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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
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下肢の痛みでわかってきたこと
127、股関節の痛み2

今回は、変形性股関節症のお話です。整形外科では、手術以外の治療方法(=保存的治療方法)が、さっぱりダメ?な領域です。

変形性股関節症は、進行を防ぐ有効な治療方法がない?

 膝に比べると、股関節は変形性関節症の方は少なくなります。しかし、いったん変形性関節症になって、進行するタイプですと、膝のように進行を防ぐ方法がほとんどない のが現状です。出来るだけ使わない=歩かない しか、進行を防ぐ方法がありません。そこで、出来るだけ無理をしないようにして、手術にならないように持たせるしかない と言われるのが通常です。
少しでも、進行を遅らせる方法を述べます。が、いずれも、変形が進みすぎると効果がなくなりますので、ひどくなる前に、食い止めるしかありません。膝の場合と同じで、進行が進みすぎて、症状が強くて歩けない方は、手術 しか歩けるようになる方法はなくなります。

膝を固定する装具のように、股関節を固定、荷重をサポートする方法は難しい。

 股関節は、骨盤と大腿、両方を固定したり、サポートしたりしなければならないため、膝のときより、装着方法が手間ですし、長く使い続けることが辛くなります。大腿と骨盤をゴムバンドで固定すると、足や膝と同様に負荷が軽くなり、有効と考えているのですが、実際に装着し続けることは難しいようです。

筋肉トレーニングは、変形が進行すると痛くて出来なくなる。

 変形が進まないように筋肉トレーニングは重要です。股関節を曲げる大腰筋、後ろに反らす、あるいは、外に開く殿筋のトレーニングは、それぞれ立位で30秒位、力を入れ続けるように行うこと+習慣付けることを薦めます。ただし、力を入れ続けるので、繰り返し動かすことがなくても、股関節の動きが伴いますので、進行した例には、痛みが伴って出来なくなります。あくまでも進行する前に鍛えるのがよい のです。

動きの悪くなった股関節の、動きをよくする治療は、痛みを伴って出来ないことが多い。
 
 通常のリハビリテーションの方法ですと、痛みを伴って、進行例では、出来なくなります。関節運動学的アプローチ手技で、ある程度の進行例までは、関節の状態を改善させることが出来ます。動きの方はあまりよくなりません。ただし、年単位で行い続けることが必要なことと、進みすぎると、やはり出来なくなります。

ヒアルロン酸関節注射は、股関節でも有効

 健康保険の適応はありませんが、股関節にヒアルロン酸を注入することは、有効です。ただし、膝と違って、関節内にきちんと薬を入れることは難しく、通常は、レントゲン透視を見ながら、造影剤を入れて、股関節に入っているかを確認する必要があります。この手技は、私にとっては、西窪病院勤務医時代から行っていて慣れていますので、透視装置があれば、造影剤無しでも行うことが出来ます。=透視装置を備えた今の医院で行っています。
まず、針に麻酔剤を詰めた注射器をつけて、麻酔剤を関節内に入れます。関節内に入っていれば、注射器だけをはずすと、針(の注射器との接続部)から、麻酔剤が逆流してこぼれ落ちます。関節内は圧力が高く、余計に薬を入れて、さらに圧をかけると、必ず逆流します。逆流がないときは、関節内にきちんと入っていません。(過去に何度も関節造影の検査を行ってきましたので、この事実は確認しております。)確認できたら、ヒアルロン酸を詰めた注射器をその針に接続して、そのまま注入します。
 ただし、荷重部分の変形があまりに強いと、その部分に薬が回らないようで、効果が薄くなります。かといって、変形の強い部分へ側方から直接注射する方法では、まず関節内に入りません。また、変形が進みすぎると、関節の袋が小さくなりすぎて、従来の挿入部位からも、うまく関節に入らなくなります。これは肩関節でも同じで、関節の袋が小さくなっている=動きが非常に悪くなっている ことが特徴です。この方法も、変形があまりに進みすぎていると、うまく入らないので効果がでない と言うことです。

仙腸関節から大腰筋に痛みが出ていて、辛くなっている方が非常に多い。

 レントゲン上かなり進行した方でも、仙腸関節から大腰筋に痛みが出ていて、つらくなっている方が非常に多い と言うことです。この事は、全く整形外科では言われておりませんが、治療をすることで、驚くほど、痛みが改善する方がいます。
 治療は、仙腸関節の関節運動学的アプローチによる治療手技(腰痛でわかってきたこと13参照2007年4月)と、私が行っている大腰筋ストレッチ(腰痛でわかってきたこと14参照2007年4月)です。この方法は、大腰筋を引っ張ると同時に、股関節を引っ張ったり、緩めたりして、圧を変化させる関節運動学的アプローチの考えにも当てはまっています。進行して、股関節の動きがかなり悪くなっている方は、関節運動学的アプローチに準ずる方法を行っても、なかなか股関節そのものを動かして改善する方法がうまく行えません。そのような方にも、この方法だと、股関節を引っ張ったり、緩めたりするだけで、曲げたり、ひねったりしませんので、行えます。

