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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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コーヒーブレイク
膝の痛みの話の前に

 次は膝の痛みの話に移るのですが、膝の話だけでも、いろいろあって、足痛の項目のように、膝痛と独立させてもよいぐらいです。しかし、あえて、今回は、下肢痛の中に含ませていただく予定です。また、いろいろあるため、どれから話を始めてよいか、迷っていますので、まず、膝とは全く関係ない私事の話から始めて、膝の話に結び付けたいと考えます。医学関係の話ですが、今までの話とは関係ありませんので、コーヒーブレイクとさせていただきます。

106、私が整形外科医になったわけ1

 一昔前といっても、私が医師になってかなり経ってからですが、薬師丸ひろ子が、新人医師の役、真田弘之が患者役だった、“病院へ行こう”という映画がありました。この映画、整形外科の様子が、非常によく風刺されていて、=リアルに表現されていて、面白かったことを覚えています。当時は、後輩に、面白いから見ろ と薦めていました。
 映画の中では、肩の外転装具を着けている荒井注、ハローベストをつけている嶋田久作など、珍しい症例=そう簡単に見ることができない例です。が、ひとつの部屋に集まっていていましたし、薬師丸ひろ子が、大腿骨骨折の手術の時に使う、キュンチャーと呼ばれる金属の棒を埋め込むための骨を削るドリルをカメラの方に向かって回す姿もありました。“桃栗3年柿8年“をもじった、”腰痛3年膝8年、私は(患者の)プロだよ“という表現も面白かったですし、ベンガルが病棟を回っている時に話した、この患者、ステっちゃった=ステルベン、ドイツ語で死ぬ と言う意味 などのせりふ、も実際によく使っていますし、とてもリアルだったと覚えています。
特に、薬師丸ひろ子が言っている、次のせりふが、整形外科を目指す理由になっていてもおかしくないのです。
“整形外科で、死ぬ人は非常に少ない。出来れば全員、元気にして帰したい。”と言う言葉です。

 実際、一般の病院に勤務していたころは、死ぬのは、年に2、3人ぐらいだと思います。これは、死ぬ病気である”がん”=骨肉腫などの、骨や筋肉などの悪性腫瘍の症例は、内臓のがんに比べて、非常に頻度が少ないためです。=症例はほとんど専門病院や大学病院に送られます。しかも最近は、抗がん剤治療の進歩で、生存率が高まっています。骨にがんが転移する(別に大元の内臓のがんがあり、そのがんが骨に移る事)場合はときどきありますが、がんの原発部位がわかっている時は、そのオリジナル部位の専門家の先生が最後まで面倒を診ることが多いのです。骨への転移がんとわかっているにもかかわらず、オリジナルの原発がわからない時は、整形外科で最後まで診ますが、こちらは頻度が非常に少なくなります。加えて、がん以外では、整形外科の病気はもともと死ぬ病気ではありませんので、お亡くなりになる確率は、非常に少なくなります。
 しかし、私の場合は一時期、これに当てはまっていませんでした。開業直前まで勤務した西窪病院(現陽和会武蔵野病院)は、整形外科の入院で死ぬ方が多かったです。外科の常勤の先生は、高齢の院長だけであったこと、内科の先生も、私よりもはるかに先輩で、状態の悪くなった患者さんを頼みづらかったこと、症例も、高齢の患者さんが多かったこと、などが理由です。
 例えば、入院のなるような痛みで来られた患者さんも、整形外科の病気ではありませんと断言して、外科や、内科の先生に頼みづらい のです。股関節周囲の激痛で、整形外科を受診してきた、老婦人がおりましたが、入院させた後、他科に頼むまもなく、その晩お亡くなりになったこともあります。その時に、入院時に一緒に診た先輩の整形外科の先生は、整形外科の病気ではないのではないか とおっしゃられたのですが、整形外科の病気ではありませんと断言して、外科や、内科の先生に頼みづらかったのです。また、リウマチで入院していた患者さんの状態が徐々に悪くなったことがありました。これも、状態の悪くなった患者さんの全身管理を他科に頼みづらかったため、整形外科入院のまま お亡くなりになりました。一番驚いたのは、90過ぎの男の患者さんが、整形外科で入院されていたのですが、次の日の回診時にベットが空なので、婦長に聞いたところ、昨晩亡くなられました。と言う返事です。主治医の知らぬところで亡くなっていたという珍事もありました。

 整形外科になった理由のひとつは、整形外科の病気では、死なない =手術後の管理が楽 と言うことでもあります。外科の病気では、がんが多いため、内臓の時間のかかる手術が多いため、術後の管理が重要で、泊り込むことも多々ありますが、整形外科では、手術時間が短い症例が多く、さらにもともと状態は良好な方が多いため、術後管理が他科に比べて楽なのです。手術が出来る(医者になったからにはメスを持ちたいと思う先生は多いです。)上に、術後管理が楽=自分の時間が多く持てる と言うことになります。
 一方、整形外科は、内臓の病気を診ません。医者と言ったら、内臓の病気を治す ことが、メインです。つまり、内科、外科がどうしても中心です。その中心からは完全に外れてしまいます。メインになることは、諦めなければなりません。しかし、内臓の病気を中心に診る先生からすると、整形外科は守備範囲が広すぎて、わからないので、敬遠される科でもあるのです。この部分では、逆に優越感?に浸れるのです。
| コーヒーブレイク | 10:15 | - | - | - | - |