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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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下肢の痛みでわかってきたこと
119、膝の痛み6

今回から 変形性膝関節症 の話です。

 関節の変形といったら、膝が非常に多いです。そのうち、前回も少し触れたように内側の軟骨から痛んでくる方が多いのです。内側の半月板が薄くなり、あるいは傷んできて、硬い軟骨も磨り減ってきます。期間が長くなると、それを修復するように、骨がとがってきます。診察の症状は、寝ていて完全に膝が伸びずに、膝の後ろが床に付かない。完全に曲がらなくなる。進行してくると、膝が膨らんだ感じの、特徴的な形になって、見た目でもすぐにわかります。自身の症状としては、正座が出来なくなる。歩く姿が、O脚になる。ひどくなると、歩く時に痛みが出て、歩行能力が落ちてきます。
 治療は一般的に言われている、筋肉を鍛えてカバーすること。(特に大腿四頭筋の訓練、膝を伸ばす訓練。)ヒアルロン酸の関節注射。痛いときには、いろいろサポーターや装具を着ける。などです。ここでは、あまり他では書かれていないと思われることを書いてみます。

治りのゴールを見極めること

 すでに変形してしまっている膝は、元には戻りません。元にもどすと言うのは、若返らせろ といっているようなもので、現代の医学では無理です。それぞれの変形の程度や、症状の進行状況で、どこまで回復すればOKか納得されることが重要です。変形は残っても、炎症が治まって、進行が止まれば、症状は軽くなりますので、それが治療目標となります。

 運動が出来ていた方は、また運動に復帰することが目標です。
 正座が出来なくなってきている方は、正座がまた出来る程度まで回復する可能性があります。
 正座や、屈伸がすでに出来ないでかなり時間が経っている方は、再び正座を行うようにすることは無理ですので、苦痛なく、歩けることが、目標です。
 歩けなくなってきている方は、ある程度歩けるようになることが目標です。

 これを無視して、長い間、正座が出来ずに、歩くのも苦痛になってきている方の目標が、正座や屈伸が出来て、歩けて運動も出来るようになる ことは無理な目標です。一時的に痛みがひどくて出来ない方や、初めて出来なくなって間もない方は、元に戻ることが可能です。症状が出たら、すぐに治療する、ひどくならないように予防をする ことが大事なのです。

痛みを抑える

 痛み止めは、シップや、消炎鎮痛剤を使用します。特に最近では、理論上、軟骨を修復方向に働く痛み止めが出てきています。ただし、痛みを抑えて痛くないからといって、使ってしまってはだめです。痛み止めは、炎症を抑え、組織を回復する目的で使うのです。痛みがあると、使わないから安静に出来ると思われますが、痛い=苦痛ですので、苦痛が続くと、精神的にも悪く、組織の回復の妨げになりますし、痛いことを記憶してしまうと、今度は痛みを取ること自体が大変になるのです。痛みは早く楽にした上で、比較的安静にして回復を待つのがよい と言うことです。

 痛みが長引いて、痛みがなかなか取れない方は、消炎鎮痛剤に、ノイロトトピンという、痛みを抑える神経の活動を高めて、敏感になっている痛みを抑える薬が有効なことがあります。体質に合う、漢方薬も効果が出ます。特に、むくみや、他の症状を伴う時や、胃が弱くて痛み止めが飲めない時にも、漢方薬が効果的です。

 器械による消炎鎮痛(=リハビリテーション、詳細は、ホームページを参照してください)は、超音波治療、SSP治療が効果的です。膝の奥まで到達して炎症を抑えて、組織を回復を促すのは、超音波治療と、レーザー(スーパーライザー)治療です。レーザー(スーパーライザー)治療は、照射範囲が狭いので、痛みの原因部位を絞れる時には効果がありますが、より大きい範囲で照射できる超音波治療が有利です。原因部位にしっかり照射できると、少しぐらいの半月板損傷などは回復してきますので、驚きです。
 SSP治療は、電極数が多いので、低周波電流を膝全体に流すことが出来ます。それに比べて、トリオ治療器は電極が一台に4電極しかありませんので、台数が要り、不利になります。これらは、麻酔効果があり、痛みを抑えます。注射の前に行うと、注射の痛みがいくぶん楽になります。傷があって消毒するときは、明らかに痛みがなくなります。また、治療受けた後、麻酔効果を利用して、会計や処置待ちの間に、座ったまま膝の屈伸運動練習を行うには有利です。

副腎皮質ホルモン(ステロイド)関節注射を効果的に使う。

 ヒアルロン酸の関節注射が普及したのは、これまた、ここ20年ぐらいです。それ以前は、もっぱら、ステロイド注射を行っていました。炎症を強く抑えることは、痛み止め(消炎鎮痛剤)より強力で、それに伴って痛みもよく取るため、以前はかなり打たれていましたが、続けて打ちすぎると、組織が破壊されたり、刺激痛が出てきて、逆に炎症が強くなります。(このように言われますが、経験はありません。)そのため、知識のある方では、この注射はよくない と思い込んでしまっている方もいますが、そうではありません。
 回数を制限したり、間隔を充分あけて打ちます。(最初は1週はあけます。5回目以降は、2週以上あけます。あるいは、休止します)打った後、充分組織が回復していれば、また打てると考えています。
 炎症を抑えるには、最も効果がありますので、炎症が強くて痛みが強い膝や、水が溜まり続けている膝に打つと、効果抜群です。ただし、痛みがよくなったからといって、普通に使っていると回復は妨げられますので、安静は保つことです。

ヒアルロン酸の関節注射

 ヒアルロン酸は関節液の主成分です。この成分を関節に注射することにより、炎症を抑え(ステロイドよりははるかに弱いですが)、潤滑をよくして(皮膚の潤滑もよくしますので化粧品としてもよく使われます)、軟骨などの組織の回復を促します。特に、組織の修復能力は高い印象です。変形性膝関節症でなくても、半月板や、靭帯損傷のとき回復が遅れている場合に打つと、治りが早くなる印象です。保険適応は膝と肩だけですが、他の関節にも効果があります。
 ただ、注射時の痛みは、ステロイド注射の時よりも強く、注射後にも、一時的に痛みが強くなる(人により、その日だけ、2,3日続くなど、差があります。)こともあります。分子量(=物質の大きさ といっても細菌よりはるかに小さいのですが)が大きく、粘り気が強いので、足や、肘などの小さい関節に打つと、痛みが強い印象です。

注射時の痛みをどう減らすかが、受けてもらえるかどうかの鍵

 外来では、注射は痛くて、怖くて、受けられない 方も多く見られます。ましてや、ヒアルロン酸の関節注射は、打つときに非常に痛い事もあります。痛い事があるというのは、膝の皿の外側の上(股関節側)から打つのですが、同じ場所から打っても、かなり痛いときと、あまり痛くないときがあるということです。
 注射嫌いの方は、痛みに弱い方が多く、痛みなく注射することが、医療側の悩みの種です。
 当院では、SSP治療や、トリオ治療後で、少し麻酔がかかった感じにして打つようにしています。さらに、表面から関節の中にかけて麻酔剤をまず注射してから打つと、さらに痛みを減らすことが出来ます。この、局部の麻酔をしたあとに、注射する事が、今一番痛みなく注射する方法と考えています。
| 下肢痛 | 21:12 | - | - | - | - |