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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
痛いからじっとしていると筋肉が固くなって動かなくなる // 緊張して筋肉が固くなることが痛みを悪化する、病気を悪くする という話

 痛みが出た時、動かすと痛いので、そっとしておきたい、じっとして痛みが治まるのを待つ という方も多いのではないかと思います。確かに痛みは身体に対して 痛いことをするな という警告です。しかし、あまりに大事にしすぎると?筋肉を固くして、関節の動きを悪くして、痛みの改善を逆に遅らせる原因になる。→固くなる病気や状態がある。今回は、この話をします。

身近な例では、骨折でギプスで固定しているとき、動かすと悪くなる痛くなる、動かしてはいけない という思いがあまりに強いと、4週後ぐらいにギプスを外した時に、骨折した周囲の関節が動かなくなり、骨がついた後も、何カ月もリハビリテーションが必要になる場合があります。少し位動かしても骨折は付きます。例えば、鎖骨骨折は、胸の部分を抑えるバンド固定だけで付きます。この固定ですと着脱できますし、肩関節も動きますが、それでも骨折は付くのです。

 痛みをこらえて使う事、無理に動かすことはもちろんよくありませんが、あまりに安静にしすぎると、回復を遅らせる のです。

しかし、動かし方にも問題があります。筋肉に力を入れて、痛みを我慢して動かし続けることも良くありません。 

最近の診療では、使ったり、動いたり、逆にじっと動かずにいる時など、何をしていても、どの場合でも、緊張して筋肉がつっぱる=力が入ってしまうこと が、痛みを悪化させる、関節を悪くする原因になっている と感じておりますので、このことについてもお話しします。

 

最初に、筋肉を動かすと痛みが出る、固くなる病気をいくつか挙げておきます。

 

多発性筋炎

 

筋肉に炎症がある病気で、筋肉が痛くなり、動かすと痛みが出ますが、固くなるとは違います。自分の筋肉を自分で壊してしまう自己免疫疾患の一つで、血液検査で自己抗体や炎症所見が出ます。副腎皮質ホルモン=ステロイド剤 がよく効きます。

 

パーキンソン病パーキンソン症候群

 

手が震える。脚が大きく遅れず、小股のちょこちょこ歩きになる。顔の表情が乏しくなる。などの症状に加えて、関節が固くなって、動かすと抵抗がある。という症状が出ます。固縮、ジスキネジアと呼ばれます。

この病気は、原因が脳の中にあることがわかっています。脳のある一部の部分が、うまく機能していないのです。

これから述べる病気、状態もすべて脳の中の一部の機能障害が原因かもしれません。

脳の機能はまだまだ分かっていないことが多い現状です。

 

線維筋痛症

 

原因不明の全身の筋肉に痛みが出る病気です。

動かすと痛みが出ますが、固くなるとは限りません。疲労感やうつ病などの他の症状や、痛む場所が動くなど、いろいろな症状が出ることがありますし、決まった部位に圧痛点があることが、診断基準です。前回のべたリリカやサインバルタが治療薬の保険適応になっていますが、全例に効くとは限らないと考えます。

 

原因が不明で痛くて関節が固くなって動かなくなる病気は、筋肉が緊張して固くなるためか?と考えています。やはり、それは脳からの指令なのでしょうか。

 

原因不明で関節が動かなくなる病気

 

四十肩、五十肩

 

経験された方も多い病名です。

肩関節が痛いので、動かさないでいたら、動かなくなってしまう病気です。

四十、五十になって起こるのでこの名前です。

凍結肩と呼ばれ、以下の原因の解っている肩の病気の後に起こることもあります。

肩関節の腱板周囲の炎症

変形性肩関節症

肩腱板断裂や損傷

石灰沈着による腱板の炎症

しかし、レントゲンやMRIで異常がない、動かなくなるような痛みの原因が認められない→原因不明が本当のこの病気です。

特徴は診察で肩関節を動かすと筋肉が異常に緊張しているかのように固く動きに抵抗感があります。力を抜くように指示しても抜けない状態になります。特に肘まで固くしてしまって、力が抜けない方は典型例です。

診察で各方向に動かすと、痛み、抵抗感(固さ)、動く範囲の狭さ この3つが出ることが特徴です。

 

★肩には原因不明で動かなくなる五十肩という病気があるのですから、他の関節にあっても、首や腰など他の部位にあってもおかしくないはずです。しかし、どの教科書にも載っていません。ここ1、2年ぐらいは、あってもおかしくない と考えて診察に当たっていましたので、いろいろ気づいてきました。

以下に述べる病気や状態は原因不明、有効な治療方法もわかっていません。ただ、なる方はごくごく少数なので、過剰な心配は無用です。

 

筋肉を使っていると動かなくなる病気

 

筋肉が固くなって関節が動かなくなる ではないのですが、挙げておきます。

 

書痙(しょけい)

字を書いているうちに、指が動かなくなる病気です。

使っている筋肉に力が入らなくなる?のです。使っていない時は症状がないので、診察では全く異常がでません。

別に字を書くだけなく、パソコンでも、楽器でも、料理でも使っているうちに動かなくなってしまう時は、この病気と同じ状態が起こっている可能性があります。

 

これらは上肢に起こっていますが、下肢のもあったとしたらどうなるでしょうか?

歩いているうち、立ち続けているうちなど、動いているうちに脚に力が入らなくなっていしまって、脚が前に出にくくなり、つまづいて転ぶ、歩けなくなる、立ち止まってしまう、しゃがみこんでしまう という症状になるはずです。動いていない時のベット上での診察では全く異常が出ません。これは、腰部脊柱管狭窄症と同じような症状です。が、腰部脊柱管狭窄症はMRI検査で診断できます。脚が動かなくなるだけではなく、痛みやしびれが出ます。これらの症状や検査で異常がないと、下肢に起こる書痙と同じ という事になります。

 

筋肉が固くなって動かなくなる病気

 

痙性斜頸(けいせいしゃけい)

原因不明の首周囲の筋肉が固くなって、首が曲がったまま固定してしまう病気です。

書痙とこの動かなくなる病気は、ジストニアと呼ばれています。

 

痛みを伴って動かなくなる その他の病気や状態

 

CRPS(複合性局所疼痛症候群)=RSD(反射性交感神経性萎縮症)

 

怪我の後に起こってくる原因不明で動かなくなる病気です。

ついこの間まで、RSDと呼ばれていましたが、原因が交感神経だけでは説明付かない部分も多く、今は、CRPSと言います。

最初の症状が、痛くて動かなくなる です。進んでくると、腫れる、皮膚がてかてかになる、骨がスカスカ=萎縮 になるなどの症状が加わります。

どの関節でも動かなくなった時、この病名を付ければよい とも考えますが、上記症状がそろっているのが、本当のこの病気です。

 

以下は、どの本にも載っていない状態を挙げてゆきます。

 

首が痛いので動かさないでいたら、動かなくなる

 

こちらは、痙性斜頸と違って、首が曲がって傾くではなく、まっすぐ向いたままになり、上下、左右向くことが困難になります。動かそうとすると、痛みを伴って、筋肉が固くつっぱって動きません。進んでくると、両肩関節も動きが悪くなって、五十肩と同じ症状になります。腰まで痛くなってきて、腰椎や、股関節の動きまで悪くなる方もいます。病気として認識されていないので、病名がありません。

はじめは痛みがあまりないのですが、日を追うごとに痛みが増して、動きが悪くなります。交通事故に遭われた方に診られることがほとんどですが、怪我を起こさないでも起こり得ます。最初人身事故でない と申請したのに、後から症状が出現してひどくなってしまうこともある状態です。事故の衝撃に関係なく起こる という事です。

次に述べる病気と違って

急に動かなくなるのではなく、数日かけて固くなってゆきます。

小さいお子さんでは診たことがありません。

安静にしても動くようになりませんし、通常の痛み止め 前回お話ししたリリカ、トラムセット、サインバルタなどの飲み薬はあまり改善効果がなく、消炎鎮痛処置、神経ブロックなどをやってもあまり改善しません。

 

環軸回旋位固定

 

第一頚椎の環椎と、第二頚椎の軸椎が、少しずれた位置で急に固定してしまう病気です。

お子さんではこの状態になると、首が左右どちらかに傾斜して、顔もバランスを取ろうとして傾く斜頸と呼ばれる形になります。風邪、扁桃炎、中耳炎などの炎症が及んで起こすので、炎症性斜頸と呼ばれます。が、動かしてグキンとなったり、怪我の時も起こりますし、原因が不明でも起こります。

成人になっても、傾く=斜頸になる方もいますが、年を取ってくると、首が固定して動かないことは共通ですが、まっすぐのままのことが多くなり、この病気と診断されないことも多いようです。

こちらは安静にしていて、痛み止めを飲むと痛みが改善して動くようになります。ご安心ください。

 

股関節(骨盤) にもあります。

 

股関節を動かすと痛みが出る、診察で各方向に動かしたときに筋肉がつっぱって固い、動かく範囲も狭くなる という症状です。股関節を屈曲する方向=脚を前に送る方向が最後まで動きます。

股関節、骨盤周囲の筋肉に痛みが出ます。臀部、大腿部などです。

腰と股関節が痛い と訴えられる方が多いです。そのため、ただの原因がわからない腰痛とされてしまうことも多いはずです。

 

身体が固くて股関節があまり動かない ではありません。

この場合は、動く範囲が狭いだけで、スムースに動きますし、痛みは出ません。

股関節の関節唇障害という病気がMRI検査で解ってきましたが、こちらは、診察で動かすときに痛みは出ますが、固さ=抵抗をあまり伴いません。

変形性股関節症も、動く範囲も狭くなり、痛みも伴いますが、動かしたときの固さはありません。屈曲方向も動かなくなり、レントゲンで診断できます。

 

下肢全体が固くなる方もいる

 

股関節が固くなる方で、膝から足まで固くなる方がいます。

診察で、ベットに仰向けに寝てもらって、診察で脚を動かすと 固い、重いのです。

骨盤や腰の筋肉も一緒につっぱりますから腰痛もあります。

MRI検査で腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアがある方に起こるようです。すべての方にこの検査を行っていませんので、この表現です。

下肢が固いのですから、歩くと痛くなって、重くなって立ち止まってしまう この症状は、腰部脊柱管狭窄症と同じです。ただ、前に述べたように腰部脊柱管狭窄症はベット上の診察では下肢は動かしても柔らかく、筋力も正常で、所見がないことが多い ということが違います。

また、腰下肢が固く緊張していますので、寝ている間に動かさないでいるとさらに固くなってしまい、朝痛くて、つらくてなかなか起き上がれない方もいます。これは、腰部脊柱管狭窄症の症状にはないことです。

 

膝関節だけにも起こります。

 

膝の痛みに伴って、動く範囲が悪くなります。動かすと痛みと、抵抗感を伴います。割と程度の軽い変形性関節症や怪我の方に起こる印象です。血腫ができて癒着(組織がくっついて)して動かない ことではありません。

 

足関節だけにも起こります。

 

捻挫の後に固くなってしまう方がいます。(=動く範囲が狭い、動かすときの抵抗感が強い、痛みを伴う)こちらも血腫があって癒着する のではないと考えています。

 

指や足趾も動かなくなる方がいる

 

指、足趾の小さな関節は周囲に筋肉がありませんが、前腕、下腿に指や足趾を動かす筋肉があり、そちらが固くなると、指や足趾は動きが悪くなります。が、指自体の炎症や、変形性関節症、怪我でも起こります。

五十肩になった方で、同じ側に腱鞘炎を起こすと指の動きがどんどん悪くなる方がいます。

指が固くなって動かなくなっている方が、同じ側の五十肩になることもあります。指も固くて動かないのですが、肩関節も動かすと固く、動く範囲が狭くなります。

 

原因不明で痛みを伴って、筋肉が異常に緊張して固くなり、関節が動かなくなる この状態になる病気がある 

診察で動かしたときに固い、抵抗が大きい。痛みを伴う、動く範囲が狭い。まるで筋肉が異常に緊張して固くなって、動きに抵抗しているかのようだ。

→ 筋緊張異常症 と呼びましょうか。一度このような病名で紹介状を頂いたことがあります。

 

今まで述べてきた病気や状態になる方は、ごく少数です。

五十肩になる方が比較的多いのは、肩が痛くなって動きが悪くなるとすべて五十肩と診断されるため 目立つ と考えています。

 

次に、筋肉が緊張して力が入ると、ほとんどの方は、動かなくならなくても、痛みを悪くしている→関節や軟骨を悪くしている。という話をみじかくまとめてします。

 

ほとんどの痛みが改善しない方、痛みが悪くなってしまう方、変形性関節症などが進行してしまっている方は、次の状態に陥っていると考えています。

 

使っているときに、じっとしているときに、緊張して筋肉が固くなっている、つっぱっている。余計な力が入っている。

 

首、肩〜肘、手指

パソコンを打つ、字を書く、箸を使う、台所仕事をする、何をするにも、緊張して力が入っていると、痛みが悪化します。

レントゲン撮影の時、例えば、OKサインの形を作って小指側をフィルムに着けて置いて動かないでください と指示しても、指定した指の位置に停めて置くことができない方がいます。緊張して力が入る方は、指を思う様に動かすことができなくなっている、その形を維持することができなくなっているのです。このような方が、指の痛みや、指の変形性関節症が進んでしまう方です。

 

立っていても、座っていても、じっとして緊張していると、筋肉がつっぱってきて腰痛が悪化します。(椎間板は力が入り続けると、より圧力が上がるので、ヘルニアなどは症状が悪化します。)座っていると痛くなる、立ち上がるとき痛い などの症状が出ます。特に車の運転中は緊張が強いので、腰の周囲の筋肉が緊張して痛みが強まる方が多いです。沈み込むシートの形だけではないと考えています。

 

歩くとき、早く歩くと悪化します。脚に力が入るためです。

座っている時、じっとしていて脚に力が入っていると、立ち上がる時に膝に痛みが出ます。

床に(診察の時は診察ベットに)脚を伸ばして座ってもらって、診察で膝の後ろを手でもって膝を動かそうとすると、膝が固くて動かない方がいます。力を抜くように言っても固いままです。検者の手で動かすのですから、膝周囲の筋肉に力が入っていなければ、簡単に動くはずです。

このような方が、変形性膝関節症が進んでしまっています。

 

踵を内側に返すことができない方がいます。手で動かしても固くなってほとんど動かない方もいます。このような方が踵周囲の痛みが出ています。

 

前足痛

足趾を曲げたり、伸ばしたり、開いたりなど、うまく動かすことができない方が、進行しています。特に、母趾の第一番目の関節が曲げる方向に動かない方は要注意です。外反母趾も進行します。

 

どの部位でも、緊張して筋肉を固くしていると、関節が悪くなる、痛みが悪化する という話を加えました。

 

治療の話は次回以降お話しします。

 

| 痛み | 06:57 | - | - | - | - |
新しい痛みを抑える薬はどこまで効くのか

長い間、お待たせしました。

更年期の症状でしょうか。ブログの更新する気力がなくなったことと、病気も重なり、ブログから遠ざかっていました。その間、さらに経験を重ねて?新たに分かってきたこともあります。少しずつ書いていこう と思っています。

 

今回は、薬のお話しです。よく使われる3つの薬です。以前もお話ししています。よく使われるようになってきて、効果も一般に認められてきました。

 

プレガバリン=リリカ という薬

 

痛みを伝える神経の信号の伝達をブロックします。神経ブロックは痛みを伝える神経を麻酔薬でブロックしますが、これを薬でブロック(遮断)するのです。遮断する力は弱いですが、麻酔薬と違って飲み続ければ持続的に効きます。ブロック注射が苦手な方にも朗報です。

神経に直接作用しますから、眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い など副作用が出ることがありますので、少量(25,75,150ミリグラムのうち、25ミリ)から、夜寝る前に開始しています。それでも、朝起きた時に副作用がでる方は飲めません。

 

私の、はじめの出し方は

用量は

25ミリの少量の1錠を夜寝る前からです。一般的な痛み止めは食後に飲みますから、夕食後が最後で、夜から朝にかけて効果が弱くなります。夜痛くて目が覚める、朝起きるときに痛い という症状の方にはこの飲み方がぴったりです。一般的な痛み止めに加えて処方できます。副作用がなく、効果が弱い時は、徐々に増やしてゆきます。一日2回投与が原則なのですが、3,4回に分けて飲む方が効く方もいます。

