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交感神経で私が勝手に考えている、推測している話をまた続けます。
交感神経は、首(頚椎)〜背中(胸椎)〜腰下までの骨(脊椎と仙骨部分)の前方のすぐ傍に、上下につながって連続してあります。
そのうち、重要な個所は
首
横隔膜部分の背骨のほぼ中央部
骨盤(仙骨部)
で、
それぞれの部位の交感神経は連動して作用する
と考えています。
首には
のど仏の左右に星状神経節という交感神経の大きな神経の幹(みき)があります。
この神経節のブロック注射、レーザー光線照射の治療は、痛みだけでなく、花粉症、胸のつかえ、動悸、アレルギーなどいろいろな症状の改善に効果があります。
神経ブロックを頻繁に行う先生は、この星状神経節のブロックをよく使われます。
背中の真ん中には、背骨の前方、横隔膜の下に、
内臓などに行く交感神経があります。胃腸のいろいろな症状や、背中の痛みに関与すると考えます。
横隔膜は、横隔神経に支配される筋肉の膜で、伸び縮みして、呼吸を補助して、胸郭や腹部を膨らませたり縮ませたりします。
横隔神経は、頚椎=頸髄(首の脊髄)の中央部分から出ていて、動かす方の脳、脊髄から指令を出す運動神経と、横隔膜から脊髄、脳へ指令を伝える知覚神経を共に含み、交感神経も含んでいます。
横隔膜が緊張すると、横隔神経を伝わって、首の脊髄に指令が伝わり、さらに上へ伝わって、脳幹部に伝わります。さらには脳に伝わって頭痛を起こします。
脳幹部からは、迷走神経といって、心臓、肺〜胃腸にまで行く神経が出ていて、これが反応すると、いろいろな 内臓の症状がでる 上、脳幹部自体が、自律神経のコントロールタワーですから、動悸、めまい、ほてり、など自律神経の調節が乱れる症状が出てもおかしくありません。
=連動して腹部の交感神経が緊張すると上腹部の筋肉が緊張したり、内臓にいろいろな症状がでる と考えます。
そして、
腹部にいろいろ診察所見が出て、それをもとに薬を処方するのが、漢方薬 と考えています。
20〜30年前までは、漢方薬は、何故効果があるのか、医学的な根拠がないため、信じる先生は少なかったのですが、実際に使ってみて、効果が出るとわかると、何故効果が出るのか不明な点があっても、現在はかなり使用されてきています。
私は、漢方は、この部分の交感神経中心に作用しているものも多い のではないか という考えです。
リコアというリハビリ器械は、座位で骨盤の上の腹部を圧迫するベルトタイプの装置です。この圧迫に対抗して、息を吸うことで、腹部を膨らませて=腹式呼吸 力を入れます。つまり、横隔膜の運動です。自分で強くへこませる運動がドローイングというリハビリで、そのアシストをするリハビリ器械です。
仙骨という骨盤の中には
下肢に行く神経の叢(くさむら)のような束があります。その中に交感神経もあり、骨盤の中や腰や下肢の痛みに関与すると考えます
関節運動学的アプローチという関節を動かして治す治療の、根本は仙腸関節に原因がある としています。そして、治療の初めにまず、この仙腸関節を動かして調節することから始める という考えです。
すべての痛みの原因は仙腸関節にあるとする、この考えは、医学的な確かな根拠?がないため、あまり普及していない 考えていますが、
私は、仙腸関節を動かすことで、仙骨の内部にある、交感神経の作用を調節して痛みを改善する と考えています。
貧乏ゆすりをする方は、座って緊張している時、+緊張して物事を行っているとき、自然に脚がゆすられます。座り方によっては、上腹部まで振動します。
これは、骨盤の中の交感神経を、股関節をゆする、連動して骨盤の中をゆすることで、交感神経の緊張を緩めている と考えるのです。
したがって、座っていて股関節をゆする運動も、骨盤内の交感神経の緊張を緩める作用があり、腰痛や、股関節痛を改善する作用があるのではないか と考えています。
プロテックという当院で腰痛の方に頻用しているリハビリテーションを行う器械は、まさにこれを利用している と考えます。
さらに、
認知症、あるいは、それに近い状態になっている高齢の方で、あまりうまく歩けなくなっている方が、歩行練習を行うことで、脳の機能も改善され、認知症の症状が改善された方が多数いらっしゃいます。
歩行するという事は、股関節、骨盤の中を動かすことになります。それにより、骨盤の中の交感神経がうまく調節されて、それに連動して、脳の機能まで影響するのではないか と推測します。
⇒
歩行する、ジョギングする は上記のような効果があると 考えます。
交通事故で、首周囲の痛みが出ている方が、ジョギングしたら、痛みがどんどん楽になった
例があります。
運動により、筋肉の血流量が増えて、筋肉の痛みが軽減した と考えますが、
それにプラスして、骨盤内の交感神経がうまく調節されて、それに連動して、首周囲の交感神経もうまく調節されて、痛みを抑える方向に働いた とも推測しています。
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交感神経の作用で、すべて説明できるわけではない と考えますが、
交感神経の刺激は痛みを抑えることもあり、強くすることもある。と考えています。
交感神経は、首から腰下までの骨(脊椎と仙骨部分)の前方のすぐ傍にあり、(運動神経や痛みを感じる)神経とつながっていて、作用します。
交感神経が痛みを抑えるとき
例えば、
スポーツ選手が、怪我をしても、そのまま運動を続けられたとき、
後から 骨折していた とわかる時があります。
骨折していても、極度に緊張している試合中などの場面では、交感神経が強く?働いて、痛みが抑えられていた
筋肉の中の細い動脈は、広がる方向に働いて、血流を上げて筋肉を動きやすくしていた
と考えます。
そして、緊張から解放された時、試合が終わった後など、交感神経の緊張が取れて、痛みを感じる ことになります。
交通事故に遭って、
警察を呼んで、いろいろ聞かれたり、調べられたりして、緊張していた時は、交感神経も緊張していて 痛みがなかったが、
ほっとして、緊張がとれると、痛み出した。
などです。
交感神経が痛みを強くするとき
交感神経が、持続的に、繰り返して緊張するとき と考えます。
不安でしょうがない時
イライラしている時
精神的に不安定な時
悩みが続いている時
細かい作業をする時
細かいことを気にしている時
物事に集中して行っている時
怖い状況に遭遇している時 怖いと思っている時
痛いこと に気が集中してしまう時
などです。
日常生活や仕事で、前述の状態があって、マイルドな緊張状態続いているとき
その緊張状態が繰り返されるとき
前々回の細い動脈は縮んで、血流が悪くなり、痛みが出る
に加えて、
痛みを伝える神経の指令 を大きくしているようで、脳で強く痛みを感じてしまう。
脳は、痛みを感じると、痛みを抑えようとして逆の指令を出す=痛みを抑える神経を活動させる のですが、
痛みの指令が強すぎて、痛みを抑える神経の働きが間に合わない、
痛みを抑える神経自体の作用も直接、弱くする
などの作用もあるのではないか と推測します。
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前回のお話しは
筋肉自体から出る痛みの話です。
筋肉の中を走る細い動脈や、筋肉を包む筋膜などから痛みを伝える神経が、脳の方へ痛みを伝える とお話ししました。
痛みを伝える神経は、上肢でしたら、首の骨=頚椎の中へ入って上方に進み、脳に伝わります。下肢でしたら、腰の骨=腰椎の中に入って上方に進み、脳に伝わります。つまり、身体の先端いわゆる末梢から、脳=中枢の方へ、痛みが伝わります。
一方
神経自体が圧迫されて起こる痛み(=いわゆる 神経痛 と思ってくだい) は、
例えば、椎間ヘルニアという病気は、頚椎や腰椎の椎間板で神経が圧迫されて、その神経が行く先の部位に痛みが出ます。
椎間板は本来の形では神経は圧迫されませんが、神経のある側に椎間板が出っ張ったり、飛び出したりすると、圧迫されます。この出っ張ったり、飛び出したり、本来ではない形が ヘルニア です。
首の椎間板で圧迫される神経は、上肢に向かいます。
腰の椎間板で圧迫される神経は、下肢に向かいます。
(脳から、身体の上肢下肢などの抹消に、前述の逆方向に指令を伝える神経が、運動神経です。痛みを伝える神経とともに同じ神経の中にあります。)
前述の、痛みを感じる神経は、その上肢や下肢から痛みが伝わって、脳で、その部分の痛みを感じますが、
大元の椎間板で神経が圧迫されると、実際は、上肢や下肢から、痛みが伝わっていなくても、神経が行っている先の部分で痛みを感じている と脳が勘違い??するのです。
したがって、痛む場所は、首に椎間板ヘルニアが起こると、首以外に上肢に、腰に椎間板ヘルニアが起こると、腰以外に下肢に、痛みが出ます。つまり、上肢や下肢の筋肉部分 に痛みが出ます。
この場合は、上肢、下肢の筋肉部分に治療をしても良くなりません。
原因が、痛みが出ている 筋肉自体 ではないからです。
大元の、首や腰の椎間板部分の治療をしないと改善しない のです。
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ホームページの表扉の“ごあいさつ”にのべた
筋肉の緊張性疼痛とは、
典型例が、関節や、背骨(首、腰など)を動かそうとすると、まるであたかも筋肉がつっぱってしまって、動きに抵抗して痛みが出る状態 です。
うまく表現できる言葉がありませんので、こう表現させていただきました。
私が、多くの患者様に接してきて、こういう状態になっているのではないか と考えていることです。ですから、医学関係の 文書(書籍、インターネットなど)にも載っていないと思います。
また、内臓からくる痛みでないこと、整形外科の痛みでも、癌の骨転移など進行性の病気でないこと。骨などからの痛みではない が前提です。
骨などからの痛みとは、骨粗鬆症など、骨が弱くなる病気や、怪我をした後、あるいは、スポーツで使いすぎていて、レントゲンではわからないくらいの骨が損傷している状態(MRI検査でわかります)が回復しない、膝の半月板などの軟骨や、靭帯が損傷している状態(こちらもMRI検査でわかります)が回復しない などです。
長引く痛み は“慢性痛”といって、3か月以上続く痛み です。
上述の骨や軟骨が悪くなっているときも、そのうち治ると思って使っていると、3か月以上たっても回復しない という事です。
話を筋肉に戻します。
普通の筋肉痛は、
筋肉を使っているときにすぐに痛みが出るのは、よくわかっていないようですが、乳酸などがたまって、血流が悪くなって痛みが出るのではないか と考えられています。
しばらく経ってから(年を取ると、3,4日後ぐらいに)痛みが出るのは、使いすぎた筋線維が壊れて、炎症を起こして痛みが出ます。よって、痛み止めは炎症を抑えますので、効果がありますし、時間が経てば、筋線維は修復しますので、筋肉を安静にしていれば、2,3週で回復します。
緊張性疼痛の場合は、筋線維が壊れて、炎症が起こる事とは違います。痛み止めの効果が弱いですし、安静にしていれば、回復することもありません。
起こる原因は不明なのですが、自分なりに理由を推測してみます。
まず、知っておいていただきたい、筋肉に関する医学知識から
骨や関節を動かす筋肉は、脳から指令で、神経を伝わり、筋線維に伝わります。これが脳から末梢の筋肉に向かう運動神経です。指令が伝わることで、筋線維が収縮して動きます。
一方、痛みは 末梢の筋肉からの指令が神経を伝わり、脳で感じます。これが痛覚神経です。指令が伝わる方向が逆です。
この痛みを感じる神経、痛覚神経の末端は 実は筋線維にはありません。
筋線維を包む、筋膜などの結合組織と呼ばれる部分と、筋肉の中を走る細い動脈 にあります。
この細い動脈を広げたり縮めたりする神経は、先に述べた運動神経とはまた別で、自分ではコントロールできない自律神経のうちの交感神経です。交感神経の指令で、縮めたり、広げたりするのですが、強く働くのは、縮める方 と言われています。
交感神経とは、危険な目に遭ったときなどの緊急事態に対応するときに働きます。
血管を収縮し、血圧を上げ、心拍数を増やし、内臓の働きは逆に抑えます。
自分ではコントロールできない部分ですね。
筋肉では、素早く動かなくてはならないような緊急事態なら、細い動脈は広がって、血流量を増し、筋肉を動かしやすくするはずです。ところが、筋肉を動かす必要のない、緊急事態?なら、細い動脈は縮まって血流量は減ってしまいます。
では、どのような状態で交感神経が そうなるのでしょうか?
