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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
足部の痛みでわかってきたこと
88、足関節部の骨折の話

 今回も経験でわかってきたことをお話してみます。
 どのような骨折があるのか、どのような治療があるかなどの話ではありません。

 足関節の骨折で一番多いのは、外くるぶしの部分の骨折です。その部分が腫れますが、かなり腫れていても、骨折はなく、捻挫のことがありますので、診ただけでは、捻挫と区別がつき難い現状です。
 骨折があると、これが意外に、骨折部分がレントゲン見えなくなるまで時間がかかる場合があります。6週間で治ると最初に診断しても、3ヶ月目になってもまだ骨折が見えて、治ったといえない状態がある ということです。
 そのため、少しでも=1〜2ミリの隙間やずれがある場合は、手術をして隙間なくぴったり合わせたほうが、早く治ります。ただし、骨折部位をプレートとスクリューで止めますので、もう一度、それらの金具を抜く手術が必要になる場合があります。(最近はチタン製で必ずしも抜く必要はありませんが、入れて置くとかさばりますので、若い方は、抜くことをお薦めします。)
 この考え方の先生は、少しのずれでも手術をしますが、必ずしも手術は必要ありませんので、手術したくない方は、徹底的に骨がつくまで待ちます。(上図左)
 ただし、あまりギブス固定期間を長くすると、足関節の軟骨が弱くなったり、骨が弱くなったり、足関節が動くにくくなったりして、回復が非常に遅くなる可能性があります。
 通常は、レントゲンで骨折が見えていても、先に症状はなくなりますので、症状に見合う固定で充分と考えています。
 必ず手術を薦めるのは、ずれが大きく、足関節の形が変わって治ると予想される場合です。(上図右)痛みが残る、近い将来、変形性関節症になる などが考えられるからです。

治りが悪くなる、2つの場合

1、手術しても、しなくても、平気でむくみを放置すること
 足の骨折(捻挫も含みます。)とは限りませんが、特に足の部分は、体の最も下に来ますので、心臓からも遠く、重力で、血液やリンパ液の戻りが非常に悪くなりますので、むくみが残りやすい外傷です。
 むくみが、怪我の後、あるいは手術後に、3〜4週間以上残ると、むくみによる弊害が出てきます。骨が萎縮(骨折部位以外の足の部分の骨もすかすかになります。)して、皮膚がてかてかになり、骨折がついた後も、使うと、皮膚がてかてかになり、赤くなって、むくんでくる。痛みも出てくるという状態が残り、その症状が取れるまで、3〜6ヶ月余計にかかります。
出来るだけ、むくみを早く取ること、むくまないようにすることが大事です。(私の薦める治療 51、むくみの治療を参照)
 出来るだけ、足を下にしないように いすに座るときも、他の椅子の上に乗せる。寝るときは、大きな枕の上に乗せて、心臓よりも高くしておく。ギブスから出ている、足の指は、出来るだけ動かして、血液や、リンパの流れを促す。
 足が、風呂に入れる状態なら、温冷浴を行う。
 薬は、西洋薬は効果が悪いので、漢方薬を飲む。

 すでに骨が萎縮している方は、骨粗鬆と同じ治療が治りがよい

 その部分だけ、骨粗鬆症になっていると考えて治療を行います。特にカルシトニン製剤の皮下注射を週一回行うことが、足の痛みもよく抑えて、治りが早くなるようです。

2、子供の、足関節の成長線の部分の骨折は長期免荷(体重をかけさせない)を

 この外傷が、後で、変形や、トラブルの元なっている例を見ます。

 骨の下端の、成長線のずれる骨折を起こすと、まず、手術的に戻りにくいことがある。

 前からの皮膚を切開してもどそうとしただけでは、うまく戻らない場合は、ためらいなく後ろからの切開も加えて、前後からもどすことを薦めます。完全にぴたっともどった状態でないと、変形してきます。

 うまく戻って、固定した後、通常は、6〜8週たってから体重を載せますが、これが早すぎると考えます。4〜6ヶ月の長期に体重をかけさせないほうが、後からの変形を防げる可能性があります。完全に免荷ができる装具を作って歩かせます。(松葉杖もなく、両手が使えて、歩けます。)(下図)レントゲンで、骨が萎縮してきたら、これ以上体重をかけないことに対して、骨が限界といっていると考えて、少しずつ体重をかけさせます。
| 足痛 | 09:57 | - | - | - | - |
足部の痛みでわかってきたこと
今回は、足関節の近くの踵の外傷のお話をします。