増やし方は、1錠を2錠へ、あるいは2錠を一日2回、あるいは2錠を一日3回 ぐらいにしています。いきなり、次は、75ミリ一日3回など、急に増やすことはしません。途中で副作用が出ることもあるからです。減らすときも、徐々に減量がよいのですが、75ミリ3,4錠など、比較的大量に飲んでいる方以外すぐに止めても問題ないようです。

 

どのような方に開始するのか

痛みが出たので来院(初診)されてから、消炎鎮痛剤と呼ばれる いわゆる痛み止めで効果がない時、効果が弱い時には、開始します。初診から1,2週間で開始です。

最初から激痛の方

最初からブロックをした方がよいと考えられる方(+注射が苦手な方)=初診時の急性期に最初から投与です。

痛み止めに加えて、処方します。痛み止めは食後なので、寝る前に飲むことに抵抗は少ないです。また、坐薬の代わりに処方できますので、痛み止めの副作用は軽減できます。

痛みが強い方は副作用が出ることは少ない印象です。

そこで痛みに応じて、昼にもう一つ飲んでもらったり、つまり一日25ミリ2錠 から開始したり、2錠ずつを一日2回(寝る前、昼後)で投与開始したりします。少しずつ増やすのがよいので、週に2回ぐらい来院してもらって、次に増やすかどうか 決めるのがベストですが、来院できない方もいますので、最初から用量を多く出す方もいます。

この薬のおかげで、坐薬の使用が少なくなりました。坐薬は肛門から入れてしばらく我慢しますので苦手な方も多いのです。神経ブロックが苦手な方にも福音です。

 

一般的には慢性期の痛み(3か月以上治まらない痛み)に使う薬ですが、

急性期に使っても充分効果ありです

しびれ は痛みが弱くなってきたときに現れる症状の一つです。痛みを伝える神経を伝わって感じています。つらいしびれ 気になるしびれ にも痛みを伝える神経をブロックするこの薬は効果あり(全例には効きません) です。

 

 

トラマドール=トラマール トラムセット ワントラム という薬

 

リリカが飲めない方、リリカで効果が弱い方に使っています。

 

リリカが痛みを伝える神経をブロックする作用に対して、こちらは、痛みを頭で感じにくくして、痛みを抑える神経の作用を高めます。トラムセットにはアセトアミノフェン=カロナールが入っています。アセトアミノフェンは炎症を抑える作用は強くありませんが、頭で痛みを感じにくくする作用もあります。一般の消炎鎮痛剤=痛み止めに比べ、胃にやさしく、喘息も起こしにくく、腎臓の機能にもあまり影響しません。

 

この薬も一般の消炎鎮痛剤=痛み止めと一緒に使えます。

作用点が違いますから、リリカに加えて処方もできます。

 

通常神経ブロックを行わない関節の痛みなどには、痛み止めの効きが悪い時には、リリカでなく、この薬をまず使うこともあります。

 

副作用は、神経に作用しますので、リリカと同じく、眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い などですが、特に気持ち悪くなることが多いので、吐き気止めと一緒に処方しています。しばらく飲んでいると便秘することもあり、便秘気味の方には、下剤も一緒に処方がよいです。

 

この薬は、麻薬を元に作られていますので、飲む量を増やすと、癖になって止められない のではないか と最初は思われましたが、効果が弱い薬ですので、この可能性はほとんどなく、よく使われるようになってきました。効く薬は、飲み続けて効きが弱くなると、どんどん増やして飲みたくなる これが、癖になる止められないパターンですが、こうなるほど効かない という事です。

 

用量は

一日2回、1錠づつから開始しています。

一日8錠まで増量できるのですが、増やしたからと言って、どんどん効いてくる印象は

あまりありません。4~6錠ぐらいまで増やしても効果がない方は、それ以上増やしてもより効果は期待できない印象です。

 

デュロキセチン=サインバルタ という薬

 

精神科=神経科の先生 が うつ病 でしばしば使う薬です。

うつ病は、神経の信号を伝える セロトニン、ノルアドレナリンという物質がうまく作用しないで起こると言われていて、この2つの物質の機能を高める薬です。この2つの物質は痛みを抑える神経の信号を伝える物質でもあるのです。

一般に、うつ病の薬はこの作用があるので、痛みを抑える神経の作用を高めます。

ノリトレン という薬を使っていました。この薬は、うつ病の薬としては、トリプタノールという薬の作用を弱くした位置にある薬で、精神科の先生は、効きが弱いので、ほとんど使いません。弱い分副作用も出にくく、痛みを抑える作用が前面に出てきますので、整形外科医としては使いやすかったのですが、使ってみると、サインバルタのほうが、より作用が強いようです。

この薬、 慢性腰痛症 に保険が適応になりました。効果が正式に認められた という事です。うつ病薬として、よく使われていますので、うつ病の治療をしない整形外科医としては、処方しにくいのですが、うつ病の症状が全くなくても、効果があります。

トラムセット より効果ありです。

腰痛でなくても、首や背中の痛みにも効果ありです。

リリカ、トラムセットで効果がない方にも効果があります。

リリカ、トラムセットを使っても効かない方に処方しますので、急性期にはまだ使っていません。ただ、初診でもすでに慢性痛の方には初めから処方しています。

副作用は、他と同じですが、飲めない方は最初からひどく出て、全くダメ です。

 

用量は

一日1回 朝食後 ですが、夕食後でも構いません。

1錠から初めて、1錠ずつ増やし、3錠まで可能です。3錠を1回で飲む という事です。 

少しでも副作用が出ないように、吐き気止めと一緒に処方しています。

 

これらの3つの薬、よく効く ような書き方をしてきました。

確かに救われている方も、大勢います。

しかし、効かない方、飲めない方も多々います。

交通事故後 に強い痛みを感じている方、強い痛み(しびれも含む)が出る方 には、残念ながら効果がほとんどありません。

 

次回、さらに お話しを進めてゆくつもりです。

| 痛み | 17:18 | - | - | - | - |
お知らせ

今回は、残念ながらシリーズの続きではありません。

私事の、健康面でのお話しと、診療時間変更についてです。

最近は疲れがたまっていたのは確かで、ブログの更新もご無沙汰しておりました。

11月26日木曜の日仕事中、右目でパソコンの文字が読めない角度がある=視野欠損に気づきました。7時半まで診ていただける眼科がありましたので、診療後に行きました。視野欠損はあり、緑内障や、後頭葉の梗塞などの脳の障害の可能性を言われました。11月27日金曜に脳のMRI撮影をして、こちらは異常なしでした。これがおそらく前触れです。後の検査で、緑内障もなく、後頭葉の一過性の虚血と言われたからです。

11月29日日曜に、少し小走りして脈が上がった時に胸が詰まった感じがしましたが、じきに改善しました。しかし、夜寝ていると、また詰まった感じが起こりました。実はこの感覚、2年前にも起きていました。その当時の症状は、仰向けで寝ていると詰まるのですが、横向きに寝返りしてしばらくすると治まるのです。座ったり、立っているときは症状は全く出ません。心電図、胸の写真は異常なく、逆流性食道炎の薬は効果がありませんでした。じきに気にならなくなったので放置しておりました。今回は、横向きに寝ていてもあまり改善しません。心電図を取り直すと、虚血の疑いの所見があります。次の日に早速近くの循環器の先生の予約を12月2日水曜(=当院の休診日)に取りました。その日曜、月曜は寝ることができましたが、12月1日火曜から2日水曜にかけての夜は、ついに寝ていられなくなったのです。胸のつまりは横向きで逆につらくなります。うつ伏せになるとさらにつらくなり、立っていると楽にはなります。これでは寝ることができない。あと少し苦しくなると冷や汗が出てくる感じだ。予約外来まで待っていられない と感じましたので、地元の別の病院に救急搬送してもらいました。立っていたので、症状は軽快していて、歩いて救急車に乗りこみました。

診断は、不安定狭心症でした。しかし、救急外来でもまた苦しくなってきたので、ニトログリセリンという、狭心症の特効薬を投与してもらったところ、逆につらくなり、意識が遠のく感じです。心電図を取り直して、心筋梗塞を起こしており、緊急カテーテル手術後、入院となったのです。

入院後、大学時代からの友人にラインを送ったのですが、びっくりされました。

私は、40で開業し、今月に57になります。同年代あるいはまわりで、心筋梗塞を起こした仲間は初めてだったようです。

思い起こせば、小さいころから心肺機能は弱く、身が軽くて脚が早かった割には、長距離走は苦しくてまるでダメ、短距離も全力で走った後も、よく脳貧血を起こして、保健室のお世話になっていました。本格的にスポーツに打ち込んだのは、大学時代のボート競技ぐらいです。真面目には行っていませんでしたが、走り込みや、筋トレを繰り返すうちに、長距離も人並みに走れるようになり、いつのまにか心臓が大きくなって、スポーツ心臓になっていました。脈が遅く、寝ていたり安静にしていると、50台〜40台になります。医師になってからは、スポーツとあまり縁がなかったので、運動不足は確実でした。コレステロールは若いころから高く、血圧もやや高く、動脈硬化は、徐々に進行していました。心臓の方は、大きい割には、寝ていると、脈が遅くなり、血圧も低めになるようで、血流障害を起こして、症状が出る。座ったり、立っていると、脈が速くなり、血圧も上がって、心臓の血流は回復して症状がなくなる。この状態が起こっていたようです。狭心症は、運動をすると心臓の血流が間に合わなくて症状が出るですが、不安定狭心症は、安静時に症状が出ます。まさにこの状態です。通常ニトログリセリンを投与で、心臓の動脈は広がって症状が改善するのですが、私の場合は逆に血圧が落ちて、心臓の血流が回復せず、症状が強くなって心筋梗塞状態となってしまいました。この治療が効かずに悪化したことが、緊急手術の決め手でした。

心筋梗塞というと、冷や汗が出るくらいの痛みが出る と言いうイメージがあると思いますが、まったく痛みはありませんでした。ただ、胸が詰まった感じだけです。ニトログリセリン投与の後、苦しさが改善しないので、座ったらまた楽になるかと思い、腰かけたのですが、逆にさらにつらくなり、(血圧が落ちていて、座ることで心臓に負荷がかかり、さらに血流が悪くなった)意識が遠のく感じがしました。慌ててまた寝て意識はしっかりしてきました。このまま意識がなくなると死ぬ という感覚でした。

サッカーの練習中に亡くなられた松田選手は、こうだったのかもしれません。痛みがないので、放置しているうちに、血管のつまりはどんどん進行し、ついに運動していても心臓の虚血を起こし、意識を失ったのです。痛みを訴えたのではなく、“やばい、やばい”といって、意識を失ったと聞いています。

つらかったのは、術後の3日間です。手術時間が1時間半、その間、造影剤を入れまくり、冠動脈(心臓の血流をまかなう動脈)を広げる薬を使いまくりましたから、具合が悪くなるのは当然です。頭痛がひどく、気持ちが悪く、食欲がわきません。しかし、4日目ぐらいから急に楽になり、歩行練習もどんどん進んで、12月11日金曜日には退院できました。

初めて、12月2日から、12月11日まで緊急休診です。もともと休診日の水曜日が2回、日曜日が1回入ったことが幸いでした。12月12日から再び開院したのですが、健康面に不安は残りますので、午前午後それぞれ30分術診療時間短縮させていただきました。

月火木金  
 午前9時から12時まで   午後3時から6時30分まで

 土    
 午前9時から12時まで   午後3時から5時30分まで

水 日 祝日   
 休診

よろしくご了承ください。

赤坂整形外科 院長 赤坂嘉久

| お知らせ | 08:36 | - | - | - | - |
痛みの話3
前々回の痛みの話の続編2
 
 
痛みの伝える機構(再掲載、復讐)
 
1、悪い痛みの原因となっている部位  から
 例えば、足、膝、腰、腰など
2、痛みを伝える神経 で、痛みは脊髄を経由して脳に伝わります。
3、痛みを感じる脳の部分 で、痛みとして感じます。すると、
4、痛みを抑える神経 が働いて、痛みを伝える神経を抑えます。→強い痛みは治まってきます。
このように考えていましたね。
 
今回は、
1、痛みを発症させる原因部位が余計に痛み物質を出している?
についてです。
前回の話は、動かしても痛みが出ない、でも痛みをつらく感じる時
でした。
それに対して、今回の話は、少しでも動かすとつらい痛みが出る、進んでしまうとほとんど動かなくなってしまう。なおかつ、今までの治療が、ほとんど効かない時、のことです。
今回の話のようになる方は、ごくごく一部の方です。多くの方はこのような状態にはなりません。治療すればよくなって、動かなくなることはありませんので。・・・・・
 
痛み止め(消炎鎮痛剤)
神経ブロックや、関節注射、炎症を抑えるステロイド剤やヒアルロン酸 どれもよく効きません。
どんな器械による炎症を抑えるリハビリ治療を行ってもよく効きません。
 
さらに  
痛みを伝える神経を抑えるリリカや、
脳での痛みの感じ方を抑える。痛みを抑える神経の作用を高める
ノイロトロピンや、トラムセット、ノリトレンも、よく効きません。
逆に、これらの薬で、ある程度痛みが治まる時は、
今まで述べてきた
2、痛みを伝える神経が痛みを余計に伝えている。
3、脳で痛みを感じすぎている。
4、痛みを抑える神経がよく働いていない。
これらの状態が+関与していると考えます。そして、
+関与の部分だけ、痛みが楽になった と考えています。
 
つまり、この病気は
どの治療をしても良くならないこと
が問題です。
原因もはっきりしません。靭帯や軟骨、椎間板、腱板などは動かなくなるほど悪くありません。
→靭帯、軟骨、椎間板、腱板などがわるくて、引っかかって動かないのではありません。
つまり
なぜこのようになるのかよくわからないのです。
 がついているのは、果たして本当にそうなのか確定できないためです。
 
身近な例は、いわゆる 五十肩 の一部にある と考えています。
痛くて動かさなかったら、動かなくなってしまった。という肩(=凍結肩)です。
ただし、五十肩の場合は、まったく動かなくなる ということはまずありません。
 
そのうち、月単位をかけて徐々に動かなくなるのは
→痛みの出ている、炎症のある部位が次第にくっついてしまう(癒着(ゆちゃく)する)場合です。
この場合は、ステロイド剤や、ヒアルロン酸の関節注射で、改善方向に持ってゆくことができます。
 
一日で激痛がきて急に動かなくなるのは
→カルシウム(石灰)がたまったり、尿酸(痛風の原因物質)がたまっていて、
使いすぎた、捻ったなどの負荷をかけた などの次の日に急に炎症を起こす場合です。
この場合は、痛み止めの飲み薬、ステロイド剤の関節注射がよく効いて、比較的に速やかに治ります。
 
これらではなく、                             
1、2週間以内に、動かなくなる  という例です。
動かすと痛いので動かしたくなくなり、
動かすと激痛を感じて、あまり動かすことができなくなる が特徴です
 
肩関節は 痛みを感じる知覚神経だけをレーザーメスなどで焼き切る治療 が考えられますが、神経を焼くとき、痛みを確認しながら行わないとうまくいきません。麻酔をしっかりかけてしまうと、痛みを全く感じませんので、知覚神経にうまく当たっているかどうか判断できません。麻酔が浅いと、もともと痛みを強く感じている神経を焼くのですから、計り知れない激痛を伴います。したがって、辛くない程度の痛みに感じさせる麻酔が必要で、これが非常に難しく、普及していません。
 
 
膝でも、股関節でも起こり得ます。動かさないでいると、だんだん動かなくなってきます。実際の損傷や悪い具合の程度と一致せずに、痛みが非常に強く出ています。仰向けに寝ている状態で、動かすと痛みが強くて動かない、などが特徴です。寝ている状態=体重がかかっていないときに、動かすと異常に痛い時は要注意です。股関節も知覚神経だけを焼く治療が可能ですが、肩関節と同様な状況です。しかし、膝と股関節で変形性関節症の場合は関節自体を取り換えてしまう、人工関節置換手術が普及しています。これを行えば、大元の痛みの原因は取れて楽になります。
 
