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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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コーヒーブレイク
113私が整形内科医になったわけ6 ファイナル

今回は、開業した後の話です。

 当時の私には、開業にこれほど資金がかからなかった例はない と自慢するほど、お金がありませんでした。西窪病院の退職金を合わせて、ようやく運転資金が用意できたほどです。それ以外の、器械の購入、事務用品の購入費も含めてすべて、リース扱いにしました。手付金、担保などなくても、月々の支払いが可能であれば、借りられる(リースできる)のです。宣伝費もほとんどなく、開院前は、ビラを作成して、新聞と一緒に配ったのみでした。
 したがって、初めは、1日10人前後の来院患者数から始まりました。現在の人数は、当時としては、雲の上の数字です。こんなにも来てくださるのかと、われながら感心しております。

手術を捨てる!!

 開業当初は、多くの開業された整形外科の先生が最初そうであるように、手術には固執しておりました。患者さんも少なかったので、週一回、西窪病院勤務当時よりパート勤務していた病院にそのまま勤務し続け、そこで手術したり,医院の中でも簡単な手術を行っていました。が、患者さんが多くなると、忙しくなり、時間も取れなくなり、疲れも溜まってきましたので、パート病院勤務は止めました。医院内の手術も、創を縫合する必要のある方や、感染して腫れている方(=すでに不潔になっています。)などの手術以外は、行わないこととしました。ちょっとした皮下腫瘍の切除でも、清潔なきちんとした手術室がないと、感染する可能性が高いのです。したがって、現在は、すべて手術室のある病院に紹介しております。(きれいな何もない肌にメスを入れる手術は行っていないと言う意味です。)

治療の引き出しを多くする!!

 開業した当時の、モットーは、整形外科の考えに固執していては、多くの方がよくならない でしたから、出来るだけ他の考えを取り入れようと努力しました。引き出しは出来るだけ多く持っていた方が、多くの方が治るはずです。まず、かねてから希望だった漢方医学を勉強しました。講座に参加したこともあります。勉強してみた結論は、漢方医学は奥が深く、薬を選ぶのが非常に難しいと言うことです。西洋薬のように、この症状に、この薬と単純に決められないからです。数年間勉強しましたが、いまでも、どの薬がよいのか迷うことが多いのです。それから、いろいろな他の医学治療にも目を向けてみました。休日には、よく本屋に言って、医学関係の本をいろいろ読み漁りました。例えば、針灸のつぼの考えは、中国医学で、日本の漢方(=和漢)とは別です。中国では、西洋医学講座のほかに、漢方薬医、鍼灸医それぞれ、6年間勉強する講座があるようで、それだけ奥が深く、極めるのが難しいのです。そのうちの、鍼灸の考えのつぼを理解するため、教科書を読む気にもなれませんので、出来るだけ、一般書で、わかりやすいものを読み漁った と言う具合です。
 そこで見つけた本の1つが、関節運動学的アプローチです。以前からこの考えがあることは知っていましたが、どのようなものかわかりませんでしたので、ここで始めて勉強しました。本で勉強して、自己流で行っていますから、真の関節運動学的アプローチではないと思いますが、これが診察と治療に非常に役立っている現状です。
 プラセンタ治療も、取り入れました。注射薬は保険適応ですが、内服薬もあり、こちらは保険適応外なのですが、使用してみたこともあります。今話題の、グルコサミン、コンドロイチン硫酸の内服も、いまだ処方薬ではありませんが、購入して飲んでもらったこともあります。

新しい医院を立てる!!