87、踵の外傷

 踵は、高いところから飛び降りて、踵で着地したときに、傷めます。
今まで経験してきた、特徴を述べます。

踵の骨の骨折は、軽いとレントゲンの撮る方向でわからないことがある。
レントゲンの撮影方向を変えるとわかるときがある。
骨の損傷があると、2ヶ月間など、長期に踵が着地できない。


 そこで、最初のレントゲンで骨折がわからなくても、なかなか踵がつけない状態の方は、1〜2週間ぐらい経ったところで、レントゲンの撮影方向を変えて,撮り直しています。骨折が見えることがあるからです。また、エコー検査で、骨の表面の皮質を見てゆくと、レントゲンではわからないほどの損傷がわかることがあります。すぐに、MRI検査が出来れば、骨の損傷はわかるはずですが、依頼して他の病院に撮りに行くのでは、手間がかかるので通常は行いません。

距踵関節を痛めると、足関節が痛いという訴えと、区別つきにくいことがある。

 図のように、距踵関節は、足のくるぶしの下の端と同じ高さにありますので、足関節の捻挫と区別つきにくいことがあります。
ここの関節がずれているような踵の骨折は、ずれたまま治ると、歩くと痛みが出る可能性がありますので、

若い方で、運動をする方は、距踵関節を手術的に出来るだけ元の形に治した方がよい。
 年を取っていて、あまり歩かない方は、少しぐらい変形が残って骨折が治っても、日常生活にあまり不便がないようです。

当院での保存的な(=手術以外の)治療

骨折もなく、踵が着地できるような、軽いものは、
 踵のテーピング、+踵のパッドつきの弾性包帯固定

骨折がわからないが、踵が着地できない方は、
 しばらく、松葉杖で脚を浮かして歩いていただいて、1〜2週間しても着地できない場合は、レントゲンを取り直しています。距踵関節など、踵の周りの関節は大きく動きませんので、着地しないことが重要で、ギブスなどのしっかりした固定は、必ずしも必要ありません。簡易テーピングや、弾性包帯固定、あるいは両者の併用で充分です。痛みや腫れが強いときは、局部の安静目的で、ギブスシーネ固定します。

 取り直しでも骨折がわからないときは、下図のような踵を着かないで歩くためのギブス固定装着や、患者さん自身、ギブス固定に変更は抵抗がある場合は、そのままの固定で、引き続き様子を診ていきます。

骨折している方は、
 腫れや痛みが落ち着くまで、ギブスシーネで固定して松葉杖を使って、踵を浮かして歩いてもらい、2週間ぐらいから踵に穴が開いている踵を着かないで歩けるギブスで、歩いていただくのがよいです。踵が自然に落ちて、重力で、少しぐらいつぶれた踵の骨は、よい形になります。
 装着期間は踵がつけるまで、ギブスから出ている踵部分にトリオ治療を行えば、通常約8〜10週間です。骨折がわからないような方や、お子さんは、もう少し早めにつくことができます。

捕捉
 勤務医時代は、この踵を浮かせるギブスタイプの装具を作って、3ヶ月ぐらいまで着けていただき、それ以降、踵の変形が残る方には、さらに足底板装具を作成し、着けて歩いていただいておりました。踵の着地がかなり長期間 出来ないためと、その間、ギブスと違って、取り外して足が洗えるからです。
 当院で、トリオ治療を行うようになってからは、 治りが短縮できるため、踵を浮かせるギブスの装着期間が短く出来る上、ギブス固定の後は、足底板の替わりに簡易テーピングや、弾性包帯固定で充分なため、現在は行っておりません。
| 足痛 | 09:27 | - | - | - | - |
足部の痛みでわかってきたこと
86、足関節捻挫の治療

 足関節捻挫でも、重症なものがあるので、安心は出来ないと述べてきました。軽いものは、無理をしなければ治療も受けずに治る と考えますが、ある程度重症なものは、しっかり治療したほうがよいです。ひねりやすい不安定な足関節になって、運動が出来ない、将来、変形性足関節症になる、などの可能性があるからです。

まず、軽症から重症まで分類して、実際に当院で行っている治療方法を述べます。

1、エコーで靭帯損傷がひどくないもの
 簡易テーピング固定
2、エコーで、靭帯の損傷がある程度見られるもの、靭帯の損傷がほとんど見られなくても、腫れて痛みが強いもの
 簡易テーピング固定と、弾性包帯のダブル固定    
 改善したら、簡易テーピング固定のみ
3、エコーで靭帯の損傷が明らかなもの、スポーツに復帰する必要のあるもの
 (+簡易テーピング)装具固定、オルソグラスアンクル固定
 改善したら、簡易テーピング固定のみ
4、エコーで靭帯の断裂の可能性が強いもの
 ギブス固定をまず行い、2〜3週で、オルソグラスアンクル固定へ変更し、
 さらに改善したら、簡易テーピング固定