反射性交感神経性萎縮症(RSD)や、複合性局所疼痛症候群(CRPS)という病名があります。
これらの病気
怪我した後に診られることが多いようです。
同じく、動きが悪く硬くなってしまいます。
+さらに進行すると、筋肉が萎縮し(細くなってやせます)皮膚がテカテカになる とされていますが、このようにまでなった例は診たことがありません。
初期に、硬膜外ブロック、その他の神経ブロックが効き、ノイロトロピンなども効く例もふくまれます。その場合は、今回の話の例とは、厳密には違うと考えます。
 
次に、首の例を話してゆきます。
 
軽い外傷、例えば、交通事故などで、首を軽く振られた後、あるいはほとんど振られてなくても、起こることがあります。
進んでしまう例では、
最初は、大丈夫、ほとんど症状がなくても、
次の日、あるいはその次の日、場合によってはさらにその次の日から、痛みが出てきて、治るかと思って放っておいたら、だんだん痛みが強くなって、1週過ぎの時は、痛みで、頚がかなり動かせなくなってきます。1週ぐらい経ってから痛みが出てきて、2週目ぐらいに動かなくなることもあります。
星状神経ブロック、頚椎の硬膜外ブロックまで行って食い止めようとしましたが、動かなくなった例がありましたので、どの治療も効かない と考えています。
さらに進むと、両腕が上がりにくく(肩関節が上がりにくく)なってゆきます。これは首の付け根の左右にある、一番上の肋骨が脊椎につく関節部分で痛みが出ていることが多く、肩を上げようとすると、ここに負担がかかって痛みが出るため、肩を上げるという動きが制限されると考えています。さらに進行すると、頚は全く動かせない、五十肩と同じように、肩関節を上げる(腕を上げる)以外の方向(腰に手が回らないなど)も制限されてきます。
普通の後から痛みが出てくる=普通の怪我の後の痛み と違うところは、痛みが、翌日、翌々日につらくなる、あるいは1週間ぐらい経ってから症状が出てきて、+動かなくなる ことです。
すべてこのように進むわけではありません。肩の動き制限までは来ない方もいますし、逆に、もっと早い日数で進んでしまう方もいます。
頚椎の椎間板ヘルニアなどと違い、頚から腕、手に行く神経の圧迫はほとんどありません。が、しびれが、手の方に来ることもあります。一番上の肋骨が脊椎につく関節が痛みの原因になっている例で、そのそばを腕に行く神経が通るので、刺激される と考えます。
MRI検査で、椎間板ヘルニアはない、もちろん、脊髄の損傷もありません。(レントゲンだけでは椎間板ヘルニア、神経の損傷は確定できません。)
 
この様になる方はごくごく一部の方です。前述した通り原因はわかりません。
しかし、どの方がなるかはわからないのです。
病名としては、線維筋痛症とされている方の一部の方 でしょうか。
 
痛みに敏感な方、痛みに恐怖を抱いている方、痛みを気にする方 は多い傾向です。
痛みに恐怖を抱いていますので、注射も怖くて受けれない方が多いです。
+“事故にあうとあとから痛みが出る”という風評?意見が出回っている事。(担当する保険会社の方にもこれを言う人がいるので、お手上げです。)
事故にあったという被害者意識。
などは関与します が、そうでなくても起こります。
+前述した。痛みを脳で強く感じているなど、
精神的な側面も大いに関係していると考えます。
繰り返します。
普通の 後から出る痛み だけでなく、動かなくなる ことで区別します。
加えて、どの治療も効果がない ことです。
患者さん自身が、痛くても適度に動かしていて、(無理に動かして我慢して使うのはもちろんダメ)自然に痛みになれる状況ができていれば、どんな治療をしていても、器械によるリハビリを行っているだけでも、あるいは何もしなくても、改善してゆきます。
しかし、今まで述べた方は、このようにならない方です。
 
ついこの間までは、この病気の場合、治療手段なし と考えていました。
いろいろ治療しても、結果改善せず、交通事故などでは、そのまま後遺症 として診断していました。
しかし、今までお話ししてきたように、外傷(怪我)そのものによる直接の障害ではありません。
これは、外傷の後に発症する痛みの病気です。
事故による直接の後遺症ではないのです。
→現在は、後遺症として書かないようにしています。
→後遺症は、認定に時間がかかる、→なるかならないか もめる など、精神的な負担が長引くだけです。症状がこの間、長引くだけです。
 
改善する可能性がある と感じたのは、ごくごく最近の話です。交通事故の頚椎捻挫の患者さんを診ているときです。
その方は、首の動きが非常に悪くなっているわけではありませんが、動かすと痛みは出ます。リハビリ、注射、どの治療しても改善はしませんでした。
ある程度動くので、来院の度、診察で首を動かしてみていると、だんだん動かしても首が痛くなくなってきたのです。
動かしたときの痛みに慣れてきた?と考えるしかありません。
 
よくよく考えれば、今まで行ってきている五十肩(凍結肩)の治療も同じでした。
ついこの間気づきました。
動かなくなった肩を少しずつ動かしてほぐしてゆきます。
はじめは少しでも動かすと痛みが出ていた方も、次第に動かしても痛みが出なくなってきます。
そして、動く範囲では痛みが出なくなってゆきます。
さらに動かしてゆくと、動く範囲もだんだん広がってゆきます。
この間、1〜2年かかります。気長な話ですね。
動かなくなってしまっていたら、どの部位でもこのぐらいはかかる と覚悟しておいてください。
 
 
治療の具体的な話
 
痛みに少しずつ慣らしてゆく 動かなくなったら、少しずつ動かす練習をする
という治療です。
アレルギーのある方が、アレルギーが出る物質に少しずつ慣らして治してゆく方法と同じです。
痛みに恐怖を抱いている方が多いと思いますが、
動かして痛いのだから、動かすと余計に痛くなる という考えはやめましょう。
確かに、動かし方が悪いと痛みは強くなります。
要は、痛くならないように、少しずつ動かす です。
そのため、長期の日数がかかるのです。
動く方も、動かすと痛い場合は、動かなくならないようにするため、同じ練習をすすめます。
一般に、痛みが長引いている方にも効果がある と考えています。
 
動かし方は、痛い方向と逆の方向にまず動かす 充分に時間をかけて(1分ぐらい)最大動くところまで です。
次に痛い方向に動かす 痛ければ痛いほどゆっくり行います。1〜2分ぐらいかけてです。
痛いのをゆっくり行うことで、慣らしながら、我慢しながら、充分に行います。いそいで動かすと、強い痛みが走って無理です。
 
回数は、一日1,2度としています。
もともと痛いのですから、やり過ぎはだめです。
 
この方法で、痛みが強くなってしまうときは、やり方のスピードが早すぎる、強すぎる、回数が多すぎる →早く良くなろうと思っている などです。
 
首ですと、
 
顔を真上に向ける方向で痛みが出るのなら、まず、顔を下に向ける位置で1分ぐらい止めておきます。次に徐々に顔を上に向けていきます。痛くてもゆっくり向けて行って、1分ぐらい頑張ります。
痛みが出る方向の正反対方向に動かしてから、痛い方向に動かす ということです。
顔が上を向く方向は、真上、右上、左上、3方向です。1分右下に向けてから、左上を向いて1分 1分左下に向けてから、右上を向いて1分です。
次に左右に振りかえる運動です。
痛くない痛みの少ない方向(例えば左)から充分左を向いて1分、次に右を向いて1分頑張ります。
最後に、首を傾ける運動です。同じように、痛みの少ない方から1分ぐらい時間をかけて傾けたまま我慢します。次に痛い方向へ傾けて1分ぐらい我慢します。
 
1分はあくまでも目安です。早く動かすと痛い時は、充分時間をかけてゆっくり行います。
各方向2回ずつ行うことをお勧めします。
固まっていない方は、1回目より2回目の方が動く範囲が大きくなることに気づくはずです。
 

 
仰向けに寝て行います。膝に体重がかからない=負荷がかからない様にして行います。
曲げて痛くて曲げられない時は、充分伸ばしてから、次に曲げる練習をします。
伸ばして痛い時は、まず曲げてから次に伸ばします。
痛くても2,3分ぐらいずつ時間をかけてゆっくり行います。
 
股関節
 
図のごとくです。
前後方向は、横向きで行いますが、
自分ではできない方が多いので、診察でこのやり方を行っています。
布団で寝ていて行うときは、前後に大きめの荷物を置いておいて、足を引っ掛けてそれぞれの方向に保持するとよいでしょう。
 
腰は
まずは前後屈
痛くない方からゆっくり時間をかけて行います。
次に側屈運動
次は腰をひねる運動となります。
股関節を動かすと腰が痛い方、股関節の動きが悪い方は、股関節の運動も同じに行います。
動かして痛くない方も行ってみてください。
 
あくまでも徐々に 薄皮をはぐように治ってゆけばOKです。
 
最後に、動かなくならないようにするために
動かさなくても、じっとしていて痛くなる方も同じです。
 
動かすと痛いからといって、じっと止まったままで緊張していると動かなくなります。
じっとしていて痛くなる方も、緊張していて痛くなります。
座っているとき、立っているとき、機会があれば、体をゆすりましょう。
首なら、左右に傾斜させてのストレッチ、痛い時は、ゆっくり行ってください。
肩ならゆっくり回す。
股関節や腰なら、脚をゆすります。座っているときも立っているときも、左右でも上下でも膝をゆすれば、股関節も動きますし、腰にかかる力も分散します。
思い出したときにしょっちゅう行ってください。
車の運転で、腰が痛くなる方など、ゆすりながら運転していると痛みの出方が違うでしょう。
 
つまり、動かし方は2通りです。
痛いところまで充分ゆっくり動かす。こちらはやり過ぎないこと。
固くならないように、小刻みにしょっちゅう動かす。 です。
 
痛みが長引いている方の、少しでも痛みの改善になれば幸いです。
 
| 痛み | 11:06 | - | - | - | - |
痛みの話2
前回の痛みの話の 続編
                                                
まずは、前回と同じ、痛みを感じる図と、痛みに敏感になっている状況をもう一度。
 
痛み の感じる仕組み は、
1、悪い痛みの原因となっている部位  から
 例えば、足、膝、腰、腰など
2、痛みを伝える神経 で、痛みは脊髄を経由して脳に伝わります。
3、痛みを感じる脳の部分 で、痛みとして感じます。すると、
4、痛みを抑える神経 が働いて、痛みを伝える神経を抑えます。→強い痛みは治まってきます。
これが、痛みに対する正常な反応です。
そして、次のような時、痛みに敏感になって、痛みがなかなか取れなくなります。
1、原因部位の状態があまり悪くないのに、痛みの原因となる物質が多く出ている?あるいは、原因部位の状態はある程度悪いのですが、それに比べても、痛みの原因物質が多く出ている?
 2、痛みを伝える神経が、多く痛みを伝えすぎる。痛みを伝える神経が敏感になりすぎている。→前回お話ししました。
 ★3、脳で痛みを感じすぎている。
 ★4、痛みを抑える神経が、うまく働いていない。
 
この図で,番号に入っていない自律神経は?
今回のお話は、まず、この自律神経の話を手短に?してみます。
実は、自律神経が痛みに このように作用する! と断言できませんので、痛みの感じる仕組み に入れませんでした。
前回予定した1、原因部位の状態があまり悪くないのに、痛みの原因となる物質が多く出ている? は次回とさせてください。
 
5、自律神経が痛みに関与している。
 
自律神経とは、自分の意志でコントロールできない神経です。内臓の機能をコントロールする(心臓を打つ速度、胃腸の動きの調節など)、汗をかく、血圧を変える などに作用する神経です。
交感神経と副交感神経の相反する作用の2つがあります。
交感神経は、危険な状態、非常事態の時に働きます。
→脈を速く、血圧を上げ、筋肉の血流を増やし、脳を覚醒させ(気持ちを高め)、内臓の機能は落とします。
副交感神経は、その反対で、体の維持に働きます。
→脈を遅く、血圧を下げ、内臓の機能を高めて、気持ちを落ち着かせます。寝ているとき優位になります。
通常は、この2つの神経がバランスよく働いているのですが、問題は、交感神経の作用が副交感神経の作用を上回っている(ことが続く)時です。このような場合は、交感神経自体の作用が強いときと、逆に、副交感神経の作用が弱いときの2つです。
自律神経のバランス
痛みは、危険な状態の一つですので、交感神経が働きます。本当に危険な状態、動かないといけない状態では、交感神経は、痛みを↓の方向に働いて、動きを保つように働くはずです。例えば、怪我をしたが、動かないと命が危ないとき、スポーツの試合中に怪我をしたが、し続けなければいけないときなど。ちょっとした痛みなら動けます。あとから、ひどい怪我だったと痛くなって気づきます。
しかし、そうでないときは、痛みを↑と考えます。痛みを強くして、体を痛みが出ないように持ってゆくため?のようです。そのため、
急に痛みが来たときや、痛みが起こってからしばらくの期間は、交感神経をブロックする、神経ブロックがよく効きます。星状神経節神経節は、この交感神経の神経細胞の塊(かたまり)です。硬膜外ブロックも、交感神経をブロックする作用があります。交感神経を一度ブロックすることで、交感神経の過敏の活動状態を抑えることができ、麻酔が切れた後も作用が落ち着いて痛みが楽になる とも考えられます。
また、通常はブロックしなくても、交感神経が落ち着く、副交感神経がきちんと働く で痛みは改善してきます。ところが、
この交感神経が働きすぎの状態続くと、神経ブロックを行っても、あまりよく効かなくなります。あるいは、まったく効きません。交感神経を一旦ブロックしても、麻酔が切れた後は、再び過敏に活動してしまう ようです。
また、副交感神経がうまく働かなくなって、交感神経の優位状態が続いてしまう状態でも、神経ブロックがあまり効きません。交感神経の活動は正常なのですから、副交感神経の活動を高めないとダメなのです。
交感神経が働きすぎる状態が続きすぎると、
動きが悪くなる、筋肉が細くなる、骨が弱くなる、皮膚がてかてかになる など、見た目にも異常事態が起こることがまれ?にあります。
このような状態は、
以前は、反射性交感神経性萎縮症(RSD)といいましたが、交感神経をブロックしても改善しない例が多いことから、交感神経の異常だけの問題ではないと考えて、現在は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)と呼びます。
→通常はこの状態にならないのですが、それでも慢性的に痛みが続いていると、交感神経のブロック=神経ブロックの効きは悪くなるのです。
後で少し触れる、針などのツボを刺激する治療は、交感神経の機能を抑える、副交感神経の機能を高める、双方の作用があるようです。
 
次に
3の脳で痛みを感じすぎている
に関して話をさせてください。 
 
痛みをつらいと思っている方、痛みに対して恐怖感がある方、痛みが気になる方、など、3の状態になりやすいと考えます。前回お話しした、2の痛みを伝える神経が過敏に働いている状態が、主であっても、多少なりともこの3の状態にもなっている とも考えます。
 
純粋に 3の状態では?
診察所見で、悪い所見が出ません。
そのため、異常ありません。と医者に言われることもあるはずです。
 
具体例を挙げます。
患者さんは
頚が痛い、肩こりがつらい、肩甲骨が痛い と訴えられます。
ついでに腰も痛み もあると訴えられます。
診察では、首をあらゆる方向、上を向けたり、下を向けたり、左右に傾けたり、右左に回しても、痛みは出ません。腰もあらゆる方向に動かしても痛みが出ません。腕や脚の動きも正常で、力もちゃんと入ります。診察ベットでの寝起きや、寝返りでも痛みが出ません。
つまり、診察しても、何も悪い所見がない のです。
レントゲン、MRI検査でもほとんど異常が出ません。あるいは、悪いところがあっても、そこからの痛みです と診断できません。 
もちろん、疲れてくると痛みが出る、同じ姿勢で長時間いると痛みが出る、長時間歩くと痛みが出る、程度の方は、診察や検査で所見が出ないことが多いのですが、お話を聞くと、もっとつらい痛みがある、常時痛みがある、など、訴える内容が異なります。
残念ながら、どれほど痛みを脳で感じているか、測定できる装置はまだ普及していません。
痛みを感じている部分の脳の障害の可能性もあります。MRIで、脳の機能を測定して判断する方法がそのうち普及するかもしれません。まだ、研究中です。
うつ病などの精神の病のこともあります。この病気で、ほかの症状がほとんどなく、痛みばかり気になって訴え続ける方もいます。
 
