RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS

09
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--

赤坂整形外科

院長のオリジナルの考えをのせています。今までの考えを残してゆくつもりで筆を執りました。読み物だと思ってください。
腰痛でわかってきたこと
36、持続的牽引療法で思いついたこと

外来で行う骨盤牽引は、強い力で、引っ張って、緩めて、また引っ張るという繰り返しで、間欠牽引と呼ばれます。それに対し、牽引方向は同じでも、弱い力で、持続的に引っ張る治療が持続牽引療法です。腰も、首もありますが、これは、入院をしたときに行う治療で、外来では行えません。入院して行う治療ですので、外来では我慢できない、治療できないほどの痛みの方に行うものです。

治療方法(身体につける引っ張る装置と引っ張る方向は同じ)が同じなのですが、意味合いはまったく違うものと考えます。間欠的に強く引っ張る治療は、筋肉のストレッチにもなり、運動療法の一種、  持続的に弱く引っ張る治療は、腰や、首の安静を保つ作用が主と考えます。
この治療は、ベットの上で寝ていて行うものです。腰痛や、首痛で悩まされている私は、ふと、家のベットでも行えないかと考えました。

ベットに引っ張る装置などはとてもつけられませんので、重力を利用して引っ張るだけでも違うのではないかと考えました。そこで、ベットの頭側の脚の下に、厚めの電話帳を挟んでベット全体を傾けてみました。さらに、首の方が、緩やかに高くなるように、枕に、タオルや、バスタオルを引いて、なだらかな傾斜を造ってみました。そこに寝てみると、なんとなく、腰が引っ張られているような感じがしました。首も傾斜で引っ張られているような気がしました。どれだけ腰痛や、首痛に効果があるとは断言できませんが、少なくとも、腰首が、重い、だるい、痛だるいなどの状態なら、改善します。今は、頭側の脚下に電話帳2冊挟んで、さらに傾斜を強くしています。ちょっとした、腰痛、首痛は、寝ている間に改善してしまいます。また、常にこのベットで寝ていると、痛みは出にくくなっていると感じています。朝起きるときだけ、腰の痛い方、あと少しで、腰や、首の痛みが楽になりそうな方、腰や、首の痛みが出そうな方、ぜひ、ベットを工夫してみてください。
| 腰痛 | 10:05 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
35、プロテック治療の効果と欠点

 この治療器械を入れてみて、短期間のうちにわかってきたことを述べます。普及している器械でないため、他の文献など、どこにも書いていない記述があると思います。

 仙腸関節が痛みの原因で、股関節が固くなってきている方、胡坐をかくポーズがとりにくい方が最もよい適応です。長い間、かたくなって動きにくく(開きにくく)なっている方(=腰脚症候群の方、15、腰脚症候群の症状で述べました)は、なかなかやわらかくなりません。今までは、私自身が、関節運動学的アプローチや、大腰筋ストレッチで、行っていましたが、この治療を加えることで、効果倍増です。実は、私自身で行う運動治療が少しでも楽になれば、私が施行する人数が減れば と考えて、2台も一挙に入れました。
 急性期の腰痛にも、効果抜群です。痛みが強くて、骨盤牽引を行うと悪化すると考えられる方でも施行できます。ただし、腰椎の圧迫骨折など、骨を直接傷めた場合、スポーツや、力仕事で筋肉、筋膜そのものを傷めた場合、運動治療の一種ですから、悪化します。運動がうまく出来ないほど、歩行能力が非常に落ちている、筋力がない方にも、きつくなります。椎間板自体の損傷(急に出た椎間板ヘルニアなど)は、重力で牽引され、椎間板の圧力は減少すると考えられますから、動けないような激痛でなければ、効果があると考えます。仙腸関節の障害も、大腰筋を緩めて動かすことで、効果がありますし、坐骨神経が、臀部の出口の筋肉で直接圧迫されている梨状筋症候群の方にもある程度効果がありました。

 痛みに敏感になっている“痛みは気から”の方も、やっているときと直後はよくても、後から激痛を訴えてくる方がいます。この運動方法が、合わない、刺激が強すぎたと判断しています。”痛みは気から“で、痛みを抑える神経がほとんど働いていないと、仙腸関節の関節運動学的アプローチや、大腰筋ストレッチも辛くてできません。これらが何とか行えるので、大丈夫と判断してプロテックをしてみたところ、痛みが辛くなりました。したがって、最も痛みに敏感な方は、仙腸関節の関節運動学的アプローチも行えない、次が、仙腸関節の関節運動学的アプローチが出来ても、大腰筋ストレッチができない、さらに大腰筋ストレッチが出来ても、プロテック治療が出来ない方の順になります。運動治療の強さに言い換えると、関節運動学的アプローチがもっともマイルドで、次に大腰筋ストレッチ、次がプロテック治療となります。(運動治療の中では、関節運動学的アプローチ、大腰筋ストレッチについで、マイルドと述べました。(前回、第28回))