 捻挫なのに、ギブスなどの固定に抵抗を感じる方は多く、どうしても2の治療が主流です。

次は、ひどい足関節捻挫のベストの治療と考えていることを述べます。

 最初は足関節がほとんど動かないギブスや、装具固定を行い、改善が見られてきたら、動かしながら治す。 経験上、これが一番早く治ると感じています。

ほとんど動かない固定とは 
 ギブス固定がベストですが、装具でもしっかりしたものは固定力が強いので、ギブスを巻くことに抵抗がある方は、取り外しの出来る道具を 薦めています。ギブス(プラスティックギブスなので、巻いて乾いたらそのまま体重が載せられます。)も、装具も固定をしたら、そのまま体重をのせて歩けますが、腫れや、痛みがひどい方は、ギブスシーネ固定で、松葉杖で、足を浮かせて歩いてもらいます。足が着けるようになってから、そのときの状態で、次の固定方法を選びます。

動かしながら治すとは  
 足関節の底背屈方向のみに動かす(もちろん極端に大きくは動かしません)ことで、回したりひねったりしてはいけません。固定しながら、この運動が出来るのが、オルソグラスアンクルです。

 オルソグラスアンクルとは、製品名で、装具の形をしたギブスです。外くるぶしと、内くるぶしを押さえて、ひねりができないようにしてあります。
最初から、動かしながら治せそうな方には、外傷直後から作成して装着します。
 このギブス固定装具は、着脱も簡単で、靴下の上からでも装着でき、改善したあと、靴が入れば、そのまま運動が出来ます。壊れる(ギブスですので、壊れたら修理できません。)まで、これを着けて運動をしていた方も何人もいます。ひねる方向にいかないように押さえられているため、安定感があるためです。
 当院での治療方法2などの他の固定方法を取っていても、動かす方向は、底背屈方向に運動を薦めています。この方向は、靭帯にあまり負担がかかりません。

 ある程度固定をしたら、少しずつ動かした方が、筋力が落ちない、関節が動くので、関節液の流れがよくなり、軟骨や、靭帯の修復を促す などと考えています。固定が長すぎると、筋力が落ちる、骨も弱くなる、軟骨も悪くなるのです。関節も固く動かなくなって、やわらかくするのには、時間がかかります。
| 足痛 | 09:28 | - | - | - | - |
足部の痛みでわかってきたこと
85、足関節捻挫の重症度の診断2
   平成17年初頭に超音波診断装置(エコー)で検査してみた。

 これは、実際に捻挫が治ったかどうか判断するために行ったのが最初です。
 それまでは、本人の痛みがないという訴えと、皮膚の外から診ためで、治ったと判断していましたが、どうしても、お子さんで、2年ぐらいたってから、骨のかけらのようなものが出来てしまう方がいます。親に文句を言われたことがきっかけで、より確実に治ったことがわかる方法はないかと思っていたところ、それまで、ほとんど活用していなかったエコー検査がふと頭に浮かんだのです。

 結果は、少なくとも、一番大事な前距腓靭帯(図の赤丸)は、なんとなくわかりました。よいほうの靭帯と比べて、ほぼ同じになっていれば、OKです。実際は、なかなか同じになりませんので、実際に治る時期は、症状がなくなってからかなり後になることもわかりました。

 今度は、怪我した直後に行ってみました。これは、もっと良い方との差がよくわかりました。その後、捻挫の方にはほとんど行うようにして、診断能力を高めてゆき、(エコーはレントゲンのように、輪郭がくっきり写らないため、=解像力がよくないため、診断が難しいのです。)固定治療を選ぶ根拠にしてゆけたのです。
 解像力がよくない分、靭帯が実際にどれだけやられているか、切れているか、判断が困難な場合もありますが、動きも見えますので、ひねりながら、はっきり切れていると確定できた方もいますし、治りが非常に悪い方に行ったことろ、靭帯が関節の方にめくれ込んでいて、治らないことがわかったこともあります。

 私が使用している機種は、7年前に購入した最廉価の最も小さな機種なため、エコー装置の中でも解像力が悪く、年数もたっているので、さらに、解像力が落ちているのですが、それでも判断できます。患者さんも一緒に診ながら、良い方との違いがわかりますので非常に便利です。