●痛みを強く、大げさに、極端なことを言えば、嘘?でも、訴えれば区別がつきません。
 
交通事故などで被害者意識が強い方は、痛みを訴え続ける傾向になります。診察で動かしても痛みがないときは、筋力を検査して、落ちている筋肉があるなら、筋力トレーニングを中心に行います。筋力も充分な方は、交通事故での治療をやめて事故のことを忘れると改善する と考えて、交通事故で行う治療は終了としています。
 
痛みをつらく訴え続けられる方には、後に述べるような薬を出してゆきます。
逆に、薬がいらない方、飲むほどでないと訴える方は、痛い と訴えることが主で、さほどつらくないのだ と判断します。
 
痛い、痛いと言っていると、思っていると、痛みはつらくなってきます。
例えば、布団に入った後の夜は、寝るだけですから、他に何も考えることはありませんから痛みが気になります。痛みが気になると、どんどん痛みはつらくなって、眠れなくなるのです。
痛みがあっても、気にならなくなれば、痛みは楽になってきます。
痛みが気にならなくなると、痛みに慣れてきた と表現する方もいます それでよいのです。
くれぐれも痛みを強く大げさに訴える、痛い、痛い、と周りに訴え続けることは避けましょう。
 
筋肉の緊張による痛み の話
 
純粋に3による とは考えにくいのですが、
こちらも、診察で、何も所見が出ないことがあります。
手足、首、腰、すべて診察で動かすぐらいでは、痛みが出ません。
同じ姿勢でいると、筋肉が緊張してきて、筋肉が凝ってきて、痛みとして出てきます。
レントゲンで横から撮影すると、頚や、背中の脊椎が まっすぐ な方に多く診られます。ストレートネック、ストレートバックなどと、呼ばれます。(正常のバランスでは、頚は、前に凸、背中は後ろに凸で、ゆるいS字を描きます。この形が頭を支えるためには、負担がかかりにくいバランスです。)
脊椎のバランス
首や、背中の筋力が弱い方に、多く診られます。普段、運動をしていない方に多く診られます。
同じ姿勢で、じっと、緊張し続ける方に診られます。→首を動かしたり、手足をゆすったりしている方は、注意力が散漫なように見えますが、逆に緊張しにくくなり、OKです。
長年続いている方が多いのですが、
軽い方は、肩こり、軽い腰痛、背部痛程度で、日常にはさほど影響がありません。
痛みが強くなった時に、通常の痛み止めなどを飲むなどの治療でOKです。
常に、つらく感じる方は、3の影響が出ていると考えます。
背中の痛みや、肩こりが出ている方で、上腹部が張っていて、緊張している方がいます。
以前のべた、ストレス、緊張、疲労などで横隔膜が緊張するため?と考えている背部痛です。この場合も、検査で異常が出ません。漢方薬が効くことがあります。
 
治療する薬の話
 
リリカの効果が悪くなります。
2の痛みを伝える神経が、過剰に働いている状態が少なくとも関与している場合はその分効果が出ますが、2の関与がない方、純粋に3の脳で痛みを強く感じているだけの方は、効果が悪くなります。
では
痛みを頭で感じなくする薬 は?
残念ながら、特効薬はない 状態です。
効果がある薬を列挙してみますが、よく効く方と、あまり効果がない方に分かれます。
いずれの薬も、通常の痛み止めなど効果がないときに、あるいは効果が出ないと予想されるとき、処方を考えます。通常の痛み止めとは、炎症(ひどくなると、腫れる、熱を持つ、赤くなるなどの症状)を抑えて痛みを抑えます。したがって、炎症がないのに痛みだけあるときには、効果がありません。3の状態は、まさにこの状態です。痛みだけをつらく感じているのです。
以下に述べる薬は、単独に処方する、いろいろ組み合わせて処方する、通常の痛み止めに追加して処方する いずれも可能です。が、(前回のべたリリカと同じ神経系の)副作用が出やすい薬は、いずれも少量から投与を開始します。
 
アセトアミノフェン
 カロナールと呼ばれる薬です。薬品の名前が、アセトアミノフェンで、実際の処方される、(あるいは薬局で売っている)薬の名前がカロナールなどの商品名になります。
この薬、炎症を抑える作用が、通常の消炎鎮痛剤と呼ばれる痛み止めほど強くありません。
そのため、胃を荒らす、腎臓の機能を弱める、喘息を誘発する、などの消炎鎮痛剤の持っている副作用はあまりでません。
頭で直接痛みを抑える作用があります。→頭痛薬や風邪薬によく含まれています。
普通の痛み止めと違って、大量に飲むことができます。200ミリ、300ミリグラムが一錠で、一日に、4000ミリグラムまで飲めることになっています。
 
次からは、商品名で延べます。( )の中が、薬品名です。
 
デパス(エチゾラム)
筋肉の緊張を取る作用と、痛みを含めて、気にならなくする作用 のある薬です。
この薬を必要としていない方、合わない方は、眠くなります。ほかの副作用はほとんどありません。合う方は、この薬だけで、調子がよくなります。
ただ作用時間が短く、効きが悪くなった時に、量が増えやすい薬で、要注意です。
 
この作用が弱いのですが長く効く薬が メイラックス という薬です。当院ではまだ使っていませんが、使い続けていると痛みが気にならなくなる 可能性はあります。
 
ノイロトロピン(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)
この薬は、自律神経を調節して、痛みを抑える神経の作用を高める作用があります。4の場合に使いますが、副作用が少なく、安全な薬ですので、3の場合も、他の薬と合わせて処方します。
 
ノリトレン(ノリトリプチン)
サインバルタ(デュロキセン) トレドミン(ミルナシプラン)

抗うつ剤です。
私の医院では、ノリトレンを使っています。
トリプタノールという薬の、副作用、抗うつ作用を共に弱くした薬ですが、抗うつ作用が弱い割には、痛みを感じにくくする作用が前面に出て、痛みを感じにくくするには、よい薬です。
脳の中では、神経同志で信号を伝える物質があり、その物質のおかげて脳が活動しています。このうち、セロトニンとノルアドレナリンという物質がうまく作用しないと、うつ病になるといわれています。
これらの物質をうまく作用させる薬がこれらになります。
実は、痛みを抑える神経の信号を伝える物質も、この2つなのです。
したがって、これらの薬には、痛みを抑える神経の作用を高める作用があるのです。
 
トラムセット トラマール(トラマドール)
 
トラマールは、麻薬を元に作ったオピオイドというジャンルの薬です。
やはり、痛みを抑える神経の作用を高める作用があります。
麻薬を元に作った薬というと、やめられなくなって、だんだん量が増えてしまう=依存 が怖いのですが、この薬は、依存になりにくく、(あまり大量に飲みたいと思わない、止め易い)比較的安全ですので、最近はよく使われるようになってきているようです。それでも依存の問題がありますので、飲み方を指定通りに飲めない方は、この薬は処方できません。
 
トラムセットは、そのトラマドールにアセトアミノフェンが加わっている合剤です。
アセトアミノフェンがすでに処方されている方には、トラマールを追加処方しています。
普通の痛み止めしか出ていない方で、痛みが改善しない方には、トラムセットの方を追加処方しています。
リリカと同様に、神経に関する副作用が出る可能性があります。
眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い、 長く飲んでいると便秘する などです。
最初から吐き気止めと一緒に飲むと、気持ち悪くなる副作用はかなり抑えられます。
 
 
他の治療は?

神経ブロックは、純粋に3の状態では効果がありません。
 
消炎鎮痛処置、リハビリテーションと呼ばれる治療は?
筋肉をトレーニングする方法は効果があるはず。
ですが、でもやらない、できない 方が多い です。
何でもよいです。体操でもよい、ジョギングでもよい、ジムトレーニングでもよい のです。疲れない程度に始めること、やり続けることが大事です。
それに対して、痛い個所に、低周波をかける、超音波をあてる、レーザー光線を当てるなど、一般的な消炎鎮痛処置と呼ばれる他の方法は有効でない と考えています。
 
頭のツボの治療は効くか?
 
ツボを使う治療、→針治療などは効く可能性があります。うまくツボにはまると、交感神経の作用を弱める、副交感神経の作用を高める作用もあるようですが、
理論が難しく、経験もいり、有効なツボを見つけることは通常は困難です。
頭のツボを使う中国式の鍼治療を改善して簡単にした、山元式新頭針療法がわかりやすく、最近利用し始めました。
顔や、頭部に体の痛みを改善するツボがあるという理論です。
頭で痛みを強く感じているわけですから、頭に近いところに治療を行う方が効きそうですね?
針だけでなく、トリオ治療の電極、レーザー光線、超音波を当てても行えます。
ある程度、有効な印象です。
 
 
次に、4の痛みを抑える神経の作用がうまく働かなくなる お話しです。
具体例を紹介します。
 
治療を受けたら、痛みがつらくなった
どの治療でも構いません。
刺激を与える治療、超音波をあてる、低周波の電流を流す、マッサージなどのリハビリテーション治療、神経ブロック、関節や局部に行う注射、すべての治療後に起こり得ます。
これらの治療を受けた後、痛みがつらくなります。
→前述の急性期には、神経ブロック(交感神経ブロック)で痛みが楽になる とはすべての例に当てはまらない のです。
 
痛みが伝わった時、痛みを抑える神経が働かないと、どんどん痛みが伝わり続けて、痛みはどんどん強くなります。痛みではない別の刺激が伝わっても、どんどん伝わると、痛みとなってつらく感じます。このため、治療の刺激で、痛みがつらくなると考えます。
 
体の部位にもよります。
同じ方でも、腕の治療では痛みが強くなったが、腰の治療では楽になった ということが起こります。
時期にもよります。
前回は楽になった治療が、今回同じ治療を同じ部位に受けたら痛みが強くなった など。
 
しかし、時間がたてば、痛みは楽になります。 治療効果はあったのです。
楽になる期間は、人により違います。一日だけつらかった方もいれば、3,4日つらかった方もいます。
時間がたてば、4の痛みを抑える神経が働く あるいは4の痛みを抑える神経が働くのに時間がかかった と考えています。
治療効果はあったのですが、治療後に痛みが強くなったことを不快に感じると、同じ治療を次にお勧めできません。
痛みがつらくなった部位は、同じ治療を避けて、より刺激の少ない治療に変えると、OKです。
超音波治療でつらくなったのなら、レーザー光線治療にします。照射ポイントが小さいうえに、持続的に照射しない、皮膚から放して照射できる、などで、刺激が少なくなります。
それでも痛みが増すときは、皮膚の上から、しかも、ポイントをぼかして大きく照射できる極超短波(マイクロレーダー)治療にしています。
ノイロトロピンという薬は、痛みを抑える神経の作用を高めます。飲み薬も、注射もあります。この状態になったら、まずこの薬を投与して反応を診ています。
さらに、前述したように、痛みを抑える神経の、神経同志の信号を伝える物質は、セロトニンとノルアドレナリンです。これらの物質の作用を高める抗うつ薬やトラマールもこの神経にも効くことになります。3の状態に使う薬は、4の状態にも効果あり です。
 
補足
超音波治療器や電極を皮膚に充てた瞬間、異常に痛くて最初から治療が行いえないときは、皮膚の痛みを伝える神経が非常に敏感になっている つまり、前回の2の状態になっていると考えます。
皮膚が痛みに敏感になっているときは、エトドラグ(商品名 ハイペン、オステラック)という痛み止めの飲み薬が効くことがあります。なぜか はわかっていませんが、皮膚の敏感部分を抑える作用があることが証明されています。
この薬は、痛み止めとしては作用が弱く、(=副作用も少なくなる)飲んでも効果が悪い方がいる一方で、痛みの敏感部分を抑える作用がありますので、とてもよく効く人もいるということです。
 
以上、5の自律神経を含めて、前回の2、今回の3,4と分けて私の意見を述べてきました。痛みがなかなか治らない方は、必ずしも一つの状態で説明できる場合より、これらの状態がいろいろ組み合わさって、痛みが出ていることが多いのです。したがって、薬の効き方もまちまちです。どの治療が効くかを、診極めることが治療のポイントになると考えています。
 
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痛みの話1
  • 神経障害性疼痛 と関連する痛みの話
 
神経障害性疼痛は、テレビで武田鉄矢さんがコマーシャルしていましたね。
専門用語ですので、意味がよく分からない方も多かったと思います。
痛みは、医学的には、侵害性疼痛 神経障害性疼痛、非器質性疼痛などと分けて説明されていますが、これらの言葉は難しそうで受け付けにくいと思いますので、今回は、私流にまとめてみます。独自の見解が入りますので、これから述べること、すべて正しい とは言えませんが、今までの経験で、こう考えるのがよい と信じています。
 
まず、痛みの伝わる仕組み、感じる仕組みを簡単にまとめると、
 
1、悪い痛みの原因となっている部位  から
 例えば、足、膝、腰、腰など
2、痛みを伝える神経 で、痛みは脊髄を経由して脳に伝わります。
3、痛みを感じる脳の部分 で、痛みとして感じます。すると、
4、痛みを抑える神経 が働いて、痛みを伝える神経を抑えます。→強い痛みは治まってきます。
これが、痛みに対する正常な反応です。
急に鋭い痛みが出た時、しばらくつらいのですが、時期に治まってくる のは、この機構が順番に働くからです。
 
神経障害性疼痛はこの2に当たる痛みを伝える神経が、痛みを強く伝えすぎている状態です。痛みを我慢し、長く感じ続けている=その神経が、椎間板ヘルニアなどで、圧迫され、障害され続けている状態で起こる可能性があります。そして、椎間板ヘルニアが治ってきても、痛みだけが残る こともあります。→痛みは我慢し続けない方がよい とことになります。
ほかにも、神経の炎症の後、=例えば、帯状疱疹という病気で、ウイルスが神経を攻撃して炎症を起こした後や、怪我で、直接、神経が損傷した後にも起こります。
痛みを伝える神経からの痛みの伝わり方が強いと、4の痛みを抑える神経の作用が間に合わなくなり、痛みが楽になりません。
通常の痛み止めは、1の原因部位の炎症を抑えて、痛みを発する物質の放出を抑えて、痛みを抑えます。神経障害性疼痛は、1の炎症が強くなくても、=原因部位が悪くなくても、原因部位が治ってきても、痛みが残りますので、
痛み止めが効かない、効きが悪くなります。
 
★新しく、痛みを伝える神経の作用を抑える薬ができた。
 
テレビの宣伝ではこのことを新しい治療と言ったのだと思います。
1の原因部位には作用せずに、痛みを伝える神経の痛みの伝わり方を抑える作用があります。
薬の名前は、リリカですが、成分は、プレガバリン という薬品です。販売している名前が商品名、その成分が、薬品名となります
後述する神経ブロックより、痛みを伝える神経をブロックする作用は弱いのですが、持続的に痛みを抑えることができます。もちろん、神経ブロックなどの注射が苦手の方には、福音です。
ただし、神経に直接作用しますので、普通の痛み止めと違って、神経に関する副作用が出ることがあります。
眠くなる、ふらふらする、気持ち悪い、長く飲むと便秘する、体重が増えるなど。です。
通常の大きさは、一錠75ミリグラムなのですが、体格の良い男の人でも、一回飲むとふらふらしすぎて、次はとても飲めない 方もいます。
そこで、一錠25ミリグラムの少量から始めます。副作用の出にくい夜寝る前に飲んでもらいます。寝てしまえば、副作用を感じにくいためです。
この量で痛みに効く方もいますし、朝、やはりふらふらして、次飲めそうもない方もいます。少し位のふらつきや眠気なら、飲んでいるうちに慣れて飲めるようになることもあり、このままの量を持続してみます。
 
残念ながら、最初の少量でも飲めない方は、この薬を使うことはできません。
 
逆に副作用が出ない方は、量が少なすぎて、効きが悪くなります。
こちらも急に量を増やすと副作用が出て飲めないことがあり、3、4日で少しずつ量を増やしていくのがよいと考えます。
飲める方は、75ミリを3,4錠はコンスタントに使用できます。
この薬を使いながら、痛みが治まるのを待てる と、椎間板ヘルニアなどは手術せずに治ってゆく方が多くなりました。
 