 この治療方法は、日本より、アメリカで注目、評価されているため、アメリカ人の体格に、大柄の方に会うようになっています。そのため、背の低い方、やせて細い方、特に骨盤が細い方は、横止めのバンド?がうまく止まらず、次第に下に落っこちてしまったりして、うまく行うことが出来ない場合があります。うまくはまったときは気持ちよいのに、股関節の運動をしているうちに、下に落ちてきてしまって、落ちないように必死でこらえている状態で、とても気持ちよく行える状態でなくなります。そのため、不快感が残り、結局何日も続けることが出来ません。
| 腰痛 | 21:11 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
今年になってから導入した新しい治療器械の話をお話します。ホームページには紹介しておりません。

34、新しい運動治療器械 プロテック治療

この治療器械では、腰を、重力の重みで自然に引っ張ると同時に、股関節を自分で動かし、筋肉をほぐして、痛みを取ります。中央の椅子に座わった後、骨盤の上部から胸部の下部を太い横バンド?で固定して、臀部が乗っている椅子を少しずつ下げてゆき、臀部を浮かすようにして、身体の重みで、自然に腰を引っ張ります。強い力で引っ張る骨盤牽引とは違い、よりマイルドな牽引です。急性期の腰痛にも効果があり、骨盤牽引よりは、施行後に辛くなる方が少ないのが特徴です。運動治療と考えると、関節運動学的アプローチ、大腰筋ストレッチ、に次いで、マイルドに治療を行える器械と考えています。

 この治療器械は、股関節を自分自身のペース、やり方で動かします。右の腰から股関節の動きが悪い方は、右を中心に脚を動かします。股関節部や、脚に痛みが来ない方は、自然に腰を垂らしたままでもかまいません。自分で行う、大腰筋を緩めながら動かす治療であり、腰痛の原因が骨盤の方にあるときに、特に有用です。関節運動学的アプローチや、大腰筋ストレッチの理論にも合うことが、理解できます。
 しかし、骨盤牽引しか行わない整形外科では、本当に腰の痛みが取れるのか、疑わしく思うようで、まだまだ普及していません。実は、私も開業当初から、存在は知っていたのですが、当時は、疑わしく思っていました。関節運動学的アプローチも、大腰筋ストレッチも、開業して数年経ってから取り入れた治療ですので、この治療器械が、大腰筋の運動治療を行いながら、腰痛を治すという、考えに当てはまっていることに気づいたのは、最近です。大腰筋を伸ばして行う治療が、大腰筋ストレッチ、股関節を曲げて、緩めながら行う治療が、このプロテックです。(骨盤牽引は股関節を充分屈曲するとこの筋肉のストレッチではありませんが、股関節を伸展して牽引すると、大腰筋の強力なストレッチです。通常は、股関節を屈曲させて、出来るだけ90度ぐらいまで屈曲させて行うことが望ましいのですが、中には、股関節を伸ばして行ったほうが気持ちよいといって、自分で勝手に膝枕をはずして、股関節を伸ばして引っ張られている患者さんもいました。)
 股関節を伸ばして行う大腰筋の治療が効果があるのなら、曲げて行う治療も同じく効果があるはずと、気づいたのが、ごく最近ということです。効果があることを確信していましたので、一度に2台入れました。今では、骨盤牽引より、はるかに多くの方に受けてもらっています。

エピソードを追加します。
 この治療器械を見たいと連絡して、デモの器械を持ってきた方は、自らこの器械を考案した方でした。名刺を見て、義父と同じ珍しい名前でしたので、出身を聞いたら、なんと義父と同じところの出身で、遠縁に当たる方でした。義父は、当院の理事で、経理、税務、事務担当で、器械の購入も、責任者ですので、話しがトントンと進んだのは、言うまでもありません。
| 腰痛 | 14:55 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
33、関節運動学的アプローチ手技から、考えられること

前回の話に補足します。
治療を行ってきてみて、最大の印象です。腰痛と限らず、仙腸関節から、腰椎、胸椎、頚椎、第一肋椎関節が原因の痛みの治療に関して、特に言えることです。