精神的に緊張していて、時間に追われて、せっぱつまって、いらいらしながら、細心の注意を払いながら、じっと同じ作業を続けると、起こるのではないか と考えます。力を入れて踏ん張る状況でも、同じことを繰り返して動かすときでも、起こります。
例えば
パソコンで間違えない様に早く入力する
スマホゲームなどで緊張している状態を続ける
気の抜けない 工事作業をする
気の抜けない 運転をする
など、
いろいろ あると思います。
これらの状態は、交感神経の働きを高めているのに、筋肉は大きく使いませんから、筋肉内の細い動脈を縮めると考えます。細い動脈が縮むことで、痛覚神経の末端が刺激され、痛みとして脳で感じることは十分考えられます。
動脈が縮むと、血流が悪くなり、血液が滞ったり、血液が充分にいかなくなったり、酸素不足になり、これらの状態が、続くと、筋肉=筋線維の動きが悪くなり、固くなり、さらには筋線維を包む、結合組織、筋膜も固くなって動きが悪くなる と考えると、時間が経つと、筋膜からの痛覚神経も刺激されて痛みが出る
と考えられるのです。
そして、症状は、
筋肉を動かすと痛みが出ますので、動かさないようにじっとする、
動かそうとすると、動かされまいとして筋肉に力を入れてしまう
のような、前述の症状になります。
まとめますと、私の推測は、
交感神経が刺激されている状況では、筋肉の細い動脈が縮まって、痛みが出現し、血行障害を起こします。
加えて 交感神経が緊張する状態を続けていますと、
血行障害も続いて、筋肉やその周りの筋膜などの結合組織が固くなって、そこからも痛みが生じる のではないか です。
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今まで自分が考える医学的なことをまとめて、図を入れて説明するブログを書いてきましたが、引き続き体調が悪く、こまめに更新できないので、図などを構成すると時間がかかり、精神的負担にもなるので、文章だけのブログとして再開してみます。
ブログが亢進できないので、ホームページの表ページの、ごあいさつ と、トピックス に、今、診療で考えていること の内容をまとめてあります。
そのホームページを元にお話しを始めてみます。
診療時間を短縮したのは、病気をした後にやはり、体力、気力のおとろえたこと。事務担当の義父が高齢となり、経理、税務のかなりの部分を自身が担当しなくてはならなくなったこと。=職員の時間外計算、給与計算、収入、支出の管理など。で、以前と同じ診療時間を続けることが難しくなったことが理由の一つです。
私がかかった、心筋梗塞は治療して落ち着いていればOKなのですが、また再発する可能性があり、その時はおダブツになる可能性がある事、つまり、人生の残りの時間が区切られる“がん”などと違って、ずっと大丈夫かもしれないし、いつ突然来るかもしれないし、という状態です。今後の人生かくごをして 過ごさないといけない状態です。
加えて、妻の状態もあまり芳しくなく、具合が悪くなって、いつ動けなくなるかわからない状態です。
新しい医院を平成17年に今の場所に建てましたが、その借金を含めて、すべての借入金がなくなったこと。子供がいないので、子供にかかるお金も必要がないこと、後継ぎがいないので、後に残すお金も遺産も必要がないこと。
つまり、一生懸命に働く必要もなくなり、残りの人生、有意義?に時間を過ごそうと考えるようになり、休みを多くとって、妻と、行ける所に行って、のんびり過ごすこととしたのです。
また、この医院のある場所は、電車の駅からは距離があるのですが、通りの向かいに24時間営業のコンビニ、医院のとなりがドラッグストア、その隣がスーパー、向かいのコンビニの並びには郵便局、出前してくれるソバ屋、犬を飼っているのですが、動物病院もあり、歩けなくなっても、何とか生活できる立地のところで、年を取ったら、売って、あるいは譲ってどこかの他の土地に移るより、医院ができなくなったら、そのまま住んで暮らしてゆくにも、もってこいの場所です。
しかし、
医院を休みにして、収入がなくなっては、旅行の費用も底をつきますし、職員の給料も払えませんし、そこで、私がいない間に、医院を開けておくためにも、自分の給料をけずって、その分、他の医師を雇って外来を担当していただくことにしました。そうすれば、職員も働き続けることができますし、医院は休まずに開けておくことができます。自身の給料が減れば、年金ももらえます。
つまり、将来は、自分が中心になって医療を行うより、医院の経営の面により関わる方向に持ってゆこうと いう考えになりました
ただし、これは理想で、完璧に、この状態に持ってゆけるかどうかは、これからです。
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またまた大変お待たせしました。
筋肉が緊張して固くなる 話の続き です。
前回お話ししてからも、なぜ起きるのか、ず〜っとわからなかったのですが、
最近1〜2カ月で、上のタイトルの状態が起こっているのでは?と考えるようになった
というお話をします。
この場合の“筋肉が緊張して固くなる”とは、
炎症で起こるものではありません。
筋肉を使いすぎて起きる筋肉痛は、筋肉が一部壊れて炎症を起こすことで生じます。
適度に安静や、クールダウンで筋肉を動かしてゆくことで、回復してゆきます。
ただし、普通の筋肉痛でも、安静にしているつもりで、筋肉が緊張していると、回復が遅れて、慢性的な痛みになります。
スポーツ選手が、激しく運動をして筋肉を傷めた後、安静時にスマホゲームを長時間し続けたりすると、安静にしている筋肉が緊張してしまって、回復が非常に遅れる などです。
この 筋肉が緊張して固くなる状態 になると、
軽いうちは、はじめは、普通の痛み止めや、一般に整形外科医で使用する筋肉の弛緩剤が効きますが、ある程度進行する、月日が経過する と、効果が出なくなります。
一般的な痛み止めは、炎症を抑えて痛みを取る作用 だからです。
この筋肉の緊張は、脳からの指令 が関与すると考えます。筋肉を動かす、支配するのは、運動神経で、脳からの指令で動きます。脳が緊張していると、筋肉も緊張します。したがって、脳へのストレス、不安や、いらいら、などが影響します。また、運動神経は、自律神経の一つである交感神経の影響をうけます。交感神経が緊張していると、運動神経も緊張して、筋肉が緊張します。自律神経は、自分ではコントロールできない神経です。そのうち、交感神経は脈を速くして、筋肉の血流量を増やし、有事に対応するように緊張させる神経です。神経の通り道にあり、運動神経に影響を与えている と考えてください。
一般の筋肉の緊張を取る弛緩剤も、そこまで作用しないので、効果が出なくなります。
交通事故などで、最初は首周囲だけの痛みだったのだが、次第に背中から腰まで痛くなる方がいます。後から痛みが出てくる、痛みが増す、痛む範囲が広がる、です。
なぜこうなるか わからなかったのですが、身体の中心の横隔膜が緊張している と考えると、説明がつきそうです。
横隔膜は、膜と書きますが、実際は、筋肉で膜が構成されています。
この膜が痙攣すると、しゃっくり が起こります。
この膜が緩むと、胃や食道が肺の方に出てきてしまう、ヘルニアを起こします。
横隔膜が、では緊張してつっぱる感じになると、
そんな病気は、記載がありません。
でも、起こってもおかしくないはずです。
横隔膜は胃や肝臓のすぐ上にあり、肺や、心臓のすぐ下にあります。前は、腹筋へ後ろは脊柱や背筋へつながっています。
これだけの範囲にある、膜状の筋肉が緊張するのですから、
後ろの部分へは、背部痛、肩こり、腰痛、首痛、頭痛も起こります。私も実際、胃の透視で嫌なバリウムを飲んだ後、おなかが張って、気持ち悪く、頭痛を起こした経験があります。今思うと胃が膨らんで横隔膜が緊張した症状と考えます。
前の部分への影響は胃の運動障害、胃痛、肝臓への影響、胆汁うっ滞、腹筋の緊張などが考えられます。
心臓や肺への影響は、動悸、不整脈、呼吸苦、咳など、
また、もっと上へは、胸がつかえて苦しい、のどが詰まる などの症状です。私も精神的に追い詰められて、胸がつかえて苦しくなったことがあります。これも今思うと、横隔膜の緊張した状態と考えます。
また
もっと下へは、
横隔膜の裏側に、腹腔神経節という、交感神経がへばりついています。
この交感神経が緊張すると、おなかの症状、便秘、下痢、さらに腰痛から、下肢痛まで起こり得ます。
続いてしまうと、自律神経がすべて乱れる可能性があるのです。
吐き気、動悸、冷えのぼせ や
さらに進行すると、精神不安や、うつと同じ症状が出るでしょう。
逆のこともあるでしょう。
うつ病や、精神不安、で脳の緊張が続いていると、横隔膜が緊張して、上に述べたいろいろな症状が加わってくる可能性があります。
心身症、更年期障害、あるいは診断がつかない精神疾患 など といろいろ診断名がつく可能性があります。
心筋梗塞などの疾患でも、この膜が緊張するといろいろな症状が出るはずです。
心筋梗塞=胸の痛み ではないという事です。
先程、腰から下肢の痛み
と書きましたが、
MRI検査などで説明がつかない強い下肢痛 はこの状態が加わっている と考えます。
圧迫されている箇所があるのですが、それでは説明付かないような強い下肢痛、圧迫されている反対側の下肢に痛みが出る などです。
MRI検査では、脊椎の中の神経の通り道=脊柱管の部分で神経が圧迫されているかどうか しかわかりません。