★他に、痛みを伝える神経が強く働いていると考えられる場合
 
神経が障害された状態 と言えなくても、痛みを伝える神経が過剰に働いている、
急に痛みが出た時でも、この状態になっている場合がある と考えています。 
神経障害性疼痛では、びりびり、ちくちく、ジンジン、しびれるような痛み、電気が走るような痛み などの表現をテレビでは言っています が、このような表現の痛みとは限りません。
次のようなときは、痛みを伝える神経が過剰に働いていると考えています。
 
 ⊆蠎鵑変形していて骨折しているのに、あまり痛みを感じないでケロッと来院される方 がいます。これは、痛みを抑える神経が働いて、最初の激痛が抑えられている状況です。
一方で、軽い捻挫なのに、異常に痛くて腕を抑えて来院される方がいます。この方は痛みの信号があまりにも過剰に伝わるため、4の痛みを抑える神経の働きも間に合わない と考えています。
部位は、手とは限りません。足をひねった場合は、大したケガでないのに、足がつけない状態が1,2日続きます。
年齢も、10歳以下のお子さんにも診られます。大人だけではありません。
◆急に首や腰が痛くなった時も同じことが起こります。激痛が治まらずに異常に痛がって来られる方は、痛みを伝える神経が過剰に働いている方がいると考えています。
、痛い部分が、次第に広がってきた。
例えば、はじめは手首が痛いだけだったのに、我慢していたら、肘から肩まで痛くなってきたなど です。
ぁ急にズキンと激しい痛みが来るが、時期に治まる。
どの部位でも構いませんが、これらの痛みの出方も、痛みを伝える神経が過剰に働いていると考えています。
 
治療は、
 
通常の痛み止めでも効くこともあります。特に、アセトアミノフェン(商品名カロナール)は直接、脳で痛みを感じにくくする作用もあり、副作用も少なく、量も多く投与できるため、よく使っています。加えて、ノイロトロピンという4の痛みを抑える神経の作用を高める薬を使います。の場合は、漢方薬の、芍薬甘草湯という薬が効くことがあります。
 
痛みが強いときは今上にのべた治療では痛みが楽になりません。
 
急性期の首や腰の痛みの時の話。
急性期とは、痛みが強くなってから4週間ぐらいまでです。痛みを過敏に伝えている状態に陥っているかどうかの診断は経験によるものになります。(痛みを伝える神経の敏感度を計る器械がありますが、普及していません。)特徴は、痛みが非常に強く、診察で動かしても非常に痛がり、動きも非常に悪いときです。ただ“非常に痛い”だけでは3の脳で痛みを強く感じているだけの場合がありますので、それに伴う動きの悪さなど診察して、一人一人の状態を判断する必要があります。
この場合も、前述のリリカは効きます。別に神経が障害されてなくても、神経の痛みを過敏に伝える作用を抑えるのです。しかし、一番効果があるのは、神経ブロック治療と考えます。
神経ブロックという治療は、麻酔剤を注射して直接神経を遮断します。痛みを伝える物質を一度遮断すると、麻酔が覚めた後も、激痛は治まります。過敏に痛みを伝えている神経を、一度ブロックすることで、痛みを伝える神経の作用を元に戻す、=痛みの伝わり方を通常に戻す、+神経ブロック=麻酔という別の痛み刺激を与えることで、痛みを抑える神経の作用を高める、などの理由で、麻酔が覚めた後も痛みが楽になると考えています。
ただし、この治療も、
痛みを伝えている神経でない違う神経にブロックすると、効果が悪くなります。(どの神経が痛みの原因かわからない時など)
痛みの原因が悪すぎ(椎間板ヘルニアで神経の圧迫強すぎるなど)て、痛みを起こす物質を強く出し続けている状態ですと、麻酔が覚めた後は、またもとの痛みに戻ってしまいます。
万能ではありません。
 
★神経ブロックの具体的な例
 
手首を骨折して来院された方で、脇の下(腋窩(えきか))は、指先に行く神経が集まっていますので、その部分に麻酔して痛みを取って、ずれた骨折を整復することがあります。
非常に痛がっている方でも、この麻酔(腋窩(えきか)にする神経ブロックと同じです。)を一度かけると、整復がうまくできた、できないにかかわらず、痛みが楽になります。ギプスで固定しますので、それで楽になることもありますが、麻酔が覚めた後も、前のような激痛は来ません。
 
首が原因の上肢の神経痛、例えば、頚椎の椎間板ヘルニアで、激痛が出たばかりの方に、原因と考えられる首の神経にブロックをします。手技は、頚椎の外の部分の骨にレントゲン透視を見ながら注射することで十分です。すると、痛みは残りますが、激痛は取れて、時間はかかりますが、徐々に痛みは楽になります。
 
星状神経節(せいじょうしんけいせつ)ブロックも、首の激痛のときによく効きますが、ヘルニアが大きく上肢の痛みが強いときや、神経の炎症で肩関節部分まで激痛がある時にはあまり効きません。
 星状神経節とは、首の、のど仏のやや下方、左右にある交感神経の大きな細胞です。直接痛みを伝える神経をブロックするのではありません。痛みを抑える神経の作用を強めて、痛みを強く伝えている神経の伝わり方も元に戻す作用があり、効果があるのです。→直接、痛みを伝えている神経をブロックする方法よりは、効果が悪くなります。
 
腰では、腰椎の外にブロックしても、なかなか神経のそばに当たりませんので、尾てい骨のすぐ上にある、神経の通り道(脊柱管(せきちゅうかん))につながっている穴から、麻酔の注射をします。これが、仙骨部硬膜外ブロック、仙骨部ブロックです。この注射も、過敏に痛みを伝えている神経を抑えて、麻酔が覚めた後も、痛みの伝わり方が元に戻ってどんどん楽になります。

以上述べてきた神経ブロックは、かなり体の深くに針を入れます。そのため、当院ではレントゲン透視で、針の先がきちんと目的部位に入っているか確認していますし、施行後は、15分ぐらいは、休んでから帰宅してもらっています。
 
首、腰の背骨の中央部から打つ硬膜外ブロックは、より効果があります。
MRI検査などで、原因の部位がはっきりわかっている方がよいです。レントゲン透視を見ながら、ヘルニアのある原因部位に直接注射を打つことができます。
血圧が下がることがあり、点滴を入れておく必要があること、麻酔剤を入れますので、施行した後、歩くことが困難となり、最低1〜2時間休む必要があること、などの理由で、通常、緊急では行っていません。
 
痛い部分に浅く注射するブロックは、効果は悪くなります(あるいはあまり効かないこともあります)が、すぐに帰れますし、レントゲン透視は必要なく、今まで述べてきたブロックよりは手軽です。直接痛みを伝える神経をブロックするのではなく、刺激が出ていて痛みに敏感になっている部分(トリガーポイント)に注射することにより、別の痛み刺激を与えて、痛みを抑える神経の作用を高める ことで、痛みを楽にする と考えています。
 
 
神経ブロックが持続的に作用する治療が一番効く。
 
痛みを伝える神経をしっかりブロックする神経ブロック治療が持続的に効けば、一番強力な治療のはずです。
硬膜外ブロックを施行するとき、細いチューブを留置して、麻酔薬を入れ続けることができます。硬膜外ブロックに使われる針は太く、中にチューブを通すことができます。硬膜外に針が達したところで、チューブを中に入れてゆきます。チューブは、針を刺している位置よりも上方(頭側)に入ってゆきます。抜けてこないように、皮膚と手術用の糸で縛っておきます。
硬膜外ブロックは、首から腰まで可能ですので、脊椎からの痛みをほぼ網羅(もうら)できます。
麻酔薬が徐々に入るような袋状の装置がありますので、それをチューブの先につけておきます。原因となる部位よりも、チューブが脳に近い上方に留置していますので、痛みが脳に伝わることを持続的にブロックすることができます。この方法は、手術の麻酔の時に行い、術後の痛みを取るために用いる方法です。が、痛みを伝える神経を強力に抑える方法としてはベストです。
勤務医時代は、入院で、ヘルニアの検査して、ヘルニアのある部位、あるいはそれよりも脳に近い部位(ヘルニアの部位より下方の脚に近い場所に注射すると、チューブがヘルニアに邪魔されて、脳の側に届かなくなる可能性があります。)に注射して、この治療を行っていました。この治療により、手術を避けられた患者さんが多くいました。
入院して管理がよい、必要とされるのですが、外来通院でも不可能ではない と考えます。
チューブ留置する治療も、外来でも可能ではないかと考えられる理由は、
血圧が落ちるなどは、最初に麻酔薬を多く入れた時に起きるので、常時管理する必要はなくなります。
挿入部が化膿していないか、チューブが抜けてきていないか、薬が入り続けているか、確認が必要です。また、問題が起こった時にすぐに連絡対応できることは、必要です(残念ながら当院ではこれらの体制ができていませんので、行っていません。+チューブ留置は、外来で施行しても、健康保険では認められない、と思います。(硬膜外ブロック自体は認められています。))
が、
実際はチューブがぬけていても、薬が入っていかなくても、消毒する、チューブを抜くなどの対応は半日〜一日ぐらい待つこともできますので、緊急の診察で診る対応は必ずしも必要ではないのです。→一日一回ぐらいの確認で充分です。
 
いままで、よく痛みが抑えられるような お話をしてきました。
ただこれは、最初の図の2の、痛みを伝える神経が過剰に働いていて、痛みが伝わりすぎているとき の話です。
3,の脳で痛みを感じすぎているとき、
1の原因部位が痛み物質を過剰に出している?とき、
 前述した、原因部位が悪すぎる(ヘルニアの圧迫が強すぎるなど)以外にも、この状態になっているとしか考えられない?方がいます。次回にお話しする予定です。
(4は、3にも関連しています。脳で痛みを感じすぎている方も、この痛みを抑える神経の作用が弱くなります。)
このような時は、この治療は効かなくなります。今回のべた治療の効果は、それぞれの方が、2が痛みにどれだけ関与している かになるのです。
 
| 本に載っていない話 | 21:17 | - | - | - | - |
変形性○○症の話
長らくお持たせしました。
今回は教科書にも載っている話 プラスαです。
出来るだけわかりやすく、難しい専門用語を使わないように書いてみました。
 


変形という言葉の話
 
骨折の変形
骨が変形している
 外から見た時、明らかに形が変わっている=変形しているときに使う言葉です。
例えば、手をついて倒れた後、手首が変形している という具合に使います。
外から見て、手首の形がゆがんで見えるときは、まず骨折していて、骨が“ずれ”ています。つまり、この変形は、ずれ を表します。元ある形から違う形になっている のです。
 
変形性関節症
 
こちらの変形は、骨が“ずれる”という意味とは違います。
変形性○○ というときは、まず軟骨が傷んできて、つまり、軟骨がすり減ってきて関節の隙間(すきま)が狭くなります。それを補おうとして、軟骨に接触している部分の骨が膨らんだり、とんがってきたりして、関節の接触する面積を増やそうとして、骨の形が変わることです。
別に ずれ は生じないのです。
また、軟骨が悪くなって起こるので、骨が弱くなって起こる(→骨粗鬆症(こつそしょうしょう))こととも違います。
 膝の変形
変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)
 
こちらの変形も、変形性関節症と同じです。
脊椎をつないでいる、椎間板は柔らかい軟骨のクッションです。この椎間板が傷んできて高さ=幅 が減少してきます。それを補うように、椎間板に接する上下の骨がとがってきたりして、接触面積を増やします。
また、脊椎の後面には、椎間関節という関節があります。こちらの軟骨もすり減ってきて、それを補うように、軟骨に接触している骨が、とがってきたり、膨らんできたりします。
これらの変化が、変形性脊椎症です。別に脊椎=背骨が ずれる 曲がる 歪む わけではありません。し、骨が弱くなったから起こるわけでもありません。
 変形性腰椎症側面
腰椎=腰の骨の部分の、変形性脊椎症が変形性腰椎症です。腰椎症、腰部脊椎症も同じ意味になります。頚椎=首の部分なら変形性頚椎症となります。同じく、頚椎症、頚部脊椎症も同じ意味です。
 
脊椎の中の神経の通り道は、脊柱管(せきちゅうかん)と呼びます。変形性腰椎症で、椎間関節の変形が進んできますと、骨が膨らんできて、脊柱管が狭くなります。これが、
腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)です。
変形性脊椎症が腰部脊柱管狭窄症の原因になるのですから、若い方は少ない となります。
 腰の脊柱管の変形
誰でも年を取れば、多少なりとも、変形性○○症になります。
変形性○○症になるのなら、皆、痛みなどの障害が出るはずです。
ところが、実際は、違います
程度にもよります。
もちろん、ひどい変形性○○になると、痛い、動きづらいなど、それなりの症状は出ます。
ただ、軽い方は、症状も出ないことも多いのです。
問題なのは、
一度変形すると。元には戻りません。
変形しているから元には戻りません。
と、医者が言うことです。
元に戻る=若返る ことですから現時点ではまだ無理です。
軟骨の細胞を傷んだところに植え付けて、再生する治療がようやく始まったばかりです。
費用もかかり、普及はまだまだです。
でも、心配はないのです。
変形していても症状が出ない 状態になればOKです。
これが、治療です。変形を元に戻すことが根本治療ではないのです。
 
変形は、進行しているときに、痛みが出ます。
程度が軽くても、重くても です。
程度が重くても、進行が止まる あるいは、進行が遅くなると、つらい痛みは消えて、なんとか日常はOKになります。
治療は、この進行を止める、遅くする状態に持ってゆくこと です。
進行しているときには、炎症が起こっています。
炎症とは、腫れる、熱を持つ、皮膚が赤くなる、痛みが出る状態です。
軽いと、腫れる、熱を持つは外からはわかりません。赤くもなりません。痛みも出るのですが、常ではありません。使うと痛い、じっとしていると痛い、動かし出しに痛い などです。
したがって、炎症を抑える、消炎鎮痛剤=痛み止め が効くのです。
炎症を抑えることが、ある程度、進行を抑えることになります。
 
逆に、痛み止めが、効かない ときは、
1、上に述べたような炎症が痛みの原因となっていない。(どのような状態なのかは次回します)
2、痛み止めの量が少なくて、炎症が強すぎて、充分に効いていない。
3=炎症が治まらない状態 になっている、使っている。
炎症を抑えるためには、体の使いすぎ、負担のかけすぎ は禁物です。
膝なら、普通に歩いていたのでは、炎症が治まらないこともあります。
 
などが、考えられます。
 
変形性○○症は軟骨が傷んでくる のですから、軟骨に効く薬は?
グルコサミン、コンドロイチン硫酸などは軟骨の成分で、飲み薬が市販されていますが、日本では、医師が患者さんに出すための処方薬としては認められていませんので、効果がどのくらいあるのかは、はっきりしていません。=お医者さんの調べたデータがありません。
ヒアルロン酸は、主に関節液(関節をスムースに動かす役目がある。炎症が強くなると増えて、関節に水がたまる状態になる。)の成分です。
同じく医師の処方薬(飲み薬)はありません(市販薬はあります)ので、効果がどのくらいあるのかはっきりしません。
ただ、注射薬は普及しています。
健康保険では、膝と、肩関節に認められていますが、実際は、どの関節にも効果があります。
ただし、小さい関節に注射しますと、ヒアルロン酸は、関節液よりは、粘り気が強く、関節内の圧力が上がってしまって、かなり痛みが出ます。
肘、足関節ぐらいまでが限界です。
注射薬の種類は、3つあります。
最初から普及していた分子量(簡単に言うと粒の大きさ)が小さいもの、次に開発された、分子量の少し大きいもの、最近開発された、分子量の大きいもの です。人の体にあるヒアルロン酸に一番近いのは、分子量の大きいもので、効果も大きいのですが、値段も高く、ほかのヒアルロン酸が効果がない方で、3回までしか打てないという、健康保険上の制限があります。
 