“痛みは気から”になっている、=痛みに敏感になっている方、に、診断に有用であることは前回述べましたが、治療にも有用です。“痛みは気から”の方とは、自律神経の調節障害や、精神的障害から、痛みを強く感じている方です。より、具体的に言いますと、更年期障害や、自律神経失調症、調節障害で、痛みが出ている方、うつ状態、うつ病で痛みが出ている方、肉体的、精神的ストレスで痛みが出ている方、などには、この治療を行うことで、楽になる方が非常に多いのです。このうち、医学的に自律神経の調節作用があることは、証明されていますが、それ以上に、“気”から痛みをつらく感じている方に効果がある印象です。

“痛みは気から”になっている方の特徴として、整形外科の診断で異常が出ないことがほとんどです。レントゲン検査でも、異常が出ないか、椎間板の狭小化、骨棘などの変化が軽度あるのみで、診察で、異常がありません。とか、たいしたことがないので心配要りません、と言われる場合が多いのです。ところが、関節運動学的アプローチ手技で、治療を行うと、その原因となっている関節を動かしたときに、痛みが出て、そこが痛みの原因だとわかる場合が多いのです。それが、仙腸関節や、第一肋椎関節、椎間関節である場合がほとんどです。つまり、関節運動学的アプローチ手技を行うことで、診断にもなり、同時に治療にもなります。加えて、私が行っている、大腰筋ストレッチも、診断兼治療になり、“痛みは気から”の治療になると考えています。

 痛みを訴える患者さんで、整形外科的診断(レントゲン、MRIなどの画像診断も含む)、関節運動学的アプローチ手技、大腰筋ストレッチ(14で述べたように、足の脈の変化も診る)、+まだ述べていませんが、漢方医学的な診断でも、すべてで異常が出ない場合は、精神的な痛み(痛みを脳で感じているだけで、うつ病、心身症の一症状)と診断します。

 関節運動学的アプローチ手技や、大腰筋ストレッチは、このような異常がほとんど出ていないような、自律神経や、精神的な部分の影響の大きい痛みの治療に有用です。自律神経失調症や、精神的疾患の程度がどれくらい重症までの方に有効かはわかりませんが、ある程度の軽い方ならば、 有用である と考えています。

話はさらに飛躍します。
 関節運動学的アプローチ、大腰筋ストレッチは、運動治療手技の一種だと述べましたが、すべての運動には、このような”気“を調節する作用があると考えています。(気功もこの一種です。)
 つまり、自分にあった、楽しいと感じる運動ならば、”気“を調節する作用があり、少しぐらいの自律神経の調節障害や、精神疾患ならば、改善する効果がある と考えています。ただ、このような状態では、運動が出来ない状況にある方がほとんどです。
 どれぐらい運動するのか、どの運動がよいのか、これは一言では言えないと思います。それぞれの方によって、違いますし、それぞれの方が自分で見つけるほうがよいと考えています。歩くのもよし、ジョギングするのもよし、体操するのもよしです。決して、無理やり行うのは駄目、やり過ぎ(一生懸命やること)は駄目で、自分で、楽しい、心地よいと感じる、少な目の程度でよいのです。
| 腰痛 | 15:55 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
腰痛の治療とは限らず、関節運動学的アプローチの有用な部分をお話します。

32、関節運動学的アプローチとは、どのようなものか

 関節運動学的アプローチ(AKA博田法)とは、具体的にどんな治療かは、解説書ではありませんので、お話しませんが、イメージとして、マッサージを受けていると思われる患者さんが多いことです。しかし、筋肉をほぐすわけではなく、関節を運動学的にスムースに補助するように動かす治療です。関節を引っ張ったり緩めたりして、内圧を変化させ、関節液の流れを良くする手技もあり、これは、マニュピュレーション手技にもあり、同じ考えです。
 仙腸関節が治療手技の中心にありますが、関節運動学的アプローチによる仙腸関節から痛みが出ていることを診断する診察手技も大いに役立ちます。整形外科の診断方法に加えることで、私の言う腰脚症候群の診断のひとつにもなっています。
  
 関節を、運動学的にスムースに動かす治療ですので、関節が固くなって動きが悪くなっている患者さんに行っても、従来のリハビリテーション方法より、改善が早い印象です。
 簡単に言いますと、関節を動かすときに、引っ張りながら、伸ばしたり、縮めたり、曲げるときは、動きがスムースになる方向に押しながら曲げたりします。ただ単に、力ずくで曲げる、伸ばすではありません。