問題点
 1、エコーも、病院では、気軽にすぐに行えない場合がほとんどです。通常は、検査室においてあって、エコー検査をする技師の方が行っているところが多いと思います。しかも、腹部を診るときに使うのが主ですので、整形外科用の浅部を診るエコー端子(手に持って腹に当てる装置のことです。)すらないところも多いと思います。(腹の中を見るのは、周波数が低い端子で、浅いところを見るのは、周波数が高い端子で違います。)もちろん、他の方の検査をしていれば、順番持ちですし、患者さんに、いちいち検査室まで行ってもらって、検査をしてからまた診察室に戻って治療をするのでは、手間がかかりすぎます。診察用ベットの横に置いてあれば、手軽に検査できますが、病院にある上級なエコー検査装置では、サイズが大きくてスペース的に無理です。(当院では、診察用ベットの所に、最廉価の最も小さな機種を置いています。)
 2、エコーの画像を判断するには、熟練が要ります。エコーをほとんど行わない医師にとっては、エコーの画像は一般の方と同じで、何が写っているのかわからないということです。整形外科では、外科や内科と違って、手軽にエコー検査を行いませんので、目が慣れてくるのには、経験が必要です。このことも、エコー検査を敬遠するひとつの要因と考えています。

余談
 エコー検査を頻繁に行い始めてから、月遅れの平成17年4月中旬以降、急に患者さんの人数が増え、以前の狭い医院では、アップアップの状態でした。ちょうど、同年9月より、新しい広い医院に移りましたので、良かったと思います。
 それ以降、エコー装置には非常にお世話になっており、酷使しすぎているため、現在のエコーは、まもなく寿命と感じています。次の機種は、少なくとも、高周波数の解像力の良いものを選ぶつもりです。(値段は非常に高いのですが、解像力の良いポータブルタイプの現在のものより高周波数のエコー機種が発売されています)
 パンフレットの写真を見ただけでも、今の機種では判断が出来ない、膝の半月板の損傷もわかりますし、肩の腱板(腕を挙げることに絶対必要な筋肉につながる“すじ”状の組織)の断裂もはるかにわかりやすいです。MRI検査より良く判ると文献にも書いてあるくらいですので、更なる普及を望んでおります。
| 足痛 | 13:30 | - | - | - | - |
足部の痛みでわかってきたこと
 足関節をひねった後、レントゲンで骨折がなかった場合の話です。
前回、捻挫にも軽いものから、ひどいものまであるとお話しました。

84、足関節捻挫のときの重症度の診断は?

 実は、診察だけでは、確信を持った判断は出来ないのです。足の腫れ具合や、動かしたときの不安定感や痛み、などの症状で重症度を予想して、どのような固定するか、決めています。同じような判断で、有名な選手が捻挫したときなど、どれぐらいの期間で治るか マスコミに伝えているのです。

 では、はっきりとわかる方法はないのでしょうか?

 ひとつの方法として、レントゲン透視を見ながら、内返しにひねって、緩み具合を実際にに調べる方法があります。
よいほうの足と比べて、ゆるみが大きければ、靭帯が切れている可能性は高くなります。

問題点
 普通の病院では、レントゲンの透視診断がすぐにその場で行えない のです。例えば、胃透視の検査をしていたら、待たなければなりません。透視を利用する検査が混んでいると、入れてもらえない場合すらあります。(当院では、私しかレントゲンを撮る医師はいませんので、すぐにその場で出来ます。しかも診察室の隣がレントゲン室ですから、時間ロスもありません。)
 当直の時間帯ですと、その場の医師が、レントゲン透視の装置の動かし方がわからないと、出来ません。
 痛みが強いと、内返しにひねると痛いため、力が入ってしまい、実際のゆるみがわからない可能性があります。足関節に麻酔をして痛みを取ってから行うと、確実です。(これは、さらに準備と手技に時間がかかってしまいます。)

 以上の点で、言うことは簡単ですが、通常は、透視装置自体がすぐに使えない上、実際に確実に診断できるように、麻酔をしてから行うことは、困難な場合が多いのが現状です。

では、他に診断できる装置はないのでしょうか?(つづく)
| 足痛 | 10:58 | - | - | - | - |
足部の痛みでわかってきたこと
 かかとの痛みからお話してしまいましたが、今回からは、捻挫のお話です。
足をひねった後、レントゲンで骨折がなかった場合の話です。

