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赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
本に載っていない整形外科の話
 

首が痛い!2

 

前回から話を進めて、今回のテーマは

 

痛みが首のどの部分から出ているのかわからないことも多い!

→なぜ痛みが出たのか、原因がわからない!ことも多い。

原因がわからなくてもよいのだ。

痛みが取れて治るのだから、それでよい と考えよう!

 

原因がわからない など、なんだか心配な、無責任な話かもしれませんが、それで、一向に構わないのです。

ときどき、痛みの原因を気にする方がいますが、首が痛い で、悪い病気の確率は非常に低くなります。原因を追究することは、辞めたほうがよい のです。

原因を気にすると、痛み も治りません。

 

では話を始めます。

 

首の、どの部分から痛みが出ているか、診断は難しい

悪いところがあっても、そこから痛みが出ているとも限らない

 

レントゲンで椎間板の悪い部分があったとします。

症状が出ないこともある ということは、そこから痛みがでないこともある。

ということが、前回の話でした。

これは、一方では、首が痛い といって来られた方が、レントゲンなどで、悪いと診断された部分から痛みが出ているとも限らなくなる。 ということです。

人は誰しも、前回述べた、変形性頸椎症の変化が年を取ると生じてきます。しかも、何箇所にも生じる方もいます。そのような方が、首が痛いと来られると、悪い部分が何箇所もあるため、逆に、どこから痛みが出ているか わからなくなります。

例えば、第4,5頚椎 第5,6頚椎 第6,7頚椎に変化があったとします。ちょうど前回もお出しした写真図の様に です。

一番痛みがでそうな原因部位は、第5,6頚椎間だろうと推測できても、確定は出来ません。

あるいは、診察所見で、全くそれらの変化のある部位から痛みがでていない と推測できることもあります。

 


今お話した、これらの変化は、レントゲンでわかります。

腕に行く神経(神経根)の圧迫は、斜めから取るレントゲンが一番よくわかります。


脊髄を圧迫されているだろうことは、横からの撮影
(側面像)でわかります。

=脊柱管の幅が狭く写ります。

ただし、MRI検査で確定することは必要です。特に、脊髄の圧迫は、レントゲンでわからない箇所もよくわかります。たとえば、写真図の例で、側面像で、第5,6頚椎は、脊柱管も狭く、脊髄も圧迫されている所見があったとします。しかし、MRI検査では、加えて、第4,5頚椎間にも脊髄の圧迫所見が生じていた などわかるからです。

 


痛みがでている部分を確定するには、その悪くなっている部分から出る神経に麻酔剤を注射して、いつもと同じ痛みが再現された、その後、いつもの痛みが消えた と、なった時です。これは、診断にもなりますし、治療にもなる注射治療です。

この治療、レントゲンの透視を見ながら、注射針の先がその悪くなっている=原因と考えられる場所に当たっているか 確認する必要がありますので、すぐに、いつも、簡単に出来ませんし、受ける側も、注射治療は いやなはずです。

 
したがって、

首が痛い で、

痛みが出ている首の原因部位の診断は難しくなります。

 

→首が痛い と来られた方が、痛みが首のどの部位から出ているかわからない ことが多い。 

となります。

 

なぜ、椎間板ヘルニアになるのか その原因は?

 

人によって、変形の程度が違うのは?

 

 

椎間板ヘルニアになりやすい方の遺伝子レベルの研究が、現在進んでいます。

なりやすい方と、なりにくい方がいるのは、遺伝子で決まっている
ということです。

同じく、関節の軟骨が弱くて、変形性関節症、変形性脊椎症になりやすい方と、なりにくい方がいる 


遺伝子によって、なりやすさが決まっているなら、その体質は、親子で遺伝する可能性がある 

親が椎間板ヘルニアになったなら、その子供もヘルニアになりやすい ということです。

 

なりやすい方は、日常の生活の負荷で、ヘルニアになる可能性があります。

つまり 原因なし でもです。

また、運動などで、首に負担をかけていたり、むち打ちのように振られたり、咳をして椎間板の圧力が上がったり、首を傷めた時はもちろんヘルニアになる可能性が高くなります。