 関節を動かすときに、痛みが出ることもあり、一つ一つの関節に行うことで、どの関節が痛みの原因になっているか、診断できることがあります。つまり、整形外科の診断方法にプラスすることで、より、診断精度が増すと考えています。
 例えば、足の甲の部分は、中足骨、足根骨といって、いくつかの骨が集まって出来ています。そのひとつひとつの関節を動かすことによって、どの関節で痛みが出るかで、痛みの出ている関節がわかることがあります。

 整形外科では、首、上肢の痛みや、上肢の痺れの原因と考えられていない、第一肋椎関節も、痛みの原因とされています。第一肋椎関節は、図の赤い矢印の部分で、首の付け根の左右、やや下方に位置し、肩こりの原因部位にもなります。この関節の治療手技を行うことで、痛みが再現されますので、ここが痛みの原因部位と診断できます。この関節からの痛みに対しても、改善の悪い方は、レントゲン透視を見ながら、ブロック注射治療しています。こちらは、小さな関節ですので、痛みの原因になっている方は、仙腸関節ブロックに比べて劇的に除痛効果があります。

 これらの、仙腸関節、第一肋椎関節で痛みが出ている方の中には、整形外科の診断では異常が出ない上、同時に、同じ側に痛みが出ている方がいます。痛みが長引いている方、交通事故後の方に多く、“痛みは気から” になっている(=痛みに敏感になっている)方に非常に多く見られます。特に事故後で、最初は首の痛みだけであったのに、痛みがなかなかひかない状態になると、今度は腰が痛くなるのす。この場合は、ほとんど同じ側の仙腸関節から痛みが出ています。このように“痛みは気から“の方は同時に痛くなる場合が多いので、治療をまず、仙腸関節から行う、仙腸関節が痛みの根本だという考えになるのです。

 さらに、関節を動かしたときの、痛がり方で、痛みに敏感になっているか、そうでないか判断できることもあります。この治療手技は、私の考えでは、運動治療手技の中では、もっとも緩やかに、やさしく行うことが出来るのですが、それでも、痛みが強くて、ほとんど施行できない方もいます。大きな外傷で、ひどい骨折がある方は、行えないのは当然ですが、そうでない方でも、“痛みは気から”で述べたように、この治療法が痛くて全く行えない患者さんがいます。このような方は、痛みを抑える神経がほとんど働いていないと考えられ、治療は要注意と考えています。治療後に痛みが辛くならないような、出来るだけ刺激の少ない治療方法がよいと考えています。神経ブロック治療は、効果がほとんど見られないばかりか、刺激が強いので、痛みに特に敏感になっている箇所(痛みの暴発部位)に当たると、痛みをどんどん脳で感じてしまい、どんどん辛くなり、その痛みを抑えることが出来ないと、上肢、下肢、一本動かなくなった例もあり、避けるようにしています。

 関節運動学的アプローチの考えで、関節の“ずれ”を治すことで痛みを取る、仙腸関節が痛みの根本部位など、すべてがそうだとは、整形外科医としては、納得できない部分もあるのですが、とにかく、関節運動学的アプローチは、整形外科の診断治療を補うばかりでなく、痛みの敏感度の目安にもなり、普段の診療で非常に有用だと感じておりますし、重宝しております。
 
| 腰痛 | 08:34 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
31、関節運動学的アプローチの考えが、整形外科で認められにくい、もうひとつの理由

 前回までお話ししてきた、関節の“ずれ”を矯正(=整形外科では認めにくい考え)し、関節の運動、関節液の流れをスムースにして、痛みを取る運動治療手技が、関節運動学的アプローチです。さらに、この考えでは、すべての痛みの根本は、仙腸関節の“ずれ”にあるとしていて、治療はまず、仙腸関節から開始するように記載されています。首が痛くても、まず、仙腸関節から治療開始です。仙腸関節とは、図で、赤く斜めに走る大腰筋の後ろにあり、骨盤を構成する後方中央に位置する仙骨と、その左右にある腸骨をつなぐ関節です。皮膚の上からですと、臀部の少し上の左右に位置します。一方、整形外科では、腰痛は、腰椎の中に原因を求めます。(11、整形外科の腰の病気は、ほぼ腰椎部分に限られている で述べました)仙腸関節が、原因だとは、認めにくいのです。このことも、関節運動学的アプローチの考えを、整形外科には受け入れ難くしています。すべての痛みの根本は仙腸関節にある とは私も考えにくいのですが、関節運動学的アプローチ手技で治療すると、よくなる方は大勢いるので、仙腸関節を腰痛の原因とするところは、その通りと考えています。この考えは、私の腰脚症候群(11、で述べました=腰椎部分以外の仙腸関節、大腰筋が腰や脚の痛みの原因となる)という考えの元になりましたし、腰痛は、整形外科では治らない、骨盤のゆがみから来る、など、医師でない方の書いている本を理解する根拠になります。裏を返せば、整形外科の治療では治らない方が大勢いるので、接骨医、整体師、カイロプラクティック、他の民間療法があるのですし、治療を受ける方が大勢いるのです。
 実際、仙腸関節が痛みの原因になっているかどうか、ブロック注射治療して確認しています。現在の医院には、レントゲン透視装置がありますので、この関節を見ながら、(丁度、斜めうつ伏せに寝てもらうと、きれいに関節の隙間が見えます。)注射します。施行後、痛みが楽になる方がいますので、この仙腸関節から痛みが出ていると診断できます。(大きな関節ですので、よい場所に注射針が入らなかったり、変形が強くて、入らない方もいます。)かといって、この関節が痛みのすべての原因になっているともいえません。腰椎椎間板ヘルニアがあって、明らかにそちらからの痛みもある方が、同時に、仙腸関節からも痛みが出ている方も多いのです。