83、足関節捻挫にも重症なものがある



 足といえば、捻挫という怪我が代表です。捻挫で傷めやすいところを図示します。(図の赤丸の部分)そのうち、一番動きが大きく、 体重が載る大事な部分は足関節です。



 レントゲンを撮って、骨折がないと一安心してしまう方も多い と思いますが、実はそうではありません。足関節には、大事な靭帯がいくつか付いています。一番大事な靭帯は、外くるぶし(腓骨の外果)から、前下方の、距骨に付いている靭帯(前距腓靭帯)(図の赤丸)です。細い上に、内返しを防ぐ重要な役割をしています。足をひねるといったら、圧倒的に内返し(胡坐をかくときにひねる方向)にひねることが多いのです。それに比べ、内側の三角靭帯(図の青丸)は幅も広く、外返しにひねることは少ない上、一部が損傷するに過ぎません。
 治療法は、これらの靭帯がどれだけ損傷を受けているかで、変えたほうが良いのです。つまり、損傷がひどければ、よりしっかりした固定をする ということです。(前々回述べた足関節の固定方法の違いがその例ですが、詳しいことは後の章でまた述べる予定です。)
 靭帯が、切れている=断裂しているにもかかわらず、固定もせずに、ある程度楽になってそのまま使っていると、しっかりした靭帯が再生しないため、内返しにひねりやすい足になってしまいます。
 そして、ひねることを繰り返すうちに、ゆるい不安定な足関節になってしまい、運動するたびに痛みが出て、激しい運動が出来なくなります。激しい運動をしないので、わからぬままさらに放置しておくと、行き着くところは、変形性の足関節症になってしまうのです。

 今回一番言いたいことは、
 足関節をひねった後、レントゲンで異常がないと足関節捻挫という診断が付きますが、実は、その程度はさまざまで、骨折がないからといって、安心は出来ません。
 では骨折がない場合、靭帯がどれだけの損傷を受けているかどのように判断するのでしょうか。次回はそのお話です。

印象に残る3例の話で、今回は終了します。

1、医師になって、5年目の出張病院のトップの整形外科の先生は、スポーツ好きで、ゴルフもテニスを得意な方でした。整形外科医だけでも10人近くいて、その地の典型的な3次救急の外傷病院でした。ある日、自分がスポーツ?で足関節の捻挫をしてしまい、部下の私たちの前で、いきなり誰かギブスをまいてくれないか というのです。あまり腫れもなく、見た目はたいした感じがなかったのですが、固定をするのが、一番楽で早く 治るからだとおっしゃるのです。結局その場にいた、一番上の先生がギブスを巻いていました。当時から、ギブスといっても、石膏ではありません。プラスティックギブスで軽く、乾けば、すぐその場で体重を載せて歩き出せます。
これは、経験上もっともな意見です。ギブスなどのしっかりした固定をしたほうが早く治ります。ただし、長期間固定しすぎはよくありません。ギブスを巻いたら、やはり邪魔なので取ってくれと来院されて、取ったとしても、3,4日でも固定すると治りが違います。

2、足関節の 靭帯の損傷程度がひどいと判断して、母親にギブスで固定した方が早く治ると伝えて、納得していただいて、ギブス固定をした男の子がいました。次の日、その父親が、血相を変えて、診察室に連れてきました。なぜギブス固定をしたのかと、怒るのです。損傷の程度がひどく、靭帯が切れている可能性があること、早く治ることなど、これがベストとお話しましたが、骨折=ギブス固定いう考えが頭から離れないようで、納得されず、(石頭な方でした)結局カットして、弾性包帯固定としました。

3、西窪病院(武蔵野市にあります。現在は陽和会武蔵野病院です)に勤務してまもなくのころだと記憶しております。
当時、外来に、国学院久我山高校の井口君という方が足をひねったと、来院されました。外来の看護婦さんがその子のことを覚えていて、甲子園に出て4番を打っていたというのです。かなり足が腫れていて、靭帯の損傷がひどい可能性があることと、スポーツに復帰しなければいけないということを考慮して、ギブス固定を薦めました。彼は、当時は無口な青年で、あっさりそれを受け入れ、結局、4週間ギブス固定して、そのあと、2週間弾性包帯固定をして、その後から運動を開始させました。彼の進路が気になったので、必ずニュースで見ていました。高卒ではドラフトから漏れ、青学(青山学院大学)に進学し、その後プロになりました。そう、今はあの有名な大リーガー“井口”です。
 大学時代の彼からして、足の具合が悪いとはとても思えませんでしたので、完治したと確信しております。
| 足痛 | 16:39 | - | - | - | - |
足部の痛みでわかってきたこと
80、足底板に代わるもの2