 

 

関節運動学的アプローチで痛みの出所がわかることがある。

 

関節運動学的アプローチ は、関節を動かして痛みを抑える運動治療手技のひとつです。 痛みの原因の根本は仙腸関節にあり、関節のずれを矯正して痛みを抑える という考えがありますので、整形外科では、手技として正式に認められていません。そもそも、すべての痛みの原因が仙腸関節にあるとは考えられません。

また 関節のずれ とはなんですか ということになります。

前回もお話しましたが、この ずれ は 変形 ではありません。

したがって、レントゲンではわかりません。

ただ、レントゲンでわからないほどのずれがあって、それを矯正すると痛みが楽になる

ということは事実です。


首が痛いとき、首をひねってギクンと鳴らしたら、痛みが楽になった 時などです。

これは、首の横、後方にある椎間関節のずれが、矯正された と考えます。

この考えや手技は、整体、マニュピュレーションなどの痛みを改善するときの考えです。

これを、正式な医学として理論付け様としたのが、関節運動学的アプローチです。

この関節運動学的アプローチの手技では、関節をひとつひとつ動かしますので、動かした時に、痛みの原因となっている関節では、いつもの痛みが起こる可能性があります。これを再現痛といいます。

治療するために、関節を動かすのですが、痛みが再現されるために、その関節が、痛みの原因になっている と、診断も出来るのです。

 

首では、棘突起(きょくとっき)を動かすことで、棘突起の部分、あるいは、同時に動く、椎間関節からの痛みが再現されます。 動かして痛みが出る棘突起(正確には、棘突起をつないでいる棘間靭帯)と、椎間関節が、痛みの原因と推測できます。


また、第1肋椎関節を動かすことでも、痛みが再現されます。この関節は、首の横の痛みや、肩こりの原因となります。近くに、腕に行く神経も通りますので、腕の痺れの原因になることもあります。ただし、整形外科では、第1肋椎関節の障害の診断治療は教科書に載っておりませんし、腕の痺れの原因とは考えていません。


逆に椎間板ヘルニアが原因の痛みや、痺れは、この手技で、痛みがでない と感じております。椎間板は、椎体と同じ頚椎の前の部分にあり、この治療手技では動かないため、と考えています。

 

レントゲンで異常がないと、頚部筋筋膜炎 という診断名をつける

 

先に述べた、関節運動学的アプローチで、椎間関節の障害ですと、首の横を支える筋肉の痛みがでますし、第1肋椎関節の障害は、僧帽筋の痛みになり、肩こりの原因になる場所です。この関節運動学的アプローチ手技で痛みの原因部位がわかっても、レントゲンでは、異常が出ません。

 

そこで、つける病名が、頚部筋筋膜炎です。

首を支える筋肉、あるいはそれを包む筋膜の炎症によって、痛みが出ている という病名です。

レントゲンで、異常無しの時に、あるいは、首のどこの部分から痛みが出ているかわからない時にも つける病名 ということになります。

 

 

炎症が強い と首が動かなくなる 

が、痛み止めがよく効く

 

この筋膜炎は、実際に炎症が強いと、首が痛くてほとんど動かせません。

急に来ることもしばしばです。

なぜ、痛くなったのか、原因がわからないことが多いのですが、風邪を引いている時や、引いた後 起こることもあります。

炎症を抑えて痛みを取る、いわゆる消炎鎮痛剤(=痛み止め)を飲む(内服する)と楽になってゆきます。

つらい時は頚椎を固定して、頭部を支える頚椎カラーをして回復を待ちます。これは、首を固定するというより、頭部を支えて、首に重みがかからないようにする装具です。強く締めれば固定が強くなって効果があがる わけではありません。

数日で強い痛みを取れてきます。

 

環軸椎回旋位固定(かんじくついかいせんいこてい)は 大人でもそこそこなる可能性あり

 