 一方、整形外科でも、この仙腸関節(=仙骨)を中心と考えている部分(表現)はあります。身体の中心から、遠い方を、遠位(中心より遠い位置にある)近い方を、近位(中心により近い位置にある)という言葉があります。たとえば、前腕に骨は二つあり、トウ骨、尺骨と呼ばれ、肘に近い方を近位、手に近い方を遠位と呼びます。つまり、身体の中心に近い方が近位、遠い方が遠位です。手首に近いトウ骨の骨折は、トウ骨遠位端骨折と呼ばれます。病名は、近位にある骨に対して、遠位にある骨がどう位置、状態にあるかで決まります。たとえば、股関節が脱臼するというのは、骨盤(より身体の中心に近位にある)に対して、大腿骨(骨盤より身体の遠く、遠位にある)の股関節部分(大腿骨骨頭)が外れることをいいます。脊椎では、上部にある、頭に近い方の骨が、下部にある、仙骨に近い方の骨が、どのような位置にあるかで、病名が決まります。第4頚椎脱臼といったら、下に位置する第5頚椎に対して、ひとつ上の頚椎が脱臼しているという意味で、第4頚椎が遠位、第5頚椎が近位に位置することになります。第5腰椎すべり症といったら、遠位にある第5腰椎が、ひとつ下にある仙骨に対してすべっているという意味になり、最終的には、仙骨が最も近位にある(=身体の中心にある)という解釈になるのです。
| 腰痛 | 08:35 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
 関節の“ずれ”に関して、前回、否定的なことばかりを述べてきましたが、今度は、肯定的なことを述べます。
 確かに、グキンと矯正治療をしたら、痛みが楽になることがあります。私も腰痛のとき、自分で勝手に脚を後方に上げてひねったときに、グキンと感じて痛みが楽になったことがあります。このことがあるので、何とか医学的な治療に結び付けようとして考案されたのが、関節運動学的アプローチ=AKA博田法です。
 今回の話も、まったく腰痛と関係ありませんので、ご了解ください。

30、整形外科の“小児肘内障”は、関節の“ずれ”だ。

 整形外科が認めている疾患(=病気)でも、この“ずれ”を整復する(矯正する)治療があります。小児肘内障がそうです。これは、関節の柔らかい子供の腕を急に引っ張ったとき、腕を痛がってだらんと垂らしてしまう状態(病気?)です。肩が外れたわけではないので、肩のところを触っても痛がりません。肘のトウ骨頭が、少しずれて、痛くて、腕が動かなくなる状態です。レントゲンを撮っても異常は出ません。整復方法があり、戻ったときに、コクンという整復音を指で感じることが出来ますので、ずれていたのが、はまった と確認できます。
 もう少し詳しく述べます。手をつないでいて、急に腕を引っ張ったときにおこすことが多いのですが、そうとも限りません。見てないところで、腕をひねったりしても起こします。特徴は、大きな損傷を起こすはずのない軽い怪我?=動作で、腕が動かなくなるのです。年齢は、1歳以下でも起こしますし、7歳で起こして来院された子供も経験しました。ただ、身体が柔らかい幼少のころに生じるので、年長になると、見られなくなります。お子さんによっても起こす子は、右をやったら、左、そしてまた右をと、何度も来院されますし、起こさないお子さんは、全く起こしません。
 整復手技は決まっているのですが、簡単に戻るお子さんと、戻りにくいお子さんがいます。戻りやすいお子さんですと、母親が服を着替えさせるときに戻ってしまっていて、来院されたときには異常がみられません。逆に、何度行っても、誰が行っても、どうしても戻らないお子さんも、まれにいます。受傷後、すぐに来院されて、整復する方が戻りやすく、次の日にこられると、戻らない確率は高くなります。ただ、戻らなくても、放置しておいても、4日ほどで、元のように動く様になりますので、心配は要りません。戻した後も、しばらく痛がっていても、10分もすれば、元のように万歳をしたり、使うようになり、特に、整復後の処置もいりません。