 簡易テーピングの話をする前に、踵の痛みに関連して追加してお話します。

 足底板をつけることによって、膝の体重の載る位置を変えることも出来ます。踵の外側が斜めに高くなった足底板を付けると、膝が内側に入り、体重は、結果的に膝の外側にかかることになります。(青いラインが膝の中心で、赤いラインが実際の荷重ライン)これは、膝の内側から軟骨が磨り減って変形性関節症になる方がほとんどなため、膝の内側に体重がかかりにくくする、変形性膝関節症の治療になるのです。つまり、膝が悪くても、装具を着ける位置は、足底になるということです。

 この装具の代わりになるものは、すでに、安価に手に入る装具として販売されています。足関節を巻きつけて固定するバンドタイプの装具に楔(くさび)型の固めのパッドを着けたものです。この楔型のパッドの高い方を足の外側にくるように着けて使用します。この装具の方が、足首に巻きつけますので、かかとの上の距踵関節の固定にもなり、足底板より、足関節と距踵関節の安定感が出ます。反面、実際の装着すると、どうしても、踵よりも前の土踏まずの外側にパッドが来てしまい、外側への体重の荷重の移動は、少なくなります。(踵が逃げますので、膝が内側に入りにくくなります。)
 これらの装具は、膝の形を矯正するものではありません。歩くときに装着して、膝が内側に入るようにするのです。つまり、歩くとき、膝が内側に入るように歩き方を変える、そのような格好で歩くように癖を着けるための装具と考えてください。(歩き方、=歩容に関しては、一考があります。後日、“膝”のところでお話できれば、と考えています。)
 踵の外側を持ち上げる形は、丁度踵を外返しにする方向です。そこで、この方向に踵の底を回して、テープで引っ張って固定する方法も行ってみました。膝の内側に体重が乗る歩き方ですと、踵は内返しになり、テープに下腿の外側が引っ張られる形になりますので、テープに引っ張られないように歩け と指導してみましたが、効果はほどほどで、このテーピングをした上で、+足底板がよいと考えています。

 足底板の話のついでに、靴装具のお話を簡単にします。足底板を靴の中に入れるのが、うまくいかない方は、自分に合う靴ごとつくります。土踏まずが上がっていたり、前足の底の部分が持ち上がっていたり、最初から、靴底をそのような足底板と同じ形状につくっておきます。もちろん、外出するときだけで、家の中では使えません。家の中でも使える前回お話した袋入りのものが別に必要です。過去には、両方作った方もおりました。
 装具なので、おしゃれなデザインの靴は無理ですが、靴屋さんでこのような特注の品を頼むと、すぐに20〜30万かかってしまうそうです。この装具用の靴ははるかに安いです。7、8万円ぐらいで出来、(今はもう少し高いかもしれません。)装具なので、書類を書いて市に提出すれば、そのうちの7割がさらに戻ってきますので、かなり割安です。ただし、自分用の特注の靴をつくるというのは、靴の専門家ではないので、型を取って、仮あわせ、完成、修正の繰り返しが何回かいるようで、かなり大変です。今の医院の混雑状況では、とても診ていられず、残念です。
| 足痛 | 09:58 | - | - | - | - |
足部の痛みでわかってきたこと
 かかとの痛みに有効なもうひとつの治療法が、足底板です。足底板は治療用装具のひとつです。

79、足底板(そくていばん)の効果に代わるもの

 勤務医時代は、装具作成業者に病院に週2回など、定期的に来てもらって、いろいろ装具を作って治療の補助としていました。仕事の内容は、型を取って装具を作成することが、メインです。(本人の型を取りますので、オーダー服だと仮縫いに相当する仮あわせというものが必要になります。)装具には、腰にはめるコルセット、膝や足関節を固定する装具など、いろいろ種類があり、既製品ならスポーツ用品店でもかなり高価なものまで、売っています。病院、医院では、おおむね1万円以下の料金の装具は、そのまま仕入れて、患者さんに直接販売?(=実費となります。)、装着できるのですが、それ以上の高額な装具(膝のバンド付きの固定装具など)になりますと、既製品でも、必ず装具作成業者を通さないと患者さんに装着できません。(=仲介業を通さなければならないということです。)装具業者を通しても、一時的にその装具の料金全額を払わなければならないのですが、後ほど書類を書いて市に提出すると、負担金以外の通常7割の健康保険負担分の料金が戻ってきます。(償還制度といいます。)したがって、スポーツ用品店から実費で購入するよりは、結果的に安くなります。
 足底板は、そのうち、価格が1万円以上する、装具作成業者を通さなければ手に入らない装具です。足の底に装着して、使用します。シリコン製で、靴の中に直接入れて使ったり、(ただしきつい靴では駄目です。)袋の中に入れて足に装着出来るタイプのものが便利です。