変形性○○症は元に戻すことはできません。が、
症状が出なくなるように持ってゆけばよいのです。
変形性○○症があっても、必ず痛みが出るとは限らないのです。
変形性○○症を恐れることはやめましょう。なっているからと言って、悲観することはやめましょう。
 

なりやすい方と、なりにくい方
なりやすい部位 があります。
親がなっていると、子供もなる こともあります。
遺伝的に弱い関節が決まっている とも考えられます。
 
例えば、指先の一番目の関節が腫れたり、膨らんだりして痛みが出ている方。
中年以降の主に女性に診られます。
一番目の関節が腫れる、膨らむ、痛い は、関節リウマチではなく、その関節の変形性関節症です。
二番目の関節が、腫れる、膨らむ、痛い は、変形性関節症と関節リウマチがともに考えられます。関節リウマチが起こる関節は、他に、指先から三番目の関節、手首の関節などです。それに対して、変形性関節症は、三番目の関節や、手首の関節に起こることは珍しくなります。ただし、親指の付け根の関節(指先から三番目の関節)は、変形性関節症の方が起こります。
このように、変形性関節症が起こりやすい 部位 はあるのです。
 手の関節
+他になりやすい要因は
膝が変形性関節症になりやすい方
 腿(もも)の筋力が弱い方
 O脚の方(脚を伸ばして立つとがに股になる方) 膝の内側に体重の重心がきますので、内側の軟骨がすり減りやすいのです。
 →脚のかたちをX脚に持ってゆくと、体重が外側に載ります。そのために、かかとの外側が高くなっている足底板という装具をつけるのです。
 O脚
腰部脊柱管狭窄症になりやすい方
もともと脊柱管の形が狭くなりやすい形の方がいます。
このような方が、年を取ってゆきますと、後方の椎間関節が変形して、骨が膨らんできたり、黄色靭帯が厚くなってきて、脊柱管が狭くなるのです。
 
痛みが出る、進行する方
 
変形性○○症は、なりやすい方がいるお話はしました。+さらになりやすくする原因の話です。
 
最近は、常に力を入れて使っている方 と考えています。
指先一つにしても、字を書くときも、日常の作業をする時も、指に力を入れている方。
常に緊張して、指先を使っている方 です。
膝ですと、膝から下に力を入れて歩いている方、→足で地面を力強く蹴って歩くと、膝にも力が入ります。→早く歩くと力が余計にかかります。
関節は筋肉を緊張させて使っていると、関節に余計な負荷がかかって、どんどん悪くなるということです。
一方、関節は、力を抜いて動かすと、関節に負担がかかるどころか、関節液の流れがよくなって、関節の中の状態を修復すると考えています。また、一緒に筋肉を動かしますので、血流も良くなります。関節を動かして治すとされる関節運動学的アプローチや、 マッサージ、ストレッチなど、すべて力をぬいてうければ、効果がてきめん ということです。
以前のべた、座っているときの、貧乏ゆすりもよい例です。
これは、力を抜いて、無意識に股関節、膝関節、足関節を動かしていることになります。
腰にかかる力も、分散されますので、腰痛にも良いのです。
座ったまま、緊張して、じっとしていると、股関節、膝関節、足関節、腰に力がかかって、負担がかかることになります。そして、立ち上がるとき、歩きだすとき、膝が痛い、腰がいたい、下肢がしびれている ということになります。
立っているときのゆすり運動も同じです。
立ったままじっとしていると、筋肉が緊張して、関節に負担がかかります。
脚をゆする、足の位置をしょっちゅう踏みかえる、と、同じように力が分散して負担が軽くなります。

誰も見ていないときは、大いにゆすりましょう。
 
指先は、できるだけ力を抜いて使うように努力してみましょう。
反対側の手で、もう一方の指の関節の力を抜いた状態で、動かしたり、引っ張ったりすることは治療になるということです。
親指の一番先の関節がカクンと引っかかる、ばね指は、2番目の関節の手のひら側で、指を曲げる腱が引っかかっているために起こります。2番目の関節を指で押さえて動かないようにして、一番目の関節だけを動かすと、力が絶対に入りません。この状態で動かす練習をすると、腱の滑りがよくなって治ってゆきます。つまり、力を抜いて動かす 治療になっているのです。
 ばね指の運動法
膝関節が痛いときは、力強く地面をけって歩く歩き方を避けましょう。
脚全体の力を抜いて、膝を腿(もも)の力で前へ送る歩き方がよいです
蹴り返しを行わないと、べた足で、雪道で滑らない歩き方と同じ感じです。
が、力を抜く感じで、踏ん張る感じでもありません。
軽く蹴って歩いても力を抜く感じでOKです。
早く歩けませんから、ゆっくり歩く感じです。
歩き方がわからないときは、ゆっくり歩くのでもよいのです。
 
力を抜いて膝関節を動かす。
湯船の中につかる恰好で、膝を曲げ伸ばしします。
手を使っても良いです。体重がかかりませんので、力を抜いて行います。
膝の伸びや、曲がりが悪いときは、痛いところまで、曲げ伸ばしをしないと、動くようにはなりません。痛みがつらくならない程度に行います。頑張りすぎると痛みが悪化します。
動かしただけで、痛みが出るときは、ゆっくり痛みが出ないように行います。
痛みが少なくなったら、少し早目に動かせるようになります。
→動かしたときの痛みが強い方は、ここまでできるのに、ともて時間がかかります。根気が必要です。
回数は、一生懸命やりすぎない程度でOKです。動かした後、痛みが強くなるときはやりすぎです。
 
膝の筋力トレーニング
力を抜いて動かすことばかりお話ししましたが、筋力があることも大事です。
 
膝が動かせる方は、行ってみましょう。→膝を動かすと痛みが強い方は、ある程度スムースに動かせるようになってからです。
 
座って行う筋トレ
足が床につく普通の椅子では、背もたれがあるのがよいです。背もたれがないと、腰に負担がかかります。
おもりは反対側の脚です。
力を入れるのは、悪い膝の腿(もも)の前の筋肉です。
力を入れ続けて、30数えてください。
職場の椅子に座っていてもできます。
仕事の合間に思い出したように行うことでOKです。
 座位四頭筋訓練
寝て行う筋トレ
この筋トレは、膝が動かなくてもできます。
 
伸ばすときお皿に力を入れる
お皿に力を入れて、膝を伸ばすように力を入れます。
伸ばしたまま少し持ち上げる 冬は、布団の中で行うこと(おもりは布団です)で十分です。伸ばす運動も、持ち上げる運動も、ともに30数えてください。数回でよいです。寝る前、起きる前に忘れずに行ってください。やりすぎはやはり禁物です。
 SLR訓練
以前にもお話しした、片脚立ちトレーニングをしてください。
腿を引き上げる力がついて、楽に脚を前に送れるようになります。
膝を曲げて腿を持ち上げて30数えてください。
腿は、高く持ち上げた方が、力が入ります。
出来ない方は、腿をあまり高く持ち上げずに、片方の手で支えながら開始してください。
歯を磨きながらでも、静止できるようになれば合格です。
→洗面所で、左右それぞれ一日2回ずつ行えばOKです。
早くできるように と、あせってやりすぎは禁物です。
片脚立位 
以上、いずれも日数をかけて少しずつ行ってください。やりすぎると、筋肉で痛みが出る方(筋痛症になっている方(次回お話しします。))は悪化します。半年から1年ぐらいでよくなったと実感できるので良いです。
 
| 本に載っていない話 | 08:13 | - | - | - | - |
本に載っていない整形外科の話
 

腰痛の話1

 

整形外科で診断するは、ほとんど腰椎部分だけ

 

腰は、腰椎、骨盤、それを支える筋肉で構成されていますが、整形外科で病名が着いて、治療(手術)の対象になる部分が、ほぼ腰椎に限られます。

 

それ以外の骨盤部分の病名はまだまだ診断病名がつけられていないのが現状です。

整形外科の外科部分の手術の対象とならないからです。

しかし、実際は、骨盤、筋肉から痛みが出ていることも多いのです。

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腰椎の病気

一般の方の読む医学の本にも載っていますので、よく診られる病気のみ簡単にまとめます。

 

腰椎椎間板ヘルニア

 椎間板が、脚へ行く神経の通り道(腰部脊柱管)に出っ張って(=ヘルニアを起こして)、症状がでます。症状は、腰痛、臀部痛、下肢痛、しびれです。通常は片側に症状がでます。下肢痛、しびれだけの症状のこともあります。場所は、膝から下の外側だけ、足の甲だけ

のこともあります。ヘルニアになりやすい方が、遺伝的に決まっていて、親がヘルニアだと、お子さんもなりやすいです。比較的若い方に症状がでます。椎間板は中心部に髄核と呼ばれるクッションと、周りを繊維輪と呼ばれる繊維質の組織の2重構造になっていて、その髄核が出っ張る、飛び出るのがヘルニアです。年を取ると髄核と繊維輪が混ざり合う2重構造が壊れるような状態になってゆき、ヘルニアは起こしにくくなります。

症状が強くない時は、座っていると椎間板の圧力が高まって症状が強くなり、歩くと力が分散されて楽になります。

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腰部脊柱管狭窄症

 脊柱管が、主に、腰椎の後方の骨が厚くなったり、とがったりする変形によって、脊柱管の中に出っ張って、脚に行く神経を圧迫する病気です。もともと脊柱管が広くない形の方が、年を取って、骨が厚くなると起こります。

症状は、下肢の痛みしびれです。左右両方に起こることも多くなります。

椎間板ヘルニアと違って、歩くと痛みが出ます。座っていると症状が出ません。

前かがみになると脊柱管が広がって症状が楽になります。ヘルニアは、前かがみで、椎間板の圧力が上がって症状が強くなることが多いです。

杖を着いたり、カートを押したり、自転車を漕いだり、前かがみの姿勢ですと痛みがでにくくなります。

歩いて痛みが強いと、立ち止まったり、前かがみになって休むことになります。するとまた楽になって歩くことが出来ます。

 

ともに、症状が強いと、座っても寝ていても、歩いても痛みが出てきます。区別がつきません。神経が麻痺して、足の感覚や、力が抜けてきます。

さらには、尿漏れ、残尿、尿が出ない、便秘など、膀胱や直腸の障害がでることもあります。こうなると、速やかに手術が必要です。

 

腰椎分離症

 主に若いスポーツをする方が、繰り返し腰に負担がかかって生じます。

第5腰椎の後ろの椎弓部分が細く弱いと起こりやすいです。

 生じたばかりの時は、ギプスで数か月固定すると着く のですが、分離症が残っていても、いつも痛みが出るようにはなりませんので、日常はほとんど問題ない方が多いです。

 

腰椎すべり症

 腰椎後方部分の椎弓が分離して起こる、腰椎分離すべり症と、分離のない腰椎変性すべり症があります。

 分離すべり症は、先天的にその形になっている方もいて、比較的若い方から症状が出ることがありますが、これらの形になっていても、症状がほとんどでないこともあり、あまり神経質にならないことです。

 症状が強いと、すべっている部分で脚に行く神経が圧迫されて、腰椎椎間板ヘルニアや、腰部脊柱管狭窄症の症状と同じになります。

 

腰椎圧迫骨折

 しりもちや、転落などの怪我をした時に生じます。腰椎は5つありますが、負荷の集中する1,2番の上部の腰椎や、11、12番の下部胸椎に多く診られます。

 ひどい怪我で、脊柱管のほうに骨が飛び出すと、脊髄の下部や、その板の馬尾神経が圧迫麻痺して下肢が動かなくなることがありますが、

 一般には、骨が弱くなっている骨粗鬆症の方が、軽い怪我や、あるいは物を持ったたり、かがんだりするだけで前の部分中心につぶれることが多い病気です。したがって、麻痺はおきません。

ただし、何箇所も起してくると、脊椎の前の部分の高さが減少しますので、背中が丸くなってしまいます。

 この骨折を生じた時は、歩けるのですが、寝ると寝返りが出来ない、起き上がれないなどの特徴があります。

 途中よくなったのに、また痛みが強くなることもあります。実は、このとき、つぶれている部分がさらにつぶれていることが起こっています。骨が弱いためと考えます。

手術して、つぶれた骨を固定しておかないとさらにつぶれてくる可能性があるのです。

 kosi16

腰椎以外が原因の腰の病気

 

骨盤の仙腸関節が原因

 レントゲンでは、骨盤のつなぎ目である後方左右にある仙腸関節と、前にある恥骨結合に負担がかかっている所見を認めます。

 左右片脚ずつ立ったとき、恥骨結合が動くようであれば、必ず仙腸関節にも動きが出て、負担がかかります。骨盤輪不安定症という病名がつくこともあります。

恥骨結合は動くことがないのが通常です。特に女性は、出産で、骨盤が開いて、恥骨結合も一度ゆるみますので、出産後、この関節が安定してこないとこの現象が残ります。

 

症状は、大腰筋という、腰椎から左右に出てこの関節の前を支えて、股関節につく筋肉にでます。

この筋肉は股関節を曲げる、立っていて膝を曲げて、脚を持ち上げる方向の時に作用します。この力が入りにくくなります。また、この筋肉が伸びるシェーのポーズが出来なくなります。

この筋肉のまわりには、坐骨神経以外、大腿(もも)の内側に行く神経などもあり、坐骨神経痛(主に下肢の後方に痛みがでます)や、腿の内側にも痛みがきたりします。この筋肉が付いている股関節が痛いことも多く診られます。また、骨盤を支えるほかの筋肉にも痛みがきて、痛む場所が変わることもあります。

実は、この骨盤で痛みが出ている方が以外に多いのです。

腰椎の病気の時に述べませんでしたが、ヘルニアを起こさなくても腰椎の椎間板だけが悪くなる方も多く診られます。あるいは、年を取ると、どの方も椎間板は悪くなって行くと考えてもかまいません。ただ、悪くなる=腰痛が出る とは限りません。

椎間板が悪くなると、その高さが、減少します。そうすると、動きが悪くなります。→腰の腰椎部分が動かなくなります。→骨盤や、股関節で腰が動くことになり、仙腸関節、大腰筋に負担がかかるのです。そして、骨盤で痛みが出る状態になります。

したがって、ある程度の年では、腰椎変性すべり症などの腰の病気があっても、その部分の腰椎の動きがなく、骨盤に負担がかかって、骨盤から痛みが出ている方も多数診られます。

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骨盤から坐骨神経が出てゆく部分の圧迫障害

 ちょうど左右臀部の中央部分がその場所です。この部分の筋肉で坐骨神経が圧迫される病気です。はっきりこの病気と断定できる方は少ないのですが、同じような症状がある方は、しばしば診られます。

 

大腰筋の障害

 単独でこの筋肉に痛みが来ることは、繰り返し腿を上げるスポーツする若者(特に少年)に多く診られます。サッカー選手などが多いです。症状は、腿を挙げる力が弱くなっていることと、この筋肉が付く股関節に痛みがでることです。

腰を支える背筋の障害

やはりスポーツをする若者に多く診られます。動かすと痛いので、走っても、ひどくなると歩いても痛みがでます。座ったり、安静にしていた方が楽になります。

 

以上のようにいろいろ原因を述べてきましたが、

腰の悪い所がある=痛みが出る ではありません。

もちろん、悪くなっていない方に比べて、痛みは出やすくなりますが、

椎間板が悪くなってきたからといって、痛みが出るとは限りません。

腰椎のすべり症があるからといって痛みが出るわけではありません。

 

悪いところを元にもどすことはできません。

手術をしても、元の状態に戻るのではありません。

椎間板ヘルニアを切除する手術 切除したあとの椎間板は元のようにしっかりした髄核と呼ばれる組織が再生するわけではありません。別の組織で置き換わります。

すべり症の手術は、形を元にもどす時に、椎間板を自分の骨で埋めて置き換えて金属で固定します。とても、もとの正常な腰の状態ではありません。

先ほども述べましたが、腰椎が固定されて動かなくなりますから、骨盤や、股関節に負担がかかって骨盤の方から痛みが出たりします。

元の状態ではありませんので、何かしら症状が残ったり、また出たりするのです。

 

悪い所があってもうまく付き合う方法

出来れば手術を避けたい

 

痛みにあわせた動き方をすること

 

痛いのを無理に速度を早く動かさないこと ゆっくり慎重に

安静にして動かない期間は出来るだけ短めでよい。

 