首が動かなくなる病気として、第1頚椎=環椎と、第2頚椎=軸椎の間で頚椎がロックする、環軸椎回旋位固定(かんじくついかいせんいこてい)という病気もあります。

特に、左右に首を回旋させる=振り返る動作 と、首を横に傾ける動作 が出来なくなります。

レントゲンでは、正面からの撮影で、軸椎と、環椎が左右非対称にずれて写ることがあり、確定できます。ただし、第1頚椎、第2頚椎は、のどの奥に位置しますので、口を大きく開けて撮影しないと、正面ではわかりません。通常の正面の撮影ですと、口を閉じて撮影しますので、写りません。

 

口をあけてレントゲンを撮る機会が少ない ので、見過ごされることが多い と推測されます。

 

小学生ぐらいのお子さんは、首が痛くなると、この病気のことが多く、痛みで、首が曲がって顔が横を向く、斜頚位(しゃけいい)を取るのが通常です。

が、大人では 斜頚位をとらない ことも多いので、 さらに見過ごされやすくなります。

 

お子さんでは、風邪の後、炎症が起きてこの場所に来ます。また、首をグキンとするような、外傷でも起こしますが、原因がわからないこともあります。

大人の方は、風邪の後や、グキンときた時よりも、朝起きたら痛かった、寝違えたらしいなど、原因がわからないことが多い 印象です。

青年〜中年はもちろん、老年の方でも起こしている方を経験しましたので、意外に多いのではないかと 推測しています。

 

治療は安静です。痛みが強い方は、頚椎カラーで、頭部を支えます。

お子さんでは、運動など、暴れることも制限させます。

やはり、痛み止めの内服がよく効きます。

通常は、数日でどんどん楽になって、首が動くようになります。

 

肩甲骨部分が痛む、神経炎の話

 

首の位置とは少し離れますが、肩甲骨部分に痛みが出るときの話です。

 


痛みの原因部位は、3つあります。

1、肩甲骨の内側へは、首からの神経が来ていますし、肩甲骨を回って肩関節に行く神経も、首から来ていますので、首が悪くても、この部分に痛みがでます。

 

2、肩関節の動きが悪くなっている時、それを無理に動かして使っていますと、肩甲骨も動いて、肩関節の動きの悪い部分を補いますので、肩甲骨に負担がかかって痛みが出ることもあります。

 

3、肩甲骨は頚椎の下部の胸椎の横にありますから、胸椎が悪くても、痛みが出ることがあります。

 

これらの原因のうち、首(頚椎)と肩(肩関節)、どちらも原因になっていると考えられることもありますし、どの部分が原因になっているか わからないこともあります。

 

検査で、変形性○○症になっていても、痛みがその変形部分から出ているとは限らないのですから、レントゲンを撮っても、確定は出来ません。

 

経過を診て、どこが一番の原因か=悪いのか わかってくることもあります。治療していると、初日と、2回目、3回目の診察所見が変わってくる事もあるからです。

 

ただし、通常は、痛み止めなどの治療 が効果があり、治ってゆきますので、どの部分が原因か をつき止めなくても、心配要りません。

 

最後に肩甲骨部分に激痛が来るときのお話をします。

 

原因なく肩甲骨から肩関節にかけての痛みが来ます。時々 来るのではなく、波があってもほぼ常に痛い状態の時です。

診察所見では、痛いだけ でほとんど異常がなく(=首や肩関節を動かしても痛みが強くなりません)、レントゲン、血液など検査しても異常が出ません。MRI検査でも異常が出ません。=椎間板ヘルニアなどが原因ではない ことを意味します。

ウイルスが神経に着いたときの激痛と考えています。=ウイルス性神経炎

後になって、肩関節を外に回す力が落ちると確定ですが、筋力が落ちないこともあります。


痛みがでてから数日後、水泡状の発疹が出たら、帯状疱疹です。水疱瘡(みずぼうそう)のウイルスが神経に潜んでいて、体力、免疫力が落ちた時に、神経に炎症を起こす病気です。

他のウイルスが同様なことを起こしても、おかしくないと考えます。ただし、発疹は出ません。

 