しかし、下肢へ行く神経は脊柱管を出た後も、大腰筋という筋肉の中を通り、仙腸関節の下の部分をかすめて、殿筋(お尻の筋肉)の中を通ります。以前は、その仙腸関節が原因 と記載しましたが、仙腸関節自体を注射で痛みをブロックしても改善が悪い方も多く、そのような方は、大腰筋や殿筋など、神経周囲の筋肉が緊張して痛みを出している と考えた方がよさそうです。
横隔膜の緊張は、腹腔交感神経を介して、これらの筋肉までも緊張させている と考えます。
さらには、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアで下肢全体が固くなってしまう状態も、この状態が、関与している と考えます。
そしてこの状態が起こっていると、治りが遅くなる と考えます。
腰痛に効く ドローイングは、横隔膜の緊張を取る方法だ。
おなかを大きく膨らませて、大きくへこませる 腹筋の運動のドローイングが、腰痛の予防や改善になる と言われています。詳細は、インターネットで検索できますので、そちらに任せます。これは腹式呼吸を大きくゆっくり行っていることですから、横隔膜を運動させて、緊張を緩める ということに他なりません。
他の呼吸法(例えばヨガ)も、同じことで、これらの呼吸法で体調がよくなることも、深呼吸で、気持ちが落ち着くことも、同じことと考えます。
腹部の筋肉の緊張は、西洋医学では説明のつかない漢方の治療で診断の根拠になっている。
これも、横隔膜の緊張の現れの一つ と考えると、今まで述べてきた胃腸、呼吸器系、心臓などのいろいろな症状で、西洋医学では検査で異常なしと言われている=未病の説明がつきます。
現に、腹部の緊張に効果のある漢方が背中の痛みに効くことがあります。
大まかに述べます。
上部腹筋が固い方に使う柴胡(さいこ)剤、胃腸の弱い方に使う桂皮(けいひ=けいし)剤、胸、のどのつかえに使う半夏(はんげ)剤=半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が有名
など が代表例です。
芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は筋肉のつりに使う薬で知られてきていますね。
芍薬(しゃくやく)は、筋肉のけいれんを抑える作用があり、甘草(かんぞう)は肺に働くと咳を鎮め、腸には働きを整える作用があります。
これらの成分が入った漢方が効く可能性があります。
当帰湯(とうきとう)という薬は、腹痛に使いますが、背中の痛みにも効くことがあります。
半夏、桂皮、芍薬、甘草が入っています。
柴胡桂枝湯も心窩部痛に使いますが、背中の痛みも取ります。
柴胡、桂皮、半夏、芍薬、甘草が入っています。
柴胡桂枝乾姜湯、柴胡加竜骨牡蛎湯なども同類です。
他に、建中湯(大建中湯はのぞく)には、桂皮、芍薬、甘草が、四逆散には、柴胡、芍薬、甘草が入っていて、このような横隔膜の緊張による諸症状に効く可能性があるのです。
治療の話をさらに加えます。
炎症を抑えて痛みを抑える薬より、炎症を抑える作用は強くなく、直接、痛みを抑える作用がある薬が効く
アセトアミノフェン=カロナールはお子さんでも飲める薬ですが、炎症を取る作用は強くなく、量も多く飲む必要がありますが、直接、頭で痛みを抑える作用があり、効果が期待できます。ソレトン=ザクロプロフェンも炎症を取る作用が弱い割に、痛みを抑える作用が強い印象です。
筋肉の緊張を取ると同時に脳へのストレスを減らす薬が効く
デパス=エチゾラムは、脳で不安やストレスを気にならなくする作用と同時に筋肉の緊張も抑えます。効果が期待できます。
うつに効く?という胃薬
セルベックス=テプレノンという胃薬は、うつ症状に効くというインターネット上に記載があります が、そのような薬効は、どこにも記載がありません。横隔膜の緊張を取る作用があり、それによるうつ症状が改善するのではないか と勝手に考えています。効果が期待できます。
他に脳に作用して効果が期待できる、比較的飲みやすい薬
リリカ=プレガバリンは、痛みを伝える神経をブロックする薬ですが、脳の中にも作用するため、効果が期待できます。
リボトリール=クロナゼパムは、痙攣を抑えるときに使う比較的弱い方の薬ですが、セルシン=ジアゼパムの仲間で鎮静作用があり、筋肉の緊張を取る作用で、効果が期待できます。
これらの飲み薬を組み合わせて飲まれると、症状が抑えられる方がかなりいる
という事が解ってきました。
注射もOKという方は、以下を加えます。
アルプロスタジル=プロスタグランディン E1 という静脈注射薬は、血管を広げて筋肉の血流量をあげる作用と、交感神経をブロックする作用で、効果が期待できます。特に、下肢が固くて、前に出にくくて、歩きにくい方には、有効です。
残念ながら、健康保険では連日静脈投与が原則で、本数制限(20本ぐらい)があります。しかし、埼玉県では連日ではなく、週2回以上なら認められています。(=週1回の投与ではだめです)
他に
硬膜外ブロックや、星状神経節ブロックも交感神経をブロックすること、筋肉の血流量を増やしますので、有効例が多いです。
副腎皮質ホルモン=ステロイド剤は、炎症を強く抑えますが、抗ストレス効果があるホルモンです。この病気の方はストレスにさらされて抗ストレスホルモンがうまく作用していないと考えると、この注射は効果が出ます。
健康保険の適応は、関節内注射ですが、ブロックに加えて打つことも可能です。
以上の組み合わせで、治療を行っています。
肩関節の周囲の筋肉が固くなって、動きが悪くなるのが、五十肩です。注射薬も含めて、以上の薬が効く方もいますが、まだまだ改善は悪いです。
交通事故後の、痛みが出る、広がる方には、有効例が多いです。
治療まで、大まかに述べましたが、まだまだ分かっていないことが多い現状です。
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またまたお持たせしました。
前回は
筋肉が固くなって、関節や、背骨の動きが悪くなってしまう 原因不明の状態=病気?があるというお話しでした。
今回はそのまとめと+αのお話しです。
パーキンソン病では、顔の表情が乏しくなる、手が震えるなどの他の症状が加わります。
副腎皮質機能不全という病気もあります。副腎皮質からコルチゾール(ステロイド)の出が悪くなると筋肉の炎症が治まりにくく、筋肉痛が残って動きにくくなることがあります。が、だるい、気持ち悪いなどの他の症状が加わります。
あくまでも、これらのような加わった症状はなく、痛い、動きづらい、以外は、いたって他は元気な状態で、進行して動けなくなることはない状態の時の話です。
五十肩は、肩関節に腱板の損傷や炎症があっても、明らかな原因がなくても、痛いので動かさないのでいたら、肩があまり動かなくなってしまう病気です。
首では、首が曲がって固定してしまう痙性斜頸という病気があります。
腰では、腰が左か右に傾いてしまう方がいます。側弯症がなくてもです。
股関節では股関節の動きが悪くなり、腰や股関節に痛みが出ます。
腰部脊柱管狭窄症では、歩くと痛みが出て歩けなくなってきますが、下肢の筋肉全体が固くなって、さらに動きが悪くなる方がいます。明らかな脊柱管狭窄症がなくても、下肢全体が固くなって歩けなくなる方もいます。腰椎椎間板ヘルニアの方も痛い側の下肢の筋肉が固くなる方がいます。
交通事故では、動かすと痛いので動かさないでいると首が動かなくなる、次第に肩関節も動かなくなる(=五十肩と同じになる)方がいます。
線維筋痛症という病名があります。こちらも原因不明で、全身の筋肉痛と圧痛が診断基準ですが、この中にも動かすと筋肉痛が出て、動きが悪くなる方がいてもおかしくありません。
これらの状態=病気?は、原因があっても、原因がなくても(=原因が不明でも)筋肉が緊張して動きが悪くなる状態です。しかも、動かなくなってしまう原因も不明です。
この状態を 筋緊張異常症 といわせていただきました。この病名はどこにも記載がありません。ですが、健康保険の請求をするときに使用できる病名のリストの中に、筋緊張性障害という病名がありました。この病名は先天的に筋肉が固くなる、筋肉が固くなってどんどん進行する“まれ”な病気を言うのですが、障害という言葉はあいまいなので、少しでも筋肉が固くなる傾向があれば、使っても良いしこの状態に入るのではないか と考えられますので、最初に紹介させていただきました。
この状態がある事を念頭に治療を行っていくうち、さらにわかかってきたことがありますので、述べてみます。
決してまれなことではなく、誰にでも起こりうる状態です。
まず初期の症状です。
最初は、
動かしたときに痛みが出る です。
当たり前の症状ですね。
そして次第に痛みが強くなってきます。痛みが楽になってくる時は大丈夫です。
痛みが強くなってきている方で、
動かして痛みが出るので、痛みが来ないように動かさないでじっとしている と、数日から、1,2週で動かなくなる状態に陥ります。
ただし、動かなくなる まで進む方はごくわずかです。
動かなくなってしまうのではなく、動く範囲(=可動域)が制限される
方が多く診られます。
また、たいていの方は、動かないといけない状況ですので、
動かして痛みが出る ことが 2〜4週経っても、さらには、3,4カ月たっても、ちっともよくならない という症状です。
これでは
すべての痛みがそうではないかと思われてしまうので、