 患者さんも増えて軌道に乗ってくると、歯科医院用に建てられた旧医院は、整形外科用としては、待合室、診察処置室、レントゲン室など非常に手狭で、待つ場所がないために、患者さんがあふれて、中に入れない時もしばしばでした。診察の流れも悪く、待ち時間も多く、どうしても、広いところに移る必要があることは感じていました。
 数年して医院が軌道に乗ると、銀行の態度は180度変わりました。開業前は相手にもされなかったことは反対に、担保物件などなくとも、実績で、融資すると言うのです。建設業者や、銀行員にかねてから希望する場所あたりの土地をいろいろ探してもらっていたところ、運よく希望通りの場所の話が持ち上がりました。たまたま不動産会社の社長さんがうちの患者さんで、その親戚の土地を売ってもらえることになったのです。役得です。
 新しい医院の土地購入、建設は比較的スムースに進み、念願の自分の思い通りの医院を立てることが出来ました。MRI検査と、腰椎、股関節で骨密度を測るDXA検査は、スペースと予算的に無理でしたので、代わりに、踵で骨密度を測定する装置と、下肢の動脈の閉塞を検査できる脈波検査装置を購入し、レントゲン透視装置も備えて、診断、治療に役立てました。超音波診断装置(エコー)も診察ベットのすぐ横において、その場で瞬時に行えるようにしました。
 思い通りの医院を立て、治療を行ってきてみて、現在の当院は、あまり長い時間待たせない(それでも混雑時には、1時間以上待つとぼやかれます。)、診療は手短に(=長く話を聞いて欲しい方には向きません。)、治りも速やかに(それでもなかなか治らない方も多い。)、です。じっくり話を聞いて、リハビリに時間をかけて、歩行練習をしたり、運動療法を行ったりする、他の整形外科の医院や、リハビリテーション関連施設とは、一線を画していると考えています。移転前は、リハビリ室を大きくして、運動療法を行えるよう、マットや、腕を引っ張ったり、脚をつるせる装置を置いたり、歩行練習が出来るように、平行棒、練習用階段、筋肉トレーニング用の錘などの設備を整えて、リハビリテーションをある程度本格的に出来るような構想を練っていたのですが、その構想とは、違う方向に医療方針が進んだことになります。そのため、広いリハビリ室の半分ぐらいのスペースが、リハビリや処置を受ける方の待合になっています。

今、感じること

 整形外科の考えだけではだめと思って、いろいろ治療を取り入れ、どのような場合にどの治療が合うのかがわかってきて、今、また、整形外科中心の考えに立ち戻っています。関節運動学的アプローチ手技を頻用する以外は、ブロック治療、漢方治療、つぼ治療、プラセンタ治療、などは治療のメインにはならないと言うことです。あくまで治療の根本は整形外科の考えにあり、それを必要に応じて他の治療を加えることで、治療に幅を持たせる考えです。
 特に、手術をしない、外科の部分を捨てた今、中心となるのが、勤務医時代から固執してきた、どこまで、手術しないで治るか と言う考えです。=整形内科と言う考え方です。それには、どのような例が手術になるか知っていなければなりません。つまり、整形外科をわかっていないと、整形内科医にはなれません。それでも、手術するかしないか 迷うこともしばしば遭遇します。迷ったら、セカンドオピニオンです。大きな病院では、脊椎、膝、肩、手など、専門としている先生が集まっていますので、それぞれの専門の先生に紹介して、意見を聞く、その指示に従うことです。また、私の判断で、手術した方がよいと考える例は、手術できる病院にそのまま紹介しますし、MRI検査も受けたほうがよいと考える方には、近くの病院に頻繁に紹介していますので、紹介する患者が多いことも当院の特徴になっています。
 そして、手術にはならない方や、整形外科の確実な病名も付かないような方には、整形外科以外の考えも含めて治療を考えます。痛みが長く続いている方は、決めた治療方針でよくならない場合もあり、その方にあった治療を、治療の経過を診て、いろいろと探ってゆかなければなりません。通院治療が必要です。それでも、よくならない方もいらっしゃいます。まして、1回、2回の治療だけですぐよくなる方はわずかです。どうしても、通院治療が出来る範囲の地元中心の医療になります。
 また、来院された方、全員をよくするという、究極の目標には、まだ到達できそうもありません。出来るだけ多くの方が楽になればよいと日常診療に当たっておりますが、己の力量の限界もわかってきました。手足、腰などの抹消の治療を繰り返しても、なかなかよくならない方がいらっしゃいます。年単位で治療を継続して、よくなってきた方も何人かいらっしゃいますが、長期に来院されている方には、同じ訴えを繰り返す方も多いのです。頭で痛みを記憶している状態の方もいる(うつ病など)と考えていますが、頭に直接作用する薬は、精神科領域となり、まだ使用していない現状です。
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