考えられることを、足関節の明らかな骨折のない外傷を中心に挙げてみます。足趾の場合の話は 93でしましたので今回は述べていません。

1、固定安静が不充分な時
 
 A,靭帯の損傷がひどく、場合によっては断裂していても、ギブスなどのしっかりとした固定をしなかった場合。(剥離骨折ぐらいは含みます。)

 骨折=ギブスと考えていると、それ以外はすべて捻挫になり、あまり重症でないと思って、ギブスなどの強固な固定を望まない方が大勢います。特に腫れがあまりない場合はギブスは大げさです。しかし、あまり腫れていなくても、靭帯が切れている場合があり、しっかりした固定を行わないと、治りはかなり遅くなります。通常は、1〜2ヶ月で完治なところが、3ヶ月以上もなんとなく痛みが続きます。

 B,安静が必要な時期にどんどん使っている時

 ギブスで固定しても、その期間が短く、はずした後、どんどん使ってしまう時。
 絆創膏固定(テーピング)などの固定をしていても、指示よりも早めにどんどん使ってしまう時。
 自己判断で勝手に固定を止めてどんどん使ってしまう時。などです。
  特に、若い方に多く、痛みがなくなるとそのまま使ってしまう方も多く、腫れがいつまでも引かない方がいます。痛みが先に引いても、実際は治っていない=腫れが残っている ことも多いのです。やはり、3ヶ月か、それ以上ぐらい腫れが残って、治った となかなか診断できなくなります。

 このような場合の治療は、使う時、昼間はテーピングなどの固定(86足関節捻挫を参照)をしながら使うこと。痛みが出ない範囲の運動にとどめること。足関節の動きは、背屈、底屈方向だけ動かし、(図1)ひねりを加える動作を避けること。もちろん、当院で行っている超音波治療、スーパーライザー(レーザー)治療、トリオ治療(ホームページ参照)は早く治す効果があります。いずれにしても、根気よく痛みが引くまで治療を続けることです。どうしても治りが悪い時は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)の注射を打って、炎症を抑えると改善すると考えられますが、上に述べたことを守らずに、どんどん使っていては意味がありませんし、そこまでの(注射の)治療をした方はほとんどいません。
図1
2、固定や安静が長すぎた時
3、自律神経の過敏状態を起こした時
4、腫れが引かない状態が1ヶ月続いた時

 どのようになるか、結果がほぼ共通なので、一まとめでお話します。
 2は、使わない、大事にしすぎるという意味です。
 3は、痛みが長く続いた時に起こしますが、原因もなく起こす方もいます。自律神経には、交感神経と、副交感神経があり、このうち、交換神経過敏状態が原因です。(3、痛みは気から理論編参照)いらいらしやすい方、神経質な方は起こしやすくなります。自律神経の調節が悪い方(めまい、たちくらみなどをおこす)は、副交感神経の機能が悪いほうですので、必ずしも当てはまりません。
 4は、3に関連しておこります。自律神経(交感神経)の過敏な反射で、外傷でなくても、痛みでむくみを起こすこともありますので、痛みがなかなかひかない時は、この神経の過敏状態も関係していると考えられます。
 結果は、以下のことが共通と考えています。
 使わずに、動かさずに大事にしすぎたり、自律神経の過敏反射状態が続くと、骨が萎縮(=弱くなる)します。足関節の外傷でも、その部分だけではなく、足先の骨までが萎縮してきます。まるで、その部分の局所の骨粗鬆症(こつそしょうしょう)です。足関節や足趾の動きは悪くなります。使っていると、使いすぎると、痛みや、むくみが出ます。朝は大丈夫でも、夕刻になると症状がでます。普段よりも多く歩くと症状がでます。ひどくなると、皮膚がてかてかになって、赤黒くなることもあります。足関節や、足趾の動きがさらに悪くなります。
 このような状態になると、程度に差がありますが、3〜6ヶ月、ひどいと1年ぐらい症状が改善しません。