症状をもう少し詳しく述べます。
首腰肩肘などは、あらゆる方向に動かしたときに痛みが出る です。
首、背中、腰は、前後屈、側屈、捻ると、痛みが出る状態です。
首で上を向いたとき、斜め上を向いたときだけ痛みが出る、上肢に痛みが走る は頚椎の椎間板ヘルニアの可能性があります。
腰で、前屈した時だけ、後ろにそらした時だけ痛みが出る、下肢に痛みが走る は腰椎椎間板ヘルニアの可能性があります。
座っていると痛い、起きるとき痛い、歩くと痛い、前かがみの作業で痛い、物を持つと痛い 疲れがたまると痛くなる ではありません。
肘、肩などの上肢も、物を持つと痛い、使うと痛い、ではありません。
股関節、膝などの下肢は、上向きで寝ている状態で、動かしたときに痛みが出ます。
歩いて痛い、階段歩行で痛い しゃがむと痛い ではありません。
動かして痛いので、動かそうとすると、筋肉が緊張して動こうとすることに抵抗する状態 になっています。
日数がたってやや動きが悪くなって 固くなっている と自覚する方もいます。
そして動かして痛いのは、関節や背骨そのもの ではなく、周囲を支える筋肉 と考えます。
五十肩は、動かして痛いので、上肢全体に力が入って、動かすときに肘まで固くなる。前回述べましたね。
→動かして痛い関節がある +周囲の筋肉に痛みが出ている=痛みが上下に広がってきている ときは要注意です。
★動かして痛いのですが、関節の炎症でもなく、筋肉の炎症でもありません。
→いわゆる炎症を抑えて痛みを取る=消炎鎮痛剤の痛み止め の効果があまりありません。
痛みはある程度治まりますが、痛みがなくなって楽に動くようになるところまで改善しません。
★筋肉は、脳からの指令で神経を伝わって動きます。筋肉が緊張するのも脳からの指令 と考えてください。
したがって、脳に悪く影響するもの、いらいら、緊張、ストレス、嫌なことが続く、交通事故でこうなったという被害者意識 治らないのではないかという恐れ 注射が怖いなどの痛みの対する恐怖感 など、すべて悪い方向に働きます。
まさに、痛みは気から です。
★原因がはっきりしている頚椎や腰椎の椎間板ヘルニアでも、腰部脊柱管狭窄症の方でも、筋肉が固くなって動きづらくなっている方が、なかなか改善しない と考えます。
痛みを恐れずに動かしてよい のです。
動かすな! は、炎症が強い病気、腫れて熱を持つ関節炎、化膿や、骨折などの外傷の、ほんの初期の2,3日です。
後から出てきた痛みのときは、動かしてはいけない は間違い と思ってください。
もちろん、動かし方は、あります。
無理にぐいぐい動かす は悪化します。
次の3つの動かし方が必要です。
1、痛みが強くならないように、ゆっくり動かす。
痛くても、ゆっくり大きく動かす。
痛い方向にも少し位痛くても動かします。つらい時は痛くない方向=反対方向に動かしてから、痛い方向に動かします。動かすと痛いが、動きがあまり悪くなっていない方は、しょっちゅうストレッチや体操をする感じになります。
この運動により、痛みに慣らす ことで、痛の感じ方を減らします。
アレルギーの方が、アレルギーの原因物質に少しずつ慣らして改善するのと同じです。
2、物事に集中してじっとしていること、同じ姿勢を保つことは、筋肉が緊張します。固くならないように、じっとしていないことです。しょっちゅうあるいは常に、ゆすったり、ほぐしたり、伸びをしたり、もじもじしたり、とにかく小さく動いていることです。
もじもじ動けない時は、身体を傾ける、首、上肢下肢の位置を変える など、負荷のかけ方を少しずつでも変えてゆくことです。とにかくゆっくりでもポジションを変えてください。
スポーツ選手が、激しく筋肉を使った後、ゆっくり休む方がよいと思って、じっとしている これもだめです。同じ姿勢でスマホでゲームをしていたりすると、脳が緊張して、筋肉が緊張し、筋肉の疲労が取れません。
3、筋肉を力を入れずに動かす ことです。
軽くストレッチをする。軽く運動をする。とにかく力を入れないような運動は筋肉の血流量が増え、筋肉が柔らかくなりますし、関節液の流れも良くなり、動きはよくなります。
ヨガはうまく行うとよい効果がある方が多いです。
交通事故で後から痛みが出た方で、走ったら楽になった方がいます。動かして痛みがでていた首や肩が、動かしても痛くなくなってきました。しかし、自転車を漕いだらつらくなりました。ハンドルを持つと、上半身が緊張するためです。しかし、どんどん運動するうちに、自転車に乗ってもつらくなくなり、治りました。
筋肉の血流量を上げると、筋肉が柔らかくなる
のですから、お風呂で温めることはよいことになります。
そのあとシップを貼っても良いです。冷やすのではないかと思う方が多いのですが、湿布は冷やす作用はさほど強くありません。温めた後、冷やす を繰り返すことは血流がよくなって回復を早めます。温冷浴という治療があるくらいです。温めるのは全身 冷やすのは局部 と考えてください。
これらが、筋肉固くならないようにするための、自分で行う治療です。
すでに固くなっている方は、ほとんど動かなくても 1 を来る日も来る日も真剣に行ってください。
長引いている方は、とにかく自分でしつこく行わないと、よくなりません。
ただし、いっぺんにやると、多くやり過ぎると、筋肉の痛みが出ます。
少しずつ、毎日毎日、根気よくやることが重要です。
((すでに固くなっている状態が長く続いていると、動くようになると逆につらくなることもあります。
膝の悪い方は、動くようになると、動きがよくなって、歩きがよくなって逆に膝に負担がかかって痛みが増すことがあります。動きがよくなっても、大事に使うことが重要です。
上肢も下肢も固い方が、柔らかくなると、動きがよすぎて、痛みが出てくることもあります。
固くなることで痛みが出ないようにバランスを取っている方もいる と考えています。))
いよいよ医院で受ける治療の話
当院で、筋肉を温めて血流を良くする器械は
マイクロウェーブ(極超短波)の治療器械 です。大きい範囲に当てる、体から放して当てるので、刺激が一番少ない治療です。
今までの当院での治療器械で、筋肉を動かす作用のあるものは、
牽引治療
筋肉をストレッチします。首と腰に行います。
水圧式マッサージベット
筋肉を叩いて動かして、血流を上げます。全身行うことができます。
プロテック治療
腰を牽引しながら、股関節、骨盤周囲の筋肉を動かしてほぐします。肩も一緒の動かすようにしましたので、上半身にもある程度効果があります。
動かす治療 にさらに力を入れてみました。
この目的で導入した新しい器械です。
じっとしていても、筋肉を動かす治療器械です。
GTES =BSES(Belt electrode Skeletal muscle Electrical Stimulation)
腹部、大腿、下腿あるいは足部 にベルト電極をまいて、脚全体に電流を流します。
EMS(Electrical Muscle Stimulation)のようにギュっと筋肉を動かして休んで、また動かす 電流の流し方と 常に低周波数でゆするように筋肉を動かす2種類があります。
もともと前者は歩けなくなった方の歩行改善目的で、後者は、むくみや糖尿病などの運動治療目的です。が、ともに筋肉を動かす、ゆすることで、筋肉の緊張を改善する効果があります。また、筋肉疲労や筋肉痛などのクールダウン効果もあります。
下半身用ですが、胸部と上腕、前腕あるいは手にベルトをまくと、上肢にも使用が可能です。
五十肩で動きが悪く、他の治療でなかなか改善が悪い時は、この治療器械が一番効果があるようです。上肢、下肢の骨格筋を動かす治療器械なので、首、背中、腰を動かす作用は弱いのですが、交通事故後の首肩背中腰が痛い方にもよく効く方がいます。
ポラリスカイネ
こちらは大きめの吸盤を二つ付けて、その間に電流を流して、筋肉を動かします。低周波で動かして休む これを繰り返して、ちょうどEMSと同じように使うことができます。動きの悪い箇所を部分的に治療できますし、GTESは首がほとんど動かないので首にも使うことができます。
一台で、数人同時に治療することが可能です。
EMSとは、
シックスパッドやバタフライアブスなど、貼っておけば、電流で腹筋を動かして鍛えて脂肪を燃焼させる コマーシャルでよく見る アレです。筋肉トレーニング以外にも
低周波で筋肉を動かせば、ゆする運動と同じに、筋肉の緊張が取れるのです。
当院に以前からあるトリオ治療器でもできるのですが、通電が安定せず、セッティングに時間がかかったため、ポラリスカイネ というセッティングが楽でEMSと同じ電流を流すことのできる器械を購入しました。
ベットサイドの膝から下を垂らして足首におもりを付けて、
そのまま引っ張ったままにする大腰筋ストレッチ治療も開始しました。
どんな場合、どの治療がよいのか
大まかな目安を述べます。
体中全身が 固くなる、緊張する、痛い 方は、水圧式マッサージベットです。
少しでも動かすと極端に痛みが出る方は、マイクロウェーブです。
股関節が固く、どんどん動かした方が楽になる腰痛の方は、プロテック治療です。肩関節も同時に治療可能です。
牽引は引っ張ると楽な方に行います。
首は診察で座ったまま引っ張って気持ちよい方に行っています。
腰は診察でベットサイドに膝から下を垂らして引っ張って楽な方が、牽引治療の目安です。
腰を引っ張る骨盤牽引は、股関節を曲げて引っ張ります。