最初痛くて動けなくても、楽になったら、少しずつ動くように。 という当たり前のことです。また、痛みが出たらいやだと思って動かない、かばいすぎはよくありません。

動いていて、逆に痛くなったら、また、動きを抑えればよいのです。

痛みを怖がらないことです。

痛みに合わせた動きをしましょう。

 

  寝返りがつらいなら、ゆっくり痛みがひどくならないように行う。

  寝ておきるとき、痛いときも、ゆっくり、どこかにつかまりながら行う。

  座って痛いなら、座り続ける時間を短く。

  立っていて痛くなるなら、立ち続ける時間を短く。

歩いて痛いなら、歩き続ける距離を短く。あるいは2〜3倍時間をかけてゆっくり歩く。

楽になってきたら、それに応じた速度で、動きましょう。

 

つぎは、激しい痛みの時期を過ぎた時のお話です。

激しい痛みとは、ほとんど動けない、仕事はもちろん。日常の生活がほとんど送れない状態になる痛みのことで、=日常生活、仕事はある程度出来るが、つらい痛みを感じる ではありません。  

 

1、同じ姿勢で長い間じっとしていることを避けましょう。座っていても、立っていても=座位、立位でも同じです。じっとしていると、力が一点に集中して、筋肉が緊張して、血流が悪くなって、痛みが増します。

じっとしないように

腰を回す、脚を揺らす。(=貧乏ゆすり)(座位、立位でも)

座位では、立ったり座ったりがよいのですが、この動作に痛みが出るときは、ゆっくり行ってください。

据わっているときは腰の位置を頻繁に変える

立位では 足の位置を変える、片方の足の底に台を置く、壁にもたれかかる、歩いたり立ち止まったりする。 など

思い出した時に行ってみます。回数は多くても構いません。

 

2、痛い方向に力を抜いてゆっくり思い切って動かす

痛みを怖がらないことです。

腰を回す、側屈する 前屈する 腰を反らす など

各方向に 痛いところまで、大きくゆっくり動かしてみましょう。

膝などの関節の時は特に動かさないと大きく動かなくなります。

腰も動かなくなる可能性があります。

痛いところまで動かすことで、痛みを抑えようとする神経の活動を促します。

 

骨盤から痛みが出ている方は、シェーのポーズに脚を動かすことも大事です。

これは、力を入れずにですから、寝て行うことになります。

膝などは、湯船に使っている恰好で、膝の曲げ伸ばしを手を使って押したり、ひきつけたりして充分に痛いところまで、ゆっくり行います。

早くいきよいよく動かすと痛みが強くなる可能性があります。

力を入れて力んで行っても痛みが強くなる可能性があります。

それと同じように、腰も力を抜いて、ゆっくり充分大きく動かすことがよいと考えます。

この運動の回数は、1日1〜3回ぐらいまでとします。多くすると痛みが強くなる可能性があります。

 

上の方法で痛みが強くなってしまう方は、動かす速度が、早すぎると考えます。もっとゆっくり行ってみてください。それでも痛い時は、

痛くないほうに行うストレッチ、体操 がよいです。

 

3、痛みがでない方向にうごかします

前かがみや、座っていて痛みが強くなる方は、

体をそらす運動です。

うつぶせに寝た恰好で、手を使って状態を起こして、30ぐらい数えます。

 

立位や、歩行で痛みが増す方は、

仰向けに寝て膝を抱える体操です。

両膝を抱える方法と、

片脚は伸ばしたまま片膝を抱える方法があります。

膝を抱えると、背筋のストレッチになります。

伸ばしている脚は次に述べる大腰筋のストレッチになります。

 

4、簡単に出来る筋肉トレーニング

少しぐらい痛みがあってもできるトレーニングです。

普段、痛みを出にくくするには、筋力が必要です。

腰の悪いところを筋力でカバーするのです。

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腿を上げるトレーニング

片脚立ちで、30秒ぐらい保持します。腿を上げる角度が90度に近くなるほど、筋力が要ります。少しぐらい上げるのは、さほど筋力が要りません。

腿を上げる運動は、股関節の屈曲になります。股関節を屈曲する大腰筋のトレーニングになります。支えている脚のほうは、骨盤を支える筋肉のトレーニングになります。

歯を磨きながら1日2回それぞれ1回ずつで充分です。舞日地必ず行う動作と一緒に行う習慣がつけば、生涯行い続けることが出来ます。

歩けなくなってしまう病気を、ここ数年、整形外科では、ロコモティブシンドローム(通称 ロコモ)と呼びます。

この運動は、ロコモにならないための運動のひとつです。

 

後、ロコモにならないために大事なことは、ベットや、布団の上で、仰向けからその寝ているその位置を保って、手を使わずに横向きに寝返りすることです。ごろんと横に転がるのではありません。一度起き上がって、横を向いて寝るのでもありません。上向きに寝たまま、腰、骨盤をうしろに引きながら横を向くということです。腰、骨盤を動かす最低限の筋力が必要です。幅 60センチの狭いベットで行うとわかります。寝ているその位置で横を向かないと、転がって横を向こうとするとベットから落ちてしまいますから。

 

脚を後ろに上げるトレーニング

同じく30秒ぐらい保持してください。腿持ち上げトレーニングとともに、立位で片脚ずつ行いましょう。

お尻の大殿筋のトレーニングです。こちらは、股関節を伸ばす時に使う筋肉のトレーニングです。

股関節を曲げる力と、伸ばす力のバランスが悪いと痛みがでやすくなります。それぞれの筋肉でも左右差があると痛みがでやすくなります。

バランスのよい筋力になるように3ヶ月ぐらい先を見据えて行いましょう。

 

★病は気から、痛みも気からです。

 

長引く痛みを取るためには、根気が必要です。

すぐに治らないからと、すぐにあきらめては治るものも治りません。

→頻繁に医者を替えて、医院、病院のはしごをする方はよくならない ということです。

治療には受ける側も、施行する側も、しつこさが必要です。根気、気力が必要です。

 

痛みから気をそらす

 

痛みを気にしないこと

 

周りの人に痛い、痛い といい続けないこと

自分の病気のことを周りの人に言い続けないこと。

他の人に訴えるたびに、その痛みを気にしていることになります。

お医者さんにも こうこう痛い と一度言えば 充分です。

 

感じる痛みの程度が同じでも、

痛みの出る頻度が少なくなったら、改善しています。

日常生活や、仕事上、痛みがでにくくなっている時も改善しています。

→出る痛みの程度が同じでも、痛みが変わりません ではありません。

 

痛みを忘れる他の事に気を持っていきましょう。

ただし、集中し過ぎて、じっと固まって行うことは、前にも述べたように、緊張を高めて痛みにはよくないので、あしからず。

 

小さいこと?を気にしていらいらしないこと

 

細かいことまで気にする方、よく言えば、気配りがよく出来る方、悪く言えば、気になっていらいらして怒り出す方

ストレスを抱えて、痛みにもよくありません。

 

+疲れも、体の回復力を弱めて、痛みの回復も遅れます。

疲労を溜めないようにしましょう。

 

痛みの原因になる出来事 交通事故、怪我、何でも構いません。

あのことがあったから、この痛みになった と思い続けていることも 痛みがよくなりません。

まして、相手のせいでこうなったと思っている限り、痛みはよくなりません。

訴訟などを起している限り、よくなりません。

さっさとけりをつけることが痛みの改善に有効です。

原因のことは忘れるように努力してみてください。

 

一言結論、

痛みが悪くならないように、うまく体を動かす、運動する=楽しく行うこと

が、痛みから気もそらして よいことになります。
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本に載っていない整形外科の話
 

母指の付け根の痛み

 

母指の腱鞘炎

 

母指の関節を伸ばしたり、母指を外に広げる腱が原因

 

産後に起こすことが多い。

産後に起こした方は、安静にしていれば治ります。(→痛いのを我慢して普通に使っていては、なかなか治りません。)

母指を固定するように、弾性包帯を巻く、母指固定用の簡単な装具もあります。

治りにくい方は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)の注射をします。

 

原因として、腱鞘の中を、腱が二つに別れて通っている形の方がいます。

この場合は、手術をしないとなかなか治りません。

 

母指の指を伸ばす、示指を伸ばす腱がクロスする部分も炎症を起こす

 

人差し指(示指)を伸ばしても、痛みがでます。上に述べた腱鞘炎の部分よりも肘に近い部分に痛みがでます。安静にしていれば、通常は治ります。

 

母指の関節を曲げる腱の方の腱鞘炎は、ばね指になる

 

母指の指先より1番目の関節(IP関節)を曲げて伸ばす時に、コクンと引っかかるのが、ばね指です。

症状が進むと、

引っ掛かりが強くなると、曲げた時に、なかなか伸びなくなる。

伸びなくなるから、曲げなくなる→IP関節が充分曲がらなくなる。

曲げなくても、引っ掛かりが強くなると、IP関節が、反るように充分伸びなくなる。

 

 

IP関節の部分に痛みを感じることもありますが、

原因は、指先より2番目の関節(MP関節)の掌側の腱鞘で、屈筋腱が引っかかります。

MP関節の掌側を押すと、厚くなった腱鞘を、しこりとして触れる。押すと痛い のでわかります。

症状はIP関節、 原因はMP関節です。

 

引っ掛かりが強い時は、手術治療が一番早く、順調ですと、2週間ぐらいで治ります。

厚くなった腱鞘を、腱と同じ方向に切って開く手術です。

外来通院だけで、簡単に出来る手術なのですが、表面を走る神経を切ると痺れが残る、感染する などが起こりえます。もちろん、2週間で治らなくなります。

 

手術なし で治す時は、

 

MP関節だけを固定して、IP関節の曲げ伸ばしだけを行なう と治ってゆきます。

手を使って何かをする時、ほとんど母指を使います。MP関節まで曲げて力を入れることが多いので、これを出来るだけしないように ということですから、なかなか大変です。

MP関節を固定する方法として、テープを貼る テーピングをする、アルミニウムのシーネ(当て木)で固定するなどの方法があります。

 

IP関節が動かなくなっている時は、MP関節の腱鞘内に、副腎皮質ホルモン(ステロイド)の注射をして、動くようにする必要があります。

 

→6ヶ月から、年単位の根気のいる治療になります。

 

母指の付け根の関節は、変形性関節症を起こす。

 

高齢の女性に多い

 

母指の関節を伸ばしたり、母指を外に広げる腱が起こす腱鞘炎の部分より、少し手先に近い位置にあるのが、CM関節です。

腱鞘炎の時と同じ固定をして、負荷をかけないようにします。

改善が悪い時は、その関節に、副腎皮質ホルモン(ステロイド)の注射をします。

手術は、関節を固定する手術が考えられますが、ここまでになる方はほとんどいません。

 

示指〜小指の第一関節(DIP関節)の痛み、ふくらみは、関節リウマチでない

 

中年以降の女性に多く診られます。

変形性関節症です。進行すると、膨らんできて、ヘベルデン結節といいます。

体質、遺伝的?にその部分が変形性関節症になるか否か あるようです。

例えば、膝は、変形性関節症になっても、この関節はならない 

母親がこの関節が膨らんでいる方は、自分も年を取って膨らんできた

などです。

 

関節リウマチは、手関節、示指〜小指の指先から3番目の関節(=MP関節)などに痛みや、腫れが出てくるのが多いです。リウマチも女性が多いのですが、中年以降とは限りません。

示指〜小指の指先から2番目の関節(=PIP関節)が腫れて痛いときは、リウマチの時も、変形性関節症のときもどちらとも可能性があります。

 

治療は、

変形性関節症のときは、進行しないようにすることが一番です。

ただ、進行して変形しても、日常の生活は送れますので、手術になる方はほとんどいません。

テーピングや、固定装具、固定用のテープなどで出来るだけ止めるようにする。

悪くなっている関節を、力を入れて自分で動かすのではなく、力を抜いたまま、もう一方の手で、引っ張ったり、動かしたりする関節運動は、関節液の流れをよくして、軟骨形成を促すことが出来るようです。

 

リウマチは、

まずは、消炎鎮痛剤(痛み止め)と抗リウマチ剤、(リマチル、アザルフィジンなど)から使い始めます。

進行する例では、以前は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)剤が、最も効果のある治療でしたが、

現在は、免疫抑制剤(めんえきよくせいざい)であるメトトレキセート(リウマトレックス)、生物学的製剤(高価で負担金が高い)と呼ばれるリウマチそのものの原因を抑える治療が行えます。効果が出れば、以前のように、関節が破壊されて、手が変形してゆくことはなくなりました。ただし、これら新しい薬剤は、副作用が出て、使用できない場合もあります。

 

母指以外のばね指

 

指先から2番目のPIP関節を曲げて伸ばす時にパキンと引っかかります。

動かさないでいて、動き始めに起こり出すことが多いです。夜のうちは動かしませんので、朝一番に引っかかりだす方が多いです。

原因は、PIP関節ではなく、3番目のMP関節の、掌(てのひら)側で、指を曲げる腱が、腱鞘の中で引っかかります。

進行すると、

PIP関節が充分伸びなくなります。

PIP関節を強く曲げると引っかかってなかなか伸びないため、PIP関節をあまり曲げないようになり、→PIP関節が固くなって曲がらなくなる→充分指が曲がらなくなってきます。

 

治療は、母指のときと同じです。

手術なしで治す時は、

腱鞘内に、ステロイド剤を注射する、

MP関節を固定して、PIP関節、DIP関節(指先から1番目の関節)を曲げる運動をします。握ったり、力を入れて使っていると、進行します。

 

 

掌(てのひら)、手の甲、指の掌側に固(かた)く膨らんで触れるしこりは、ガングリオンのことが多い。

 

ガングリオンは、関節の弱い部分に穴が開いて、そこから袋が出てきて、関節液より濃縮したゼリーが溜まります。そのため、水が溜まっている袋(肘頭、膝頭、足関節の前にできるような滑液包炎=かつえきほうえん)よりは、固くなります。

腱鞘からできることもあります。

皮膚の下で固いしこりが動くこともありますが、

回りの組織とくっついていますと、全く動きもなく、まるで、骨や、軟骨が飛び出したかのような印象です。

できる方とできない方が決まっているようです。出来やすい方は、手以外の関節にもできます。

 

悪いものではありませんので、邪魔にならなければ、放置しても構いません。

弱い部分があるので、その部分から痛みが出ることがあります。超音波を当てれば、痛みは消えます。さらに超音波を当て続けると、引っ込んでなくなることもあります。

自然につぶれることもあります。

袋はひとつではなく、いくつかの房になっていることもあるため、

注射してゼリーを抜くと、しばらく膨らまないこともありますし、すぐに元に戻ってしまう(ゼリーがすべて抜けきれない)こともあります。

手術して切除しても、再発する(取り残しがあるなど)こともあります。

 

掌側の指に出来る小さいしこりのタイプは、腱鞘からのガングリオンです。

腱が引っかかって障害が出るときは、手術してとる必要があります。

針を刺してゼリーを抜く治療は、掌(てのひら)だけに、非常に痛く、小さいだけにうまく抜けない こともあります。 

 

伸筋腱が切れても気にしない人 もいる マレットフィンガー

 

指が当たった怪我のあと、DIP関節(指先から1番目の関節)が、屈曲したまま伸びなくなります。

この場合、DIP関節の手の甲側で、関節を伸ばす腱が切れています。

骨折があって、ずれている時は、鋼線で固定する手術することもあります。

元のように伸ばすためには、6週間の固定が必要です。手術しないで、治す時は、6週間曲げないようにする根気が必要です。

これらの治療をしても、完全には伸びないこともあります。関節を曲げだしたら、どうしても、伸ばす腱にゆるみが生じるためです。

ただし、曲がったままでも、痛みがなくなりますので、物はつかめますし、日常生活には困りません。→放置しても、痛みはなくなります。=困らない ということです。

 

PIP関節掌側の剥離骨折も放って置いても治る?