 これ以外にもここが痛みの原因となっている証拠?を述べます。
 股関節の中にヒアルロン酸注射を行ったあと、骨盤の後ろ側の痛みだけが残る方がいます。つまり仙腸関節の痛みが残ると言うことです。
 仙腸関節にレントゲン透視を見ながら、直接麻酔剤を注射すると、かなり症状が和らぎます。ただし、腸骨の後ろの部分の変形が強かったり、仙腸関節そのものの変形が強いと、この関節にもうまく入らなくなります。
 股関節は座った位置では、体重が直接載りません。腸骨から坐骨に荷重が逃げるからです。にもかかわらず、座っていると痛みが辛くなる方がいます。これは、股関節そのものの痛みではなく、仙腸関節の痛みと考えます。座っていると、仙腸関節には重みがかかるからです。股関節に重み=負荷がかかるのは、立っていたり、歩いている時です。歩くと痛くて歩けない これが股関節そのものの症状と考えます。

器械によるリハビリテーション(=消炎鎮痛処置)は、超音波治療(ホームページ参照)がある程度効果がある。

 股関節は、身体のかなり深部にあります。皮膚の表面を流れる、低周波の電流刺激装置よりは、身体のより深部まで到達できる超音波や、レーザー光線の方が効果が高いと考えます。レーザー光線は、照射範囲がピンポイントでそのまま深部へ直進しますので、きちんと部位をマークしておかないと、患部から外れる可能性が高いのに対し、超音波は皮膚のある程度の範囲を動かしながら当てることが出来ます。深部へもある程度の広がりをもって到達しますので、患部から外れる可能性は低くなり、厳密に=神経質に皮膚の照射部位を決めておかなくても大丈夫です。

レーザー光線治療(=スパーライザー治療 ホームページ参照)もよく効く話を追加します。

 股関節に石灰が溜まっていると、急に痛みが強くなって歩けなくなることがある。(股関節の注射の図参照)

 通常、骨ではないところに、余計に溜まります。レントゲンでこのカルシウムの沈着(=石灰化)は写るので診断できます。なぜこのように溜まるのかわかっていません。また、石灰が溜まっていても、症状がないことも多く、なぜ、急激に炎症を起こして激痛がくるのかもわかっていません。ひねった などの軽い外傷の後に起こることも多いです。この石灰沈着は、実は、肩に起こることが多く、症状は、急に痛くなって肩が全く動かなくなります。
 一番効果的な治療は、石灰沈着部分に、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)を注射することです。レントゲン透視を見ながら正確にその部分に注射できると、劇的に改善します。注射が怖くて受けれない方は、レーザー治療がかなり効果的です。石灰沈着部分に正確に当てるようにマークをつけておいて照射します。正確に当たれば、一回治療を受けるたびに改善してゆくのがわかります。

変形性股関節症の人工関節置換手術は、膝の人工関節置換手術よりも、結果が悪くなる可能性が高い?

 この人工股関節置換手術は、結果の悪い話ばかりが人づてに伝わって、手術を受けたくない と訴える方が多い手術です。
 膝の人工関節置換手術は、医療用電動のこぎりで、悪い部分の軟骨と、骨を切り取って(=削り取って)人工の関節をはめ込んで骨用のセメントで固めます。(ゆえに整形外科は大工だ と言われます。)手術道具には、削る方向をガイドしてくれる装置も付いている上、手術道具の営業業者が、どの道具を使うか、順番に説明してくれるので、その通りにやれば、ある程度整形外科の手術をこなしている方なら、誰にでもできます。したがって、一度この手術をしてみて、つまらないので2度とやりたくない という先生もいるくらいです。大腿の付け根で、血液を止めておいて手術できるので、出血も少なくてすみます。
 一方、股関節の人工関節置換手術はそうは行きません。大腿骨側には、骨の中を削って、ステムを入れる穴を作成し、次に臼蓋の方も削ってから、それぞれに人工のものをはめ込まなければ出来ないのです。その間、膝のように血を止めておくことができないので、骨の方からどんどん出血して、(骨は血液を造るところですので、時間がかかる程、出血もかなりのものです。)輸血が要るのが通例です。大腿骨の中を削ることは、頚部骨折後の人工骨頭置換手術と同じ要領で、慣れている先生は多い(前回の頚部骨折の項で述べました。)のですが、臼蓋側は、慣れていないと、削り方が足りなかったり、人工の臼蓋にはめるカップの方向や、角度が違ってしまい、結果がさらに悪くなります。
 この差が、手術後の成績に表れているようです。結果が悪いのは、股関節の人工関節手術に多いのは事実です。ただ、この手術を多く行っている先生なら、方法がパターン化された手術なので、成績はよいはずです。
| 下肢痛 | 20:59 | - | - | - | - |