股関節を伸ばして引っ張った方が楽な方は 先程述べたベットサイドで膝から下を垂らす治療を行っています。
下肢全体が固い方、歩くことが困難になっている方は、GTES治療です。
首、肩、肘、膝、股関節、腰痛の部分的な痛みの方は、ポラリスカイネ治療です。
膝、肘、股関節の動きが悪い方は、この二つのどちらも効果がありますが、五十肩の方と同じように、ベルトを巻いて筋肉全周を動かすことのできるGTESの方が効果があるようです。
ただし、GTES治療は、肌に直接ベルトを巻くので、着替えとセッティングに時間がかかる上、一台で一人ずつしか行えない ため、予約制にさせていただいていますので、全員に行えない現状です。
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前回は1、痛みで筋肉が固くなって関節が動かなくなることがある。2、筋肉を緊張させて(=力んで)使っているうちに関節を悪くする =筋肉が異常に緊張して、1、関節、脊椎が動かなくなる 2、関節にはより負荷がかかって変形性関節症などが進行する という話しでした。今回はこのようにならないようにするには?どうするのか というお話しです。
診察で、患者様の悪い箇所を動かして、力が抜けて動かすことができるかどうかいつも診ています。動かした時、痛いと力が入ってしまいますが、痛みが出ないにもかかわらず、動きが固い方もいます。自分でも悪い箇所が固くなっていることがわかっている方もいます。このような方には、是非、力を抜く というこれからするお話し を参考にしてみてください。
二つともに防ぐ、治す、考え方は一緒です。
そのためには
自分で治そうとする という心構え が大事!です。
治療でよくしてもらおう、治してもらおう、治療すればよくなるはずだ、治療してよくならないのは医療が悪いからだ、では、よくならないことも多いのです。
まず、自分で治そうする考えの基本にもなると思いますので、最近わかってきた事実を述べます。今まで述べてきたことが実際に証明された感じです。
痛みを脳で感じると、痛みの信号が脳内の神経を伝わって駆け巡る?のですが、この信号を抑える=痛みを抑えるように指令を出す部分が脳の中にあることがMRI検査でわかってきました。紹介されたのは慢性腰痛の場合でしたが、この部分の機能が悪くなると、痛みを生じている部分、例えば、膝、首、肩、どこでも構いません。それらの部位がよくなっているにもかかわらず、痛みを脳で感じ続けてしまうと考えます。=原因部位が治っているにもかかわらず、痛みが取れない ということです。
さらに、痛みを抑えるように働く脳の部分の機能が悪くなっているのですから
→痛みの信号が伝わり続けて=脳で感じすぎて、実際の悪くなっている部分の状態よりも強い痛みを感じる。=原因部位があまり悪くないのに、痛みだけが強く感じる。
→痛みを抑える下行性抑制機能などの神経も充分働かない。=痛みを強く感じすぎて痛みを抑える神経の機能も間に合わず、辛い痛みを感じ続けてしまう。
この様になるとも、考えられます。
その原因として、次のことも紹介されていました。
★痛み対する恐怖や不安が強いと、痛みを抑える脳の部分の機能が悪くなります。
→鋭い針先の注射がとても怖い、痛みが強くて、とても動かせない、痛みが治らなかったらどうしよう などの感情です。
したがって、痛みを心配しすぎて動かさないで、じっとしていることは、痛みを抑える脳の部分の機能をも悪くする ことになります。
これらの感情を抑える?振り払う?自分自身のコントロール、自分で治そうと思うことが基本となります。
自分で治そうとするには、
脳にストレスを与えないこと
気を遣う、緊張する、いらいらする、くよくよする、思い悩む、ことなどです。
難しいかもしれませんが、
痛みを気にし過ぎないこと、痛みから気をそらすこと。
緊張して同じ体勢でじっとしている事、気を使って物事を行う事、ストレスを避ける。
です。
物事を よい方に 考えること。
交通事故に遭った時、当てられた など、被害者意識が強いと、怒りを覚えたり、できるだけ相手から(=実際は生命保険会社から)治療、保障のお金など を取ろう と思ったり すると、症状が改善しないどころか、悪化することもあります。
ピンピン しているようなら、こんなもんで済んでよかった と思って、交通事故の事は忘れてしまう事 がよいのです。 →交通事故から気をそらすのです。
痛いからと言って、じっと動かさないで、使わないように、安静にし過ぎないこと。
じっとしていると、逆に筋肉が緊張します。
骨折は少し位、患部が動いても付く というお話を前回しました。
痛みに恐怖感を持たないことです。少しでも動かすと、筋肉の緊張が取れます。少し位、動いて、使ってもいいんだ と思ってください。
同じ姿勢でじっとしていないこと
同じ姿勢、立ちっぱなし、座りっぱなし など
車の運転、パソコン、料理などの作業は、気持ちが集中して緊張が伴いますので、動いているようで、筋肉もかなり緊張している のです。
運動をしている若い方が、スマホでゲームをする習慣があると、運動して負荷をかけすぎる+じっと同じ体勢で固まっていて、筋肉が緊張する で、ダブルパンチです。
使いすぎは避ける。
使わざる得ない は工夫する。
安静の反対に、無理はもっと禁物です。が、
出来るだけ、力を抜いて使う。力を入れずに使う。
力を抜く体操?をする。
ゆする運動をする。
ゆっくりゆする。
ゆする とは、筋肉を使って筋肉トレーニングすることではありません。
筋肉を緩めるようにして、力を抜いてリラックスさせること と思って行ってください。
動かすと痛みが強い時は、無理は禁物です。
神経が麻痺していて、絶対安静でも、動かせるところは、動かします。それにより、絶対安静の部分も、少しは動いているのです。
痛みに合わせて、ゆっくり動かすことや使う事を心掛ける。できることは行う事。
痛いのが我慢して、使いすぎないこと、早く動かさないこと。
→痛みが強くならないように動かすことです。
じっとしてなくてはいけない状況の時でも、少しでも、ゆする、震わす、動かす など、固まらないようにすること、です。ギプスで固定していても中では少しは動いています。また言いますが、骨折しているところが少し位動いても骨は付きます。ましてや、固定していない部位は動かしてよいのです。
そして、
動かすと痛みが強い時は、動かせるようになるまで、かなり月日がかかってしまうかもしれません が、焦らないこと、あきらめないことです。
★運動は、痛みを抑える脳の部分の機能を回復させることもわかってきました。ただし、とても運動する機会がない方、痛くてできない方は、軽く動かす事でも構いません。
具体的な方法を一部述べてゆきます。今回は、運動する というよりも、どなたにでもできる、いつでもできる簡単なゆすり運動の方法です。
筋肉の緊張を取って、リラックスさせることが目標です。血流も良くなります。筋肉に力を入れて動かす筋トレではありません。ただ、どうしても力は入ってしまいますが、少し位は力が入ってもOKです。ストレッチは筋肉に力が入ってしまいますが、力をできるだけ抜いて行うことが、重要です。
力を抜いて、無意識にやることがベストです。思い出したら、しょっちゅう行ってください。回数は少しで構いません。やりすぎは禁物です。→まとめていっぺんにやることは避けましょう。こまめに回数を分けてちょっとずつ行う様に癖をつけましょう。仕事や作業の効率が悪くなりますが、改善、予防するには大事です。
★実は、力が抜けた状態で、他の方にやってもらうことができれば、一番良いのです。自分で行う事より、さらに力が抜けた状態で行うことができるからです。これが、気持ちよいと感じる状態です。
診察で動かしたとき、力が入っていて固くなっているどうか診ている というお話を冒頭にしました。これは一方では、力が抜けて動く状態の方なら、診察していると同時に、動かして痛みを取る治療にもなっているのです。
ただ、力が入ってしまっていては、逆効果になることもあります。すでに固くなってしまっていて動きが悪くなっていている方、少しでも動かすとひどい痛みが出る方などです。動かされると痛みが出てしまう時は、力が入っています。やり続けると、ますます動かなくなることもあります。そこで、自分で痛くない程度を探りながら行うように と、お勧めする次第です。
くれぐれもまとめてやるのではなく、こまめにちょっとずつ頻繁に、リラックス運動です。
首
固まらないようにしょっちゅう、左右に傾けてください。一番動きが楽で緩みます。あるいは左右を向く、軽く振り向く運動です。うなずいて、首を前後に振る。などです。とにかく痛くない方向から行うことがよいです。ゆっくり少しずつ行うことと、力を入れずに、筋肉を緩めてリラックスする、軽くストレッチする感じで行うこと です。力を入れての筋トレ運動ではありません。
肩
いろいろな肩こり体操などありますが、どれでも構いませんから、力を入れずに、ゆっくり、リラックスして、筋肉を緩める気持ちで行ってください。大きく動かさないなら、肩を前後に小さくゆっくり動かす(回すより力を入れずにできます。)上下に小さくゆっくり動かす、だけでもリラックスする効果がでます。
肩関節
なかなか力を抜いて動かすのが難しい関節です。
前記の方法も肩関節を緩める方法です。