通常は、2週間ぐらいで治ります。その間は、神経を麻酔剤でブロックしても、完全に痛みを取ることはできませんので、痛みがある程度楽になるように薬を使って待つことが一番です。

 

 

今回お話では、主に、首が痛い と受診しても、原因がわからないことが多い +原因がわからない首の痛みの話をしましたが、

心配なさらないでください。

炎症を抑える治療が効きますし、経過とともに治りますので、安心してください。

| 本に載っていない話 | 19:33 | - | - | - | - |
本に載っていない整形外科の話
 

このたびの震災で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
医院から離れられず、節電に努めております。

新シリーズを始めてみます。

本に載っていない整形外科の話

 整形外科の病気、病気でない病気、痛みの病気

整形外科外来医師の本音

 

整形外科に来られる患者さんは、痛み を訴えてくることがほとんどです。

骨折すれば、もちろん痛いですし、首が痛い、肩が痛い、腰が痛い、膝が痛い、などいろいろです。そこで、痛みの病気 の話 と思いましたが、今までの経験で、いろいろ感じていることを、述べていきます。

整形外科の病気を、一般向けの医学関係の本に載っている部分を主にお話したのが前回のシリーズです。今回は、病気の紹介にプラスして、本には載っていない部分のお話を、上半身から順にいたします。その途中途中で、病気として認められない、病名が付かない病気、痛み を強く訴える病気などを、整形外科医の本音を交えて加えさせていただきます。多くの患者さんを診てきて、教科書に載っていないことも、いかに多いか と、つくづく感じているこの頃です。加えて、患者さんが思い違いしていること?も お話してゆきます。

ただし、診察する側の立場からの、しかも、私の個人的な意見がありますので、あしからず。

 

タイトルは迷いました。

整形外科の(病気の)本に載っていない部分の話 ですから、これをタイトルのメインとさせていただきました。

実際の内容は、整形外科外来に来る方の病気の紹介と、病気でない病気、痛みの病気、そして、医師の本音の話 が加わります。

 

  

首が痛い!1

 

肩が痛い と来られる患者さん、実は肩こりを起こす部分が痛い こともしばしばです。

肩こりの部分は、僧帽筋という筋肉の部分の痛みです。これは首からの痛みに入ります。医学的に肩は、肩関節の腕の付け根の動く部分のことを指します。

 



頚椎椎間板ヘルニア という病気

 

椎間板は腰だけでなく、頚椎にもあります!

 

頚椎椎間板へルニアは、首は痛くないことがあります

 

ヘルニアとは、もとの位置から、飛び出る という意味です。

椎間板が飛び出るのが、 椎間板ヘルニア です。

図のように神経が圧迫されます。この神経は腕にいきますので、神経が行く先の筋肉や、皮膚の感覚が麻痺します。痛みやしびれも、その神経に沿って出現します。

→腕の痛み、手の痛み、やしびれ、だけのことがあります。

首周囲に行く神経もありますので、首の周囲から痛みが出始め、次に腕の方に痛みが来ることが多いです。



レントゲンだけ見て、頚椎椎間板へルニアです。 とは診断できません。

 

椎間板ヘルニアの症状は、診察でわかります。診察をしなければ、レントゲンだけでは診断できません。レントゲンでは、椎間板や、神経などの軟らかい(軟部)組織は写りません。悪くなっている椎間板は、高さが狭くなることがあります。この所見は、レントゲンでもわかりますが、実際に、椎間板が飛び出ているかどうかまでは判断できません。



診察で椎間板ヘルニアの症状がわかります。


 顔を斜め上方に向く形で、頚椎を反らすと、
上肢に痛みが入ったり、腕や手の皮膚の感覚が鈍くなっていたり、腕の一部の筋肉の力が入りにくい などの診察所見があると、頚椎椎間板ヘルニア と診断します。ただし、この所見、椎間板ヘルニアであっても出ないこともあります。あしからず。



今は、MRI検査で判断できますので、便利です。

 

