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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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下肢の痛みでわかってきたこと
今回から再び、わかってきたことシリーズの医学の話にもどります。

114、膝の痛み1

 整形外科医の中でも、膝の外科は専門にしている先生は大勢おられます。専門的な病気のことや、治療に関しては、間違っていると困りますので、ここでは、手術とはならない膝の痛みに関して、臨床経験から勝手に感じていることを述べさせていただきます。


膝の痛みは、年を取られた方だけではなく、スポーツをする若い方にも多く診られる。

 膝の痛みと言うと、年を取って、軟骨が痛んですりへる、それを補うように、骨がとがったり、変形してくる、いわゆる変形性膝関節症が多い と、開業するまでは思っておりました。勤務医時代は、ほとんど午前中しか外来を行っていませんでしたので、学校帰りや、仕事帰りの午後から来る可能性の高い若い方を、見る機会が少ないためです。開業後は、小学生から中学生などの若い患者さんがとても多いことに驚かされました。
 定期的にスポーツをしている子に多いのですが、スポーツをしていない子でも、体育や課外活動で走ったりすることが多いので、痛みを訴えてきます。特に中高生はスポーツ系の部活動を行っている子が多く、小学生は毎日スポーツを行っている子は少ないので、そうとも限らない場合が多い印象です。男子が多いかと言うと、これまた女子で膝の痛みを訴える方も多いのです。

症状が軽いと、診察で悪い所見が出なくなる。

 しゃがんだ時だけ痛い、使っていると段々痛くなる、スポーツするとしばらくして痛くなるなど、負荷をかけないと症状が出ない時は症状が、軽い場合と考えます。寝て、体重がかからない状態で、診察しますので、押しても、ひねっても、曲げても何も診察で異常が出なくなります。
 というのが、今までの見解でしたが、最近、急に伸ばした時のひざの硬さや抵抗感、急に最大限に曲げた時の膝の硬さ、抵抗感などのわずかな左右差で、まだ治っていない、いくらかは悪い ことがわかるようになってきました。特に、曲げた時のわずかな角度や、抵抗感の差で、しゃがむと痛いでしょうとか、まだ正座が出来ませんね とかわかるようになりました。さらに、膝の正面を触っているうちに、左右の腫れ具合のちょっとした差もわかるようになり、以前より、治っていない 悪くなっている ことがわかるようになってきたと思っております。

逆に、診察で所見があっても、症状がないときもある。

 私は、まず、膝から下をベットサイドにたらしてもらって診察を開始します。(以下のことは、整形外科の教科書には載っておりません。)その時、膝頭=皿の周囲を触るだけで、ジクジク、プチプチ、シャリシャリなどと、微妙な表現の炎症所見のを手に感じることがあります。次に、そのまま膝を伸ばす方向、蹴飛ばす方向に力を入れてもらい、私は手で抵抗して、力比べしてもらいます。これは、大腿四頭筋の筋力を見ると同時に、筋肉トレーニングにもなります。その時に、膝頭=皿周囲を触りながら行うと、ジクジクしていた音が消える=感じなくなる方、逆にジョリジョリ音がしだす=感じだす方、運動をし終えた後、再び、皿周囲を触ると、ジクジク音を感じ出す方など、また、動かしている時に、ジョリジョリ音を非常に強く感じる変形性関節症の方などいろいろです。
 これらの症状がある方は、確実に膝に炎症があるのですが、必ずしも本人に痛みなどの自覚症状があるとは限りません。特に、ある程度年齢が高く、皿周囲のジョリジョリ音のみ残る女性の方は、痛みがなくなりました、痛くありません、と訴える方が多いです。

膝の痛みが残ると困るのは、スポーツをする方

 裏を返せば、膝をよく使う男の方や、スポーツなどを行う方には、自覚症状が残りやすいと言うことです。膝をあまり酷使しない、ある程度の御高齢の女性は、自覚症状が出なくなるのです。さらに言い換えれば、膝の痛みなどの自覚症状が残ると困るのは、スポーツをする方など、膝をある程度酷使している方 となります。ジャンプして着地する時の衝撃や、横に動いたり、ひねったり、屈伸の負荷など、通常よりもはるかに強い負荷に耐えなければならないからです。

膝に負担がかかる日常動作  自転車が意外に痛みが出る

 一般的に言われていることは、階段歩行、重いものを持って歩く、正座などです。正座は、体重をかけて膝を深く曲げていますので、体重をかける屈伸運動も膝に負担がかかります。寝て、体重を載せずに曲げ伸ばしをすることは、負担がはるかにかかりませんので、膝の動きの悪い方の訓練には向いています。(ただし、やり方には注意が要りますが)
 自転車は、あまり体重が膝にかかりませんので、開業前は、膝に負担があまりかからないと考えていましたが、意外に自転車をこぐと膝が痛くなる方が多いのです。ジムにあるトレーニング用自転車こぎと違って、乗り出す時にバランスを取らなければならず、膝に力を入れてけり出す必要があることや、坂道などで、膝に力をいれて曲げる動作が多くなるため、などを考えています。
 このようなことは、日常生活動作で避けるような注意事項で、繰り返し行っていると、膝はよくなりません。

 他に、立ち続けると痛くなる、座り続けていて、立つ時痛いが、動いているうちに軽くなる、朝起きた時の動かしだしが痛い、などの症状を訴える方もいます。曲げたら曲げたまま、伸ばしたら伸ばしたままなどの同じ膝の形(体勢)を長く続けないことがよいのですが、こちらは、使うと痛くなる方よりは重症ではありません。

正座が出来ないだけです と言う訴え。

 膝がよくなって、最後に出来ないこととして残る場合が多い症状です。治療を継続していても、なかなか正座が出来るようになるまで回復してこないこともありますが、根気よく治療を続けると出来るようになることも多いです。あと少しで出来そうなときは体重の軽くなる湯船の中での練習を薦めています。屈伸を含めて、なかなかできない時は、ヒアルロン酸の注射を薦めるときもあります。ヒアルロン酸は、炎症を抑えて組織の回復力を高める作用が強く、損傷の回復も促進しますので、保険適応の、変形性膝関節症以外にも効果があります。注射自体が、症状よりも痛いので、どうしても治りたいと言う強い意志が必要です。
 正座が出来ない期間が長く続くと、正座が出来る見込みが少なくなります。正座が出来ない変形性関節症の方を、もう一度正座が出来るようにすることは困難=曲がりが悪くなった膝を再び曲がるようにすることは困難 ということです。膝が充分曲がらなくても、正座が出来なくとも、日常の生活は普通に送れる程度に回復する(=歩けると言うことです。)場合も多いので、目標を欲張らないことを薦めます。

年を取ったときの膝の進行する痛み=歩けなくなると手術しかない。

 軟骨が磨り減って、骨と骨が直接こすれるほどの膝であっても、進行が止まって安定すれば、痛みも軽くなって、ある程度の日常生活が送れます。しかし、痛みが継続して改善しない時は、保存的治療には限界があります。歩行する能力を保持するには人工膝関節の手術を受けることしか手段がない場合もあります。来院したときに、すでに症状が進みすぎていて、いかなる治療を行っても痛みが改善しない(=歩けるようにならない)方のうち、手術を受けても、歩行能力を維持したい希望がある方は、膝の専門の先生に紹介しております。手術を絶対受けたくないという方は、そのまま治療を継続しております。

| 下肢痛 | 20:35 | - | - | - | - |