大きく動かすためには、前かがみになって。腕を垂直に垂らしてからゆったり前後に振る運動です。この恰好でアイロンを持って振る体操があります。アイロンをしっかり持とうとすると、常に振ろうとすると、筋トレになって力が入ってしまいます。一度アイロンを振ったらそのアイロンの重みで行ったり来たり惰性で肩関節を動かすのがベストです。アイロンがない場合は、水の入ったペットボトルでもって行ってもかまいません。これでも力が入ってしまうので、
まずは何も持たないで行ってみてください。前後に振ると力が入ってしまう時は、垂らした腕全体をゆする感じでも構いません。いずれも力を抜いて、リラックスする感じで行うことが大事です。
そして、前後方向ができるなら、左右、回す と行ってみてください。
なれてくると、立ったまま、歩いたままでも、腕全体を力を抜いてゆすることで、肩関節、肘関節、手関節すべての関節をゆすれて、リラックスさせることができます。
手首を力を抜いて振ることは、手や指のリラックスになります。
肘まで力を抜いて、振ることは、肘関節のリラックスになります。
力がなかなか抜けない時は、肘を壁や机に軽くつけて、力を抜いて手のひらを前後にくるくる回してみてください。これは、前腕の回外、回内運動の繰り返しになっていて、肘の力を抜く運動になります。
腰
座っていてじっとしていると、力が一点にかかり、椎間板の圧力が上がる、筋肉が緊張して固まる、などで、痛みが増加します。背中を左右にゆする、左右に回す感じで、力が一点にかからないようにしてみてください。
股関節
骨盤、腰の痛みにも共通です。
椅子に座っているとき、脚の貧乏ゆすりで、股関節の軟骨が再び出来てきた という発表が数年前にありました。貧乏ゆすりは、膝を上下に小刻みに動かします。これは無意識に力を抜いて行う運動です。股関節に加えて膝関節も、足関節も無意識に動きます。つまり、脚の各関節を力を抜いて動かしていることになります。関節液の流れを良くする、筋肉の緊張を取る、血流を良くする、これらのことで、関節の状態がよくなる、関節の軟骨も修復してくる と考えます。骨盤、腰の負荷のかかり方も一点に集中するのではなく、分散して、腰、骨盤痛にも効果的です。
ゆする方向は、膝を左右にゆするのでも構いません。こちらは、膝や足の関節よりも股関節の動きがより大きく、腰、骨盤の負荷の分散も大きくなり効果的です。しかし、貧乏ゆすりの様に早く動かすと力が入ってしまうので、比較的ゆっくり力を抜いて動かすのがよいです。動かす方向が違いますので、膝を上下する貧乏ゆすりと左右にゆする運動の両方行う方がより効果的です。
この力を抜いて膝を左右にゆする治療器械が、当院で採用しているプロテックです。
この治療器械は、上半身で体を抑えて、腰、尻を宙に浮かして落として、自分の身体の重みで腰を下に引っ張ります。これは、腰回りの筋肉をストレッチする、椎間板の圧力を下げる効果があります。この状態で、脚を左右にゆすります。この時、緊張して、腰に筋肉に力が入ってしまうと、うまくできません。左右に動かすときも、筋トレではありませんから、ゆったり力を抜いて、リラックスして行う必要があります。これができないと、この治療器械はその方には合いません。
同じように座っている時も、脚を左右にゆするように勧めています。前述しましたが、腰や骨盤一点に力が集中することを避け、筋肉の緊張をほぐす効果があります。
膝
椅子に座っているときは、貧乏ゆすりでも構いません。
脚を踏ん張って固まらないようにとにかく動かしてみてください。
特に座って立つ時に、歩き出すときに膝が痛い方は試してみてください。
脚を投げ出して床や畳に座っているときは、踵を床に着けたまま膝を曲げたり伸ばしたりしてください。踵が浮いてしまう方は脚全体に力が入っています。力を抜いてできるように練習してみましょう。膝の後ろを両手でもって、膝に力を抜いて手で膝の曲げ伸ばしを行うことも有効です。こちらも踵を床に着けたまま行います。脚に力が入っていないなら、脚の重みで踵は地面についたままのはずです。踵が浮いてしまう方は、手で動かしているのではなく、脚に力が入っています。手で少しずつ膝の曲げ伸ばしを行ってみてください。小刻みに行ってみてください。最初から大きく動かそうとすると力が入ってしまいます。力が抜けるようになってから少しずつ大きく動かすようにしてみてください。
足
椅子に座っているときは、貧乏ゆすりでも構いません。
床に脚を投げ出して座っているとき、寝ているとき、いずれでも構いません。とにかく体重を足底に載せない状態で、足背、足底方向=すねの長軸方向 つまり上下に動かしてください。回したり、内側外側にひねると痛い時でも、可能です。すこしぐらい力が入って動かしても効果があります。体重が載って負荷をかけなければOKです。
貧乏ゆすり みっともない、よくないこと と言われてきました。
しかし、腰から下に関しては、痛みを出にくくしている 可能性が出てきました。
みんなでゆすれば怖くない です。
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身近な例では、骨折でギプスで固定しているとき、動かすと悪くなる痛くなる、動かしてはいけない という思いがあまりに強いと、4週後ぐらいにギプスを外した時に、骨折した周囲の関節が動かなくなり、骨がついた後も、何カ月もリハビリテーションが必要になる場合があります。少し位動かしても骨折は付きます。例えば、鎖骨骨折は、胸の部分を抑えるバンド固定だけで付きます。この固定ですと着脱できますし、肩関節も動きますが、それでも骨折は付くのです。
痛みをこらえて使う事、無理に動かすことはもちろんよくありませんが、あまりに安静にしすぎると、回復を遅らせる のです。
しかし、動かし方にも問題があります。筋肉に力を入れて、痛みを我慢して動かし続けることも良くありません。
最近の診療では、使ったり、動いたり、逆にじっと動かずにいる時など、何をしていても、どの場合でも、緊張して筋肉がつっぱる=力が入ってしまうこと が、痛みを悪化させる、関節を悪くする原因になっている と感じておりますので、このことについてもお話しします。
最初に、筋肉を動かすと痛みが出る、固くなる病気をいくつか挙げておきます。
多発性筋炎
筋肉に炎症がある病気で、筋肉が痛くなり、動かすと痛みが出ますが、固くなるとは違います。自分の筋肉を自分で壊してしまう自己免疫疾患の一つで、血液検査で自己抗体や炎症所見が出ます。副腎皮質ホルモン=ステロイド剤 がよく効きます。
パーキンソン病、パーキンソン症候群
手が震える。脚が大きく遅れず、小股のちょこちょこ歩きになる。顔の表情が乏しくなる。などの症状に加えて、関節が固くなって、動かすと抵抗がある。という症状が出ます。固縮、ジスキネジアと呼ばれます。
この病気は、原因が脳の中にあることがわかっています。脳のある一部の部分が、うまく機能していないのです。
これから述べる病気、状態もすべて脳の中の一部の機能障害が原因かもしれません。
脳の機能はまだまだ分かっていないことが多い現状です。
線維筋痛症
原因不明の全身の筋肉に痛みが出る病気です。
動かすと痛みが出ますが、固くなるとは限りません。疲労感やうつ病などの他の症状や、痛む場所が動くなど、いろいろな症状が出ることがありますし、決まった部位に圧痛点があることが、診断基準です。前回のべたリリカやサインバルタが治療薬の保険適応になっていますが、全例に効くとは限らないと考えます。
原因が不明で痛くて関節が固くなって動かなくなる病気は、筋肉が緊張して固くなるためか?と考えています。やはり、それは脳からの指令なのでしょうか。
原因不明で関節が動かなくなる病気
四十肩、五十肩
経験された方も多い病名です。
肩関節が痛いので、動かさないでいたら、動かなくなってしまう病気です。
四十、五十になって起こるのでこの名前です。
凍結肩と呼ばれ、以下の原因の解っている肩の病気の後に起こることもあります。
肩関節の腱板周囲の炎症
変形性肩関節症
肩腱板断裂や損傷
石灰沈着による腱板の炎症
しかし、レントゲンやMRIで異常がない、動かなくなるような痛みの原因が認められない→原因不明が本当のこの病気です。
特徴は診察で肩関節を動かすと、筋肉が異常に緊張しているかのように固く動きに抵抗感があります。力を抜くように指示しても抜けない状態になります。特に肘まで固くしてしまって、力が抜けない方は典型例です。
診察で各方向に動かすと、痛み、抵抗感(固さ)、動く範囲の狭さ この3つが出ることが特徴です。
★肩には原因不明で動かなくなる五十肩という病気があるのですから、他の関節にあっても、首や腰など他の部位にあってもおかしくないはずです。しかし、どの教科書にも載っていません。ここ1、2年ぐらいは、あってもおかしくない と考えて診察に当たっていましたので、いろいろ気づいてきました。
以下に述べる病気や状態は原因不明、有効な治療方法もわかっていません。ただ、なる方はごくごく少数なので、過剰な心配は無用です。
筋肉を使っていると動かなくなる病気
筋肉が固くなって関節が動かなくなる ではないのですが、挙げておきます。
書痙(しょけい)
字を書いているうちに、指が動かなくなる病気です。
使っている筋肉に力が入らなくなる?のです。使っていない時は症状がないので、診察では全く異常がでません。
別に字を書くだけなく、パソコンでも、楽器でも、料理でも使っているうちに動かなくなってしまう時は、この病気と同じ状態が起こっている可能性があります。
これらは上肢に起こっていますが、下肢のもあったとしたらどうなるでしょうか?