 

こちらは、指を曲げる腱が付いているわけではありません。指が反らないようにする掌側板(しょうそくばん)という靭帯がついています。

少しぐらい、形が変わって骨がついても、指は曲がり、使えます。

 

ただし、固定しなければ、=安静しなければいけない時期に、マッサージする、力を入れて使いつづけることは論外です。腫れが強くなって、治りが悪くなります。

痛いので使わないようにする、→固定をする。けれども、指が動かなくならないように、動かしておく→固定をはずして動かす練習だけは1日2回ぐらいする がよい です。

痛いので骨がつくまで動かさないでいると、指が動かなくなり、元にもどすのに、非常に時間がかかります。

 

以前の私は、骨折はレントゲン上、かなりよい形に戻ることが重要だと考えていました。(手の外科(手を専門に治療する整形外科の特殊分野)の考え方は特にそうです。)

骨が変形して治ると、痛みが残ったり、使うと痛みが出る。骨のかけら(骨片)が残ると痛みの原因になる。などです。

しかし、いろいろな患者さんを診て、骨折の変形が残っても、痛みを気にせずに、使っている方が多い→ほとんど です。痛みを訴える方が診察で心に残る?ので、上のような考えになるのです。

今の結論は、

手関節 手、指の外傷は、骨折の形がレントゲン上、元のようによい形に戻るのではなく、

手関節、指の動きが、元のように動くように戻る方が大事です。

 

少しぐらい、骨のかけらが残っていても、問題ないのだ。

レントゲンができたのは、100年ぐらい前

それ以前は、骨折という診断はありません。

それでも、使えなくなった、歩けなくなったという人は、少ない。

少しぐらいずれて骨がついても何とかなる ということです。

 

 

あまり問題のない

手が痺れる(しびれる)の話

 

常に痺れるのではなく、あるときだけに痺れる は、基本的に悪いものではありませんので心配なく!

 

朝だけ手が痺れる 

 

中年以降の女性がときどき訴えてこられます。

通常、片側だけです。

心配する痺れではありません。

寝ている間に、神経や、血管が、肋骨と鎖骨の間で圧迫されたり、上腕部で圧迫されたりするため起こります。軽い、胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)、頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん)の症状です。

更年期でホルモンのバランスが悪くなっていると出やすくなります。

ストレスや、緊張、過労が、腕や、首にかかっている状態ですと、出やすくなります。

首周囲や腕に筋力がない。力がない方が起こりやすくなります。

 

→ストレス、緊張(同じ姿勢でパソコンを打つなど)を避けましょう。

 

肩が下になっている(横向きに寝ている)と圧迫されて痺れが起こる

肘が体より下になっている位置(普通に仰向けに寝て、肘が布団についていると、体幹部より下の位置になります。)だと痺れが起こる

肩が上になっていると、痺れるがおこる など人によっていろいろです。

 

仰向けに寝る時は、肘下に枕を入れて肘が布団につかないようにします。この姿勢ですと、肩周囲の緊張も緩みます。

 

重いものを持つと痺れる

 

下垂肩症候群(かすいかたしょうこうぐん) の可能性があります。

重いものを持つと、腕が下に引っ張られて首から出た部分の神経が下に引っ張られて、痺れが出ます。

体型は、なで肩の方が多いです。したがって、女性に多いです。

パソコンをしていると痺れてくる

も、この障害の可能性が高いです。

持続時間を短くして、肩をほぐす体操をする、歩き回る で、血行を改善しましょう。

パソコンを打つ時は、肘の下に枕を入れて、肩周囲を緩めると同時に、肘が下に落ちないようにしましょう。

 

つり革につかまっていると痺れる、携帯電話を腕で持ったまま、話していると痺れる

 

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん) の可能性があります。

この腕の位置で、鎖骨と、肋骨の間で、神経と血管が圧迫されて、痺れが出ます。

 

また、痺れの原因部位がはっきりしないこともあります。

これも含めて、今まで述べてきた症状は、ひとつの病名にまとめると、

頚肩腕症候群(けいけんわんしょうこうぐん) といいます。

 

持続的な痺れでない時は、脳の障害ではありません。

持続的でも、片側の手の痺れだけの時も、まず脳の障害ではありません。

 

これらはすべて、まず、手術になるような病気ではありませんので、安心してください。

これらのいずれも、改善には、筋力アップが重要です。

お薦めの筋トレを紹介します。
いずれも、肩甲骨の動きを改善します。肩甲骨の動きが悪くなることが、頚肩腕症候群をはじめ、肩こり、五十肩などの症状を悪化させると考えています。






| 本に載っていない話 | 07:53 | - | - | - | - |
本に載っていない整形外科の話
 

肩も肘も手も変形性関節症になる

 

607080歳になって五十肩

 

 寿命が延びているので607080歳になって、五十肩=肩関節痛になった

という方も多い と思います。

しかし、実際は、

肩の変形性関節症がベースにある。

+肩の腱板が加齢とともに自然に損傷されてきている。

ということが起こっている場合 が多いのです。

レントゲンでは図のような変化がでます。

 

五十肩は、

 原因もなく、炎症が起こって、痛いので動かさないでいると動かなくなる=凍結肩

という経過です。

レントゲンでは異常がほとんど出ません。

 

同じ場所が痛むので、症状も同じで、区別つかないことも多いのです。

治療も五十肩と同じです。

 

 

テニスもしていないのにテニス肘

 

テニス肘は、

掌(てのひら)を前に向けて、ちょうど肘の外側の部分に痛みがでます。

この部分には、手関節や、指を手の甲側に曲げたり伸ばしたりする筋肉や、雑巾を絞る時に手を回す=腕をねじる ための筋肉が付いていますので、手首を動かすと、肘に響きます。

 

肘はなかなかレントゲンでは変化が見られません。つまり、レントゲンでは 異常なし が多いです。

それでも、変形性関節症が始まっている ことがあります。

加齢で、肘の周りも潤滑機構がうまく働かなくなります。機械でいう、油切れになり、

痛みが出るときは、外側からが多いのです。

ひどくなると、肘を曲げると痛みが出てきて、肘全体に炎症が及んでいることがわかります。

 

テニス肘は、肘の外側 野球肘は肘の内側が痛くなる

 

野球肘は、野球をする少年に診られます。肘の内側に痛みが出ることが多い です。

痛いのに我慢して、投げ続けると、軟骨が傷んできて、骨が傷んできて、野球生命?(野球を続けられる年月)が短くなります。

痛み始めぐらいでは、レントゲンでは異常が出ません。

この時期に痛みが続かないように、投げ方を工夫する。(体の軸が傾かないように投げる、変化球を無理に投げないなど)投げる球数を制限する。などが必要です。

レントゲンで変化が出てしまってからでは遅いのです。

 

野球をしていないのに、肘の内側が痛くなったら

 

年を取ってからなる時は、加齢による=油切れ です。

変形性関節症になっているかもしれません。

症状が進むと、曲げると痛みが出る と話しましたが、伸ばす方も制限されてきます。

→まっすぐ腕が伸びなくなるのも特徴です。

→変形性肘関節症の経過が長いと、肘がまっすぐ伸びなくなります。肘の曲がりも悪くなります。ただし、肘はまっすぐ伸びなくても不便はありませんし、顔に手が届くように曲がれば充分です。

 

幼児が、たいした怪我もしていないのに、急に痛がって腕をだらんとたらしたまま使わなくなる。

 

腕を急に引っ張った時に、おこしやすいです。親の見ていないところで、ひねったり、引っ張られても起こします。あくまでも、激しく転んだ、落ちた という、明らかな怪我がない時です。

肘の橈骨頭(とうこつとう)の、輪状靭帯がずれて、痛くて肘が曲がらなくなる、肘内障(ちゅうないしょう)です。肩が外れたのではありません。

1歳未満から6歳ぐらいまでなりますが、大きくなると、肘がかたくなって起こさなくなります。

起しやすい方、にくい方がいます。同じお子さんが、何度も繰り返すこともありますので、注意が必要です。

治療は整復方法があり、速やかに整復した方がよい のですが、

引っ掛かりが強く、何度施行しても、戻らないこともあります。

ただし、

肘内障(ちゅうないしょう)は放って置いても、4日ぐらいで戻ります。

(年齢が上だと、1週間ぐらいかかることもあります。)

着替えている時ひねって自然に戻ることもあります。

整復して戻らなくても、心配なさらないでください。

元にもどった後は、通常、固定などは要りません。

 

 

子供ではレントゲンでわからない肘の骨折 

 

前図の肘頭(ちゅうとう)と 橈骨頭(とうこつとう) は、小学生低学年ぐらいまでは、軟骨がほとんどで、レントゲンで写りませんので、損傷していても、わかりませんし、骨折とはなりません。

では、その部分の損傷の時は、

 

肘は、水や血液が溜まっていると、レントゲンでもわかる

 

レントゲンの肘を側面から撮影した時に、図のように、黒い影が見える時は、肘に水や、血液がたまっている時です。(レントゲンは、ネガフィルムのように硬い方(骨の方)が、白く写ります。通常は、水や血液はレントゲンでは写りません。)関節内の脂肪のかたまりが溜まった水で関節の上部に押されて黒く写ります。

 

このような時は、レントゲンではわからない骨折があったり、肘の靭帯の損傷がひどいため、関節の中に血液が溜まってきているのです。

 

この所見と、診察症状で、レントゲンで骨折がわからなくても、必要なら、ギブス固定します。

 

逆に肘で子供に多い骨折

 

肘の外側(外上顆)は、骨の成長線があるため、そこで、骨折しやすい。

ずれたまま、骨がつくと、肘が変形するので、手術してもとの位置にもどして鋼線で固定する。ことが多くなります。

 

その 顆(か)の上部で骨折を起こすことも多く、骨の端同士が、まったくかみ合っていない時は、手術して鋼線で止めます。

ある程度かみ合っている時は、骨がつく(子供ですので、2~3週間)まで、腕を上方に引っ張っておきます。→入院安静となります。

角度が違ってついても、子供ですと、修復能力が大きく、年月をかければ、元の形に戻ってきます。

ずれがない時は、ギブス固定で癒合を待ちます。

 

肘は動かなくなると 動くようになるのに時間がかかる。

 

肩、膝 手指関節すべて同じです。

骨折して、骨がつくまでギプスなどでしっかり固定して待っていると、固定していた関節が動かなくなります。特に関節周囲の骨折で、関節の中に血液、水が溜まると、関節の中の組織がくっついて、動きが悪くなります。

★動かなくなった時困るのは、大きな動きを必要とする関節です。足関節などあまり大きな動きがない関節は目立たないだけです。

 

ギプスなどで固定していても、中で少しぐらい関節が動いても構いません。

骨折は少しぐらい動いていてもつきます。(前にも述べました。)

少しぐらい動いていて、骨折がずれる時は、ずれないようにするには、固定をする手術が必要な骨折です。

あるいは、少しぐらいずれてついても、あまり問題なければ(少し形が変わっても普通に痛みもなく動く、使えれば)それでよいのです。

 

そのため、骨が動かないと考えられる時期になったら、早めに動かす運動を始めることがよい のです。

お子さんですと、怪我から3週間(場合により2週間)経ったら、遅くとも動かしだします。

充分骨がつくのを待っていると、肘が動かなくなり、

元の動きを取り戻すのに、23ヶ月かかります。

早く動くようにと、動きにくい関節を痛みをこらえさせて無理に強く動かすと、逆に動かなくなることもあります。

 


肘関節周辺の骨折の時は、上腕部から掌(てのひら)までの、ギプス固定をしますが、


手関節部分の前腕骨の骨折でも、前腕を回さないほうがよいときは、肘より上からのギプスの固定が必要になる。

 


前腕には 橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃくこつ)の2本の骨があります。

両方の骨が折れていると、掌(てのひら)を上に向けることが、痛くてできなくなります。→掌(てのひら)をうえにすることは、前腕を回すことになり、骨にねじれが加わって、骨のつきが悪くなります。

このような場合は、肘の上までギプス固定をすれば、前腕部分は回らなくなります。

=前腕の骨折では、掌を下に向けてギプス固定しますので、掌を上に向けようとすると、体をひねらないと向けません。

 


手関節の部分の前腕骨の骨折は、子供も多い。

 

手関節部分の前腕骨の骨折は、骨が弱くなっている骨粗鬆症のときによく見られる骨折のひとつです。→高齢の女性には多く診られます。

が、

実際は、お子さんが転んで手を着いたときにもよく診られます。

激しく転んで、無茶?をして、あるいは、手のつき方が悪くて起こします。だから男の子にも多いです。

 

お子さんの骨折は、完全な骨折でない時が多い。

 

完全でない骨折とは、

細い木の枝を手で折ろうとすると、ポキッ といって、折れるのですが、つながったままです。

このような骨折を起こします。(鎖骨でも多いです。)若木骨折(わかぎこっせつ)といいます。

さらに軽い時もあります。骨の表面(=骨皮質)がレントゲンで、出っ張って見えたり、逆にくぼんで見える段差があるときも、骨の損傷です。ひび としても見えません。ひび よりも軽い骨折です。(ひび、あるいは、それよりも軽くても、診断は 骨折 あるいは、不全骨折 となります。)

軽ければ、ギプスでの固定は、必要でないこともありますし、ギプスの当て木(=シーネ)を造って、風呂に入ったり、シップを貼りなおしたりするときは、はずしても構わない という固定をします。

一般に、ギプスシーネ固定は、掌(てのひら)側に当てますが、指の動きを妨げて、使いづらい手になるので、手の甲側に当てて、物をつかめるようにしておく固定で充分です。

固定期間は、2〜4週です。その間、はずして、あるいは固定したままでも動かしているわけですから、骨がついたときは、普通に使えていますので、それで治療は終了です。

 

お子さんでも、完全に骨折がずれてかみ合っていない時は、手術が必要です。

 

橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃくこつ)がともに骨折して、骨折部分がかみ合っていないと、麻酔してかみ合うようにもどします。(整復します。)整復しても、またもとのずれた位置に戻ってしまう時は、鋼線での固定が必要です。

橈骨(とうこつ)だけが、骨折部分がかみ合わないような骨折をしていて、尺骨(しゃくこつ)は全く損傷がないときは、麻酔してもどそうとしても、うまく戻すことができません。手術して、もどして鋼線で固定をします。

 

手関節部分の前腕骨の骨折で、指が動かなくなる人がいる

 

ギプス固定をしている間に、痛いからと、指を動かさないでじっとしている人

ギプス固定をしている間に、動かす練習をするように指示しても、怖くて動かせない人

ギプスをはずしてからでも全く同じです。

掌側にギプス固定をしている間は、完全に指を握ることはできませんので、はずして、指を充分に握るように指示しても、動かさないので、逆に動きが悪くなったりします。

→怪我の後、4〜8週間ぐらいで、動きが悪くなることもあります。

 

これは、中年から高齢の女性に多い印象です。

なる方、なりそうな方と、まったくならない方がいて、人によって決まっているようです。

指が動かなくなる方も、痛みの病気の一つ と考えています。

 

指が動かなくなったら、やはり、少しずつ動きをもどしてゆくしかありません。

ある日突然動くようになって、ぱっと治った人 は、診たことがありません。

うまく動くように改善しても、治るための期間は3〜6ヶ月はかかります。

 

指の動きに問題が起きない方では、

手関節部分の前腕骨の骨折は、高齢の女性では、レントゲン上落第点で治っても、痛みがあまり気にならないことが多い。

 

手術をしないと、変形したままで治る 骨折でも、手術を希望されない方が多々おります。

前図のような形で治ることが多いのですが、

そのような方でも、日常手を使うことに対して、ほとんど痛みもなく不自由を訴えません。

気になって痛みを訴える方は、痛みを気にする方 です が、

痛みを訴える方でも、日常の動作は、ほぼ行えているようです。

 

手関節の痛みは、尺骨の遠位端の軟骨が原因のことが多い。

 

怪我で骨折がないときに、この部分が損傷します。

怪我がなくても、自然に痛みが出ます。

掌(てのひら)を下に向けて手首を見て、尺骨の遠位端(小指側の骨)が手の甲に出っ張っている方は、痛みがでやすい傾向です。

掌を上に向けよるようにまわすと痛みがでます。

掌を上に向けて物を持つように力を入れると痛みがでます。

 

損傷がひどい時は、ギプス固定します。

炎症が治らない時は、ステロイド注射をします。

改善しない時は、手の専門家に関節鏡(関節の中を除く内視鏡)で見ながら、修復してもらう こともあります。

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