 土踏まずを支えたり、前足の指の付け根を支えたり、かかとを浮かす形に支えるタイプのものもあり、歩くときに使えば、つぼ刺激にもなり、治りがかなりよくなります。=前足部の痛みには、前足の裏にパッドのようなでっぱりがあるものが効果的でしたし、足の甲の骨折などの、外傷後にも、体重を乗せるときの支えになって、つぼ刺激にもなり、回復がかなり早まります。
 かかとの痛みに関しても、勤務医時代は、足底板を使って治療をしていましたが、だた、足底を支えるのがメインで、かかとと、その上の距骨との関節(距踵関節)の固定は出来ませんので、前回お話した、テーピングで、この関節を制動して+足底板で、踵への衝撃を和らげ、土踏まずを支えることが、ベストと考えています。


 いろいろな装具治療をどんどん薦めればよいではないか と思われるかもしれませんが、実際は、

 患者さんが、一時的にも、高い装具料金の全額負担を嫌がる、(驚く)場合が多い。
 装具が必要であることの説明をして、納得していただくことが必要。(時間がかかる場合があり、今の医院の混雑状況では説明する余裕がありません。)
 作った装具を指示通りに着けてくれない。靴の中に入らないので使えないなど。
 絶対に必要な場合(側わん症の装具療法、膝の靭帯断裂に使用するバンドつきの膝装具、先天性股関節脱臼の装具療法など)はあまりない。
 このようなことで、開業して、装具作成業者に定期的に来てもらって、装具をどんどん作成することは、無理と判断しました。(側わん症は、脊椎の専門の先生へ、膝の靭帯断裂で、装具治療、あるいは、手術が必要と思われる患者さんは、膝の専門の先生へ、先天性股関節脱臼は小児股関節専門の先生へ紹介しております。)

 この装具に変わるものとして、工夫して行ったのが、簡易テーピング(簡単に出来るテーピングなのでこの様に呼ばせていただきます。)です。(つづく)
| 足痛 | 12:53 | - | - | - | - |
足部の痛みでわかってきたこと
78、踵の痛みに関連するテープ固定

 私が行っているテープ固定は、本に載っているものとは、若干違います。誰でも簡単に取り替えられるように、簡単にしてあります。ちょうどシップを止める感覚です。(これらのテーピングに関しては、後の項で詳しく述べる予定です。)使用しているテープもテーピング用のものではなく、シップや、ガーゼをとめる医療用の伸びるテープです。キネシオテープをやや強くしたような感じです。

かかとと上の距骨の間(距踵関節)に関して
 かかとを外返しにすると痛みが出る方が多いです。かかとのまわりの関節を動かして痛みが出る場合は、まず、この外返しで痛みがでてくる方が、ほとんどです。中には、内返しの方向で痛みが出る方もいます。そこで、外返しで痛みが出る方は、かかとを外返しにならなりにくくするように、内返しの方向に止めます。かかとの外側から足底を通して、内側に引き上げます。(図2のテープの固定)内返しで痛みが出る方はかかとの外側から、足底を通して外側に、逆方向に引き上げます。

 図2

かかとと、前足部の間に関して
 前足部を内転方向に動かすと、つまり、かかととその前の立方骨の内側の間を圧迫する方向に動かすと、痛みが出る場合が多いです。前足部が、内転方向になりにくくするように、外転方向に=足先を外に向かせる方向に、足の外側からかかかとを回して、内側に水平方向に引っ張ってとめます。(図2の2)外転方向に動かして痛みが出る場合は、この逆に引っ張って止めます。
通常のかかとの痛みには、この2つの方向で止めています。

アキレス腱部の痛みに関して
 上の2方向の固定に足底からアキレス腱の方向に、かかとの後ろの部分を引き上げるように固定します。(図2の3)合計3方向で固定します。

シンスプリント(下腿骨骨膜炎)に関して
 下腿骨の内側の部分の骨膜炎、あるいは、そのすぐ後ろの筋膜炎の痛みの場合です。10代の激しい運動をするスポーツ選手に多く見られます。
 このときのテーピング方法を本で確認しましたが、私が行っている、かかとのテーピングと同じ方向に固定していることがわかりました。つまり、上記の3方向の固定の、内側に引き上げるテープと、アキレス腱の後方を引き上げるテープを長くしているだけです。私は、さらに、下腿の筋肉を緩めるように、後方から、前方に横方向に引っ張るテーピングを加えることを薦めます。(図2の4)症状が強い方で、運動を休むことが出来ない状況にある方に、この4方向で止めて、運動するように薦めています。
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足部の痛みでわかってきたこと
77、子供から大人まで訴えのある かかと(踵骨)の痛み