 この、レントゲンでわからない関節の”ずれ”は、肘だけに起こるとは、限らないはずです。脊椎の後方左右にある椎間関節、仙腸関節、にも起こってよいはずです。これらの考えを元に、考案されたのが、関節運動学的アプローチ治療手技と考えています。ただ、一部の整体やカイロで行う、急に動かす粗暴な?整復(=矯正)ではなく、もっと、緩やかな整復方法と考えてください。
| 腰痛 | 07:25 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
 今回からの話は、私が運動治療手技のひとつだ と考えている、関節運動学的アプローチについてです。以前13では、この治療手技をどのようにして受け入れたかを中心にお話しましたので、より詳しく述べてゆきます。まず、関節の“ずれ”という考え方が、基本にありますので、そのお話からです。今回は、“ずれ”という考えの否定的な部分です。

29、関節の“ずれ”は、整形外科では認められていない?

 整体や、カイロプラクティックで、関節をグキンといわせる(マニュピュレーションも)と、痛みが楽になることがあります。しかし、これらの治療は、認められている現代医学ではなく、医師が行うものではないのです。そこで、これらの治療手技を、医学的に取り入れて、考案されたものが、関節運動学的アプローチで、AKA博田法と呼ばれます。
 痛みは、関節の“ずれ”から起こるもので、その関節の“ずれ”を矯正し、痛みをなくすという考えが、大きな柱です。
 残念ながら、関節の“ずれ”という考えを、整形外科では認めていないと思います。“あなたはここの骨がずれている”といわれて、そこを矯正する?治療は、すべて、整体師や、カイロプラクティック施術者の言うことで、整形外科医は言いません。実際、そこから痛みが出ているとは限りません。レントゲンをとっても、その骨がずれては写りません。“ずれ”という言葉は、整形外科医は嫌っているのではないでしょうか。私は嫌いです。

 患者さんにも、”ずれ“”ずれている“という言葉を好む方がいます。医師側は、レントゲンを説明する時に、椎間板が、狭くなっている、椎間板のところの骨が変形している、(=骨棘といって、骨がとがってくる変形)と説明をしても、その患者さんは、次に外来にいらした時に、”骨がずれているといわれたので、・・・・“という具合です。特に首の骨の変形に関して多く言われる傾向です。”ずれている“と言う表現は、レントゲンでは、脊椎の椎体骨(図で背骨 腰椎の部分)のすべり症になります。一つ下の椎体骨に対して、上の椎体骨が、前方にすべっている(ずれている)などと表現します。つまり、それ以外では、”ずれています“という表現は、医師はしないはずなのです。患者さんが、”ずれている“と言われたと、思い込んでいるのです。
 では、“ずれ”とは何なのでしょうか。
 整体師や、カイロプラクティックの施術者が、背骨に対して言うのは、背骨の後方真ん中にある、棘突起(図で黄色い神経の 後 にある骨)と呼ばれる骨の並びが、一直線にないことです。これは、人それぞれで、棘突起の向き(左右への)や、大きさ形が、それぞれの椎体(例えば第3腰椎と第4腰椎)で違う為です。レントゲンでは、背骨(椎体部分)は真っ直ぐに写ります。しかも、その見た目にずれている部分で、痛みが出ているとは限りません。そこの骨を、グキンと言わせて戻したら、痛みが取れるとは限らないのです。椎間板ヘルニアを起こしているときなど、逆に、痛みが強くなって辛くなることもあります。
 以上のように、整形外科医が、関節の“ずれ”という表現を嫌うことが、関節の”ずれ”を元にもどす治療を行う、関節運動学的アプローチの考えを、まだ、完全に認めていないことにつながっていると考えています。