歩いているうち、立ち続けているうちなど、動いているうちに脚に力が入らなくなっていしまって、脚が前に出にくくなり、つまづいて転ぶ、歩けなくなる、立ち止まってしまう、しゃがみこんでしまう という症状になるはずです。動いていない時のベット上での診察では全く異常が出ません。これは、腰部脊柱管狭窄症と同じような症状です。が、腰部脊柱管狭窄症はMRI検査で診断できます。脚が動かなくなるだけではなく、痛みやしびれが出ます。これらの症状や検査で異常がないと、下肢に起こる書痙と同じ という事になります。
筋肉が固くなって動かなくなる病気
痙性斜頸(けいせいしゃけい)
原因不明の首周囲の筋肉が固くなって、首が曲がったまま固定してしまう病気です。
書痙とこの動かなくなる病気は、ジストニアと呼ばれています。
痛みを伴って動かなくなる その他の病気や状態
CRPS(複合性局所疼痛症候群)=RSD(反射性交感神経性萎縮症)
怪我の後に起こってくる原因不明で動かなくなる病気です。
ついこの間まで、RSDと呼ばれていましたが、原因が交感神経だけでは説明付かない部分も多く、今は、CRPSと言います。
最初の症状が、痛くて動かなくなる です。進んでくると、腫れる、皮膚がてかてかになる、骨がスカスカ=萎縮 になるなどの症状が加わります。
どの関節でも動かなくなった時、この病名を付ければよい とも考えますが、上記症状がそろっているのが、本当のこの病気です。
以下は、どの本にも載っていない状態を挙げてゆきます。
首が痛いので動かさないでいたら、動かなくなる
こちらは、痙性斜頸と違って、首が曲がって傾くではなく、まっすぐ向いたままになり、上下、左右向くことが困難になります。動かそうとすると、痛みを伴って、筋肉が固くつっぱって動きません。進んでくると、両肩関節も動きが悪くなって、五十肩と同じ症状になります。腰まで痛くなってきて、腰椎や、股関節の動きまで悪くなる方もいます。病気として認識されていないので、病名がありません。
はじめは痛みがあまりないのですが、日を追うごとに痛みが増して、動きが悪くなります。交通事故に遭われた方に診られることがほとんどですが、怪我を起こさないでも起こり得ます。最初人身事故でない と申請したのに、後から症状が出現してひどくなってしまうこともある状態です。事故の衝撃に関係なく起こる という事です。
次に述べる病気と違って
急に動かなくなるのではなく、数日かけて固くなってゆきます。
小さいお子さんでは診たことがありません。
安静にしても動くようになりませんし、通常の痛み止め 前回お話ししたリリカ、トラムセット、サインバルタなどの飲み薬はあまり改善効果がなく、消炎鎮痛処置、神経ブロックなどをやってもあまり改善しません。
環軸回旋位固定
第一頚椎の環椎と、第二頚椎の軸椎が、少しずれた位置で急に固定してしまう病気です。
お子さんではこの状態になると、首が左右どちらかに傾斜して、顔もバランスを取ろうとして傾く斜頸と呼ばれる形になります。風邪、扁桃炎、中耳炎などの炎症が及んで起こすので、炎症性斜頸と呼ばれます。が、動かしてグキンとなったり、怪我の時も起こりますし、原因が不明でも起こります。
成人になっても、傾く=斜頸になる方もいますが、年を取ってくると、首が固定して動かないことは共通ですが、まっすぐのままのことが多くなり、この病気と診断されないことも多いようです。
こちらは安静にしていて、痛み止めを飲むと痛みが改善して動くようになります。ご安心ください。
股関節(骨盤) にもあります。
股関節を動かすと痛みが出る、診察で各方向に動かしたときに筋肉がつっぱって固い、動かく範囲も狭くなる という症状です。股関節を屈曲する方向=脚を前に送る方向が最後まで動きます。
股関節、骨盤周囲の筋肉に痛みが出ます。臀部、大腿部などです。
腰と股関節が痛い と訴えられる方が多いです。そのため、ただの原因がわからない腰痛とされてしまうことも多いはずです。
身体が固くて股関節があまり動かない ではありません。
この場合は、動く範囲が狭いだけで、スムースに動きますし、痛みは出ません。
股関節の関節唇障害という病気がMRI検査で解ってきましたが、こちらは、診察で動かすときに痛みは出ますが、固さ=抵抗をあまり伴いません。
変形性股関節症も、動く範囲も狭くなり、痛みも伴いますが、動かしたときの固さはありません。屈曲方向も動かなくなり、レントゲンで診断できます。
下肢全体が固くなる方もいる
股関節が固くなる方で、膝から足まで固くなる方がいます。
診察で、ベットに仰向けに寝てもらって、診察で脚を動かすと 固い、重いのです。
骨盤や腰の筋肉も一緒につっぱりますから腰痛もあります。
MRI検査で腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアがある方に起こるようです。すべての方にこの検査を行っていませんので、この表現です。
下肢が固いのですから、歩くと痛くなって、重くなって立ち止まってしまう この症状は、腰部脊柱管狭窄症と同じです。ただ、前に述べたように腰部脊柱管狭窄症はベット上の診察では下肢は動かしても柔らかく、筋力も正常で、所見がないことが多い ということが違います。
また、腰下肢が固く緊張していますので、寝ている間に動かさないでいるとさらに固くなってしまい、朝痛くて、つらくてなかなか起き上がれない方もいます。これは、腰部脊柱管狭窄症の症状にはないことです。
膝関節だけにも起こります。
膝の痛みに伴って、動く範囲が悪くなります。動かすと痛みと、抵抗感を伴います。割と程度の軽い変形性関節症や怪我の方に起こる印象です。血腫ができて癒着(組織がくっついて)して動かない ことではありません。
足関節だけにも起こります。
捻挫の後に固くなってしまう方がいます。(=動く範囲が狭い、動かすときの抵抗感が強い、痛みを伴う)こちらも血腫があって癒着する のではないと考えています。
指や足趾も動かなくなる方がいる
指、足趾の小さな関節は周囲に筋肉がありませんが、前腕、下腿に指や足趾を動かす筋肉があり、そちらが固くなると、指や足趾は動きが悪くなります。が、指自体の炎症や、変形性関節症、怪我でも起こります。
五十肩になった方で、同じ側に腱鞘炎を起こすと指の動きがどんどん悪くなる方がいます。
指が固くなって動かなくなっている方が、同じ側の五十肩になることもあります。指も固くて動かないのですが、肩関節も動かすと固く、動く範囲が狭くなります。
原因不明で痛みを伴って、筋肉が異常に緊張して固くなり、関節が動かなくなる この状態になる病気がある
診察で動かしたときに固い、抵抗が大きい。痛みを伴う、動く範囲が狭い。まるで、筋肉が異常に緊張して固くなって、動きに抵抗しているかのようだ。
→ 筋緊張異常症 と呼びましょうか。一度このような病名で紹介状を頂いたことがあります。
今まで述べてきた病気や状態になる方は、ごく少数です。
五十肩になる方が比較的多いのは、肩が痛くなって動きが悪くなるとすべて五十肩と診断されるため 目立つ と考えています。
次に、筋肉が緊張して力が入ると、ほとんどの方は、動かなくならなくても、痛みを悪くしている→関節や軟骨を悪くしている。という話をみじかくまとめてします。
ほとんどの痛みが改善しない方、痛みが悪くなってしまう方、変形性関節症などが進行してしまっている方は、次の状態に陥っていると考えています。
使っているときに、じっとしているときに、緊張して筋肉が固くなっている、つっぱっている。余計な力が入っている。
首、肩〜肘、手指
パソコンを打つ、字を書く、箸を使う、台所仕事をする、何をするにも、緊張して力が入っていると、痛みが悪化します。
レントゲン撮影の時、例えば、OKサインの形を作って小指側をフィルムに着けて置いて動かないでください と指示しても、指定した指の位置に停めて置くことができない方がいます。緊張して力が入る方は、指を思う様に動かすことができなくなっている、その形を維持することができなくなっているのです。このような方が、指の痛みや、指の変形性関節症が進んでしまう方です。
腰
立っていても、座っていても、じっとして緊張していると、筋肉がつっぱってきて腰痛が悪化します。(椎間板は力が入り続けると、より圧力が上がるので、ヘルニアなどは症状が悪化します。)座っていると痛くなる、立ち上がるとき痛い などの症状が出ます。特に車の運転中は緊張が強いので、腰の周囲の筋肉が緊張して痛みが強まる方が多いです。沈み込むシートの形だけではないと考えています。
膝
歩くとき、早く歩くと悪化します。脚に力が入るためです。
座っている時、じっとしていて脚に力が入っていると、立ち上がる時に膝に痛みが出ます。
床に(診察の時は診察ベットに)脚を伸ばして座ってもらって、診察で膝の後ろを手でもって膝を動かそうとすると、膝が固くて動かない方がいます。力を抜くように言っても固いままです。検者の手で動かすのですから、膝周囲の筋肉に力が入っていなければ、簡単に動くはずです。
このような方が、変形性膝関節症が進んでしまっています。
踵
踵を内側に返すことができない方がいます。手で動かしても固くなってほとんど動かない方もいます。このような方が踵周囲の痛みが出ています。
前足痛
足趾を曲げたり、伸ばしたり、開いたりなど、うまく動かすことができない方が、進行しています。特に、母趾の第一番目の関節が曲げる方向に動かない方は要注意です。外反母趾も進行します。
どの部位でも、緊張して筋肉を固くしていると、関節が悪くなる、痛みが悪化する という話を加えました。
治療の話は次回以降お話しします。
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更年期の症状でしょうか。ブログの更新する気力がなくなったことと、病気も重なり、ブログから遠ざかっていました。その間、さらに経験を重ねて?新たに分かってきたこともあります。少しずつ書いていこう と思っています。
今回は、薬のお話しです。よく使われる3つの薬です。以前もお話ししています。よく使われるようになってきて、効果も一般に認められてきました。
プレガバリン=リリカ という薬
痛みを伝える神経の信号の伝達をブロックします。神経ブロックは痛みを伝える神経を麻酔薬でブロックしますが、これを薬でブロック(遮断)するのです。遮断する力は弱いですが、麻酔薬と違って飲み続ければ持続的に効きます。ブロック注射が苦手な方にも朗報です。
神経に直接作用しますから、眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い など副作用が出ることがありますので、少量(25,75,150ミリグラムのうち、25ミリ)から、夜寝る前に開始しています。それでも、朝起きた時に副作用がでる方は飲めません。
私の、はじめの出し方は
用量は
25ミリの少量の1錠を夜寝る前からです。一般的な痛み止めは食後に飲みますから、夕食後が最後で、夜から朝にかけて効果が弱くなります。夜痛くて目が覚める、朝起きるときに痛い という症状の方にはこの飲み方がぴったりです。一般的な痛み止めに加えて処方できます。副作用がなく、効果が弱い時は、徐々に増やしてゆきます。一日2回投与が原則なのですが、3,4回に分けて飲む方が効く方もいます。
増やし方は、1錠を2錠へ、あるいは2錠を一日2回、あるいは2錠を一日3回 ぐらいにしています。いきなり、次は、75ミリ一日3回など、急に増やすことはしません。途中で副作用が出ることもあるからです。減らすときも、徐々に減量がよいのですが、75ミリ3,4錠など、比較的大量に飲んでいる方以外すぐに止めても問題ないようです。