MRIは、核磁気共鳴装置という検査です。レントゲンではありません。一言で言うと、

強力な磁気をかけた部屋で、ラジオ波を当てて体の中の水素原子を動かしてその変化の違いを捉えて、コンピューターで計算して画像に表します。

椎間板などの軟部組織がよく写って、ヘルニアもわかります。

 

首が痛いといってこられた方で、椎間板ヘルニアになっている方は少ないです。

 

椎間板ヘルニアは整形外科の病気でもよく知られていますが、実際の頻度は多くはありません。10名に1人いない印象です。

 

椎間板ヘルニア があっても症状が出ないこともあります。

 

MRI検査で椎間板ヘルニアがわかっても、症状が出ていないこともあります。

これは、椎間板へルニアになって、治療したにもかかわらず、ヘルニアが残ったとします。にしても、症状は改善します ということ にもなります。

 

椎間板ヘルニアは引っ込むのでしょうか?

 

残ってしまう場合と、引っ込む場合がある はずです。3.4ヶ月が目安です。症状が改善してもう一度MRI検査を受ける機会は少ないので、確定できる機会は少ない と考えます。

 

変形性○○症という病名

首では、変形性頚椎症

 

まず変形とは、

ずれ ではありません。

 

レントゲンで、この部分が変形しています と説明すると、次にその患者さんが、先生にずれている といわれた と訴える方が多い ので、また、看護師でも、変形=ずれである、は正しいと考えている方も多い ので、この言葉を説明します。

ずれる という表現は、整体師さんなどが、皮膚の上から見て、この脊骨のこの部分がずれているので矯正します という表現をされる場合が多い と考えています。背骨を皮膚の上から触れるのは、中央後方部の棘突起(きょくとっき)と呼ばれる部分です。背骨がまっすぐでも、頚椎では、この棘突起の形や、向きが少し違うために、一直線に触れない方がいます。もちろん、背骨が曲がっている 側弯症(そくわんしょう)の方は、曲がって触れますし、肩の部分が左右非対称になったりして、ずれていますね、 と表現されます。

 

背骨は正面から見るとまっすぐで、横から見ると、首は、前に凸のカーブを描くのが正常です。

横から見て首がまっすぐな状態を、ストレートネックといいます。

=痛い ではありません。

頭の重みを支えるには、首がカーブしている方がバランスがよいので、ストレートですと負担がかかりやすく、肩こり、痛みは出やすくなります。あるいは、痛みのために、首がまっすぐに固まっている可能性もあります。

首が痛いとき、レントゲン側面で頚椎がまっすぐなのは、痛いため固まってしまっていてまっすぐなのか、もともとまっすぐなのか区別つかないことも多いです。



レントゲンでは、ずれる というと、骨折が転位する 関節面がうまくかみ合っていない、脊椎が前後方向にずれて並んでいる(脊椎すべり症) など になります。

 

変形とは、

 

骨と骨の間のクッションである椎間板、軟骨などが傷んできて、骨と骨の隙間が狭くなる。

痛んできた部分の骨と骨の衝撃を和らげようと、接触面積を大きくしようとして、骨がとがってくる =骨棘(こつきょく)が形成される。

骨同士が衝撃を受けて、次第に硬くなってくる(レントゲンでは白っぽくなる)
衝撃に耐えかねて壊れてくる(レントゲンでは、輪郭が不正になったり、黒く抜ける部分が出てきます。)

 

このような変化です。

変化の進行具合も、この順序になり、普通は、徐々に年とともに進行します。

ですから、変形=ずれ ではありません。

また、これらの変化は、程度の差こそあれ、誰でも、年とともに、どこかには、生じてくるものです。

 

したがって、変形性頚椎症は、図のような変化になります。




変形性○○症=痛い ではありません。

 

誰でも、年とともに、すくなからず起こす変化、が変形性○○症です。

必ずしも、痛みが出るとは限りません。

初めて首が痛い といってこられた、中年の方、レントゲンを取ると、すでに、この変化が見られ、ある程度進行していることもしばしばです。

急に生じたわけではありませんので、変形が起こっていても、痛みとして感じていなかった期間が長い ということです。

 