 補足として、
 肩の高さが違う、脚(足)の長さが違う、というのも、ほとんど見た目の表現です。中には、骨の形の異常?で、肩の高さが違うこともあります。軽い側弯症がある、頚肋(第7頚椎の横突起が長く、肋骨のようになっている)がある などです。脚の長さにいたっては、骨盤の傾斜があるために長さが違って見えるのがほとんどです。股関節の形が違うと、脚の長さは違ってきますが、そのような方は、まれです。骨の形に異常があり、肩の高さや、脚の長さが違っている場合は、矯正して治す治療を受けても、元からその形なのですから、効果があるとは考えられません。一方、姿勢で、癖で、そのような体勢をとっている場合は、矯正して治す治療を受ければ、身体のバランスがよくなり、痛みを含めて、体調もよくなることは考えられます。いわゆる ゆがみ の治療です。左右対称の姿勢の方が、バランスもよく、痛みも出にくい と考えます。
| 腰痛 | 15:06 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
 前回、骨盤牽引は筋肉をストレッチする効果があるので、運動療法(運動治療)の一種という、私の考えを述べましたが、大腰筋ストレッチも運動治療の一種です。運動治療といっても、体操療法などの自分で行う運動ではなく、器械や、他人の力を借りて行う、受身の運動治療です。運動治療と考えると、身体にどれだけ負荷がかかるか、強い弱い(重い軽い)があります。
 受身で行う運動治療は、大腰筋ストレッチ、の方が軽く、骨盤牽引は、強い力で引っ張りますので、最も強い方の、治療になります。関節を動かすという考えに基づく治療も、関節動かす運動治療の一種と考えると、関節運動学的アプローチや、マニュピュレーション(整形外科でも腰痛の治療にあります)という治療手技があります。これらを含めると、身体にあまり負荷がかからない、弱いほうから、関節運動学的アプローチ、大腰筋ストレッチ、マニュピュレーション、骨盤牽引の順になるでしょうか。そこに、もうひとつ加わったのが、最近当院に取り入れて行っている、プロテック治療です。(ごく最近なので、ホームページにも載っていません。後日、詳しく述べる予定です。)この治療は、急性期の腰痛にも、効果が高く、大腰筋ストレッチの次に、負荷がかからない、運動治療器械と考えています。したがって、関節運動学的アプローチ、大腰筋ストレッチ、プロテック治療、マニュピュレーション、骨盤牽引の順に身体に負担がかからない となると考えています。

今回から、私が運動治療の一種と考えている治療の説明をしてゆきます。

28、大腰筋ストレッチ治療について(14、の再掲載、復習)

 大腰筋とは、腰椎から、仙腸関節の前を通り、股関節についている腰から骨盤を支える大きな筋肉で、左右両方にあります。この筋肉は、股関節を持ち上げる、腰、骨盤を支える、などの重要な作用があります。この筋肉の力が落ちると、小股歩きになる、下腹部が出てきて垂れ下がる、腰の痛みが出やすい、などの症状が出ます。腹筋、背筋を鍛えるより、この筋肉を鍛えることが、腰痛予防により効果的であると考えています。

 このベットサイドに脚をたらして、引っ張る治療は、もとは埼玉県の先生が、錘をつけて15分ぐらい引っ張っておくと効果があると医師会雑誌に記載していました。なぜ効果があるのかわからないと書かれていましたが、私は、関節運動学的アプローチの考えで、治療を行っていましたので、すぐに大腰筋のストレッチになっていると気づいたのです。そこで、この脚をたらして引っ張る治療を行ってみたところ、痛くて出来ない方、引っ張ると痛みが来る方、気持ちよく感じる方など、いろいろな反応があることがわかりました。前の医院では、15分も錘をつけて垂らしておけるベットがありませんでしたので、引っ張ったり緩めたり、診察でちょっと繰り返して行うだけでしたが、これだけでも効果があり、腰痛だけではなく、下肢のむくみ、だるさ、変形性股関節症などにも効果があることがわかってきました。大腰筋だけでなく、大腿四頭筋(太ももの前にある筋肉)、ふくらはぎの筋肉を含めて緩めたり、縮めたり行えますので、筋肉のポンピングになり、静脈や、リンパ流の流れを改善させるので、むくみがある方にも効果があるのです。さらには、足関節、踵の関節運動学的アプローチ治療も同時に行うことができますので、診断兼治療にもなり、有用です。
 変形性股関節症で、痛みを強く訴えてこられる方は、この大腰筋で痛みが出ている方が多く、関節運動学的アプローチ治療手技に基づく仙腸関節の運動治療と、このストレッチ治療、超音波治療を併用すると、驚くほどに楽になる方がいて、実際は関節自体単独で痛みが出ている方は少ないと考えています。
| 腰痛 | 14:29 | - | - | - | - |
腰痛でわかってきたこと
 今回から、注射以外の手術をしないで治す治療をお話してゆきます。
まず、整形外科で手術、注射以外の、腰の治療、首の治療といえば、骨盤牽引(腰椎牽引)、頚椎牽引です。整形外科を開業すると、広いスペースがある医院では、この牽引装置が4,5台並べて置いてあり、整形外科の保存的治療の主力です。つまり、腰痛=骨盤牽引をするというルーチーン治療があたりまえなのです。

27、骨盤牽引は効果のある治療なのか?