 図1
 図1は、足関節からかかとの骨(=踵骨(しょうこつと読みます。))の模型図です。実は、踵の骨と、足関節の間にもうひとつ距骨(きょこつ)という骨があります。
 子供だと、かかとの後方にある成長線(赤い斜めのライン)、骨端核(赤い斜線の部分)の痛み(=いわゆる成長痛と呼ばれるもの)、 
大人だと、かかとの足底部(赤い○2)やアキレス腱が付いている部分(赤い○1)の骨棘(きょく)形成などが特徴的に見られますが、実際に痛む場所に大きな差はありません。
 以下は大人も、子供も共に痛みが出る場所です。
 かかとの足底、アキレス腱の付いている部分、アキレス腱そのもの(赤い縦のライン)、かかとの側部、かかとと、その上の距骨とのつなぎ目の関節(距踵関節)、これは、ほとんど足首くるぶしの尖端の位置に近く(図2の青いライン=外くるぶしの尖端と距踵関節は同じレベルの高さにあります。)、足関節の痛みと間違うことも多いです。

 図2
 開業当初は、超音波治療(私の薦める治療52,53、ホームページ参照)のみを行っていて、なかなか治らない方が多いのが、悩みの種でした。(軽い方は、超音波治療ですぐ治ります。)痛みが強ければ、副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)の注射を打つと楽になるのですが、一時的に注射の刺激で痛みが強くなる方もいますし、痛みがよほど辛くなければ、注射を希望する方は少ないのです。ましてや、お子さんの場合は、普通この注射は行いません。
 開業後、しばらくして、関節運動学的アプローチ(腰痛32など参照)の考え方を取り入れましたが、この考えを基にして、治りにくい方には、かかとと、距骨の間の関節を、引っ張ったり緩めたりする治療を加えて、いくぶん、改善率が上がりました。

 図3
 急速に改善率が上がったのは、一人の男の子の患者さんを診ていて気づいたときで、さほど前ではありません。その子は、両側のかかとをかなり痛がっていて、診察のときに、関節運動学的アプローチの治療を行おうとして、かかとをひねったときです。ぎゃっ といって痛がったのです。かかとをひねるとは、内返し(内反)=内側にひねる 外返し(外反)=外側にひねる (図2の赤色の矢印)ということで、かかとと、その上の距骨との間の関節を動かすことになります。つまり、この関節を動かすと痛がることがわかったのです。また、前足部と、かかとの骨を動かしても痛みが出ました。これは、踵骨と立方骨の間の関節にあたります。図の3の赤い矢印の方向に、足先を外に向かせる外転と、内側に向かせる内転方向に動かします。
 
 図4
 痛みが出にくいそれぞれの方向で、テープで止めてみました。(図4)テープで止める治療は、開業してまもなく始めていましたので、応用すれば簡単でした。(テーピングの簡単に出来る方法は、後の項で述べます。)テープで止めておくと、かなり順調に痛みが改善したのです。
 そこで、大人で踵に痛みが出る方にも、この踵の周りの関節を、動かして確かめるようにしました。すると、何人かに一人は、この関節を動かすと、痛みがやはり出るのです。そのような方を含めて、痛みがなかなか取れない方に、必ず、このテープで固定する方法を追加してみました。すると、痛みは、改善してゆくのです。
 それでもよくならないときは、踵にパッドを当てると改善します。残念ながら、足の装具や、サポーターは、かかとがあいているものが多く、当院では、短めの厚手の包帯に、ガーゼでパッドを作って当てています。これらの固定は、歩くときは、出来るだけしてもらいますので、原則的には、朝つけて、夜風呂に入るときはずすように指導しています。
 この、テープ固定でよくなるということは、かかとの骨(踵骨)の周りの関節が弱いため、踵の周囲の痛みが出る ということに他なりません。
 その後、この固定でよくなる症状は、踵の周りの痛みだけではなく、前述した、アキレス腱そのものの痛み、(アキレス腱周囲炎)下腿骨骨膜炎(シンスプリント)や筋膜炎なども、そうです。踵の周りの関節の状態が悪い(弱い)と、これらの症状になりやすいのかということが、わかってきたのです。
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