変形性○○症 は、元に戻らない でも、症状が出なければ それでよい

 

年齢的に進行してゆくので、その形を元にもどす ことは、若返らせる ことと同じです。

現代の医学では不可能です。

もう変形していますから、なおりません。といわれても、

これは、変形していることが、なおらない のです。

変形していて元に戻らないからといって、悲観なさらないでください。

症状は取れる可能性が高いのです。

痛みが出ないことも多いのですから、痛みがなくなれば、元の生活が出来るようになることも多いのです。

 

変形性○○症 の根本的治療とは、痛みを出なくすること でよい です。

 

よく痛みを取ることは、症状を和らげる だけで、根本的治療ではない という表現がありますが、形は、元に戻りませんから、痛みを取ること が根本的治療になります。

変形性○○症 は、元の形にもどすことは現代の医学では不可能ですから、元にもどすという意味の、根本的治療は出来ないのです。

椎間板ヘルニア も手術すれば元の形に戻る ではありません。

椎間板の中味を取ってしまいますから、クッションの役割が弱い椎間板が残ります。

元のよい椎間板の状態にすることは不可能なのです。

 

ではどのような時に、変形性頚椎症で痛みが出るのでしょうか?

 

頚椎症性神経根症(けいついしょうせいしんけいこんしょう)

 

変形性頚椎症により、神経根が圧迫されている時の病名です。

頚椎の椎間板が悪くなって、間隔が狭くなり、骨がとがってきます。腕へ行く神経の出口の方にとがってきて、神経を刺激します。椎間関節の関節軟骨がすり減って、隙間が狭くなり、それを修復しようとして骨がとがってきても、腕に行く神経を刺激する可能性があります。

このような状態で、症状が出た時が、この病気です。

神経は首の周囲にも行きますから、首も痛くなりますし、腕が痛い、痺れる、進行すると、感覚が鈍くなる、筋力が落ちるなど、椎間板ヘルニアと同じ症状になります。

この状態があっても、神経の周りに炎症を起こす、神経の血流が悪くなる などの状態が重なって症状が出ます。

症状が出ない時期、出ないことも多く、症状が取れることが治療になります。



頚椎症性脊髄症
(けいついしょうせいせきずいしょう)

 

変形性頚椎症により、脊髄が圧迫されている時の病名です。

頚椎の椎間板が悪くなって、間隔が狭くなり、それを修復しようとして、骨が椎間板後方にとがってきたとき、椎間関節の骨が、脊柱管のほうにとがってきたときなど、脊柱管が狭くなった時に症状が出ると、この病気です。

腕に行く神経と違って、脊髄そのものが圧迫されます。

首の部分の中央部分より下でよく起こりますので、

その圧迫部分の脊髄より下から出る神経の症状になります。

それらには、腕、指先へ行く神経、脚へ行く神経、膀胱直腸へ行く神経が含まれます。

 

典型的な症状の進み具合は、

最初は、手が痺れます。脊髄が均等に圧迫されますと、両手が痺れます。

次に、指先の細かい運動が出来なくなります。箸を使う、ボタンをかけるなど

脊髄ですから、脚にも神経が行っています。

次に、脚がつっぱってきて、うまく送れなくなります。階段でつまづきます。

脊髄には、膀胱や直腸へ行く神経も通ります。

最後に、残尿、尿漏れ、尿が出にくい、便秘など、膀胱や直腸の障害が出てきます。

 

椎間板が中央に飛び出しても、つまり、頚椎椎間板ヘルニアでも、この症状は出ます。

もともと(生まれつき)、脊柱管が狭い方が起こしやすくなります。

この状態でも、全く症状が出ない方も多いです。

外傷や、繰り返しの首への負担などが原因で、症状が出たり、進行したりします。

しかし、症状が出ているすべての例が、このように進行することではありません。

長年、治療をすれば、進行は防げる、あるいは改善している方もいます。

これが、外来での治療目標になります。

症状が進行してゆく場合は、頚椎の脊柱管を広げる手術以外に進行を防ぐことが出来ません。

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