 腰痛で来院した患者さんは、激痛でない限り、すべて、骨盤牽引の治療をするという考えには、私は、以前より疑問でした。開業前勤務していた病院は、リハビリ室がなかった  にもかかわらず、小さな診察室に、2台置いてありました。最初は、2台とも活動させていたのですが、次第に骨盤牽引を行わなくなったので、勤務期間終わりの頃には、一台は、患者さんの注射するための診察台と変わっていました。現在の医院でも、広いリハビリ室があるにもかかわらず、一台しかありませんし、それも概ね空いていて、待つことなく治療が受けられる状態です。

 外来で行う骨盤牽引は、骨盤にベルトを巻いて、股関節を適度に屈曲した姿勢で、下肢の方向に強い力で引っ張って、緩めて、また引っ張るということを繰り返す治療です。椎間板の圧力を弱めてヘルニアを整復する、筋肉をストレッチするなどの効果があります。筋肉のストレッチというのは、言い換えれば、筋肉トレーニングを形を変えて行うことと同じで、一種の運動療法と考えられます。したがって、急性期の腰痛に行うと、引っ張って逆に痛みが強くなる方も多く、最近では、力をかけて引っ張るということはよくないという考えも出てきています。さらに、引っ張って患者さんにつらくなったといわれると、医師の側もイヤになってしまうので、行わない医師も出てきているようです。私もそうです。患者さんも治療を受けたのにつらくなると、次に同じ治療を受けたくなくなりますが、実はこのつらくなった後、楽になる方も多く、効果はあると考えています。
 では、引っ張ってすぐに楽になる患者さんだけを受けさせればよいと思われるでしょうが、実際、どの腰痛の患者さんが引っ張ると楽になるかわからない ので、全員牽引してしまうという事態になるのです。目安として、一種の運動治療と考えると、動くことが困難なほどの腰痛には、無理と考えます。急性期でも、腰の動きがよい方、腰痛が長引いていて、疲れてくると痛くなる方などには、効果があると考えています。
 この、どの腰痛の患者さんが引っ張ると楽になるかわからない ことが、長年、私の悩みの種でもありました。診察で引っ張ったら楽になる患者さんを見分けられないかと、色々行ってみました。頚椎牽引の方は、患者さんに座っていただいて、あごと首の後ろを支えて、引っ張りあげて、効果があるかないか確認が出来ます(力は要りますが、身体の重みで、頚椎牽引と同じように頭部だけを引っ張りあげることが出来ます。)が、腰の場合は、寝て、腰を引っ張る体勢で、実際に引っ張ろうとしても、非常に力が要ります(体重の重い方は引っ張れません。)し、体重の軽い患者さんは身体全体が引っ張られて下のほうにずれてきてしまい、効果があるか確認できない場合が多いのです。
 そこで、今の医院に移転するときに、(開業は2000年で、2005年に今のところに移転しました。)患者さんがぶら下がって腰を伸ばせる棒を診察室に設置しました。腰を伸ばせて気持ちよければ、腰を引っ張る治療も気持ちが良いはずです。しかし、実際行ってみると、特に女性の方など、下半身の重みに比べて上半身の力が弱い方は、ぶるさがることで腕の方が辛く、腰の具合までわからない方も多いのです。(=引っ張られて、腰が痛いか、気持ちよいか解らない。)現在は、まず、寝ていて、向きを変えたり、起き上がるときに強い痛みが出ないこと(骨盤牽引をした後、起き上がれなくなる方がいますのでこれを指標にしています)。それに、大腰筋ストレッチ(ホームページ参照 14、大腰筋ストレッチでも述べました。)を行い、これで気持ちよく感じる方は、まず、骨盤牽引を行っても気持ちよいので、必ず、診察のときに確認して骨盤牽引を行う指標にしています。骨盤牽引は、股関節を曲げた状態で、このストレッチは、股関節を伸ばしたまま行う、という違いはありますが、ともに牽引する(=引っ張る)治療ですから、わかりやすいと思います。
| 腰痛 | 13:06 | - | - | - | - |