どのような方に開始するのか
痛みが出たので来院(初診)されてから、消炎鎮痛剤と呼ばれる いわゆる痛み止めで効果がない時、効果が弱い時には、開始します。初診から1,2週間で開始です。
最初から激痛の方
最初からブロックをした方がよいと考えられる方(+注射が苦手な方)=初診時の急性期に最初から投与です。
痛み止めに加えて、処方します。痛み止めは食後なので、寝る前に飲むことに抵抗は少ないです。また、坐薬の代わりに処方できますので、痛み止めの副作用は軽減できます。
痛みが強い方は副作用が出ることは少ない印象です。
そこで痛みに応じて、昼にもう一つ飲んでもらったり、つまり一日25ミリ2錠 から開始したり、2錠ずつを一日2回(寝る前、昼後)で投与開始したりします。少しずつ増やすのがよいので、週に2回ぐらい来院してもらって、次に増やすかどうか 決めるのがベストですが、来院できない方もいますので、最初から用量を多く出す方もいます。
この薬のおかげで、坐薬の使用が少なくなりました。坐薬は肛門から入れてしばらく我慢しますので苦手な方も多いのです。神経ブロックが苦手な方にも福音です。
一般的には慢性期の痛み(3か月以上治まらない痛み)に使う薬ですが、
急性期に使っても充分効果ありです。
しびれ は痛みが弱くなってきたときに現れる症状の一つです。痛みを伝える神経を伝わって感じています。つらいしびれ 気になるしびれ にも痛みを伝える神経をブロックするこの薬は効果あり(全例には効きません) です。
トラマドール=トラマール トラムセット ワントラム という薬
リリカが飲めない方、リリカで効果が弱い方に使っています。
リリカが痛みを伝える神経をブロックする作用に対して、こちらは、痛みを頭で感じにくくして、痛みを抑える神経の作用を高めます。トラムセットにはアセトアミノフェン=カロナールが入っています。アセトアミノフェンは炎症を抑える作用は強くありませんが、頭で痛みを感じにくくする作用もあります。一般の消炎鎮痛剤=痛み止めに比べ、胃にやさしく、喘息も起こしにくく、腎臓の機能にもあまり影響しません。
この薬も一般の消炎鎮痛剤=痛み止めと一緒に使えます。
作用点が違いますから、リリカに加えて処方もできます。
通常神経ブロックを行わない関節の痛みなどには、痛み止めの効きが悪い時には、リリカでなく、この薬をまず使うこともあります。
副作用は、神経に作用しますので、リリカと同じく、眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い などですが、特に気持ち悪くなることが多いので、吐き気止めと一緒に処方しています。しばらく飲んでいると便秘することもあり、便秘気味の方には、下剤も一緒に処方がよいです。
この薬は、麻薬を元に作られていますので、飲む量を増やすと、癖になって止められない のではないか と最初は思われましたが、効果が弱い薬ですので、この可能性はほとんどなく、よく使われるようになってきました。効く薬は、飲み続けて効きが弱くなると、どんどん増やして飲みたくなる これが、癖になる止められないパターンですが、こうなるほど効かない という事です。
用量は
一日2回、1錠づつから開始しています。
一日8錠まで増量できるのですが、増やしたからと言って、どんどん効いてくる印象は
あまりありません。4~6錠ぐらいまで増やしても効果がない方は、それ以上増やしてもより効果は期待できない印象です。
デュロキセチン=サインバルタ という薬
精神科=神経科の先生 が うつ病 でしばしば使う薬です。
うつ病は、神経の信号を伝える セロトニン、ノルアドレナリンという物質がうまく作用しないで起こると言われていて、この2つの物質の機能を高める薬です。この2つの物質は痛みを抑える神経の信号を伝える物質でもあるのです。
一般に、うつ病の薬はこの作用があるので、痛みを抑える神経の作用を高めます。
ノリトレン という薬を使っていました。この薬は、うつ病の薬としては、トリプタノールという薬の作用を弱くした位置にある薬で、精神科の先生は、効きが弱いので、ほとんど使いません。弱い分副作用も出にくく、痛みを抑える作用が前面に出てきますので、整形外科医としては使いやすかったのですが、使ってみると、サインバルタのほうが、より作用が強いようです。
この薬、 慢性腰痛症 に保険が適応になりました。効果が正式に認められた という事です。うつ病薬として、よく使われていますので、うつ病の治療をしない整形外科医としては、処方しにくいのですが、うつ病の症状が全くなくても、効果があります。
トラムセット より効果ありです。
腰痛でなくても、首や背中の痛みにも効果ありです。
リリカ、トラムセットで効果がない方にも効果があります。
リリカ、トラムセットを使っても効かない方に処方しますので、急性期にはまだ使っていません。ただ、初診でもすでに慢性痛の方には初めから処方しています。
副作用は、他と同じですが、飲めない方は最初からひどく出て、全くダメ です。
用量は
一日1回 朝食後 ですが、夕食後でも構いません。
1錠から初めて、1錠ずつ増やし、3錠まで可能です。3錠を1回で飲む という事です。
少しでも副作用が出ないように、吐き気止めと一緒に処方しています。
これらの3つの薬、よく効く ような書き方をしてきました。
確かに救われている方も、大勢います。
しかし、効かない方、飲めない方も多々います。
交通事故後 に強い痛みを感じている方、強い痛み(しびれも含む)が出る方 には、残念ながら効果がほとんどありません。
次回、さらに お話しを進めてゆくつもりです。
]]>今回は、残念ながらシリーズの続きではありません。
私事の、健康面でのお話しと、診療時間変更についてです。
最近は疲れがたまっていたのは確かで、ブログの更新もご無沙汰しておりました。
11月26日木曜の日仕事中、右目でパソコンの文字が読めない角度がある=視野欠損に気づきました。7時半まで診ていただける眼科がありましたので、診療後に行きました。視野欠損はあり、緑内障や、後頭葉の梗塞などの脳の障害の可能性を言われました。11月27日金曜に脳のMRI撮影をして、こちらは異常なしでした。これがおそらく前触れです。後の検査で、緑内障もなく、後頭葉の一過性の虚血と言われたからです。
11月29日日曜に、少し小走りして脈が上がった時に胸が詰まった感じがしましたが、じきに改善しました。しかし、夜寝ていると、また詰まった感じが起こりました。実はこの感覚、2年前にも起きていました。その当時の症状は、仰向けで寝ていると詰まるのですが、横向きに寝返りしてしばらくすると治まるのです。座ったり、立っているときは症状は全く出ません。心電図、胸の写真は異常なく、逆流性食道炎の薬は効果がありませんでした。じきに気にならなくなったので放置しておりました。今回は、横向きに寝ていてもあまり改善しません。心電図を取り直すと、虚血の疑いの所見があります。次の日に早速近くの循環器の先生の予約を12月2日水曜(=当院の休診日)に取りました。その日曜、月曜は寝ることができましたが、12月1日火曜から2日水曜にかけての夜は、ついに寝ていられなくなったのです。胸のつまりは横向きで逆につらくなります。うつ伏せになるとさらにつらくなり、立っていると楽にはなります。これでは寝ることができない。あと少し苦しくなると冷や汗が出てくる感じだ。予約外来まで待っていられない と感じましたので、地元の別の病院に救急搬送してもらいました。立っていたので、症状は軽快していて、歩いて救急車に乗りこみました。
診断は、不安定狭心症でした。しかし、救急外来でもまた苦しくなってきたので、ニトログリセリンという、狭心症の特効薬を投与してもらったところ、逆につらくなり、意識が遠のく感じです。心電図を取り直して、心筋梗塞を起こしており、緊急カテーテル手術後、入院となったのです。
入院後、大学時代からの友人にラインを送ったのですが、びっくりされました。
私は、40で開業し、今月に57になります。同年代あるいはまわりで、心筋梗塞を起こした仲間は初めてだったようです。
思い起こせば、小さいころから心肺機能は弱く、身が軽くて脚が早かった割には、長距離走は苦しくてまるでダメ、短距離も全力で走った後も、よく脳貧血を起こして、保健室のお世話になっていました。本格的にスポーツに打ち込んだのは、大学時代のボート競技ぐらいです。真面目には行っていませんでしたが、走り込みや、筋トレを繰り返すうちに、長距離も人並みに走れるようになり、いつのまにか心臓が大きくなって、スポーツ心臓になっていました。脈が遅く、寝ていたり安静にしていると、50台〜40台になります。医師になってからは、スポーツとあまり縁がなかったので、運動不足は確実でした。コレステロールは若いころから高く、血圧もやや高く、動脈硬化は、徐々に進行していました。心臓の方は、大きい割には、寝ていると、脈が遅くなり、血圧も低めになるようで、血流障害を起こして、症状が出る。座ったり、立っていると、脈が速くなり、血圧も上がって、心臓の血流は回復して症状がなくなる。この状態が起こっていたようです。狭心症は、運動をすると心臓の血流が間に合わなくて症状が出るですが、不安定狭心症は、安静時に症状が出ます。まさにこの状態です。通常ニトログリセリンを投与で、心臓の動脈は広がって症状が改善するのですが、私の場合は逆に血圧が落ちて、心臓の血流が回復せず、症状が強くなって心筋梗塞状態となってしまいました。この治療が効かずに悪化したことが、緊急手術の決め手でした。
心筋梗塞というと、冷や汗が出るくらいの痛みが出る と言いうイメージがあると思いますが、まったく痛みはありませんでした。ただ、胸が詰まった感じだけです。ニトログリセリン投与の後、苦しさが改善しないので、座ったらまた楽になるかと思い、腰かけたのですが、逆にさらにつらくなり、(血圧が落ちていて、座ることで心臓に負荷がかかり、さらに血流が悪くなった)意識が遠のく感じがしました。慌ててまた寝て意識はしっかりしてきました。このまま意識がなくなると死ぬ という感覚でした。
サッカーの練習中に亡くなられた松田選手は、こうだったのかもしれません。痛みがないので、放置しているうちに、血管のつまりはどんどん進行し、ついに運動していても心臓の虚血を起こし、意識を失ったのです。痛みを訴えたのではなく、“やばい、やばい”といって、意識を失ったと聞いています。
つらかったのは、術後の3日間です。手術時間が1時間半、その間、造影剤を入れまくり、冠動脈(心臓の血流をまかなう動脈)を広げる薬を使いまくりましたから、具合が悪くなるのは当然です。頭痛がひどく、気持ちが悪く、食欲がわきません。しかし、4日目ぐらいから急に楽になり、歩行練習もどんどん進んで、12月11日金曜日には退院できました。
初めて、12月2日から、12月11日まで緊急休診です。もともと休診日の水曜日が2回、日曜日が1回入ったことが幸いでした。12月12日から再び開院したのですが、健康面に不安は残りますので、午前午後それぞれ30分術診療時間短縮させていただきました。
月火木金
午前9時から12時まで 午後3時から6時30分まで
土
午前9時から12時まで 午後3時から5時30分まで
水 日 祝日
休診
よろしくご了承ください。
赤坂整形外科 院長 赤坂嘉久
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