 治療は、適度の(やりすぎ、やり方が悪いと悪化します。)足趾の運動(92に述べた掴む運動)、足関節の運動(図1の方向に動かします。)、かなり改善したら、爪先立ちや、踵立ちの運動(92参照)も少し加えるとよいと考えます。
 温冷浴(私の薦める治療40〜)を行って、自律神経の訓練を行います。
歩く距離、使う範囲、運動や、負荷の程度は、痛みが出ないようにするまでとします。翌日辛くなったら、前日の運動はやりすぎと考えます。
 骨萎縮があるときは、骨粗鬆症の治療(72、骨粗鬆症の話9)を加えると効果が上がります。特に、カルシトニン製剤は、痛みを抑える神経を賦活しますので、痛みの改善には有用です。局所の骨萎縮の改善にも、骨密度を改善するビスフォスフォネート製剤(朝一番で飲む骨粗鬆症の薬)が有効なのではないかと考えられますが、使用経験はありません。
 リハビリは、当院では、ピンポイントでなく治療範囲をある程度取れるトリオ治療を行っています。

5、足関節の捻挫のあと、距踵関節(きょしょうかんせつ)で痛みが出てきている時

 足関節の捻挫をかなり前にして、そのまま様子を診ていたが、なかなか痛みが引かないといって来られる方の中に時々います。特に最初はそんなひどくないと判断したので、医者に診てもらわなかった=治療をしっかりしなかった方に診られます。距踵関節はあまり強くない方がいて、外傷がなくても、踵や、アキレス腱に痛みが出やすいことは述べました。(足痛77参照)外傷がきっかけで、痛み出だすのは、足をかばって、いつもと違う歩き方、違う体重のかけ方をするためと考えられます。足のくるぶしの下端と同じぐらいの高さにありますので、足関節の痛みがそのまま残っているように診えますが、足首の前後に痛みが出ていたり、踵に痛みが出たり、アキレス腱に痛みが出たりします。
 治療は、距踵関節を安定させるようにテーピング固定(足痛78参照)や、超音波治療を行っています。

7、足関節の外くるぶしの一番大事な靭帯(=前距腓靭帯)断裂で、切れた靭帯が関節の方にめくれ込んでいる時

 足関節の内返しを制動する上で、一番大事な靭帯が、図の靭帯(前距腓靭帯=ぜんきょひじんたい)です。まれですが、この前距腓靭帯=ぜんきょひじんたいが、足関節の中の赤い矢印方向にめくれ込んでいると、痛みが引かず、体重もうまく載せられません。足関節の靭帯が切れた場合、すぐに体重が載せられないこともありますが、少なくとも、1ヶ月以上も体重をかけると痛みが続いて、充分に体重を載せられない と言うことはまずありません。この靭帯の損傷では、比較的に早く(通常1週間以内に)体重がかけれるように、歩けるようになるのです。

 なかなか体重をフルにかけることが出来ない靭帯は、図の前脛腓靭帯(ぜんけいひじんたい)の方です。青い矢印のほうに体重が載るためです。ひどい損傷ですと、6週間ぐらい体重を充分に載せることが出来ません。
 治療は今までの超音波治療、トリオ治療、レーザー治療、足関節の運動(図1)などで経過を診る、関節の中に麻酔の注射をして、靭帯の引っ掛かりをとる治療を試みる、いずれにしても、動かしているうちに引っ掛かりが取れる可能性がありますが、経験がありません。

 私が経験したのは、西窪病院勤務医時代の10歳ぐらいの女の子と記憶しています。経過を診ていっても、なかなか体重が載せられないので、思い切って手術を薦めました。中をあけてみたところ、切れた前距腓靭帯が、関節の中に挟まっていたのです。その靭帯を引っ張り出して、縫い合わせた後は、固定を行って、順調に治っていきました。
 開業してからも、同じような女の子の例がありました。数週間経っても体重が載せられないのです。今回は、エコーで靭帯がめくれ込んでいるような像が見て取れましたので、手術紹介を薦めたところ、来院されなくなったので、その後どうなったかわかりません。
| 足痛 | 18:27 | - | - | - | - |